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満喫の夏 プール編
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夏休み。それは学生にとっては潤いであり理想郷であり桃源郷である。
なぜこんなことを言ったのかというと、俺たちは面倒臭かった期末試験も終わり、やっと夏休みを迎えようとしているのだ。
ミーンミンミン…
「暑い…」
俺は今バス停に立っている。
というのも昨日、萌木先輩から一通のメールがあったのだ。
明日午前九時に荒波町駅にて集合、と。
「こんな早い時間に集める必要はあったんだろうか?」
俺はそう思ってしまうのだった。実際口に出しちゃったけど…。
すると、
「今日行くプールは少し遠いのでこんな時間になってしまいました」
「うわっ!」
後ろから声がしたかと思えば萌木先輩だ。
「てかいたなら言ってくださいよ…」
「一人感傷に浸って黄昏ている姿が滑稽だったものですから(笑)」
「悪魔め…」
「何か言いましたか?」
「いーえなんでも…ってそれより皆はどうしたんですか?」
「もうすぐ来ると思いますよ?あ、ほら」
萌木先輩が指を指した先を見る。
しかし人通りが多いだけで目当ての人影はない。
「萌木先輩、いませんよ?」
「クスクスクス…騙された…ククッ…」
「この人は…」
まったくとんだ悪魔だ。
「せんぱーい、お待たせしましたー」
「すいませーん」
この馴染みのある声は真白ちゃんと雅だ。
「やっと本命登場だ…」
今俺達はバスの中で揺られている。
「んで、今日は一体どこのプールへ?大体予想はつきますけど」
「はい、おそらくその予想で間違ってはないと思いますよ?飛浜村のプールです」
「あそこ本格的にレジャー施設になったって言ってましたもんねー」
そう、元々飛浜村のプールは温水プールで言わば普通の市営ならぬ村営の施設としてあったのだが、最近コマーシャルで見るようになり本格的にレジャー施設として売り込むらしい。
「次は、飛浜プール前~飛浜プール前~お降りの方は…」
「そろそろ着きますね」
俺が降車ボタンを押す。
「では行きましょうか 」
くっ…悔しいが笑顔が眩しい…。
「ふぁぁ、大きいですねー」
「あぁ、デカイなー」
バスに揺られ約一時間、目的地についた俺達は予想以上に大きいその施設に目を丸くしていた。
「さぁーて、いい男探すかぁ」
・・・ん?
「萌木先輩なんか変なこと言いました?」
「いいえ?」
「じゃあ雅か?」
「いいえ?私でもないですよ?」
じゃあ誰だ?
するといきなり背中に何かがのしかかってきた。
「おーい私を忘れているぞー」
「うわぁぁっ!!」
その正体は冴華さんだ。
「そんな驚くことないだろう」
「そりゃあ驚きますよ!というかい、いつからいたんですか!?」
「実は紗那、お前の前の座席にずっと座っていた」
「わかりませんよそんなの!ってか暑い!重い!どいて下さい!」
「む、女子に対して重いはないんじゃないのか?」
「本当の事を言ったまでです!あと女子って歳でもないでしょ!」
「なんだと~これでもお肌は十代なんだからなぁ~」
「いや知りませんよ!」
「むーしょうがない、どいてやるか」
そう言うとようやく冴華さんは俺の背中からどいた。
「んで、結局冴華さんも一緒に?」
「あぁ。お子様にはちゃんと保護者が同伴しないとなぁ」
なんでこの人ちょっと自慢げなんだ?
「いや、保護者(仮)ならもういますので」
そう言うと俺は萌木先輩の方を指さした。
「いや、あいつも子供だろう。ま、どっちが頼りになるかと言ったらもう結果は必然的だがな。さぁ、どっちが保護者にふさわしいかな?」
俺と雅と真白ちゃんは顔を見合わせ一斉に指さした。
『萌木先輩』
「お前ら…」
まぁこれは冴華さんの言った通り必然的だったな。
ちなみにその時の萌木先輩はドヤ顔だったということに気付いていたのは俺だけだろうか?
