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第十二章:留学
12-47大魔導士杯決勝戦その3
しおりを挟む『皆様長らくお待たせしました、いよいよ決勝戦を始めます!!』
わぁああああぁあぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!
観客席から巻きおこる声援。
満員御礼のここで私たちは決勝戦となるその舞台を見る。
円形の舞台の左右に高くなった手すりの付いた場所がある。
事前説明では両チームともその場所に行き、ゴーレムをそこから操ったりサポートの魔法を使ったりするらしい。
ルールはゴーレムを操りのガチンコバトル。
自分のゴーレムに対して強化魔法などの支援魔法は可。
相手のゴーレム及び相手の操縦者、チームに対して魔法の使用は不可。
また試合場自体への魔法も不可となる。
武器の使用は一切禁止。
司会からもう一度そのルールの説明がある。
『それでは両チーム、ゴーレムを操って所定の場所へ移動してください!!』
両チームの紹介も終り、私たちは試合場へと移動する。
「いよいよだね、ヤリス頑張って!」
「勿論、アニシス様フォローお願いしますよ!」
「ええ、勿論ですわ」
ルラはヤリスを激励し、ヤリスはそれに応えながら魔法の支援がメインとなるアニシス様にもお願いをする。
当然アニシス様も快諾して、やる気は満々。
うん、みんなのモチベーションは好い感じ。
私は相手チームを見る。
相手はホリゾンチーム。
北のノージム大陸にある一番大きな公国。
なんでも北の大地は昔から魔道に対して名門の貴族たちが多く、元軍事帝国の名残もあり毎年この大魔導士杯では良い成績を残しているらしい。
そんなホリゾンチーム。
リーダーは女性でミラーナさん、アニシス様と同じ学年だ。
次いでラッシュさん、男性でミラーナさんと同じ年。
そしてハイリスさん、オオカミの獣人の女性で私たちと同じく十七歳。
あとはロティさん、タヌキの獣人族でヤリスと同じ十六歳、やたらと可愛らしい、あの尻尾もふもふしたいなぁ。
ホリゾンチームも私たちと同様に所定の場所に着く。
『両チームとも準備は好いですか? 良いようですね?? それでは決勝戦を始めます、はじめっ!!』
メリヤさんのその掛け声でいよいよ決勝戦が始まる。
「同期! さあ行くわよ!!」
ぶんっ!
ヤリスの操る私たちのゴーレムが一瞬その兜の奥の瞳を光らせ動き始める。
「行くぞ、ゴーレム!!」
ホリゾンチームもゴーレムを起動させる。
そしてメイン操縦者は何と獣人族のハイリスさん!?
「あちらは身体能力の高い獣人族がメイン操縦者ですわね。ヤリス、変則的な動きに注意ですわ!」
「了解、いっくぞぉっ! はぁっ!!」
アニシス様からアドバイスを受けてヤリスの操るゴーレムが駆け出し飛び上がり相手のゴーレムに飛び蹴りをする。
相手のゴーレムはそれをあっさりかわし、着地を狙って廻し蹴りをしてくる。
「ガレント流無手三十六四季が一つ、モーニングスター!!」
ヤリスはそう叫んで廻し蹴りをしてくる相手より先に地面にゴーレムの手を付けさせ、その廻し蹴りを回避してそのまま逆立ちして足を振り回し相手を蹴り上げる。
それは片手を軸にしたまるで鎖でに繋がれた鉄球のような蹴りだった。
ばきっ!
「なんのっ!」
ハイリスさんはそう短く叫んで蹴り飛ばされた威力をそのままバク転で減少させ、地面に四つ足で着地する。
その姿はまるでオオカミが低く構えているかのような姿だった。
「初手はこっちだけど浅いね。ヤリス頑張って!」
「ええ、まだまだこれからよ!!」
すぐにヤリスはゴーレムの体制を整え、構える。
「流石はガレント王国の姫君ね。ガレント流無手三十六式体術、ハイリスあの技要注意よ!」
向こうでもリーダーのミラーナさんがそうハイリスさんに注意を呼びかける。
それを聞いたハイリスさんは頷いてから言う。
「我が銀狼族の威信にかけて勝つ!」
四つん這いになったままの相手のゴーレムはハイリスさんのその掛け声と共に四つ足のまま駆け出す。
それは正しくオオカミをほうふつとさせる動き!
「まるで獣ね! しかし!! 三十六式が一つ、チャリオットっ!!」
素早い動きで動き回る相手のゴーレムに対して力を溜めたヤリスのゴーレムは予測の軌道上に全身のばねを使った体当たりをする。
「くっ!」
まさか広範囲の体当たりで来るとは思わなかった相手のゴーレムはその体当たりをかわし切れず喰らってしまい、その場でバランスを崩す。
「チャンス! 三十六式が一つ、バトルアックス!!」
ヤリスはそう叫んで相手のゴーレムに向かって軽く飛び上がり宙で回転しながら踵落しをする。
「なめるなぁっ!」
しかし倒れた相手のゴーレムはハイリスさんのその掛け声と共に落ちて来る踵を寸での所でそれをよけ、地面に着地したヤリスのゴーレムの後ろへとくるりと回り込む。
「とったぁっ!」
「【防壁魔法】!」
背後に回り込まれ、手刀を挿し込まれそうになる瞬間、アニシス様の防壁魔法が発動する。
がきーんっ!
「ちっ! ミラーナ強化魔法!!」
「了解!」
防壁魔法でその手刀を弾かれてから大きく飛び退いてハイリスさんは仲間に強化魔法を要求する。
戦いは魔法も使った攻防戦へと変わり始めるのだった。
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