25 / 75
第四章文化祭でもお兄ちゃんは勝手にしちゃいけないよ!!
4-5楽しい一日のはず?
しおりを挟む「お兄ちゃん、さぁさぁ♪」
私は上機嫌でお兄ちゃんの腕を取る。
だって今日はお兄ちゃんは私の言う事聞いてくれることになっている。
お兄ちゃんには私の恥ずかしい姿見られちゃったけど、おかげでこうして今日一日はお兄ちゃんは私のモノ。
自然とにやけてしまう。
「由紀恵ちゃん、ちょっとくっつきすぎじゃない?」
「せ、先輩も歩きにくいですよね!?」
「うらやましい‥‥‥」
何故か家に一度集合してから私の登校と一緒にみんなもついてくる。
「由紀恵ちゃん~、今日最終日だねぇ~もう受付の仕事終わったから今日はめいいっぱい遊べるねぇ~」
紫乃はにこにこしながらパンフレットを見ている。
しかし私には昨夜練りに練ったデートプランがある。
そして、きっと今日はこうなると思って途中でお兄ちゃんと二人っきりになれるように策も練ってある。
「なぁなぁ友也、お前のいた中学って文化祭結構大々的にやるんだな!?」
「まあなぁ、この界隈だと一番でかい中学だしな。いまだに生徒数も多い。剛志たちの中学はやらないのか?」
「うちは人数少ないから二年に一度だな。それもしょぼい内容ばかりで招待客以外の参加は無い。つまんねぇやつだったよ」
親友その一はそう言って両手を頭の後ろに持ってきて空を見る。
天気は上々。
秋に入り始めたこの頃は天も高くなってきている。
私は文化祭の最後にあるキャンプファイアーに期待をしている。
我が校の伝説ではそのキャンプファイアーで最後に一緒にオクラホマミキサーを踊るとその二人は恋人になれるという言い伝え!
これはぜひお兄ちゃんと踊らなければならない!!
そしてそれまでにこいつらを引き離さなければならない!!
私は静かにその決意をもう一度固めるのだった。
* * * * *
「んで、長澤ぁ、貴様生徒会としての見回りはどうした!?」
「ああ、来賓が有るので私はそちらに。昨日は私がしっかり見回りしていましたから今日は親族の人たちの案内です。先生方には既に了解取ってありますから」
取りあえずお兄ちゃんたちを私たちのクラスの研究発表に連れてきていたらちょうど生徒会の見回りで会長と出会ってしまった。
「ふん、それなら仕方ない。天川行くぞ」
新田会長はそう言って向こうへ行こうとすると‥‥‥
「あれ? 由紀恵の知り合い?」
お兄ちゃんがちょうどこちらに来た。
「ああ、お兄ちゃん。こちらはうちの生徒会の新田生徒会長です」
「これはこれは、長澤さんのお兄さんですか? 初めまして新田泉一郎と申します。長澤さんにはいつも生徒会を手伝っていただいて大変助かっておりますよ!」
‥‥‥おいっ、誰だお前!?
何このものすごく低姿勢!?
しかも当たり障りのない社交的トーク!?
「ああ、何時も妹がお世話になっています」
お兄ちゃんも一応年下相手にちゃんと挨拶している。
すると会長は「それではまだ見回りが有りますので、失礼します」と会釈して去っていった。
「しっかりしている生徒会長さんだな?」
「‥‥‥うん、まあねぇ」
ジト目で見送るあたしは生返事しか出来なかった。
* * *
「友ちゃん、かき氷だって!」
「長澤君、あれ面白そうよ! 恋愛占いだって!!」
「先輩、ダーツやってますよ! あ、景品のぬいぐるみ可愛い!」
「コスプレ記念撮影‥‥‥ 長澤君と‥‥‥」
既にお兄ちゃんを誘惑するあれやこれやを言い始めるみんな。
しかしここまでは予想通り!
「ねぇねぇ、それより演劇部の一般向け公演がもうじき始まるわよ? 先にそれ見に行かない? 良いよね、お兄ちゃん?」
「ああ、そうだな。由紀恵がそう言うなら」
ふっふっふっ、お兄ちゃんは約束通り私の意見を最優先してくれる。
だって今日は一日私の言う事聞いてくれるのだから!
とりあえず飲み物だけ購入して一同体育館へ。
並べられたパイプ椅子に座ってもうじき公演が始まる演劇部お芝居が始まるのを待つ。
しかしここで私は通路の端にお兄ちゃんを座らせその横に私が陣取る。
「あれ? 由紀恵ちゃんもっと真ん中の席空いてるよ~?」
紫乃が余計な事を言う。
しかしそこは計算済み。
「うん、始まっておトイレ行きたくなっちゃったら動きづらいからね。これって四十五分くらいあるもんね」
ちゃんと言い訳も考えてある。
そしてうちの演劇部!
実はうちの演劇部はかなり成績が良くて全国のコンクールにまで出場するレベル!
今回のお題は恋愛をモチーフにした「ロミオとジュリエット」という金字塔!
噂ではコンクールに入選した作品らしいのでここで高橋静恵や矢島紗江、泉かなめを引き離すチャーンス!
私はひそかに演劇が盛り上がる頃にお兄ちゃんとお手洗いに行くことにして抜け出す計画。
ふっふっふっ、さあ、見ていなさいよ!!
