アルム~アラ40女子がいきなり異世界の第三王子に転生して無意識に無双してプチハーレム状態なんだけど、私はBL要素が見たいの!!~

さいとう みさき

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第四章:転移先で

4-34:ガレント王国の対策

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 報告を受けたエルさんは、敵対勢力が「秘密結社ジュメル」ではないかと推測していた。


「しかしエル姉、もしそれが本当だとすると厄介この上ないぞ? シェル様やあのお方に協力を仰がなければどうしようもないぞ」

「わかってるって。でもママたちがいないんじゃどうしようもないじゃない。だからボヘーミャに向かうしかないのよ」

 エルさんはそう言ってくいっと一気にお茶を飲み干す。
 しかしそんなエルさんにソアラさんは言う。


「エル姉様、我々ガレント王国はどう動けばいいでしょう?」


「それはもうスイフトに言ってあるけど、まずは隣国との協力関係を更に強固にすることね。通信も秘密のゲートによる往来も制限されては意思疎通の齟齬を突かれて誤解が生じ、そこから争いになることはよくあるわ。今までは意思疎通のために方法があったけどそれが出来なくなった。目と耳を封じられたようなモノよ」

 エルさんの言うとおりだ。
 今までの連絡手段や往来の手段がいきなりできなくなったのだ。
 当然そこにはいろいろな弊害が生じる。
 そしてその弊害に乗じて混乱を加速させるのは容易だろう。


「でも、今回はそれだけじゃすまなさそうよね…… 転移魔法を使える人物に小柄なエルフの脅威。いったい何が起こっているって言うのかしら……」


 エルさんのその質問に答えられる者はいないのだった。


 * * * * *


「ところでアルムエイド様は今おいくつなんですか?」

「えっと、十一ですがもうじき十二歳になると思います」


 とりあえず別の部屋に移ってエルさんたちと魔法学園ボヘーミャに向かう準備を始める。
 結局ガレント王国としても守りを固めエルさんに言われた通り近隣諸国との関係を強化するしか今は手立てがない。
 シーナ商会やギルド、女神信教などの各組織とも連携をとるという事で話は終わった。

 で、ボヘーミャに向かう準備をしている間に何故かミラココア姫とティーダ姫、そしてタフト王子が私たちのいる部屋に来ていた。


「アルムエイド君とはぜひ魔術について話がしたいんだよ」

「はぁ、でも僕記憶を失っているので魔法が自由に使えないんですよ…… なんて言うか、危ないと思ったら【絶対防壁】が発動したりとかするんですが、完全にコントロールできるわけじゃないんですよね」

 タフト王子のその言葉にそう答えると怪訝そうな顔をする。


「もしかして、呪文を唱えずに魔法を使っているのかい?」

「えっと、たぶんそうなります……」


「「「!?」」」


 私がそう答えると三人は一様に驚いた表情になる。
 そしてタフト王子がほほに汗を一筋流しながら聞いてくる。

「無詠唱魔法の使い手だとはね……」

「すごい! アルムエイド君って無詠唱魔法が使えるの!?」

「これって、弟のタフトよりすごいわね。タフト、大人しく負けを認めたらどうなの?」

「ミラココア姉さんは黙っていてもらえるかな? アルムエイド君がどれほどすごいか試してみるよ、【炎の矢】!!」

 言いながらタフト王子はいきなり私に向かって高速で呪文を唱えて【炎の矢】を打ち込んでくる!?


「うわっ!!」


 バシュッ!


 しかし危ないと思った瞬間その炎の矢は見えない壁で遮られその場で霧散する。


「アルム様! タフト王子、いくら何でもおふざけが過ぎます!」

「くーっくっくっくっく、我が主に刃を向けるとは。主よこの国を滅ぼしてもいいですかな?」

「おいたが過ぎるニャ! 少しお灸をすえるニャ?」


 が、私が抗議するよりも先に三人が声をあげる。


「落ち着きなさいよ、あなたたち。タフトが放った【炎の矢】は幻影魔法よ。当たっても何ら問題ないわよ?」

 そう言ってエルさんは瞳の色を金色に変えて体をぼうっと輝かせてこちらを見ていた。

「流石エル姉様、ご名答です。でも確かにアルムエイド君は無詠唱で【絶対防壁】を展開させていました。認めましょう、君は天才だ!」

 そう言ってタフト王子はまた私の手を取って強く握手する。
 そしてぐいッと顔を近づけ言う。


「君とは仲良くしたい、友達になろう!」

「え、あ、はぃ? え、ええとぉそれはいいんだけど……」


 近い近いちかいっ!
 握手しながらタフト王子の顔が目の前にある。
 と言うか、このタフト王子もなかなかの美形。
 ちょっと幼さ残ってるけど、お姉さんとしてはばっちこーぉおおぉぃぃいっよ!!


「う、うん、仲よくしよう///////」

「よし! じゃぁ僕も一緒にボヘーミャに行こう。早かれ遅かれボヘーミャで魔術を学ぶつもりだったからね!」


「へっ?」


 にっこりとそう宣言して姉たちであるミラココア姫やティーダ姫に向き直る。

「まったくタフトは、仕方ないわね。どちらにせよあなたはボヘーミャに留学することは決まっていたしね」

「いいですよね、アルムエイド君と一緒だなんて。羨ましい、私も行きたいです」

 ミラココア姫やティーダ姫は少しあきれながらそう言うも、反対するようではない。
 いいのかこんな重要な事あっさりと決めて。

「うーん、タフトも一緒に来るのね? 分かった、スイフトには私から言っておいてあげる。まぁ旅は道連れ世は情けって言うしね~」

 しかしエルさんのその一言で一緒にボヘーミャに行く事が決定してしまった。
 ほんといいのかそんなあっさりと決めて……

 
「ありがとうございますエル姉様。アルムエイド君、僕の事はタフトと呼んでくれ。僕も君の事はアルムと呼ばせてもらうから」

「あ、うん、うん。じゃあタフトよろしくね」

「ああ、アルム。こちらこそ!」

 

 そう言って再び私たちは握手をするのだった。

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