「まだかなぁ…」
プールに着いて着替えたはいいが、なかなかみんなが出てこない。
「これ着てるから日焼けはしないんだけどなぁ」
俺は今水着の上からラッシュガードというものを着ている。
「これは流石に見せるわけには行かんよなぁ」
そう呟いて俺が覗いたのはラッシュガードの中にある俺の体、ではなくそこにある大きな傷。
「プールに来て泳げんとはなぁ…」
すると、
「先輩、お待たせしましたー」
「お、真白ちゃん」
トテトテと歩いてきた真白ちゃんは俺と同じくラッシュガードをしていた。
「ど、どうですか?この水着にあってますかね?」
真白ちゃんが可愛いドヤ顔で聞いてくる。
「・・・いや、ごめんわからん」
「え?あ、あ!」
しっかりしているがたまに天然なところがある。まぁそれが彼女の良さでもあるのだが。
「紗那ー待たせたなー」
この声は冴華さんだ。
「どうだー?この水着、似合ってる?」
冴華さんが胸を張って歩いてきている後で雅と萌木先輩が少し縮こまりながらついてきている。
「冴華さんはいつもながら大胆な感じですが…雅はともかくとして、萌木先輩は一体どうしたんですか?」
「うぅっ…それ聞きます?」
「え、あー別に言いたくないならいいんですけど…」
すると冴華さんが俺の肩にポンと手を置いた。
「水着が小さくなったんだと」
「ななな何でそれを言うんですか!?あ、べ、別に太ったとかそういう訳ではなく胸が大きくなっただけで!…あ!」
みるみる萌木先輩の顔が赤くなる。
「胸がね~♪」
「この大人っ…」
「ま、まぁまぁ俺は何も聞いてませんでしたから、ね?」
聞こえていたのだがここはこうでも言わないとね。萌木先輩は今にでも殺りに行きそうな目をしていた。
「え?聞こえたなかったのか?じゃあもう一度言っておく。萌木の胸がでかくなって水着がキツキツなんだよ」
「わざわざ説明するな!フォローのしようがなくなったじゃないですか!」
「うぅっ…もうお嫁に行けない…」
「大丈夫…いざとなったらここに貰い手がいるから」
冴華さんはそう言うと俺の背中を叩いた。
「お、俺ですか!?」
すると萌木先輩の顔が何故かさっきよりも赤くなった。
「しゃ、紗那君がですか!?だったらそれはそれで…」
萌木先輩が何か呟いている。怒りの言葉を口にしているのだろうか?
「せ、先輩!それは本当ですか!?」
「紗那君そうなの?」
「どうした雅まで!?冴華さんの悪い冗談に決まってるだろ!」
すると萌木先輩の顔がまたまた赤くなった。
「え、じょうだ…はぅぅっ」
・・・なんか今日の萌木先輩、可愛いな…。
「なんせ俺には妹、月子がいるもんですから!」
ふっ、言い切ったぜ…皆も空いた口が塞がってない。
「私が何だって?」
・・・え?
「つ、月子っ!?何でここに!?」
「ややちゃんと遊びに来たんだよ…それよりも兄さん、両手に花だね」
「まったく…特にきつい花が約二つ…」
「どうもお兄さん」
「久しぶりだねややちゃん」
こうしていつものメンバーに二人を加えたこのメンバーでのプール。
こんな団欒、あの東導の一件からなかったからなぁ…。
そう思い夏休みは存分に楽しもう。そう決意する俺であった。
ちなみに月子の水着可愛いな…なんてことを思っていた、ということも追加しておこう。
なぜこんなことを言ったのかというと、俺たちは面倒臭かった期末試験も終わり、やっと夏休みを迎えようとしているのだ。
ミーンミンミン…
「暑い…」
俺は今バス停に立っている。
というのも昨日、萌木先輩から一通のメールがあったのだ。
明日午前九時に荒波町駅にて集合、と。
「こんな早い時間に集める必要はあったんだろうか?」
俺はそう思ってしまうのだった。実際口に出しちゃったけど…。
すると、
「今日行くプールは少し遠いのでこんな時間になってしまいました」
「うわっ!」
後ろから声がしたかと思えば萌木先輩だ。
「てかいたなら言ってくださいよ…」
「一人感傷に浸って黄昏ている姿が滑稽だったものですから(笑)」
「悪魔め…」
「何か言いましたか?」
「いーえなんでも…ってそれより皆はどうしたんですか?」
「もうすぐ来ると思いますよ?あ、ほら」
萌木先輩が指を指した先を見る。
しかし人通りが多いだけで目当ての人影はない。
「萌木先輩、いませんよ?」
「クスクスクス…騙された…ククッ…」
「この人は…」
まったくとんだ悪魔だ。
「せんぱーい、お待たせしましたー」
「すいませーん」
この馴染みのある声は真白ちゃんと雅だ。
「やっと本命登場だ…」
今俺達はバスの中で揺られている。
「んで、今日は一体どこのプールへ?大体予想はつきますけど」
「はい、おそらくその予想で間違ってはないと思いますよ?飛浜村のプールです」
「あそこ本格的にレジャー施設になったって言ってましたもんねー」
そう、元々飛浜村のプールは温水プールで言わば普通の市営ならぬ村営の施設としてあったのだが、最近コマーシャルで見るようになり本格的にレジャー施設として売り込むらしい。
「次は、飛浜プール前~飛浜プール前~お降りの方は…」
「そろそろ着きますね」
俺が降車ボタンを押す。
「では行きましょうか 」
くっ…悔しいが笑顔が眩しい…。
「ふぁぁ、大きいですねー」
「あぁ、デカイなー」
バスに揺られ約一時間、目的地についた俺達は予想以上に大きいその施設に目を丸くしていた。
「さぁーて、いい男探すかぁ」
・・・ん?
