298 / 437
第十二章:留学
12-51忘れてた
しおりを挟むはぁ~、楽しかったねお姉ちゃん!」
「うん、アニシス様の知っている店は何処も美味しいし、貸し切りだから落ちついて話も出来るしね」
あの後祝賀会と言う事で街に私たちは繰り出しアニシス様のおごりで大いに優勝を祝った。
ヤリスなんかこれで自分の野望が一つ叶うとか大喜びだし、アニシス様の犬…… もとい使用人の丁稚奉公となったスィーフの皆さんも一緒だったので結構と盛り上がった。
「それじゃぁまた明日ね」
「うん、お休みヤリス。アニシス様もご馳走さまでした」
「ご馳走さまでした~」
「いえいえ、また一緒にお食事しましょうですわ。その時はリルさんもルラさんも私の所へ来てくれる事を承諾してくれる事を願っていますわ~」
そんな事言いながら去ってゆくアニシス様に従うスィーフの皆さんは既にアニシス様に手懐けられたようで見えない尻尾を思い切り振って「ご主人様♡」とか言っている。
あのスィーフの皆さんがだ。
「さてと、帰るわよルラ」
「うん、お姉ちゃん」
私とルラは手をつなぎながら家へと帰るのだった。
* * * * *
「え、ええぇとぉ……」
「あ~」
家に戻ったら玄関に優勝おめでとうと言う出迎え用の垂れ幕が掲げてあった。
まさかと思い、玄関に入ると学園長がいた。
「優勝おめでとう」
「あらあらあら~やっと帰って来てくれたわね~。もしかしてご飯もう食べちゃった?」
マーヤさんもいたよ……
まずい。
アニシス様たちとお祝いで外で食事するって言い忘れてた。
「あの、その、すみません。もうご飯食べて来ちゃいました……」
「ううぅん、良いの良いの。せっかくの優勝だもんね、生徒会に呼び出しされていたみたいだけど大丈夫だった?」
「そ、そっちはアニシス様とヤリスが何とかするってことで話は着きましたけど……」
ちらりちらりと学園長を見る。
その表情は目元のマスクをかぶっている事もあり、口元だけでは判断できない。
「え、ええぇとぉ……」
「ユカ父さん、マーヤ母さん、あたしたち優勝したの見てた?」
私が言い淀んでいたらルラが場の空気を読まない発言をする。
「ちゃんと見てたわよ~」
マーヤさんはそう言ってニコニコとルラを抱きしめる。
「えへへへへへ~」
抱き着かれながらルラは嬉しそうに笑っているけど、こっちは学園長にドキドキだって言うのに!
私が内心動揺していると学園長が私の名前を呼んだ。
「リル」
「ひゃ、ひゃいっ!!」
絶対怒られる!
学園長たちの事だ、きっとまたお頭付きの鯛とか伊勢海老とか準備してたんだ!!
「ルラのあれはやはり『あのお方』なのですね?」
「へっ?」
学園長に怒られるのを覚悟していた私に学園長は意外な事を言い出す。
そして私が二度驚かされた事は学園長があの駄女神を知っている様だってことだ。
「あ、あの、もしかしてあのルラと私の会話を……」
「盗み聞きするつもりはありませんでしたが聞こえてしまいました。そもそも異界の門を開くあの四大精霊のスパイラル効果は私を元の世界に戻す為の研究でした。まさかそれをアニシス王女が行えるとは思ってもいませんでしたが。禁忌に近いものです」
そう言ってため息をつく。
「もしあの場でアレが暴走したら大問題になっていましたが、あなたのスキルで『消し去る』事により大事にはなりませんでした。しかし『あのお方』の言う通りあなたのスキルはこの世界自体を壊してしまうかもしれない。その事だけはよく覚えておきなさい。この世界は私にとっても第二の故郷であるのですから」
学園長はそう言って踵を返して奥へと行く。
「食事は済ませたようですが、私たちもお祝いはさせてください。ジュースの一杯くらいならまだ飲めるでしょう?」
「え、あ、は、はいっ!」
私は慌てて靴を脱いで家に上がる。
マーヤさんは笑いながらこそっと私に言う。
「ユカったらあなたたちが戻るまでここに居るって聞かないのよ。リル、晩酌くらいしてあげてね」
「は、はいっ!!」
あっちゃー。
やっぱりお祝いで豪華なご飯用意していたか。
私は慌てて学園長の後ろを追うのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
大陸一の賢者による地属性の可能性追求運動 ―絶対的な物量を如何にして無益に浪費しつつ目的を達するか―
ぽへみやん
ファンタジー
魔王城への結界を維持する四天王を倒すべく、四属性の勇者が選ばれた。【地属性以外完全無効】の風の四天王に対抗すべき【地の勇者】ドリスは、空を飛び、高速で移動し、強化した物理攻撃も通用しない風の四天王に惨敗を喫した。このままでは絶対に勝てない、そう考えたドリスは、【大陸一の賢者】と呼ばれる男に教えを乞うことになる。
// 地属性のポテンシャルを引き出して、地属性でしか倒せない強敵(主観)を倒そう、と色々試行錯誤するお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる