死を視る俺と異能力者達

青薔薇

文字の大きさ
4 / 24

絶望の道と学校

しおりを挟む
「じゃ、ここでお別れだな…ううっ…」
「ハイハイまた後でねー」
俺と月子は国立永久社学園という学校に通っている。
近年都市開発の進む名古屋にしては、珍しく自然がある学校だ。
というのも、それは単なる理事長の趣味らしいのだが…。
施設も綺麗だし、のどかで明るいし、とてもいい学校だ…。
だが俺には一つだけ、あえて上げるとしたら一つだけ不満があった。
それは中等部と高等部が別々の校舎だということだ。
それは当たり前だろ、という人がいるかもしれない。
しかしそれは大きな誤りで、校舎だけではなく入り口である門まで分けられているのだ。だからそれも当たり前でしょ。ついこの前月子にも言われた。
そのせいで朝の楽しい楽しい通学タイムが無惨にも引き裂かれてしまうのだ。
こうして俺と月子は前記のごとく引き裂かれてしまった。
俺はいつもここで絶望に暮れてしまうのだ。
いつしか俺はこのそれぞれの門へと別れる道を、《絶望の道》と呼ぶようになっていた。



俺はトボトボと教室へと向かった。
2ーA。ここが俺の教室だ。
ガラガラガラ…
扉を開けた。普通の人ならここでおはよう、とか、チワーッス、とかそういうのが自分に向けられて飛んでくるのが普通なのだうが、俺は違う。
何故なら俺は、自分で言うのも何だが、ボッチなのだ。
月子にはよく人付き合いが下手と言われる。それも自分はわかっているつもりだ。しかしいざ人と関わるとなると何故か自らを主張できなくなってしまうのだ。
そのときだった。
「よっ、月刄。今日は遅かったな」
そんな声が聞こえたのだ。そして声の主に目をやると、案の定はじめだ。
俺の唯一の男友達で、昼飯も一緒に食べている。
「つい寝坊をな」
こいつとは結構何でも話し合える仲なのだ。
ガラガラガラ…
「おーい席につけー、HR始めるぞー」
扉が開いたかと思うと聞こえてきたのは女の人の声。担任の橘先生だ。
と、まぁこんな感じでいつも学校生活が始まるのだ。



とりあえすべて授業が終わり、いつもの ● ● ● ●場所へ行こうとそそくさと教室を出たら、どこからともなく声を掛けられた。
「おや紗那君、お久しぶりですね?」
「げ…」
丁寧な口調とにこやかな顔で声を掛けてきたのはこの国立永久社学園の生徒会長、萌木先輩だ。
「どうしたんですか?まるで化け物でも見たような顔して」
「いや、何でも…ところで今日もあるんですよね?」
すると萌木先輩が口の前に人差し指を持っていき、シーというポーズをとった。
「こんなところでそんな話しはしない方がいいですよ」
たしかにそういえばさっきから周りから注目を集めているような…きっと萌木先輩を見ているのだろう。
この人モテるからなぁ…。
「ではまたあとで」
俺はこの視線から一刻も離れるべく、先輩との話に区切りをつけてその場を離脱するのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

夫に愛想が尽きたので離婚します

しゃーりん
恋愛
次期侯爵のエステルは、3年前に結婚した夫マークとの離婚を決意した。 マークは優しいがお人好しで、度々エステルを困らせたが我慢の限界となった。 このままマークがそばに居れば侯爵家が馬鹿にされる。 夫を捨ててスッキリしたお話です。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌

招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」 毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。 彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。 そして…。

【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。

まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」 そう、第二王子に言われました。 そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…! でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!? ☆★☆★ 全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。 読んでいただけると嬉しいです。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

処理中です...