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雨の日①
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もう真央を避けないと決めた翌週のこと
朝。普段通りに登校して教室に入ろうとするといつもより教室が騒がしいことに気づく
教室に入り騒がしい方を見てみると
そこにいたのはクラスの陽キャ達に囲まれている真央がいて――
真央の背中まで伸びていた金髪は肩につくくらいの長さまでバッサリ切られていた
すると俺の視線に気づいたのか目が合うと、真央はすぐにこちらに向かってきた
「奏太君おはよっ!」
「あ、うん。おはよ」
一瞬思考が停止してしまったせいで反応が遅れてしまった
ひとまず自分の席まで来て座る
真央も椅子を俺の席に向けて座ると、髪の毛の先をつまむようにしながら
「髪、どうかな……?」
「似合ってるよ」
「ふふっ。ありがと」
安心したかのような表情でそう言った真央を見ていると、こうして向き合って話すのは久しぶりだなとふと思う
「そういえば奏太君って期末どうだった?」
「俺にしてはまあまあだった。そういう真央は?」
「平均点よりかは上かな」
「もしかして真央って頭いい?」
「それなりには……って感じ!」
「今度教えてくれよ。勉強」
自然とこんな言葉が出た。最近まで避けていたやつが何言ってんだって、自分でも思ってしまう
「全然教える!私も奏太君と一緒に勉強できたら嬉しいし……」
(やさしいな本当に)
こんな俺と一緒に勉強したいと言ってくれたり、避けてた理由だったりを聞いてきたりもせず今まで通りに接してくれる
昼休みになると窓の外では雨が降り出していた
前の席の真央が窓の外を見ながらポツリと何かを呟いた気がしたが俺の耳には届かなかった
すると今度は俺の方を見ると
「昼ごはん一緒に食べない……?」
いつもよりなんだか違う様子で、自信なさげに聞いてくる真央を見たとき気づいてしまった
俺に避けられてた時、真央は一体どんな気持ちだったんだろうか。そんな簡単なこと深く考える必要もない。俺は真央を傷つけていた
そしてもう一度真央の顔を見てみる。とても不安そうな顔で、ここまで不安がらせてしまってたなんて、朝真央はどんな気持ちで俺と話してくれていたんだろう。それらのことを今この瞬間まで気づかなかった自分がもの凄く自分本位で気持ち悪い
「その前にちょっときて」
ご飯を食べてる時に話せばいいと思った。だけど今すぐ謝りたい。そっちの気持ちのほうが強かった
俺は真央の手を取るとそのまま教室を出て階段を上り屋上の扉の前まで来た
ここはだれも来ない
それまで握っていた手を放した後、真央を見ると頬を少し赤らめていた
「奏太君いきなりどうしたの……?」
「あのさ真央に謝らないといけないことがあって」
静寂の中雨の音だけが聞こえてくる
「真央を避けるようなことしてごめんなさい!」
「うん。けど寂しかった」
「本当にごめん」
「いいよ。それに謝ってくれたってことはもう避けたりしない。そういうことでしょ?」
「うん」
「私奏太君と話したいこといっぱいあるの。だから今日は家に帰るまでたくさんお話ししよう?そしたら私の事避けてたことも全部なかったことでいいから」
「ありがとう」
許してもらえてよかった
けどやっぱり真央は優しすぎる
俺を責めることは一切せず、ただ許してくれるなんて
放課後。昇降口へ二人で向かってる途中の事
「私今日傘忘れちゃったんだった!どうしよう……」
「じゃあ俺の傘入る?」
「えっ。いいの?奏太君濡れちゃうかもよ?」
「そんなの気にしなくていいって」
「じゃあお言葉に甘えて……」
「大丈夫濡れてない?」
「うん。平気!でも奏太君の方こそ肩濡れちゃってる」
「俺は平気。それに真央に風邪ひかせたくないし」
「……ありがとう」
相合傘をするのは何気に初めてだ
相合傘はお互いの距離が近く、真央からはいい匂いがしてくるし、自分は臭くないか心配にもなってくる
「そういえばもう少しで冬休みだね!」
「あと学校も2日か。真央は冬休み友達と遊んだりするの?」
「うん。まあすると思う。奏太君は?」
「うーん。俺はあんま友達いないしな。あ、けど樹とは遊ぶかも」
「中村君かぁ。私とは?」
「え?」
この前のこともあって心の中ですこしだけドキッとしてしまう
「私とは遊んでくれないの?」
「真央も友達だしもちろん遊びたいよ」
「そしたらさクリスマス予定ある?」
「ないよ」
「なら。あの。もしよかったら、クリスマス私とお出かけしませんか?」
「ふふ、いいけど。なんで敬語なの?」
「……緊張してたから」
恥ずかしそうに、二の腕を反対の手でつかむようにしながら小さい声でそう言った
真央の家に着く
「それじゃあまた明日!」
「うん。ばいばい」
久しぶりの別れの挨拶だった
今日の真央は1つ1つのしぐさが可愛く見えた
そう思うのは髪を切って雰囲気が変わったから?
分からない
けどクリスマス誘われるとは思ってなかった
これはデート?
いや友達同士だしそういうわけではないのか
でも真央がもし自分に好意を抱いていたら……?
