アルム~アラ40女子がいきなり異世界の第三王子に転生して無意識に無双してプチハーレム状態なんだけど、私はBL要素が見たいの!!~

さいとう みさき

文字の大きさ
103 / 150
第三章:イザンカ王国

3-34:悪魔の王

しおりを挟む

「我が主よ!!」


 アビスが城壁にのめり込みながらも叫ぶ。
 私の周りには七つの大きな観音開きの扉が現れ、一斉にその扉が開く。


『さあ、我がもとへ来るがいい!!』


 悪魔の王がそう言うと開かれた扉から一斉にアビスを捕まえたあの手が伸び出てきて私を捕まえようとする。


 うーん気持ち悪い。
 こんなのに捕まりたくはない。

 そう思って私は周り三百六十度に【絶対防壁】を展開する。

 だが、その黒い手たちは私の張った【絶対防壁】をすり抜けて迫ってくる。


「おおぉ? じゃあ、これだ」

 そう言って私は【念動魔法】で自分自身を宙に持ち上げる。
 だけど、しっかりと伸び出てきた手たちは私を捕まえようと伸び来る。


「結構しつこいな、じゃぁ!」


 そう言って自信を空中で飛び回らせ追跡してくる手に向かって何百という【炎の矢】をぶち込む。


 ちゅどどどどっどんっ!!


 それらは見事に伸び来る手に命中したが、全くの無傷?
 こいつはもしかして並みの魔法じゃ効かないかな??


「【爆裂核魔法】!」


 なので今度は射線の後ろに影響が出なさそうなところで【爆裂核魔法】をぶっ放す。


 きゅうぅ~
 かっ!


 どばごぉおおおおおおぉおぉぉぉんっ!!



 速度をやや抑えて伸び来る手を一網打尽で【爆裂核魔法】で吹き飛ばす。
 流石にこの魔法は通用したようで、業火に焼かれ吹き飛ばされた手たちが塵になる。

 が、すぐさま次の手が伸びてくる。


「ああ、もうしつこいなっ! しつこい男は嫌われるんだぞ!?」


 そう言いながらもう一発【爆裂核魔法】を撃ちだすもまたまた次の手が伸びてくる。


『あきらめるがいい、我が支配する七大冤獄の扉より伸び出る業の手はその業の重さ故消えることはない』

 そう悪魔の王はこの状況を腕組みしながら見ている。
 
 あーもう、高見の見物しやがって!
 なんかむかつく!!

 伸び来る手を退けてもきりがないだなんて。

 ん?
 ちょっと待て。

 そう言えばアビスをどこかに飛ばそうとして転移魔法使ったらこいつら出てきたんだよね?
 じゃあ、こいつら飛ばしたらどうなるのかな??


「だったら!!」


 私は伸び来る手を振り切って七つの門に対して転移魔法を魔力制限なしに使ってみる。
 すると、門の後ろのさらに一回り大きな門が現れ扉が開く。


『なんだと!? 我が支配する七大冤獄以外にも冤獄が存在するというのか!?』


 悪魔の王が驚くその中、扉の後ろに現れた扉の開かれたそこから今度はまるでカニのはさみのようなものが何本も出てきて目の前の扉をつかみ引きずり込む。


『バカなっ!? 我の知らぬ上位世界があるとでもいうのか!?』
   

 悪魔の王がそう叫ぶ中、七つの扉は新たに表れた更に大きい七つの扉に引きずり込まれて消えてしまった。


「うーん、なんか更にヤバいモノ呼び出しちゃった? でもまあ消えたからいいか」


 私はそう言って悪魔の王の前まで飛んで行く。


「お前がドドスを扇動してたんだね?」

『ありえん! 低級世界の貴様等が上級世界の我を凌駕するなど!! いくら魔力が膨大だからと言って我が七大冤獄を凌駕するなどありえん!!』

「いや、そう言われてもね。それより、お前だよ。僕をどうにかするつもりだったみたいだけどそうはいかないよ!」


 私はそう言って悪魔の王に向かって前触れもなく【爆裂核魔法】をぶっ放す。

 
 かっ!

