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第五章
第28話第五章5-5:東へ
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5-5:東へ
ザシャの意外な協力の申し出に俺たちはとても困惑した。
だが当人は既に気にした様子もなく拘束を外してやると何事も無かったかのように服を着て俺たちに話す。
「私は今後お前たちに協力をする事を約束しよう。あの女神が作り上げたこの秩序を打ち壊す為ならいくらでも手を貸す。そしてアガシタ様が動き出したとなれば‥‥‥」
どう言う事か聞いてもそれ以上は話さなかった。
「その、すまん‥‥‥」
「ふん、何の事だ私を犯したことか? だったら気にするな。抱かれた中では下の下だったがな。あれではまったく感じる事も無かった。わっぱが私を楽しませるには十年早いな」
あっけらかんとそう言われ俺たちは更に困惑したものだった。
しかしその言葉通りその後のザシャの行動は俺たちに協力的だった。
おかげでルド王国の東側まで何の問題も無くやってこれた。
ルド王国は一度滅亡したと言われていたが現在はホリゾン公国の庇護下城壁の町の中にいた化け物たちも取り押さえられ徐々に安定を始めているらしい。
しかし、もともとホリゾン帝国時代の兵器開発研究所が残っていた為「鋼鉄の鎧騎士」の開発やあの巨人の卵などの研究もいまだおこなわれていて、それがこの国の財源を支える状況になっている様だ。
おかげでルド王国の回りにはホリゾンの「鋼鉄の鎧騎士」がうじゃうじゃいた。
用もないし、近寄るのは面倒なので迂回していた。
そこでザシャの使う使う精霊魔法はとても強力であり有能の為助かった。
特に姿を隠す精霊魔法は日夜問わず移動が出来たので大幅に移動が出来たものだ。
* * *
「なぁ、アイン。あの女なんでここまで協力的なんだ?」
「俺が知る訳無いだろう?」
オクツマートに聞かれ俺は食事の手を止める。
「お前、何かあの女に気に入られる事でもしたのか? それともお前の抱き方が良かったとか?」
「馬鹿言うな、お前らと同じだ。すぐに終わっちまった」
あまり大きな声で話せないので男数人でコソコソと話す。
情けなさも相まって俺はザシャをチラ見する。
端正な横顔に褐色の肌が銀色の長い髪によく似合う。
とても美しいと思うその横顔は相変わらず面白くもなさそうにしている。
「‥‥‥アイン、まさかお前惚れてないだろうな?」
「オクツマート、お前俺の好み知っているか?」
スタイルは別としてアーシャとはまるっきり性格も何も違っていた。
見た目だけは良いがああいう何を考えているか全くわからなく、そしてきつい性格はあまり好みじゃない。
「俺はああいうの好きなんだがなぁ‥‥‥」
ベリアルはザシャをチラ見しながらそう言う。
「スタイルは抜群なんだがなぁ」
ルデンも同じくザシャをチラ見しながらそう言う。
情けない男四人がコソコソとしているとザシャが声を掛けて来た。
「わっぱどもが何をコソコソとしている? また私を抱きたいのか?」
思わず四人ともそっちを見てしまうがその冷たい視線に次の言葉がなかなか出ない。
「ふん、意気地がないな? 抱きたいなら相手してやってもいいんだぞ?」
「いや、遠慮しておく‥‥‥」
誰と無く思わずそう言ってしまった。
どうも調子が狂う。
誰と無く焚火に目を戻し薪を放り込む。
「おい、わっぱ」
だがそんな俺たちにザシャは更に聞いて聞くる。
「お前たちは東へ逃げると言っていたがどこまで行くつもりだ?」
「俺たちは海を渡りイージム大陸に行くつもりだ」
オクツマートが真っ先にそう言う。
「イージムに行きどうするつもりだ?」
「イザンカ王国に雇ってもらうのさ。あそこは傭兵が常に不足している」
それを聞いたザシャは面白くなさそうに俺に聞いてくる。
「アイン、お前も同じか?」
「俺は‥‥‥」
オクツマートの話ではイザンカであれば「鋼鉄の鎧騎士」を持っていても怪しまれずに雇ってもらえるらしい。
だから‥‥‥
「俺も同じだ。あそこは『鋼鉄の鎧騎士』を持っていても受け入れてくれるらしいからな」
「‥‥‥そうか、まあいい。分かった。ではまずはイージム大陸に渡るぞ」
それだけ言っザシャは向こうへ行ってしまった。
焚火のパチパチと言う音を聞きながらしばらく固まっていた俺たちは顔を見合わせるのだった。
* * *
その後も順調に東に進みいよいよ海が見えて来た。
『どうやら東海岸に着いたようだな? 周りはどうだ?』
俺の操る「鋼鉄の鎧騎士」の肩や背中にしがみついているルデンたちは周りを見てくれているが特に変わったことは無い様だ。
だが腕に抱えられていたザシャは違った。
すくっと立ち上がり遠くを見ている様だ。
ダークエルフは非力ではあるが魔力が強くそして五感が鋭い。
何かに気付いたようで遠くをじっと見ていたようだが急にこう言う。
