私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?

さいとう みさき

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第八章お兄ちゃんは妹と今年もよろしくしなきゃいけないよ?

8-1大掃除します、お兄ちゃんお部屋を

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 私はお兄ちゃんの部屋に掃除機とバケツ、ぞうきんを持ってきていた。


 「あ~、由紀恵この部屋は自分でやるから大丈夫だよ」

 「駄目です、特にベッドの下とか本棚は念入りに掃除します。そして不要な物は速攻で処分です!」

 「いやさ、ほら、自分で判断できるから大丈夫だよ」

 「そうはいきません、私が判断します」


 私はにこにこしながらお兄ちゃんにそう言う。
 お兄ちゃんも顔は笑っているけど頬に一筋の汗が流れている。



 ふっふっふっふっふっ、いよいよこの時が来たわ!

 お兄ちゃんの部屋に内緒で隠してある巨乳グラビアアイドルの写真集!
 いよいよあの不埒なものを処分できるのよ!!


 私は猛禽類のように部屋の隅々を確認する。
 流石に目につくような所へは隠していない。


 しかし! 
 私の目はごまかせないのよお兄ちゃん!


 こんなかわいい妹がいるのにあんな脂肪の塊で年取れば垂れてしまう物見て何が楽しいのよ!
 つつましやかでちょっと小ぶりの方が可愛いのよ、そう私のように!

 それにそんな写真集なんかより実際に触れる私の胸の方が良いでしょ?

 
 お、お兄ちゃんにならちょっとくらい触らせてあげても良いんだからね(ツンデレ風)!



 「ぐふっぐふふふふふっ‥‥‥」

 「おい由紀恵、大丈夫か?」

 私がちょっとエッチな妄想してしまっていると心配になったお兄ちゃんが声をかけてくる。


 「はっ! な、なんでもないわよ、お兄ちゃんのえっちぃ」

 「なんで俺がいきなりエッチ呼ばわりなんだよ?」


 「駄目よお兄ちゃん、白を切っても知っているんだからね! さあ、あのけしからんグラビアアイドルの写真集を出しなさい! 滅却します!!」

 ぐっとこぶしを握り締める私にお兄ちゃんは座ったまま後ろに引きさがる。


 「なんでその事を‥‥‥ し、しかしあれは限定版! 渡すわけにはいかない!!」

 「認めたわね! だめよそんな破廉恥な物!」


 にじりにじりとお兄ちゃんに近づく私。
 

 「さあ、覚悟しなさいお兄ちゃん!」

 しかし次の瞬間お兄ちゃんはベッドの下に置いていた袋をつかみ逃げ出す!

 「逃がすか!」

 私はお兄ちゃんの腰にしがみつき逃げ出すのを阻止する!


 「た、頼む由紀恵! これだけは見逃してくれ!!」

 「だめっ! お兄ちゃんには私と言うものが有るのだから私で我慢しなきゃだめだよ!」


 「いや、由紀恵ったって、妹だしそもそも小学生の時と変わらないじゃないか?」


 「お兄ちゃん!!」


 私の怒りの鉄拳がお兄ちゃんに決まった。

 そしておにいちゃんは泣く泣くグラビアアイドルの写真集を私に没収されるのであった。  
 

 * * *

 
 「まさか他にも無いでしょうね?」

 私はお兄ちゃんの部屋を念入りに掃除している。

 「もう無いって。それよりアレ本当に処分しちゃうの?」

 「勿論です! あんな破廉恥な物!!」

 部屋拭きを手伝っているお兄ちゃんは未練がましくそう言う。
 しかし私の前であんな物絶対に許せない!


 お兄ちゃんは私の胸ではぁはぁしていればいいのよ!


 あ、そう言えば「はぁはぁ」ってどんな意味なんだろう?
 泉かなめに言われたけどあまり良く意味が分からない。

 興奮するって事で良いのかな?


 そんな事を思いながら本棚の上に目が行く。
 あんなところに箱がある?

 私はお兄ちゃんの椅子を引っ張ってきてその箱を取ろうとする。


 「あっ! 由紀恵それは!!」

 「むっ! 怪しい!! 確認します!!」


 制止しようとするお兄ちゃんを私は振り切ってその箱を取る。
 
 と、バランスを崩す。


 「わ、わわわわわっ!」

 「由紀恵っ!」


 ぐらっ! 


 急いで取ろうとしたために椅子からバランスを崩して落ちてしまった。


 うわっ!
 って、あれ?
 痛くない??


 「痛ぅ~、大丈夫か由紀恵?」

 気付けばお兄ちゃんが下敷きになって私を守ってくれていた。
 しかもお姫様抱っこ!!

 流石に勢いを殺しきれずしりもちついているけどお兄ちゃんはしっかりと私を守ってくれていた。

 「お、お兄ちゃん、ありがうう‥‥‥ /////」


 う、うれしすぎる!
 お姫様抱っこだよ!?

 しかも私の危なかったところを助けてくれるんだもん!!


 「全く、気をつけなよ由紀恵」

 「うん、でもこの箱って何が入ってるの?」

 それはそれ、これはこれと言わんばかりに私はこの箱の蓋に手をかける。

 「あっ、それは‥‥‥」

 少し慌てるお兄ちゃん。
 やっぱりか!?

 私は急いで箱を開けると‥‥‥


 「こ、これって‥‥‥」


 「まあ、本当は整理してちゃんとしまわなきゃいけないんだけどな」

 中から出てきたのはたくさんの私とお兄ちゃんの小さい頃の写真。
 うわー、懐かしい。

 「整理していないのは由紀恵に怒られると思ってね」

 お兄ちゃんはそう言って箱を私からとる。
 そして下に何冊か入っているアルバムを一冊取り出す。

 「掃除が終わったらちゃんとアルバムに入れるからごめんな」

 私は瞳をぱちくりしている。
 だって見とれた写真はお兄ちゃんと私が写っている写真ばかり。


 「えへへへへへっ、分かった。じゃあアルバム出来上がったらあとで一緒に見ようね、お兄ちゃん!」


 私は上機嫌で掃除道具をかたずけ自分の部屋を掃除にしに行く。

 お兄ちゃんは「手伝おうか?」とか言ってくれるけど、流石に乙女の部屋には秘密がいっぱい。
 だからそれは断ってお兄ちゃんにはアルバムの整理をしてもらう。


 「お兄ちゃんはアルバムの整理しててね」


 上機嫌な私にお兄ちゃんは思い切り安堵の息を吐き、意外と重いあの箱の中の何冊もあるアルバムの整理を始めるらしい。


 ちょっと楽しみだなぁ~。
 どんな写真かなぁ~。


 なぜか私に見えにくい様にこぶしを握り締めて喜んでいるお兄ちゃん。
 もう、照れ隠しで可愛いんだから。

 私は上機嫌で自分の部屋の掃除をするのだった。



 * * * * *


 「あれ? アルバムこれだけ?」

 「あ、ああ、他のは中学の時のアルバムとかだからさ、由紀恵との写真はこれだけだよ‥‥‥」

 私に申し訳ないのかな?
 なんかお兄ちゃんは私と目を合わせないようにしている。


 なんでだろうね??




 不思議に思いながらリビングで一休みしながらアルバムを見る私だった。

 
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