アルム~アラ40女子がいきなり異世界の第三王子に転生して無意識に無双してプチハーレム状態なんだけど、私はBL要素が見たいの!!~

さいとう みさき

文字の大きさ
147 / 150
第五章:魔法学園

5-8:状況説明

しおりを挟む

「失礼します、連れてきました」


 私とタフトはロディマスさんとアルガスさんに連れられて学園長室へ来ていた。
 扉をノックし、入室許可の声がして中に入ると、応接セットの奥に大きな机に座った学園長がいた。
 ちなみに応接セットのソファーにはエルさんが座っている。


「よく来ましたね、イザンカ第三王子アルムエイド殿下。おや、タフト殿下もですか?」

 学園長は何か書き物をしていたらしく、最後に封印の印を押して封を閉じていた。
 そして立ち上がってエルさんにその封を手渡す。

「ありがとうございます。これで動けますね。しかし、ママたちと学園長も連絡が取れなくなっているとは…… 失礼ですがマーヤさんのエルフのネットワークは?」

「そちらもダメですね。エリリアにも相談してますが、打開策が見つかりません。現状ではギルド、シーナ商会を頼りにするしかありませんね。ソルミナ教授も風のメッセンジャーの回復もしくは代用方法を考えています」

 学園長とエルさんはある程度話が進んでいるようだ。
 となると私だが……


「すみません、エルさん状況を教えてもらえますか?」

「おっと、そうそう、アルム君たちには来てもらったのは他でもないわ。学園長といろいろ話をして現状とその対策についてね」

 エルさんはそう言って私を見てから学園長を見る。
 すると、学園長は手をかざしソファーに座ることを進める。


「まずはお座りなさい。アルガス副学園長、ロディマス寮長はご苦労様です。この後は彼らと込み入った話があるので」


 学園長がそう言うと、アルガス副学園長とロディマスさんは一礼をして部屋を出て行くのだった。


 * * *


「こ、これって緑茶!?」

「おや? アルムエイド殿下は緑茶をご存じで?」


 学園長直々に入れてもらったお茶は、まさしく「緑茶」だった。
 異世界から召喚されたと聞いてはいたが、これで確実に彼女が日本人であると理解した。


「さて、まずは現状なんだけど、ボヘーミャも同じ状況になっていたわ。そして一番の問題がエルフのネットワークが使えなくなっているってことよ」

 エルさんはそう言って湯飲みを置く。
  
「現在ボヘーミャでも通信と緊急時の転移が使えなくなっています。エリリアにも調べてもらっていますが、かなり大きな力が関与して両方とも機能が出来なくなっているようです」

 お茶を飲みながら学園長はそう続ける。
 そしてエルさん同様湯呑をテーブルの上に置いてから話す。

「正直ここまでの問題は私も初めてです。事が事だけに女神であるエルハイミにも連絡を取ろうとしているのですが、肝心のエルフのネットワークも途絶え、マーヤとエルフの村の連絡も取れなくなっています。つまり、精霊力自体にも制限がかかっています」

 学園長がそう言うとタフトが大いに驚く。


「精霊力にまで影響があるだなんんて……」

「そんなに驚くことなの?」


 思わず小声でタフトに聞き返すと、タフトは頷きながら言う。

「精霊力は古い女神様に由来する。地、水、火、風の四大精霊が有名だが、これらはすべて古い女神様がおつくりになっていると聞いている。つまり、女神様の力に相当するほどの力が働いているという事になるんだよ」

「女神様に相当する……」

 いやそれって、思っていた以上にとんでもなってこと?
 古い女神様がどれほどのモノかは知らないけど、今の女神様にも匹敵するのかな?


「ほんと、ママたちどこ行っちゃったのよ? お母さんの力が必要だっていうのに、変な宗教に加入してどっかに行っちゃうだなんて!!」

「そういえばエル殿、エルハイミたちはどこの宗教に加入したのですか?」

「ああぁ、そうでしたね…… えっと、たしか中から直さなければどうしようもない宗教だって言ってました。宗教団体の名前は……」

 エルさんはそう言いかけてしばし難しい顔をする。


「たしか、『じゅ』何とかって言ってたような気がするのだけど……」


「宗教団体の名称が分からないのですか?」

「すみません、ただ、面倒な連中で女神信教の教えをわざと歪曲させたり、偶像の女神を他に作り上げたりと現在の女神信教自体にも影響を及ぼし始めたと言ってました」

「女神信教にですか……」

 学園長はそう言って難しそうな顔をする。
 そして軽くため息を吐いてから言う。

「まずはエルフの村と連絡を取ります。精霊魔法に関してはエルフ族が長けていますからね。我が校のソルミナ教授にも協力をしてもらいましょう。それとエル殿、ジルの村やティナの国に関しては何か?」

「ティナの国にはすでにうちからも連絡が行っています。全面的に協力は惜しまないそうです。特に例のエルフの少女についてはティナの国の『鋼鉄の鎧騎士』の提供もしてくれるそうです」

「そちらも問題ですが、どうも気になるのです…… そ、その、その娘は『あたしは最強』と確かに言っていたのですね?」

 なぜか学園長は額に汗をびっしりとかいている。
 そして動揺の色が私でもわかるほどだし。

「それについては、我が国の砦のスパルトス隊長の証言もあります」

 動揺をしているような学園長にタフトがそう言うと、学園長はびくっとなってタフトに振り向く。


「ま、間違いないのですね……」


「ええ、我が国の兵が間違いを言うはずはありません」

「そ、そうですか……」

 さらに汗をびっしりとかいている学園長。
 いったい……


「と、とにかくそちらの件に関しては色々と確認も必要ですね…… そ、それでエル殿、うちの娘たちはシェルの下で元気にやっていたのですね?」

「え? ああ、リル姉さんとルラ姉さんですね? 私はジルの村で修業させられていたからぁ…… いや、ちょっと待ってください学園長! ルラ姉さんって!!」


「ま、待ってください! 心の準備がまだです!!」


 エルさんは何かに思い当たったかのようにやはり額に汗をびっちりかいて、学園長を見る。
 そして学園長も胸を押さえてエルさんに向かって手のひらを出し、待ったをかける。


「ふむ、話を総合するとそのガレントの国境の砦で『鋼鉄の鎧騎士』を倒したのはルラみたいだね?」



 またまた別の女性の声がしてくるのだった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...