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第五章お兄ちゃんは知っちゃいけないよ!?
5-5立候補者勢ぞろい
しおりを挟む「という訳で、これから長澤君に告白を始めるわ」
ここファミレスは緊張に包まれていた。
そう、お兄ちゃんの事で放課後のゆるい時間のはずなのに私たちの周りだけはピリピリしている。
今ここには私を含め高橋静恵、矢島紗江、泉かなめ、そしてなぜかくっついてきている紫乃もいる。
「私も長澤君も高校二年生だけどあと半年もしないで大学受験になるから忙しくなる。だから付き合うなら今しかない。でも私だけ抜け駆けするのは後々嫌なので長澤君に好意を持つ人たちには集まってもらったわ」
からんっ。
ドリンクバーで持ってきたジュースのコップで氷が溶けてうごめいた。
「良いですよ、先輩に告白してどんな結果が出てもこれで恨みっこなしで」
「あ、あの、告白するの‥‥‥」
「ええぇ? 私も友ちゃんに告白するの? 友ちゃん好きだけど彼氏って感じじゃないんだけどなぁ~」
「紫乃は除外でいいわね?」
私を含む他三人は直ぐに頷く。
「ええ~、私除外なの?」
「当然よ、これ以上対抗馬が増えてどうするの!?」
「大穴、万馬券?」
「紫乃ぉ~っ!!」
この子はこれがどれだけ本気か分かっているのだろうか?
私が紫乃のほっぺをムニムニとやっていると高橋静恵が聞いてくる。
「紫乃ちゃん、私たちは本気なの。紫乃ちゃんは本当に参加しないで良いのね?」
「はえぇ? う~ん、さっきも言ったけど友ちゃんは好きだけど彼氏とかじゃない好きだもんね、参加はしないよ。でも、友ちゃんに彼女出来たらお祝いだね!?」
あっけらかんとそう言い切る。
この子幼馴染だけどお兄ちゃんの事は恋愛対象では無かったって事?
「‥‥‥そう、でも紫乃ちゃん、もし後で気持ちが変わっても長澤君だけは譲らないわよ? それでも良いのね?」
真剣に紫乃を見る高橋静恵。
しかし紫乃はやっぱりはっきりと言い切る。
「うん、いいよぉ~」
この子、本当に本当に分かっているのかしら?
高橋静恵は一間置いてから息を吐く。
そして私たちを見渡してから提案をする。
「同時に個別に告白して上手くいくか分からないからここはみんなで一斉にラブレターを出すって事でどう? そして同じ日に同じ時間に別々の場所で長澤君に来てもらう。長澤君には気のある女の子の所へ来てもらえばそこでその子は正式に告白する。どう、これで?」
「つまりチャンスは‥‥‥」
「み、みんな平等‥‥‥」
なるほど、お兄ちゃんに来てもらうなら、選んでもらえるならそれは確かに平等‥‥‥
私は高橋静恵を見る。
もしかしてまた何か企んでいる?
しかしその思いは彼女のテーブルの上で握られた拳がわずかに震えているのですぐに否定した。
「いいでしょう、お兄ちゃんに来てもらう。それで私は良いですよ」
「ふふっ、妹さんの公認になったわね。由紀恵ちゃん、これで恨みっこ無しよ?」
「勿論。高橋さんこそお兄ちゃんが来なくても大泣きしないでくださいね?」
「私だって先輩に来てもらえさえすれば!」
「な、長澤君‥‥‥」
どうやら他の人もそれで良い様だ。
私たちはラブレターを渡す予定と各自がお兄ちゃんを待つ場所日時を決めるのだった。
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