腹ぺこエルフの美食道~リルとルラの大冒険~

さいとう みさき

文字の大きさ
294 / 437
第十二章:留学

12-47大魔導士杯決勝戦その3

しおりを挟む

『皆様長らくお待たせしました、いよいよ決勝戦を始めます!!』



 わぁああああぁあぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!


 観客席から巻きおこる声援。
 満員御礼のここで私たちは決勝戦となるその舞台を見る。

 円形の舞台の左右に高くなった手すりの付いた場所がある。
 事前説明では両チームともその場所に行き、ゴーレムをそこから操ったりサポートの魔法を使ったりするらしい。

 ルールはゴーレムを操りのガチンコバトル。
 自分のゴーレムに対して強化魔法などの支援魔法は可。
 相手のゴーレム及び相手の操縦者、チームに対して魔法の使用は不可。
 また試合場自体への魔法も不可となる。
 武器の使用は一切禁止。

 司会からもう一度そのルールの説明がある。


『それでは両チーム、ゴーレムを操って所定の場所へ移動してください!!』


 両チームの紹介も終り、私たちは試合場へと移動する。

「いよいよだね、ヤリス頑張って!」

「勿論、アニシス様フォローお願いしますよ!」

「ええ、勿論ですわ」

 ルラはヤリスを激励し、ヤリスはそれに応えながら魔法の支援がメインとなるアニシス様にもお願いをする。
 当然アニシス様も快諾して、やる気は満々。

 うん、みんなのモチベーションは好い感じ。
 私は相手チームを見る。

 相手はホリゾンチーム。
 北のノージム大陸にある一番大きな公国。
 なんでも北の大地は昔から魔道に対して名門の貴族たちが多く、元軍事帝国の名残もあり毎年この大魔導士杯では良い成績を残しているらしい。
 
 そんなホリゾンチーム。
 リーダーは女性でミラーナさん、アニシス様と同じ学年だ。
 次いでラッシュさん、男性でミラーナさんと同じ年。
 そしてハイリスさん、オオカミの獣人の女性で私たちと同じく十七歳。
 あとはロティさん、タヌキの獣人族でヤリスと同じ十六歳、やたらと可愛らしい、あの尻尾もふもふしたいなぁ。


 ホリゾンチームも私たちと同様に所定の場所に着く。



『両チームとも準備は好いですか? 良いようですね?? それでは決勝戦を始めます、はじめっ!!』


 メリヤさんのその掛け声でいよいよ決勝戦が始まる。

「同期! さあ行くわよ!!」


 ぶんっ!


 ヤリスの操る私たちのゴーレムが一瞬その兜の奥の瞳を光らせ動き始める。


「行くぞ、ゴーレム!!」

 ホリゾンチームもゴーレムを起動させる。
 そしてメイン操縦者は何と獣人族のハイリスさん!?


「あちらは身体能力の高い獣人族がメイン操縦者ですわね。ヤリス、変則的な動きに注意ですわ!」

「了解、いっくぞぉっ! はぁっ!!」

 アニシス様からアドバイスを受けてヤリスの操るゴーレムが駆け出し飛び上がり相手のゴーレムに飛び蹴りをする。
 相手のゴーレムはそれをあっさりかわし、着地を狙って廻し蹴りをしてくる。


「ガレント流無手三十六四季が一つ、モーニングスター!!」


 ヤリスはそう叫んで廻し蹴りをしてくる相手より先に地面にゴーレムの手を付けさせ、その廻し蹴りを回避してそのまま逆立ちして足を振り回し相手を蹴り上げる。

 それは片手を軸にしたまるで鎖でに繋がれた鉄球のような蹴りだった。


 ばきっ!


「なんのっ!」

 ハイリスさんはそう短く叫んで蹴り飛ばされた威力をそのままバク転で減少させ、地面に四つ足で着地する。
 その姿はまるでオオカミが低く構えているかのような姿だった。


「初手はこっちだけど浅いね。ヤリス頑張って!」

「ええ、まだまだこれからよ!!」


 すぐにヤリスはゴーレムの体制を整え、構える。


「流石はガレント王国の姫君ね。ガレント流無手三十六式体術、ハイリスあの技要注意よ!」

 向こうでもリーダーのミラーナさんがそうハイリスさんに注意を呼びかける。
 それを聞いたハイリスさんは頷いてから言う。

「我が銀狼族の威信にかけて勝つ!」

 四つん這いになったままの相手のゴーレムはハイリスさんのその掛け声と共に四つ足のまま駆け出す。
 それは正しくオオカミをほうふつとさせる動き!

「まるで獣ね! しかし!! 三十六式が一つ、チャリオットっ!!」

 素早い動きで動き回る相手のゴーレムに対して力を溜めたヤリスのゴーレムは予測の軌道上に全身のばねを使った体当たりをする。


「くっ!」


 まさか広範囲の体当たりで来るとは思わなかった相手のゴーレムはその体当たりをかわし切れず喰らってしまい、その場でバランスを崩す。


「チャンス! 三十六式が一つ、バトルアックス!!」


 ヤリスはそう叫んで相手のゴーレムに向かって軽く飛び上がり宙で回転しながら踵落しをする。


「なめるなぁっ!」


 しかし倒れた相手のゴーレムはハイリスさんのその掛け声と共に落ちて来る踵を寸での所でそれをよけ、地面に着地したヤリスのゴーレムの後ろへとくるりと回り込む。


「とったぁっ!」


「【防壁魔法】!」

 背後に回り込まれ、手刀を挿し込まれそうになる瞬間、アニシス様の防壁魔法が発動する。


 がきーんっ!


「ちっ! ミラーナ強化魔法!!」

「了解!」

 防壁魔法でその手刀を弾かれてから大きく飛び退いてハイリスさんは仲間に強化魔法を要求する。



 戦いは魔法も使った攻防戦へと変わり始めるのだった。 

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。 死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。 「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」 だが、その世界はダークファンタジーばりばり。 人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。 こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。 あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。 ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。 死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ! タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。 様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。 世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。 地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

大陸一の賢者による地属性の可能性追求運動 ―絶対的な物量を如何にして無益に浪費しつつ目的を達するか―

ぽへみやん
ファンタジー
魔王城への結界を維持する四天王を倒すべく、四属性の勇者が選ばれた。【地属性以外完全無効】の風の四天王に対抗すべき【地の勇者】ドリスは、空を飛び、高速で移動し、強化した物理攻撃も通用しない風の四天王に惨敗を喫した。このままでは絶対に勝てない、そう考えたドリスは、【大陸一の賢者】と呼ばれる男に教えを乞うことになる。 // 地属性のポテンシャルを引き出して、地属性でしか倒せない強敵(主観)を倒そう、と色々試行錯誤するお話です。

処理中です...