未来から来た妹はお姉ちゃんで、俺は可愛い妹?~女の子になっちゃった俺に明日はあるのか!?~

さいとう みさき

文字の大きさ
16 / 27
第三章:運命

第十五話:悪夢

しおりを挟む

「俺の見た夢?」

「そうあゆみちゃんが見た夢を思い出せる事で良いから話して欲しいの」


 アイナは真剣なまなざしで歩にそう言う。
 歩はアイナに言われ困惑をするも、その真剣なまなざしに唾を飲みながら静かにあの悪夢を思い出そうとする。
 すると、断片的だがあの夢が頭の中にちらほらと蘇り始める。 


「あれは……」


 そう言って歩はぽつりぽつりと語りだすのだった。


 * * *


 夢の中で、そこはどこだか分からない場所に、まだ男だった歩はいた。
 そしてそんな歩を誰かが何処からともなく呼んでいた。

 歩はその声に引かれどうやらそこへ向かっていたようだ。
 そして辿り着いたそこで誰かと出会う。

 それがあの女だった。

 だがまだはっきりと見えない彼女に、歩は夢の中であの女に聞かれた。


「汝何を欲する?」

「俺は……何だろう? 何が欲しいんだろう?」


 徐々にその問いを発してきた女の姿が見えて来た。


「汝、我を欲するか?」

「あんたを?」


 見れば服を着ていたと思った彼女は裸になっていた。

 真っ黒な長い黒髪を宙に漂わせ、漆黒の瞳に怪しい赤い光を宿し、驚くほど白いその肌は歩の好む大人の女性だった。

 歩は元気になってしまい、彼女に手を出す。
 そしてめくるめくる快感の中、歩は彼女と交わる。
 
 歩が彼女と一つとなってお互いに弾けて混ざり合ったその時だった。


「汝、我が夫として未来永劫共になるがいい。我が主よ」


 彼女はそう言って大きく口を開け、歩をむさぼり喰い始めた。
 そう、交わりながら。


 * * *


「うわっッ!!」


 ぽつりぽつりと語っていた歩は思わず悲鳴を上げていた。

 思い出した。
 何があったか。
 あの女は自分と交わりながら歩を食い殺してきたのだ。

 脂汗を額に滲ませて、歩は息が荒くなっている。

 それを聞いていたアイナは複雑な表情をする。
 が、ベータはその様子を見ながらアイナに聞く。


「夢の、記憶が戻ったのでしょうか?」

「たぶん、その女との接触があゆみちゃんの忘れていた悪夢を思い出させたのね…… でも他の女と交わるだなんて! お兄ちゃん、浮気よ浮気っ!!」

 アイナはぷんぷんと怒こっている。
 夢の話だというのに。

 が、ベータはそんなアイナの腕を引きあのストップウォッチの様な物を見せる。

「アイナさん、どうどう。それよりこれ見てください!」

 興奮気味のアイナは歩を睨みつけていたが、ベータに言われそれをちらっとそちらを見てから慌てて二度見する。


「な、なにこれ? あゆみちゃんの磁場波形と一瞬現れたオレンジ色の波形が接近した? オレンジ色はほんの一瞬現れたけど、これどう言う事!? まさか近くに現れたの!?」

