アルム~アラ40女子がいきなり異世界の第三王子に転生して無意識に無双してプチハーレム状態なんだけど、私はBL要素が見たいの!!~

さいとう みさき

文字の大きさ
64 / 150
第二章:ジマの国

2-27:レッドゲイルへ

しおりを挟む

 シューバッド兄さんとエシュリナーゼ姉さんの努力あって、みんなでレッドゲイルに行ける事になってしまった。


「ふふふふふ、これでミリアリアの魔の手からアルムを守れるわ!」

「何とか許可をもらえたよ~。いやぁ、流石にエナリアも一緒って言うのは反対されたけど、エシュリナーゼ姉さんが面倒見るって事にしたから何とかなったよ~」


 二人してそろって額の汗をぬぐって良い笑顔を見せる。
 既にやり切った感満載だ。


「そうすると、いつ頃行けばいいのかな?」

「レッドゲイルの収穫祭は一週間後くらいに始まるから、そのくらいに行けばいいかな? レッドゲイルまでは馬車で二日くらいだからね、数日中に出発すれば大丈夫だろう。風のメッセンジャーでも僕たちが行く事は向こうへ伝えてあるからね」

 シューバッド兄さんはそう言ってにっこりとほほ笑む。
 この辺の手配の速さは流石だ。

 アマディアス兄さんとは違うけど、仕事のできる男の子はお姉さん大好きよ!

 中にいる私のシューバッド兄さんへの評価が上がる。
 いやいっそお持ち帰りしたい。
 このくらいの肌がまだ綺麗な筋肉の出来上がっていない男の子は思わずぎゅう~っと抱きしめたくなっちゃう♡

 ……今は五歳児の男の子だから無理だけど。


「でもそすると、何かお土産も準備しなきゃですね?」

「お土産??」

「流石に遊びに行くのに手ぶらでは行けないでしょう? 大丈夫、私に任せてねアルム君♡」

 確かにアプリリア姉さんの言う通りだ。
 遊びに行くとは言え、何かお土産くらい持って行かないと先方様に失礼となる。
 頷く私にアプリリア姉さんは早速お土産を見繕う為に出て行った。

 さてそうすると後はこいつらか。


「カルミナさん、アビス、聞いての通りレッドゲイルの収穫祭に遊びに行くから準備してね」

「に”ゃッ!? あたしも行くニャ!?」

「当たり前でしょ? 一応カルミナさんも僕と契約した間なんだから、それに表上は僕の護衛なんだよ?」

「そんニャ、イータルモアに先を越されるニャ!!」

「あきらめて、言うこと聞かないと強制力発動させるよ?」

「うにゃぁ~」

 そうそう、カルミナさんもアビスも強制力と言うモノがあったらしい。
 あの契約で左手に紋章が出来たのは主従関係の証らしい。
 当人と言うか、使い魔の意思に対してこちらの言う事を聞かせるには魔力を込めた命令をその紋章に送り込めば言う事を聞くしかなくなるらしい。
 もっとも、私の場合声に魔力を乗せただけでかなりの強制力になっているらしいけど。

 しぶしぶ頷くカルミナさんに対して、普段あまりやることが無いアビスは少々嬉しそうだ。


「我が主よ、道中の護衛はこの私めにお任せを。立ちはだかる者はすべからく血祭りにあげて御覧に入れましょう。くっくっくっくっくっ!」

「いや、そこまで頑張らなくていいから……」


 護衛としては十分に役には立つだろうけど、こいつの場合加減と言うモノを知らない。
 下手に許可を出すとチリ一つ残さずに始末しかねないからね。

 さて、こっちは良いとすると最大の問題は……


 私は今日は午後からのエマニエルさんの授業の事を思い出すのだった。


 
 * * * * *


「なんですって? レッドゲイルの収穫祭に行くのですか!?」


 やっぱりエマニエルさんが目の色を変えた。
 後ろには魔力充填がまだされてない回収された魔晶石が沢山転がっている。

 一応は、各国にばらまく用のは準備が出来た。

 アマディアス兄さんの婚約の発表と共に各国へ通知をすると同時に粗品として送り付けられるのが魔晶石。
 そして婚約の発表と同時にその魔晶石が送りつけられ、今後イザンカは魔晶石を融通する事が出来る旨を書いた親書も同封されているから「草」やローグの民が流した噂も相まって、既にイザンカ王国の後ろ盾には黒龍だけでなく、女神様の息もかかっていると思われるだろう。