ないない
ありえない勘違いをするな自分
朝。普段通りに登校して教室に入ろうとするといつもより教室が騒がしいことに気づく
教室に入り騒がしい方を見てみると
そこにいたのはクラスの陽キャ達に囲まれている真央がいて――
真央の背中まで伸びていた金髪は肩につくくらいの長さまでバッサリ切られていた
すると俺の視線に気づいたのか目が合うと、真央はすぐにこちらに向かってきた
「奏太君おはよっ!」
「あ、うん。おはよ」
一瞬思考が停止してしまったせいで反応が遅れてしまった
ひとまず自分の席まで来て座る
真央も椅子を俺の席に向けて座ると、髪の毛の先をつまむようにしながら
「髪、どうかな……?」
「似合ってるよ」
「ふふっ。ありがと」
安心したかのような表情でそう言った真央を見ていると、こうして向き合って話すのは久しぶりだなとふと思う
「そういえば奏太君って期末どうだった?」
「俺にしてはまあまあだった。そういう真央は?」
「平均点よりかは上かな」
「もしかして真央って頭いい?」
「それなりには……って感じ!」
「今度教えてくれよ。勉強」
自然とこんな言葉が出た。最近まで避けていたやつが何言ってんだって、自分でも思ってしまう
「全然教える!私も奏太君と一緒に勉強できたら嬉しいし……」
(やさしいな本当に)
こんな俺と一緒に勉強したいと言ってくれたり、避けてた理由だったりを聞いてきたりもせず今まで通りに接してくれる
昼休みになると窓の外では雨が降り出していた
前の席の真央が窓の外を見ながらポツリと何かを呟いた気がしたが俺の耳には届かなかった
すると今度は俺の方を見ると
「昼ごはん一緒に食べない……?」
いつもよりなんだか違う様子で、自信なさげに聞いてくる真央を見たとき気づいてしまった
俺に避けられてた時、真央は一体どんな気持ちだったんだろうか。そんな簡単なこと深く考える必要もない。俺は真央を傷つけていた
そしてもう一度真央の顔を見てみる。とても不安そうな顔で、ここまで不安がらせてしまってたなんて、朝真央はどんな気持ちで俺と話してくれていたんだろう。それらのことを今この瞬間まで気づかなかった自分がもの凄く自分本位で気持ち悪い
「その前にちょっときて」
ご飯を食べてる時に話せばいいと思った。だけど今すぐ謝りたい。そっちの気持ちのほうが強かった
俺は真央の手を取るとそのまま教室を出て階段を上り屋上の扉の前まで来た
ここはだれも来ない
それまで握っていた手を放した後、真央を見ると頬を少し赤らめていた
「奏太君いきなりどうしたの……?」
「あのさ真央に謝らないといけないことがあって」
静寂の中雨の音だけが聞こえてくる
「真央を避けるようなことしてごめんなさい!」
「うん。けど寂しかった」
「本当にごめん」
「いいよ。それに謝ってくれたってことはもう避けたりしない。そういうことでしょ?」
「うん」
「私奏太君と話したいこといっぱいあるの。だから今日は家に帰るまでたくさんお話ししよう?そしたら私の事避けてたことも全部なかったことでいいから」
「ありがとう」
許してもらえてよかった
けどやっぱり真央は優しすぎる
俺を責めることは一切せず、ただ許してくれるなんて
放課後。昇降口へ二人で向かってる途中の事
「私今日傘忘れちゃったんだった!どうしよう……」
「じゃあ俺の傘入る?」
「えっ。いいの?奏太君濡れちゃうかもよ?」
「そんなの気にしなくていいって」
「じゃあお言葉に甘えて……」
「大丈夫濡れてない?」
「うん。平気!でも奏太君の方こそ肩濡れちゃってる」
「俺は平気。それに真央に風邪ひかせたくないし」
「……ありがとう」
相合傘をするのは何気に初めてだ
相合傘はお互いの距離が近く、真央からはいい匂いがしてくるし、自分は臭くないか心配にもなってくる
「そういえばもう少しで冬休みだね!」
「あと学校も2日か。真央は冬休み友達と遊んだりするの?」
「うん。まあすると思う。奏太君は?」
「うーん。俺はあんま友達いないしな。あ、けど樹とは遊ぶかも」
「中村君かぁ。私とは?」
「え?」
この前のこともあって心の中ですこしだけドキッとしてしまう
「私とは遊んでくれないの?」
「真央も友達だしもちろん遊びたいよ」
「そしたらさクリスマス予定ある?」
「ないよ」
「なら。あの。もしよかったら、クリスマス私とお出かけしませんか?」
「ふふ、いいけど。なんで敬語なの?」
「……緊張してたから」
恥ずかしそうに、二の腕を反対の手でつかむようにしながら小さい声でそう言った
真央の家に着く
「それじゃあまた明日!」
「うん。ばいばい」
久しぶりの別れの挨拶だった
今日の真央は1つ1つのしぐさが可愛く見えた
そう思うのは髪を切って雰囲気が変わったから?
分からない
けどクリスマス誘われるとは思ってなかった
これはデート?
いや友達同士だしそういうわけではないのか
でも真央がもし自分に好意を抱いていたら……?
ないない
ありえない勘違いをするな自分
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