 どばごぉおおおおおおぉ大おぉぉぉんっ!!


『ぐぉっ!』

 でもまぁ予想通り体全部を球体の防壁で包んで私の放つ【爆裂核魔法】を防ぐ。
 しかし今回は前とは違う。
 手から放つ業火を絞りに絞って赤い光の線にする。


『な、何だとぉっ!?』


 前回のように防壁でぎりぎり耐えるつもりだったのだろう、集束するその光は悪魔の王の全面の防壁にひびを入れ始める。


 ビキッ!
 ビキビキビキっ!!


 そしてとうとうその光は悪魔王の防壁を貫く!



 ばぎゃん!

 すびずばぁーん!!


 ボシュっ!!


『ぐわぁああああぁぁぁぁっ!!』


 赤い閃光は悪魔王の左腕を吹き飛ばし、肩から左胸を吹き飛ばす。
 人間だったら即死のダメージだけど、さすがに人とは違う異形のモノ。
 傷口を押さえ私を睨みつける。


『貴様、一体何なんだ!? この我にこれほどの手傷を負わせるなどこの世界ではありえんっ!!』

「ん~? 僕は僕だよ。僕は静かに暮らせればそれでいいのにお前らみたいなのが問題を持ち込む。まったく、いい加減にしてほしいものだよ」


 そう言ってため息をつく私に悪魔の王は私を睨みつけながら言う。



『化け物め!』



「失敬だな、僕はアルムエイド。イザンカ王国の第三王子でそれ以上でもそれ以下でもないよ。さて、お話はここまでだね。そろそろ消えてもらうよ。お前がいなくなればドドスの連中も正気に戻り、『鋼鉄の鎧騎士』があれだと流石に戦争継続はできないだろうからね」


 私はそう言って悪魔の王に向かって片手をあげる。

「さよなら」

 私がそう言った瞬間だった。


「アルム様!!」

「アルムニャ!」

「くぅっ! 我が主よ!!」


 みんなの声がしてそちらをちらっと見ると、なんとまたあの七つの門が現れていた。
 そして開いた門から伸び出る手が私に迫っていた。


『くはははははっはっ! 油断したな!! 捕まえたぞ! これで貴様の魔力を我が物にすればこの程度の痛手など!!』


 私は扉から出てきた手に包まれてぐるぐる巻きにされていた。
 捕まって分かった。
 なるほど、この手は物理的に捕縛するのではなく、精神とかを捕まえるモノだったのか。
 だから魔人であるアビスは抗う事が出来ず捕まっていたのか。

 でも、ネタがわかれば!

「【精神攻撃槍】スピリッツアタックランス!!」


 カッ!!


 私が魔力をふんだんに使った精神に攻撃をできる魔法、【精神攻撃槍】が私の体を覆うように現れて一気に放たれる。
 それは私を捕まえていた手を引きちぎり爆散する。


 ぼしゅぼしゅぼしゅ!


『なんだとっ!?』

「まぁ、ネタがわかれば対処方法があるよ。お前がそれだけの手傷を受けても死なないのは、精神体だからだよね? だから!」


 神聖魔法に近いそれはちょっと複雑な術式だったので、ところどころイメージを固めるために呪文を思い出しながら唱える。


『そ、その呪文は、まさか!? いや、今の時代にこちらの世界でその呪文が使える者がいるというのか!? 神代魔法のはずだぞ!!』

「魔力が足らないから今までは使える人がいなかっただけさ。でもイザンカの禁書庫にはそういった古い呪文もあるんだよ!」

 言いながら私は最後に力ある言葉を放つ。


「【裁きの剣】ホーリーソード!!」


 これは天秤の女神アガシタ様の従者が使ったという神代魔法。いや、女神様たちからすると自分の力の一端で、魔力を単に剣の姿にして振るっていただけらしい。
 しかし人である私達にはその理がわからず、気まぐれでアガシタ様が人に伝えた呪文がこれだったらしい。

 当然今までの歴史上、これを使えた人族はいなかったらしい。

 でも今の私なら!



 私は手を天高く掲げてその先に光る刃を発生させるのだった。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...