 なにせ魔晶石は現在古代魔法王国時代のモノしか存在しなかったからだ。
 
 ロストマジックアイテムとまで言われ、便利な魔晶石は使ったら最後二度と元には戻らないただの黒い石になってしまう。
 古代魔法王国では通貨代わりに使われていたと言う程重宝された魔晶石だが、現代ではその生成方法が失われている。
 それがイザンカ王国で出来るようになったとなれば、何処からかその技術か何かが支援があったと誰でも勘繰るだろう。
 となればいち早く思いつくのが孫娘の婚約の祝いとして女神様からその技を教えられてもおかしくはない。

 そしてそれは、イザンカ王国の後ろには女神様がいる事を暗示している。

 と、言うのがアマディアス兄さんの目論見だ。
 実際には偶然の産物の積み重ねと、私のやっちまったの結果だけど今の時代ではこれは大きな問題となる。

 イザンカ王国はただの使えなくなった石を再利用できるようになって宝石と同じくらいの価値にして他国へと販売できる。
 新たな産業の誕生となる。

 既に事情を知ったアマディアス兄さんは、魔力量の多い魔術師をかき集め始めている。
 量産体制を構築するためだ。
 そして、その筆頭となるのがエマニエルさん。
 私が改造した術式の魔法陣は渡してあるのでそれをコピーして魔晶石に魔力充填をすればいいのだけど、その術式の魔法陣がこれまた作るのが難しかったりする。
 エマニエルさんですら、一つの魔法陣を作成するのに一週間かかるらしい。

 さらに言えば魔力伝達を上げる為にはミスリルの粉を混ぜたインクが必要となり、その生成もめちゃくちゃ面倒くさいらしい。

 ちなみに、あの時私がエマニエルさんの術式を解読再構築させたのは膨大な魔力に物言わせ、結構強引に術式自体を動かして形成したので、分かりやすく言うとA3のコピー用紙にびっしりと書かれた文字を、A6くらいのコピー紙に強引に圧縮したような感じだった。


「アルムエイド様ぁ~」

「はいはい、ちゃんとこれ準備してありますから。とりあえず十枚は有りますから何とかなりますよね?」


 私はやはり魔力量に物を言わせて作っておいた術式を織り込んだ魔法陣が書かれた羊皮紙を十枚ほど渡す。
 それを受け取り、エマニエルさんはぱぁっと明るい表情へと変わる。


「ありがとうございました! おかげで何とか間に合いそうです!!」


「良かったですね。と、エマニエルさんに聞きたい事があったんだ。オリジナルの『鋼鉄の鎧騎士』ってどう言うモノか」

 私がそう言った途端、エマニエルさんの様子が変わる。
 眼鏡のずれを直してからしゃきっとした趣で振り返る。


「オリジナルの『鋼鉄の鎧騎士』ですね? アルムエイド様、それにご興味があると言うのですね??」

「え、あ、ま、まぁ、せっかくレッドゲイルに行ってオリジナルを見せてもらえるって話なので予備知識としてもう少し詳しく知りたいかなぁって」


 何だろう?
 ただならぬこの雰囲気?


「いいでしょう、私が魔法学園ボヘーミャを首席で卒業した時の論文がまさに『鋼鉄の鎧騎士』についての考察でした。当然そうなるとオリジナルの十二体についてもいろいろと調べ、我がイザンカ王国に存在する一体についてもいろいろと調べました。アルムエイド様がご興味あるそうなので、この辺のお話はみっちりとお話をさせていただきますね!」


 あ、しまった。
 変なスイッチ入れちゃった。

 技術屋もそうだけど、自分の研究したり深くかかわった事を聞かれると途端に饒舌になる。
 そしていらない事まで事細かく説明してくれる。

 エマニエルさんは今まさにそんな目の色をしている。



 私はおののきつつエマニエルさんの饒舌たるその「鋼鉄の鎧騎士」についての考察を永遠と聞かされる羽目になるのだった。
   
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...