 歩を見るも、歩は額に汗を浮かべて肩で息をしている。
 まだ動揺から回復していない。

「なんであの女は…… だって夢のはず……」

 そんな歩を見ていたベータはアイナに聞く。


「アイナさん、一度あゆみさんの精神鑑定をした方がいいのでは?」

「精神鑑定って…… はっ!? ま、まさか!!」

 アイナはそう言ってあのタブレットパソコンを引き寄せる。
 そしてあのストップウォッチみたいなものを有線で接続させて何やら操作を始める。


「異界、夢、そして私たちには見えない親玉の女。これってスピリチュアルじゃないの? となると、磁場波形ってチャネリング!?」


 タブレットパソコンを操作しながらアイナはそんな事を言い始める。
 ベータはそれを聞いて何かに気付いた。

「チャネリングと言いうと、精神世界とか何かの世界と接続して未知なる知識や現象を受け取るという」

「オカルトとして今までは否定的だったけど、あの災害以降に異空間定理によりそれが認証されたわよ。私たちの時代ではそれを異世界と称していたけど、そう言う事か!!」

 アイナはタブレットパソコンを操作してその結果を表示する。
 それは無限(∞)を現す画面だった。


「やっぱり! あゆみちゃんが見た夢は精神世界、つまりスピリチュアルだったのよ! そしてチャネリング効果で異世界の住人と接触し、その波長を合わせられた。特異点としてマーキングされたのよ!!」


 アイナは画面を見ながら説明をする。
 歩はそれを聞いてアイナに聞く。

「俺に、そんなたいそうな事が出来るはず無いだろうに……」

「いいえ、精神世界は精神を宿す者全てが繋がれる世界なのよ。これは異空間の観測が出来た私たちの時代では公然の事実となっているわ。ただ、それはこの世界だけに限定されていたのが、どう言う訳かあゆみちゃんにだけは異世界に繋がれた。多分チャネリング効果が同時に起こったのよ」

 アイナの説明に歩は思い出す。
 自分を呼んでいるような声があった事を。


「じゃ、じゃぁあの時の夢はそいつと俺が……」

「そう、浮気よ、うわきっ! お兄ちゃんには私ってモノがあるのに他の女と関係を持つなんて許せない!!」


「あの、アイナさん今それは……」

 なにか言いたげなベータ。
 憤慨するアイナだが、夢の中の出来事で怒られてもとか歩は思っている。
 しかし、思い出したあの悪夢が全ての元凶だった。

「じゃぁ、俺は一体どうしたら良いんだよ?」

 ギャーギャー騒いでいるアイナに歩はそう聞く。
 するとアイナは腕を組んだまま言う。


「私が正妻だって宣言してあゆみちゃんから手を引いてもらうわ!!」


 フンスと鼻息荒くそう言うアイナ。
 そんなアイナに歩は大きなため息を吐く。


「そんな事で未来が変わるなら簡単だろうに……」

「とにかく、原因が分かって来たわ。すぐにあるアルファたちにも連絡を!」


 アイナに言われベータはアルファたちにも連絡を散り始めるのだった。


 * * * * *


「あゆみお姉ちゃん、もう大丈夫なの?」

「ああ、うん、大丈夫。ありがとね愛菜」


 朝食のテーブルに座りながら愛菜は歩を心配する。

 昨晩、色々と分かって来た事をアイナたちと整理して、今後について対策をとる。

 まずは従来通り歩を女体化して、完全に女の子にする。
 そして歩が精神世界、スピリチュアル世界に繋がらないようにする。
 更にチャネリングを阻止して可能な限り磁場波形を近づかせないようにする。

 そうして異世界からの親玉である、あの女を歩に接触させないようにすることが決まった。

 とは言え、具体的に何をしてゆけばいいか分からないのでいつも通りに学校へ行く事にする。
 歩は朝食を済ませ、玄関を出るとちょうど恵菜とデルタがやって来た。

「おはよう、あゆみちゃん。もう大丈夫なの?」

「おはようです」

 歩は軽く手を上げながら挨拶を返す。

「おはよう。ありがとうね、もう大丈夫だよ」

「無理はしないでね、あゆみちゃん」

「うん……」

 とにかく今は女子高生として完全に女になるしかない。
 そしてもうあの女に会わないようにしなければならない。



 歩はそんな事を思いながら登校をするのだった。 

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件

暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!

学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?

宇多田真紀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。 栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。 その彼女に脅された。 「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」 今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。 でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる! しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ?? 訳が分からない……。それ、俺困るの?

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

処理中です...