「おい、止めろ。どうも面倒なのがいるようだぞ」
俺はその声に素直に「鋼鉄の鎧騎士」を止めるのだった。
ザシャの意外な協力の申し出に俺たちはとても困惑した。
だが当人は既に気にした様子もなく拘束を外してやると何事も無かったかのように服を着て俺たちに話す。
「私は今後お前たちに協力をする事を約束しよう。あの女神が作り上げたこの秩序を打ち壊す為ならいくらでも手を貸す。そしてアガシタ様が動き出したとなれば‥‥‥」
どう言う事か聞いてもそれ以上は話さなかった。
「その、すまん‥‥‥」
「ふん、何の事だ私を犯したことか? だったら気にするな。抱かれた中では下の下だったがな。あれではまったく感じる事も無かった。わっぱが私を楽しませるには十年早いな」
あっけらかんとそう言われ俺たちは更に困惑したものだった。
しかしその言葉通りその後のザシャの行動は俺たちに協力的だった。
おかげでルド王国の東側まで何の問題も無くやってこれた。
ルド王国は一度滅亡したと言われていたが現在はホリゾン公国の庇護下城壁の町の中にいた化け物たちも取り押さえられ徐々に安定を始めているらしい。
しかし、もともとホリゾン帝国時代の兵器開発研究所が残っていた為「鋼鉄の鎧騎士」の開発やあの巨人の卵などの研究もいまだおこなわれていて、それがこの国の財源を支える状況になっている様だ。
おかげでルド王国の回りにはホリゾンの「鋼鉄の鎧騎士」がうじゃうじゃいた。
用もないし、近寄るのは面倒なので迂回していた。
そこでザシャの使う使う精霊魔法はとても強力であり有能の為助かった。
特に姿を隠す精霊魔法は日夜問わず移動が出来たので大幅に移動が出来たものだ。
* * *
「なぁ、アイン。あの女なんでここまで協力的なんだ?」
「俺が知る訳無いだろう?」
オクツマートに聞かれ俺は食事の手を止める。
「お前、何かあの女に気に入られる事でもしたのか? それともお前の抱き方が良かったとか?」
「馬鹿言うな、お前らと同じだ。すぐに終わっちまった」
あまり大きな声で話せないので男数人でコソコソと話す。
情けなさも相まって俺はザシャをチラ見する。
端正な横顔に褐色の肌が銀色の長い髪によく似合う。
とても美しいと思うその横顔は相変わらず面白くもなさそうにしている。
「‥‥‥アイン、まさかお前惚れてないだろうな?」
「オクツマート、お前俺の好み知っているか?」
スタイルは別としてアーシャとはまるっきり性格も何も違っていた。
見た目だけは良いがああいう何を考えているか全くわからなく、そしてきつい性格はあまり好みじゃない。
「俺はああいうの好きなんだがなぁ‥‥‥」
ベリアルはザシャをチラ見しながらそう言う。
「スタイルは抜群なんだがなぁ」
ルデンも同じくザシャをチラ見しながらそう言う。
情けない男四人がコソコソとしているとザシャが声を掛けて来た。
「わっぱどもが何をコソコソとしている? また私を抱きたいのか?」
思わず四人ともそっちを見てしまうがその冷たい視線に次の言葉がなかなか出ない。
「ふん、意気地がないな? 抱きたいなら相手してやってもいいんだぞ?」
「いや、遠慮しておく‥‥‥」
誰と無く思わずそう言ってしまった。
どうも調子が狂う。
誰と無く焚火に目を戻し薪を放り込む。
「おい、わっぱ」
だがそんな俺たちにザシャは更に聞いて聞くる。
「お前たちは東へ逃げると言っていたがどこまで行くつもりだ?」
「俺たちは海を渡りイージム大陸に行くつもりだ」
オクツマートが真っ先にそう言う。
「イージムに行きどうするつもりだ?」
「イザンカ王国に雇ってもらうのさ。あそこは傭兵が常に不足している」
それを聞いたザシャは面白くなさそうに俺に聞いてくる。
「アイン、お前も同じか?」
「俺は‥‥‥」
オクツマートの話ではイザンカであれば「鋼鉄の鎧騎士」を持っていても怪しまれずに雇ってもらえるらしい。
だから‥‥‥
「俺も同じだ。あそこは『鋼鉄の鎧騎士』を持っていても受け入れてくれるらしいからな」
「‥‥‥そうか、まあいい。分かった。ではまずはイージム大陸に渡るぞ」
それだけ言っザシャは向こうへ行ってしまった。
焚火のパチパチと言う音を聞きながらしばらく固まっていた俺たちは顔を見合わせるのだった。
* * *
その後も順調に東に進みいよいよ海が見えて来た。
『どうやら東海岸に着いたようだな? 周りはどうだ?』
俺の操る「鋼鉄の鎧騎士」の肩や背中にしがみついているルデンたちは周りを見てくれているが特に変わったことは無い様だ。
だが腕に抱えられていたザシャは違った。
すくっと立ち上がり遠くを見ている様だ。
ダークエルフは非力ではあるが魔力が強くそして五感が鋭い。
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俺はその声に素直に「鋼鉄の鎧騎士」を止めるのだった。
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