天使な双子姉妹に懐かれている件

ういうい

文字の大きさ
5 / 9

第5話 麗奈③

しおりを挟む
あれから一晩経った
今日が土日で良かった。そのおかげでだいぶ冷静になることができていた
「じゃあ亮は私がこんな近くにいても何も思わないの?私が襲われたとしてもいいの?私がほかの男子と付き合ってもいいの?私の事大切に思ってくれてるんじゃなかったの?」
昨日麗奈に言われたこと
なんでこんなことを麗奈に言わせちゃったんだろう
麗奈にとっては知らない男子と二人きりにされて怖かっただろうし、俺がいなかったら麗奈が危険な目にあっててもおかしくなかった。昨日は俺が裏で隠れていたがそれは麗奈は知らないし、そんなことされたら大切にされてるなんて絶対思えない
そして、麗奈が俺に好意を向けてくれていたのは察してたが、昨日の事で確信に変わった
だからこそ好意を向けている相手からこんなことされたら最悪だし、俺の事を嫌いになってもおかしくない
昨日俺が麗奈の事を考えて、全部話して誤解をしっかり解いていればよかったのに
多分俺の中で麗奈に甘えてるとこもあったんだろう
結局俺は麗奈の事を深く知ろうとせずに勝手に理想を押し付けていただけだったのだ

時刻は18時30分。家にいてもなにも出来ずどうしようもなく俺は廃止前の公園に来て、一人ブランコを漕いでいた
なんか一人で漕ぐって言うのも寂しいな
でも懐かしいとも思う、小学生の低学年くらいの頃は一人で漕いでたから
でも麗奈とあの日初めて話してから俺は一人で漕ぐことはなくなった
あの日初めて麗奈をここに連れてきたときは気づかれないようにしてたけどめちゃくちゃ緊張してたっけ
なんせ子供の頃とは言え麗奈はめっちゃ可愛かったからなあ
あの日、麗奈の事を守るとか格好つけてたってのになんで泣かせちゃってんだろうな
早く仲直りしたい
そう願っていると
何かの巡り合わせなのか今一番会いたい相手がそこにはいた
「なんで亮がここにいるの?」
「……俺も聞きたい」
いきなり現れた麗奈は一見いつも通りに見えるが目元は隠しきれてないクマがあるし、目の色も少し赤くなっていた
「私はなんか来たくなったから。亮は?」
「俺も自然と来てた」
「じゃあ二人とも同じだね」
麗奈はそう言うと俺の隣りのブランコに座った
「始めて遊んだ場所もここだったよね」
麗奈も覚えてたのか
「うん。小学生の頃の行動力ってすごいよな、初めて話した日に遊びに誘うとか」
「でも私は誘われてすっごく嬉しかったよ?」
「俺も誘ってよかったと思う、そのおかげで仲良くなれたんだし……」

「ねえ、亮。私は昨日のことすごく後悔してるの。もっと上手く話し合えたって」
麗奈も俺と同じだったのか
「俺もめちゃくちゃ後悔してる。昨日の事もう一回話したい」
今ならちゃんと説明できると思う。今度こそ麗奈を悲しませないように
「――うんっ!」

それから俺は事の発端から最後まで包み隠さずに話した
話し終えると麗奈の顔は赤く染まっており、恥ずかしそうにしていた
「亮は私の告白の答えがそんなに気になったの?」
「気になるだろ。そりゃ……」
「そっか、そんなに気になったんだ」
そう言う麗奈の表情は軟らかくて、俺は悲しませずに済んだことに安堵した

「え?どうしたんだ?」
俺が一人で安心しているとさっきまで軟らかかった表情が一転、またしても昨日と同じように麗奈の瞳からは涙が流れていた
「……だって私最低じゃんっ!勝手に勘違いして、亮に大切だって言ってもらえたのに嘘だって否定して……」
俺はこんな優しい子を傷つけちゃってたのか
「麗奈は何も悪くないよ、全部俺が悪い」
「亮は悪くない!……ねえ、私の事嫌いになった?」
「嫌いなわけない!」
「でもめんどくさいって思ったでしょ?私って嫌なことあったら病んじゃうし、すぐに泣いちゃうの。こんな姿亮には見せたくなかったな」
「俺は麗奈の知らない部分を知れてよかったけどな」
「え?」
「なんか麗奈って、今まで弱い部分見せてこなかったから、安心したっていうか」
俺がそう言うと麗奈は今度こそ安心した表情で
「じゃあもっと私の事教えてあげるねっ」
そう言って麗奈が俺に抱き着いてきた
一瞬俺の脳内は停止する
ん?これは本当に麗奈か?
「本当はこういう風に甘えたかったんだよ?ずっと我慢してた。すごく嬉しい。亮もまた私の知らない部分知れて嬉しいでしょ?」
そう言って俺の胸にくっついたまま俺の顔を見上げてくる麗奈のその姿は理性がおかしくなりそうなほどに可愛かった
「嬉しいけど、そろそろ離れて……」
これ以上はほんとにやばい
俺がそう言うと素直に麗奈は離れた
離れたら離れたでちょっと寂しいな
「じゃあ、とりあえず仲直りってことで」
「うん!」
お互いに納得できてよかった

