私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?

さいとう みさき

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第六章お兄ちゃんは妹がもらったラブレターを気にしなきゃいけないよ?

6-1苦情受付中なのよ‥‥‥

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 「由紀恵ちゃん、これは一体どう言う事よ!?」


 ファミレスに呼び出しされた私は三人に取り囲まれて詰問を受けている。

 「由紀恵ちゃん、苺ラテで良い? それともキャラメル?」

 「ま、任せる!」

 紫乃もなぜか一緒に来ていてたのでドリンクバーで私の分の飲み物もとって来てくれる。


 「それで、由紀恵ちゃんどうしてこうなったの?」

 「先輩酷いです‥‥‥」

 「長澤君‥‥‥ ううっ‥‥‥」


 まあご立腹は分かります。
 彼女選ぶより妹と遊んでいたいって変わった兄ですから。

 でも私は喜びの笑みをなるべく表に出さないように顔の筋肉をフル動員して平静の表情を保つ。


 「お兄ちゃんから既に話は聞いていると思いますが?」


 「ええ、聞かされたわ。思わず長澤君の前で泣いちゃった。ふられたかと思ったもの」

 「なっ、高橋さんでも泣くんですか!? それでも落ちない先輩って‥‥‥」

 「ううっ、やっぱり由紀恵ちゃんが強敵‥‥‥ きっと近親相かぁ」

 「それは無いっ! 泉さん、一応公共の場です、言葉には気を付けて下さい。私たち全員が変な目で見られますから!!」

 泉かなめのすっ飛んだ妄想を断ち切り私はため息をつく。


 だめだ、この女早く何とかしなければ‥‥‥


 私は紫乃が持ってきた苺ラテを一口飲んでから話し始める。


 「既にお兄ちゃんから理由は聞いたと思いますけど、今は彼女を作らないそうです。そして大学に行ったら誰かと付き合うかもしれないと言う事です。それまでは現状維持、今まで通りでいたいそうです」

 「それは分かってます。問題は由紀恵ちゃんが何かしたって事です! 絶対に先輩は妹の由紀恵ちゃんに何かされたからああなったんです!」

 珍しく矢島紗江もご立腹。
 まあ大方予想はしていたけど。

 「私はお兄ちゃんにラブレター渡せませんでした。ただ、みんなからラブレターもらってどうしたら良いか聞かれたので『一番一緒にいたい人を選べばいい』って言っただけです」

 嘘偽りはない。
 私はコップをテーブルに置き三人を見る。


 「‥‥‥やっぱり由紀恵ちゃんが最大のライバルね」

 「それは同感です」

 「うう、由紀恵ちゃん体差し出したんだ‥‥‥」


 「そこっ! してないって言ってるでしょうにっ!! ‥‥‥なんで私が最大のライバルになるんです?」


 どうも今回の原因が私だとでもいうような雰囲気だ。
 私なんか最初お兄ちゃんを諦める為にどれだけ泣いたかも知らないで!!

 
 「やっぱり最強の敵ね‥‥‥」

 「自覚ない所が特に‥‥‥」

 「ゆ、由紀恵ちゃん強敵‥‥‥」


 はぁ?
 何もしていない私が何で?


 「どうも納得がいかないのですが、何故私が強敵あつかいになるし今回の原因の様な雰囲気なのですか?」

 流石にわけわからなくなってストレートに聞いてみる。
 だって一番最終的に不利になるの私なのよ?


 「はぁ、自覚なくてあの長澤君を手玉に取るのだもの、やっぱり強敵以外の何者でもないわ。由紀恵ちゃん、『一番一緒にいたい人』って由紀恵ちゃんの事以外いないじゃない?」


 「へ?」


 「そうですよ、先輩って由紀恵ちゃんといるといつも楽しそうだし、なんか妹離れできない兄っていうか‥‥‥」

 「長澤君シスコン‥‥‥」


 え?
 ええ?
 ええええっ??


 「お、お兄ちゃんが私と一緒にいると楽しそう?」

 「はぁ、やっぱり自覚無かったんだ。先輩のあの笑顔って由紀恵ちゃん以外に見せて無ですもんね」

 矢島紗江はそう言って炭酸の強いコーラを飲んだ。

 「ううっ、せっかく新しい下着準備したのに‥‥‥ 妹最強‥‥‥」

 「だから生々しい情報は要らないって言っているでしょう! 泉さん、あれだけ教育したのに何故そうなんですか!?」

 「そ、それだけ本気だった‥‥‥ な、長澤君にならあげてもいい‥‥‥」


 うっ。
 か、覚悟と本気度だけは認めるわよ? 
 でも公共の場で、しかも妹の前でなんという恥じらいも何もない事を!!


 「まあでも、いくら長澤君に言い寄っても今はダメと言う事は分かったわ。だからと言って大学行くまで容赦するつもりはないわよ? もう宣言した。そして告白同然の事も言った。だから由紀恵ちゃん今後は私はどんどんアタックかけるからね?」

 「あ、それなら私だって! それに高橋さんに有利すぎる。私だって先輩と同じ大学目指します!」

 「な、長澤君は私の希望‥‥‥ 未来の旦那様‥‥‥」


 うう、この人たち愛想つかすかと思ったら逆にやる気が増えている!?

 でも!


 「そうだとしてもお兄ちゃんの貞操は私が守ります!」


 そう言い切る私にこの三人はにっこりと笑う。
 まだまだこれからよ!

 私は紫乃に苺ラテのおかわりを要求するのだった。

 






 「うーん、由紀恵ちゃんメロンラテと間違っても気付かなかったなぁ~ じゃあ今度はキャラメル入れてみよっと!」

 紫乃が向こうで何かぶつぶつ言っていたようだった。


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