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第五話:ヒロインとの接触
しおりを挟む「まったく、あなたときたらいつも邪魔ですわね」
「ほんと、平民の癖に!」
教室に来ると朝からマリアーナが令嬢たちにいじめられている。
本来はこの中に私も混じって主人公であるマリアーナをいじめなきゃいけないんだけど‥‥‥
ふるふるふる
ズッキューン!!
もう、なんて可愛らしいのよ!
あの震える姿はチワワみたいで可愛すぎ!
思わずお持ち帰りをしたくなっちゃう!!
「ごきげんよう、皆さん」
「ああ! リリアーヌ様!」
「ご機嫌麗しゅうございます、今日もお奇麗ですわ」
私が令嬢たちに挨拶をするとマリアーナは更に怯える。
そう言えばこれってイベントと同じだっけ?
ここで私が令嬢たちと一緒にマリアーナをいじめると第三王子が来て‥‥‥
「ごきげんようマリアーナさぁ‥‥‥ん‥‥‥」
ふるふるふる
ぶっ!
あまりの可愛さに思わず鼻血が!!
「きゃーっ! リリアーヌ様ぁっ!!」
「大変ですわ! 医療術者を早くですわ!!」
「リリアーヌ様、お気を確かにですわぁ!!」
鼻血が出てしまい思わずふらっとすると周りの令嬢たちが更に大騒ぎになる。
「リリアーヌ様!! 【回復魔法】!!」
くらっとして座り込んだ私にマリアーナが回復魔法をかけてくれる。
主人公である彼女は最初から魔術が飛びぬけてスペックが高く、それによって平民出でもこの学園に入学できた。
成績も良い方で優しい性格もありゲーム内ではどんどんと周りを取り込んで行って最後には王子の寵愛を受ける。
そして今までの意地悪や実家の悪行を周りの人たちに暴露され私は卒業式の式典でざまぁを喰らう羽目になる。
だから本来はこのマリアーナは宿敵。
いや、怨敵にになるはず!
「リリアーヌ様、だ、大丈夫でしょうか??」
おどおど。
ズッキューン!!
本来はここで意地悪の一つでもするはずなのに私はそのかわいらしさに更に興奮してしまいまたまた鼻血が出てしまう。
ぶしゅーっ!!
「きゃーっ! リリアーヌ様ーっ!!」
「血が、血がぁッ!!」
「私もだめですわぁ(ばたっ)!」
周りの令嬢は更にパニック。
「一体何が有ったんだ!?」
そんな修羅場にソリオン王子様ご来場!
鼻血を滝のように流した私に思わずドン引き。
「か、【回復魔法】!!」
しかし、そんな中マリアーナはもう一度私に【回復魔法】をかけてくれる。
そしてなんとか鼻血は止まった。
はしっ!
私は思わずマリアーナの手を取る。
「マリアーナさん、助かりましたわ。危うく人生をここで終わりにするところでしたわ」
素直に感謝の言葉を述べる私にマリアーナはにっこりと笑ってハンカチを取り出して鼻血を拭き取ってくれる。
「リリアーヌ様、もう大丈夫ですか?」
「ええ、お陰様で。あなたには何とお礼を言えばいいのかしら?」
「そんな、お礼だなんて。当たり前のことをしただけです」
ううぅっ!
なんて素直な子なの!?
今まで周りにいた媚びを売ったりする連中とは大違い!
「マリアーナさん、あなた私のお友達になってくださいまし!」
「はい? 私の様な平民でも良いのですか?」
「ええ、勿論ですわ!! 今日から私たちマブダチですわ!!」
しっかりと手を握りしめる私に血まみれになりながらもにこやかにほほ笑む彼女。
こうして周りのドン引きを無視して私と怨敵マリアーナはマブダチになるのだった。
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