気づくと周りは真っ暗になっていて俺は麗奈を家の前まで送ることにした
「亮っ!」
「どうした?」
仲直りした直後だからか、麗奈との距離が心身ともに前より近くなっている気がした
「……さっきみたいなことまたしてもいい?」
麗奈はそう言ったが、さっきのことを思い出して少し恥ずかしいのか声が小さい
「いいけど、俺も困るっていうか一応男だからな……」
正直さっきのでも結構やばかったし、する場所によっては我慢できないかもしれない時が来る可能性だってある
「じゃあ、たまにならいい?」
そういう問題か?と言いたくなったが今はいい雰囲気なので空気を読むことにした
「たまにな」

麗奈の家の前に着いた
「じゃあま月曜日な!」
「うんっ!」
そうして俺が家に帰ろうと歩きだした時

「さっき亮が俺も男だからって言ってたけど、私だけ満足するのもあれだし、亮も私の事好きなようにしていいんだからねっ!……じゃ!」

俺が何かを言おうとする前に麗奈は家へ入って行った

俺は道路の端でうずくまった
最後に言われたことが頭から離れない
つまりそういうことだよな
てか付き合ってない男女がそういうことするのっていいのか?

いや落ち着け、さすがに麗奈はそこまでの意味を考えて言ったわけじゃないはずだ
麗奈も甘えたかったって言ってたし、すぐに性的にとらえるのは思春期の悪い癖だな。うん。帰ろう

そう自分を落ち着かせると俺はまた歩きだした



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

陰キャ幼馴染に振られた負けヒロインは俺がいる限り絶対に勝つ!

みずがめ
恋愛
★講談社ラノベ文庫新人賞佳作を受賞しました!  杉藤千夏はツンデレ少女である。  そんな彼女は誤解から好意を抱いていた幼馴染に軽蔑されてしまう。その場面を偶然目撃した佐野将隆は絶好のチャンスだと立ち上がった。  千夏に好意を寄せていた将隆だったが、彼女には生まれた頃から幼馴染の男子がいた。半ば諦めていたのに突然転がり込んできた好機。それを逃すことなく、将隆は千夏の弱った心に容赦なくつけ込んでいくのであった。  徐々に解されていく千夏の心。いつしか彼女は将隆なしではいられなくなっていく…。口うるさいツンデレ女子が優しい美少女幼馴染だと気づいても、今さらもう遅い! ※他サイトにも投稿しています。 ※表紙絵イラストはおしつじさん、ロゴはあっきコタロウさんに作っていただきました。

迷子を助けたら生徒会長の婚約者兼女の子のパパになったけど別れたはずの彼女もなぜか近づいてくる

九戸政景
恋愛
新年に初詣に来た父川冬矢は、迷子になっていた頼母木茉莉を助け、従姉妹の田母神真夏と知り合う。その後、真夏と再会した冬矢は真夏の婚約者兼茉莉の父親になってほしいと頼まれる。 ※こちらは、カクヨムやエブリスタでも公開している作品です。

貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら

普通
恋愛
男性は弱く、女性は強い。この世界ではそれが当たり前。性被害を受けるのは男。そんな世界に生を受けた葉山優は普通に生きてきたが、ある日前世の記憶取り戻す。そこで前世ではこんな風に男女比の偏りもなく、普通に男女が一緒に生活できたことを思い出し、もう一度女性と関わってみようと決意する。 そこで会うのにまだ抵抗がある、優は出会い系アプリを見つける。まずはここでメッセージのやり取りだけでも女性としてから会うことしようと試みるのだった。

俺をフッた女子に拉致されて、逃げ場のない同棲生活が始まりました

ちくわ食べます
恋愛
大学のサークル飲み会。 意を決して想いを告げた相手は、学内でも有名な人気女子・一ノ瀬さくら。 しかし返ってきたのは―― 「今はちょっと……」という、曖昧な言葉だった。 完全にフラれたと思い込んで落ち込む俺。 その3日後――なぜか自分のアパートに入れなくなっていた。

教え子に手を出した塾講師の話

神谷 愛
恋愛
バイトしている塾に通い始めた女生徒の担任になった私は授業をし、その中で一線を越えてしまう話

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

処理中です...