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第五章
第27話第五章5-4神の名を汚す者
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5-4神の名を汚す者
「んはぁっ! や、やめろぉ‥‥‥」
ザシャの喘ぎ声が俺を絶頂に導く。
俺はザシャから離れ仲間たちの所へ行く。
「楽しんだかアイン?」
「いやぁ、良い女だったな!」
「それでこの後どうするつもりだアイン?」
俺は服を着ながら差し出された水筒の水を飲む。
軽い脱力感を久しぶりに味わいながらふとアーシャを思いだす。
そして苦笑をしてからこの後を聞いて来たオクツマートたちに向かって言う。
「どうもこうも無いさ、このまま東に逃げる。そしてイージムまで渡ってしまおう」
もともとそのつもりで逃亡をしているわけだ。
今更他に考えつく事は無い。
俺たちを売った張本人は始末した。
それを聞いた時にルデンたちの喜びようはなかった。
傭兵は裏切りを許さない。
でなければ戦場で背中など預けられないからだ。
だからたとえ命令でもそれに従った奴だって許す必要はない。
そして俺たちは捕まえてきてしまったダークエルフのザシャをみんなで犯した。
非道だの何だの言われようがそんな事は今を生き延びようとしている俺たちにとって知った事ではない。
綺麗事だけで生きていけるほどこの世界は甘くない。
軍を逃げ出した俺たちが捕まれば待つのは死だけだ。
だから人のモノを盗み食い、奪い、そして目の前にいい女がいれば性欲を満たす。
ただ生き延びる為に。
「なあ、あのダークエルフどうするんだ? 殺すのか?」
「いや、まだ聞きたい事もある。もうしばらくは生かしておくつもりだ」
俺のその言葉にオクツマートは難色を示す。
そして俺の方を向いて飲みかけのコップをかかげて言う。
「アイン、何を聞き出したかは知らないがあの女は精霊魔法の使い手だろう? 下手すると俺たちが危なくないか?」
「だからさっき猿ぐつわをかけた。いくら精霊魔法の使い手でも呪文が唱えられなければ魔法は発動しない」
焚火の炎を見ながら俺はそう言う。
この世界には無詠唱で魔法を使える天才もいるらしいがそんなのは十万に一人と言われるほど稀で、ただでさえ少ない魔術師であればなおさらだ。
むこうにはぐったりとした裸のザシャがまだ荒い息を吐いて横たわっている。
そう、あのダークエルフにはいろいろと聞きたい。
ザシャは俺の「鋼鉄の鎧騎士」を見て「元ガレント王国の『鋼鉄の鎧騎士』」だと言っていた。
こいつに対して何か知っている。
そして女神についても。
悪魔のアガシタは言っていた。
今の秩序を破壊して天秤を揺らすと。
そのために俺に力を与えたと。
全く、神話かおとぎ話が現実になっているとは。
いや、この世界には確かに女神が存在する。
だからもっと情報が欲しい。
あのアガシタについて、今の女神について、そして俺の「鋼鉄の鎧騎士」について。
「アイン、お前の事だから考えがあるのだろうがあまり女にのめり込むなよ?」
「そう言うのじゃないさ。それにもうすっきりしたからそんな気も起らない」
俺がそう言うと三人は苦笑する。
そして誰と無くつぶやくように言い始める。
「軍に居たらこれだけで軍規違反だもんな」
「とは言えあんないい女が目の前にいたんではな」
「善人ぶるつもりはないさ。俺たちは死にたくないんだからな‥‥‥」
心の奥底では罪悪感が少しは残っているのだろう。
しかしここまで俺たちは他人の物を奪い、盗みやって来た。
生きる為。
そして久しく抱いていない女が手に入ってしまった。
本能のまま俺たちは欲望を吐き出した。
俺はザシャのもとへ行く。
どうやら気を失っている様だ。
何となく毛布を掛けてやる。
酷い事をした俺が今更‥‥‥
「むぐっ‥‥‥」
「起きたか?」
「むぐうぐぐっ、むぐっ!」
俺は短剣を取り出しザシャに向けながら猿ぐつわを外す。
「くそっ! よくも私を犯してくれたなっ!」
「喋れる元気はまだあるか? お前に聞きたい事がある」
短剣をザシャに向けながら俺はそう言う。
流石に両手を後ろで縛られ裸で動けないのでザシャは俺を睨むだけでそれ以上何も言わない。
「お前はアガシタについて何を知ってる? 何故あの悪魔は俺に『鋼鉄の鎧騎士』を託した?」
俺のその言葉にザシャは驚きこちらを見直す。
「お前たちは本当に何も知らないのか‥‥‥」
「だからお前を生かして聞いている」
憎しみの視線から一転、困惑の表情へと変わるザシャ。
「‥‥‥お前はアガシタ様から何を言われた?」
「今の女神の秩序を崩し天秤を揺らすと」
俺がそう言うとザシャは目を見開き薄笑いを始める。
「ふはっ、はははははっ、 アガシタ様がそう言ったのか? あの女、あの女神に対して本当にそう言ったのか!?」
そしてザシャは俺に冷たい視線を向けて言い放つ。
「良いだろう、気が変わった。お前に協力する。あの女神に一矢報いられるのであればこの体お前に差し出してもかまわない。あの女の秩序を崩すのなら私は手を貸すのを惜しまない!!」
俺は驚く。
俺たちに犯され非道な事をされていたのに今の言葉で一転して俺たちに協力をすると言って来た。
こいつはそんなに今の女神に恨みでもあるのか?