* * *
「ううっ! なんでそこで自分で短剣刺しちゃうのよ! ああっ! 毒飲んで後追っちゃうなんてぇっ!!」
「はい、由紀恵」
「あ゛り゛か゛と゛う゛、お゛兄゛ち゛ゃ゛ぁ゛ん゛っ!!」
私は目から流れる汗で前が見えなくなっていた。
そんな私にお兄ちゃんはそっとハンカチを差し出してくれる。
「ちーんっ!」
「なんか由紀恵ちゃんってこういう話弱いよねぇ~」
紫乃にそう言われるけど、分かるのよ、引き離される二人の愛が!!
‥‥‥ん?
あ゛っ―!!
しまった、あまりにも演劇部の公演が素晴らしくて最後まで見ちゃった!!
「うん、中学生の演劇にしては良かったね、思わずほろりと来ちゃった」
「大丈夫か高橋? お前がこう言うの弱いの意外だったな? ほれ」
そう言ってお兄ちゃんはポケットティッシュを渡す。
「もう、長澤君のバカぁ、でもありがと‥‥‥/////」
えっ?
何それ?
高橋静恵のお兄ちゃんに対する好感度が上昇している!?
私には見える!
頭上のステータス好感度バーが一気に増えたのが!!
「それより次何処行きます? 先輩」
むう、脳筋の矢島紗江にはぴんと来なかったか?
いつも通りにしていて校門の所でもらったパンフレットを見ている。
おのれ!
しかし私の計画はこれだけじゃない!
「ねぇ、お兄ちゃん。気分転換でここ行こうよ!」
私は矢島紗江が眺めているパンフレットの一点を指さす。
「室内迷宮? へぇ、時間内にクリアー出来たら粗品プレゼントだって。面白そうですね先輩!」
体を動かす事が好きな矢島紗江の事だ、きっと乗って来るとは思っていた。
今度こそここでこいつらを巻いて‥‥‥
* * *
「ふえぇーんっ! お兄ちゃん何処ぉっ!!!?」
私は何故かお兄ちゃんとはぐれて頼りない紫乃と一緒になってしまった。
「由紀恵ちゃん、任せて! 迷宮はねこうして片手を壁に付けてそれに沿って行けばいずれ出られるんだよ!!」
鼻息荒く紫乃はそう言うけど、ここの壁ってカーテンじゃない!!
既に何度か紫乃はカーテンによる壁間違いをしている。
「あれ? また戻って来ちゃったね? 携帯のゲームだったらもう抜けられるのに?」
「もう嫌ぁ――っ!!」
数分後スタッフにギブアップして助け出された。
* * *
「ぜえぜぇ、お、お兄ちゃんは何処!?」
あたしは慌ててきょろきょろと周りを見渡す。
すると丁度迷宮の出口でお兄ちゃんが出てきたところだった。
「お兄ちゃん!」
「おお、ここにいたのか由紀恵。いつの間にかはぐれちゃうんだもん、驚いたよ」
そう言うお兄ちゃんの腕には泉かなめが!?
「ななななな、なんで泉さんがお兄ちゃんと一緒に!?」
「‥‥‥助けてもらった。 長澤君、あ、ありがとう‥‥‥」
「いいって、泉はこう言うの苦手だったんだな。大丈夫だったか?」
お兄ちゃんにそう言われた泉かなめは「ぽっ」と顔を赤く染め下を向く。
それはスマホアプリのモンスターにボールをぶつけてゲットするゲームで果物あげた時のように周りにハートをまき散らして!!
「‥‥‥うん、でも長澤君がいれば大丈夫/////」
なっ!
ダメぇっ!
お兄ちゃんは私のなんだからね!!
私は思わずお兄ちゃんの腕にしがみつく。
「ああ、いたいた。いやぁ、意外と難しいねこれって?」
「あー、先輩も何処か行っちゃうし!」
「大丈夫だよ君たちには僕がついているから‥‥‥ ぐはっ!」
残りの三人も出て来たみたいだけど親友その一は高橋静恵と矢島紗江に殴られている。
くぅううぅっ、ここまでまだ誰も脱落者がいない!?
このままでは私の計画が!!
私は次なる催し物へをこいつらを誘うのだった。
0
あなたにおすすめの小説
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスで一番人気者の女子が構ってくるのだが、そろそろ僕がコミュ障だとわかってもらいたい
みずがめ
恋愛
学生にとって、席替えはいつだって大イベントである。
それはカースト最下位のぼっちである鈴本克巳も同じことであった。せめて穏やかな学生生活をを求める克巳は陽キャグループに囲まれないようにと願っていた。
願いが届いたのか、克巳は窓際の後ろから二番目の席を獲得する。しかし喜んでいたのも束の間、彼の後ろの席にはクラスで一番の人気者の女子、篠原渚が座っていた。
スクールカーストでの格差がありすぎる二人。席が近いとはいえ、関わることはあまりないのだろうと思われていたのだが、渚の方から克巳にしょっちゅう話しかけてくるのであった。
ぼっち男子×のほほん女子のほのぼのラブコメです。
※あっきコタロウさんのフリーイラストを使用しています。
【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。
東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」
──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。
購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。
それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、
いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!?
否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。
気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。
ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ!
最後は笑って、ちょっと泣ける。
#誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる