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最終話 第二十一話:卒業
しおりを挟む「それでは答辞。卒業生首席、マリアーナ。代表としてこちらへ」
パチパチパチ。
なんやかんやあって私たちはみんなでこの日を迎えた。
ここ首都ガルザイルに有る学園を私たちは今日卒業する。
ゲームの中でも卒業生代表で答辞をするのは主席で主人公マリアーナ。
ここで本来は第三王子であるソリオン様が声を上げ私に対して婚約破棄、そしてざまぁのコンボをしてくる。
でもこの物語は変わった。
マリアーナの答辞が終わり盛大な拍手の中、卒業証書が渡される。
勿論ソリオン様が声を上げることは無かった。
* * *
「おめでとうですわ、マリアーナ」
「リリアーヌ様こそおめでとうございます!」
式典が終わりお祝いのパーティーが開かれる。
みんな雑談をしながら思い思いに友人たちと語り合っている。
そんな中、マリアーナは真っ先に私の所へ来る。
そしてそっと手を握る。
うう、あいかわらずそんなしぐさも可愛いっ!
「姉さま、またマリアーナさんと仲良くして」
「おーっほっほっほっほっ! 仕方ありませんわね。マリアーナさんを振り向かせる事は出来なかったので私の負けですわ。だから今度はリリアーヌさんを振り向かせて見せますわ!」
「それはだめですわよ! 私がリリアーヌ様の所へ行くのですわ!」
「リリアーヌ様、是非にも私を御そばに!!」
弟のラズベルはやたらと私に絡み付いてくるし、勝負勝負言っているパンデューラもやたらと私に引っ付いてくる。
イザーラもアスラーズも相変わらず私に引っ付いてくるのでマリアーナが陰でもの凄く機嫌が悪い時が有る。
「皆さん何か忘れていませんか? 彼女は私の婚約者なのですよ?」
ソリオン様もそう言ってこちらに来る。
だけど‥‥‥
「たとえソリオン様でもリリアーヌ様は渡せません! リリアーヌ様!!」
ぶちゅ~っ!!
そう言ってマリアーナは私に口づけする。
「「「「「あ”ぁーーーーっ!!!?」」」」」
同時に叫ぶみんな。
私に引っ付いて離れないマリアーナ。
大変は大変だけど思わず笑みが漏れてしまう。
これから先どうなるか分からない。
でもきっと楽しい人生が続くだろう。
それが私の「希望」。
私たちは何時までも大騒ぎするのだった。
―― Fin ――
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