アルム~アラ40女子がいきなり異世界の第三王子に転生して無意識に無双してプチハーレム状態なんだけど、私はBL要素が見たいの!!~

さいとう みさき

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第五章:魔法学園

5-5:入試試験

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 魔法学園ボヘーミャは学園都市としても知られている。
 学園を中心に街が広がっていて、街の行政も魔法学園が仕切っているらしい。


「ここが魔法学園……」

 馬車から降りながら門の前で私はつぶやく。

 ガレント王国の大使館に着いて二日後、私はタフトと一緒に学園に短期留学することとなった。
 タフトの好意で、大使であるアイゼンさんがいろいろ手続きをしてくれた。
 そして本日一応形だけと言われた入学試験を受けることとなる。

「そんなに気を張らなくていいよ、入学試験とはいっても光の魔法が使えれば合格だからね」

「え? それって生活魔法なんじゃないの??」

 生活魔法とは、誰でも呪文を唱えてちょっと意識すると使えてしまう魔法。
 基本的には「明かり」、「水生成」、「着火」、「念動」の四つを指す。
 どれもこれも魔法で言うと超初級で、場合によっては五歳児でも魔力の意識集中さえできれば使えてしまう。

 魔法学園の入学試験と聞いていたからどんなものかと身構えていたが、これって誰でもはいれるんじゃないだろうか?


「相変わらずガレントの力は強大ね? 普通の試験はもっと難しい物ばかりなのにね」

 エルさんはあきれたようにそう言う。
 しかしタフトは笑いながら言う。

「ガレント王国とボヘーミャは友好的存在ですからね。王族や上級貴族をここへ入れるもう一つの目的が庶民たちを理解することにあります。お付きも最低限しか付けられない環境で社会を学ぶのも重要ですからね」

「それにしても、こんな形式だけの試験じゃ意味ないでしょうに?」

「そこはほら、学園に入ってからビシバシと鍛えるという事で」

 エルさんの言葉にタフトはさらに楽しそうに応える。
 そして独り言のようにつぶやく。

「天狗になっている大貴族たちにはいい経験ですよ。ガレントの将来を担う家臣になるなら苦労も知っておくべきです」

 まぁ、お偉いさんたちにはお偉いさんたちなりに色々あるんだろうなぁ。
 わがままな王族や貴族様ってのは結構いるだろうし。 


「さて、それじゃぁ行こうか」


 タフトはそう言って学園へと入ってゆくのだった。


 * * *


「なんか変な感じだね……」

「う~ん、何となく何かが体にまとわりつく感覚ニャ」

「くーっくっくっくっくっ、これは魔力の波動ですね? しかなんと脆弱な波動なのでしょう」


 門をくぐった瞬間、なんと言うか空気が粘っこいと言うか、まとわりつくと言うか、違和感を感じた。
 カルミナさんやアビスも感じたらしく、周りをきょろきょろ見ている。


「そういえば、この学園では勝手には魔法が使えなくなると聞きます。なんでも魔法による事故を防ぐために」

「魔法学園なのに魔法が使えない? 何それ??」

「ああ、それは『戒めの腕輪』の事だね? 学園に入学すると必ず身につけなくてはいけないものなんだ。学園の結界内で腕輪をつけていると、うまく呪文が唱えられなくなり、魔法が発動できなくなるんだ」

 マリーが思い出したようにそう言うと、タフトが解説をしてくれる。
 確かに魔法ってモノによっては危ないものもある。
 剣とかと違っていったん発動されたら止めることはできない。
 だから命にかかわる場合もあるだろう。

「なるほどね、それで魔法が勝手に使えないようになっているんだ。でも授業とかで魔法を使う場合は?」


「それは専用の場所では結界の効力が無くなるのですよ。よくぞいらした。私はアルガス=へミリオン、副学園長をしています」

 いろいろと考えていたら独り言を言っていたらしい。
 私のそれに後ろから初老の男性の声がした。
 振り向けば、いかにも魔導士という風体の六十歳くらいのおじさんが立っていた。


「お初にお目にかかります。タフト=ルド・シーナ・ガレントとその親友アルムエイド=エルグ・ミオ・ド・イザンカです」

 タフトはすぐにその声をかけてきた副学園長に正式な挨拶をする。
 すると副学園長と名乗った人は笑いながら言う。

「よくぞ参られた、魔道の学び舎に。さて、そちらの少年は大使館からの連絡もあり訳ありの少年だとか?」

「ええ、そうよ。今は私が保護者をしているわ。初めまして、シーナ商会のエルです」

 私を見ながら少し目を細めるアルガス副学園長。
 それにエルさんはすぐに名乗りを上げて手を差し出す。

「あなたがシーナ商会のエル殿ですか。お初にお目にかかります、アルガス=へミリオンです」

 アルガス副学園長はエルさんの手を握りながら挨拶を返す。
 そしてやはり私を見てから言う。

「『イザンカ』の名を継ぐという事は、失踪した第三王子ですな?」

「そういう事。彼の身元は私たちシーナ商会が保障します。あまり公にはできないけど、彼は記憶を失っている。だからここで魔道を学びなおしてから帰国をしないと彼自身も苦労すると思うので」

 エルさんがそう言うと、アルガス副学園長は一瞬目を見開き、そしてまた平常心を保った表情になる。

「わかりました。それではエル殿は学園長室へご案内します。タフト殿下とアルムエイド殿下には試験を受けてもらいましょう。ローザス先生、よろしくお願いしますよ?」

 アルガス副学園長がそう言うと、後ろから三十路を過ぎたくらいの女性がやってきた。

「ローザス=イナバウアーと言います。それでは君たち、試験をするのでこちらへ」


 物腰の柔らかそうな女性だった。
 彼女は魔法の杖を振りながら私たちを別室へと連れて行くのだった。
 


* * * * *

<アナウンス>
すみません、義理の母が入院の為しばらく不定期更新となります。
うーん、今年は何なんだろう?
年始からドタバタしてます。

さいとう みさき

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