死を視る俺と異能力者達

青薔薇

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異様な夢からの目覚め

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「おはよー兄さん。朝だよ起きろー」
最悪の目覚めから一転、第一声がマイエンジェル い  も  う  とのものだったが故に、一気に最高の目覚めになった。
「ふわぁぁ…おはよう月子、いい朝だな」
「いきなりどうしたの兄さん?私は兄さんがまったく起きないから悪い朝だよー(ニコッ)」
「それはホントごめん」
「あ、そうだ…ご飯できてるから早く下に来てね」
そういうと月子は俺の部屋を出てしたのダイニングへと向かった。
「・・・行ったか」
そう呟くと俺はふぅとため息を吐いた。
あの夢は一体何だったのだろうか。
いや、正確には何故あの夢を見たのか。
「ま、考えたって仕方がない」
そう結論づけた俺はシーツを整えてダイニングへと向かうのだった。



「お、やっと来た」
そう言うと月子は椅子を指差し早く座ってと指示した。
椅子に座ると目に入ったのは茶碗に盛られた白米と赤だしの味噌汁、そして焼き魚と漬け物がちらほら。これは鮭かな?などと思っているとあることに気がついた。俺の焼き魚はともかくとして、月子の焼き魚までそのままきれいに残っていたのだ。
そう、朝ご飯にはまだ手がつけられていない様子だった。
「先に食べててくれれば良かったのに」
すると月子がムスッとした顔でダイニングの壁を指差した。
いや、正確にはそこに貼ってある大きな紙を、だ。
「紗那家五箇条その三、食事はみんなで食べる。忘れた?」
覚えていますとも。なんせこれを作ったのは紛れもない俺自身なのだから。
ちなみに全部を言うとこうだ。

その一、おはよう、おやすみは必ず言う
その二、早寝早起きを心がける
その三、食事はみんなで食べる
その四、学校はサボらない
その五、一日一日を強く、精一杯に生きよう

最後にいたってはなに言ってんだこいつ?と思われるかもしれないが、これがまぁ大事なんだ。
「おーい兄さーん、聞いてるのー?」
俺が回想に入っている間にしびれを切らした月子がこれまたムスッとした顔で問いかけてくる。
「うん、今日も可愛いぞ」
「え…か、可愛い?」
「はい、いただきまーす」
「え、ちょっと兄さん!?」

いつもと変わらない朝の光景、繰り返される毎日の中でも、俺はこの光景が好きだ。
とても普通で、とても平凡なこの光景が。
いつまでも続くことを俺は願っていた。

これが異常な俺の、たった一つの普通の願いだった。
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