自分の体を差し出してまで俺たちに協力するとか、普通はあり得ない。
俺はザシャの瞳を見る。
その瞳の奥底には深い深い憎しみの炎が燃え上がっていたのだった。
「んはぁっ! や、やめろぉ‥‥‥」
ザシャの喘ぎ声が俺を絶頂に導く。
俺はザシャから離れ仲間たちの所へ行く。
「楽しんだかアイン?」
「いやぁ、良い女だったな!」
「それでこの後どうするつもりだアイン?」
俺は服を着ながら差し出された水筒の水を飲む。
軽い脱力感を久しぶりに味わいながらふとアーシャを思いだす。
そして苦笑をしてからこの後を聞いて来たオクツマートたちに向かって言う。
「どうもこうも無いさ、このまま東に逃げる。そしてイージムまで渡ってしまおう」
もともとそのつもりで逃亡をしているわけだ。
今更他に考えつく事は無い。
俺たちを売った張本人は始末した。
それを聞いた時にルデンたちの喜びようはなかった。
傭兵は裏切りを許さない。
でなければ戦場で背中など預けられないからだ。
だからたとえ命令でもそれに従った奴だって許す必要はない。
そして俺たちは捕まえてきてしまったダークエルフのザシャをみんなで犯した。
非道だの何だの言われようがそんな事は今を生き延びようとしている俺たちにとって知った事ではない。
綺麗事だけで生きていけるほどこの世界は甘くない。
軍を逃げ出した俺たちが捕まれば待つのは死だけだ。
だから人のモノを盗み食い、奪い、そして目の前にいい女がいれば性欲を満たす。
ただ生き延びる為に。
「なあ、あのダークエルフどうするんだ? 殺すのか?」
「いや、まだ聞きたい事もある。もうしばらくは生かしておくつもりだ」
俺のその言葉にオクツマートは難色を示す。
そして俺の方を向いて飲みかけのコップをかかげて言う。
「アイン、何を聞き出したかは知らないがあの女は精霊魔法の使い手だろう? 下手すると俺たちが危なくないか?」
「だからさっき猿ぐつわをかけた。いくら精霊魔法の使い手でも呪文が唱えられなければ魔法は発動しない」
焚火の炎を見ながら俺はそう言う。
この世界には無詠唱で魔法を使える天才もいるらしいがそんなのは十万に一人と言われるほど稀で、ただでさえ少ない魔術師であればなおさらだ。
むこうにはぐったりとした裸のザシャがまだ荒い息を吐いて横たわっている。
そう、あのダークエルフにはいろいろと聞きたい。
ザシャは俺の「鋼鉄の鎧騎士」を見て「元ガレント王国の『鋼鉄の鎧騎士』」だと言っていた。
こいつに対して何か知っている。
そして女神についても。
悪魔のアガシタは言っていた。
今の秩序を破壊して天秤を揺らすと。
そのために俺に力を与えたと。
全く、神話かおとぎ話が現実になっているとは。
いや、この世界には確かに女神が存在する。
だからもっと情報が欲しい。
あのアガシタについて、今の女神について、そして俺の「鋼鉄の鎧騎士」について。
「アイン、お前の事だから考えがあるのだろうがあまり女にのめり込むなよ?」
「そう言うのじゃないさ。それにもうすっきりしたからそんな気も起らない」
俺がそう言うと三人は苦笑する。
そして誰と無くつぶやくように言い始める。
「軍に居たらこれだけで軍規違反だもんな」
「とは言えあんないい女が目の前にいたんではな」
「善人ぶるつもりはないさ。俺たちは死にたくないんだからな‥‥‥」
心の奥底では罪悪感が少しは残っているのだろう。
しかしここまで俺たちは他人の物を奪い、盗みやって来た。
生きる為。
そして久しく抱いていない女が手に入ってしまった。
本能のまま俺たちは欲望を吐き出した。
俺はザシャのもとへ行く。
どうやら気を失っている様だ。
何となく毛布を掛けてやる。
酷い事をした俺が今更‥‥‥
「むぐっ‥‥‥」
「起きたか?」
「むぐうぐぐっ、むぐっ!」
俺は短剣を取り出しザシャに向けながら猿ぐつわを外す。
「くそっ! よくも私を犯してくれたなっ!」
「喋れる元気はまだあるか? お前に聞きたい事がある」
短剣をザシャに向けながら俺はそう言う。
流石に両手を後ろで縛られ裸で動けないのでザシャは俺を睨むだけでそれ以上何も言わない。
「お前はアガシタについて何を知ってる? 何故あの悪魔は俺に『鋼鉄の鎧騎士』を託した?」
俺のその言葉にザシャは驚きこちらを見直す。
「お前たちは本当に何も知らないのか‥‥‥」
「だからお前を生かして聞いている」
憎しみの視線から一転、困惑の表情へと変わるザシャ。
「‥‥‥お前はアガシタ様から何を言われた?」
「今の女神の秩序を崩し天秤を揺らすと」
俺がそう言うとザシャは目を見開き薄笑いを始める。
「ふはっ、はははははっ、 アガシタ様がそう言ったのか? あの女、あの女神に対して本当にそう言ったのか!?」
そしてザシャは俺に冷たい視線を向けて言い放つ。
「良いだろう、気が変わった。お前に協力する。あの女神に一矢報いられるのであればこの体お前に差し出してもかまわない。あの女の秩序を崩すのなら私は手を貸すのを惜しまない!!」
俺は驚く。
俺たちに犯され非道な事をされていたのに今の言葉で一転して俺たちに協力をすると言って来た。
こいつはそんなに今の女神に恨みでもあるのか?
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