「萌木先輩なんか変なこと言いました?」
「いいえ?」
「じゃあ雅か?」
「いいえ?私でもないですよ?」
じゃあ誰だ?
するといきなり背中に何かがのしかかってきた。
「おーい私を忘れているぞー」
「うわぁぁっ!!」
その正体は冴華さんだ。
「そんな驚くことないだろう」
「そりゃあ驚きますよ!というかい、いつからいたんですか!?」
「実は紗那、お前の前の座席にずっと座っていた」
「わかりませんよそんなの!ってか暑い!重い!どいて下さい!」
「む、女子に対して重いはないんじゃないのか?」
「本当の事を言ったまでです!あと女子って歳でもないでしょ!」
「なんだと~これでもお肌は十代なんだからなぁ~」
「いや知りませんよ!」
「むーしょうがない、どいてやるか」
そう言うとようやく冴華さんは俺の背中からどいた。
「んで、結局冴華さんも一緒に?」
「あぁ。お子様にはちゃんと保護者が同伴しないとなぁ」
なんでこの人ちょっと自慢げなんだ?
「いや、保護者(仮)ならもういますので」
そう言うと俺は萌木先輩の方を指さした。
「いや、あいつも子供だろう。ま、どっちが頼りになるかと言ったらもう結果は必然的だがな。さぁ、どっちが保護者にふさわしいかな?」
俺と雅と真白ちゃんは顔を見合わせ一斉に指さした。
『萌木先輩』
「お前ら…」
まぁこれは冴華さんの言った通り必然的だったな。
ちなみにその時の萌木先輩はドヤ顔だったということに気付いていたのは俺だけだろうか?
「まだかなぁ…」
プールに着いて着替えたはいいが、なかなかみんなが出てこない。
「これ着てるから日焼けはしないんだけどなぁ」
俺は今水着の上からラッシュガードというものを着ている。
「これは流石に見せるわけには行かんよなぁ」
そう呟いて俺が覗いたのはラッシュガードの中にある俺の体、ではなくそこにある大きな傷。
「プールに来て泳げんとはなぁ…」
すると、
「先輩、お待たせしましたー」
「お、真白ちゃん」
トテトテと歩いてきた真白ちゃんは俺と同じくラッシュガードをしていた。
「ど、どうですか?この水着にあってますかね?」
真白ちゃんが可愛いドヤ顔で聞いてくる。
「・・・いや、ごめんわからん」
「え?あ、あ!」
しっかりしているがたまに天然なところがある。まぁそれが彼女の良さでもあるのだが。
「紗那ー待たせたなー」
この声は冴華さんだ。
「どうだー?この水着、似合ってる?」
冴華さんが胸を張って歩いてきている後で雅と萌木先輩が少し縮こまりながらついてきている。
「冴華さんはいつもながら大胆な感じですが…雅はともかくとして、萌木先輩は一体どうしたんですか?」
「うぅっ…それ聞きます?」
「え、あー別に言いたくないならいいんですけど…」
すると冴華さんが俺の肩にポンと手を置いた。
「水着が小さくなったんだと」
「ななな何でそれを言うんですか!?あ、べ、別に太ったとかそういう訳ではなく胸が大きくなっただけで!…あ!」
みるみる萌木先輩の顔が赤くなる。
「胸がね~♪」
「この大人っ…」
「ま、まぁまぁ俺は何も聞いてませんでしたから、ね?」
聞こえていたのだがここはこうでも言わないとね。萌木先輩は今にでも殺りに行きそうな目をしていた。
「え?聞こえたなかったのか?じゃあもう一度言っておく。萌木の胸がでかくなって水着がキツキツなんだよ」
「わざわざ説明するな!フォローのしようがなくなったじゃないですか!」
「うぅっ…もうお嫁に行けない…」
「大丈夫…いざとなったらここに貰い手がいるから」
冴華さんはそう言うと俺の背中を叩いた。
「お、俺ですか!?」
すると萌木先輩の顔が何故かさっきよりも赤くなった。
「しゃ、紗那君がですか!?だったらそれはそれで…」
萌木先輩が何か呟いている。怒りの言葉を口にしているのだろうか?
「せ、先輩!それは本当ですか!?」
「紗那君そうなの?」
「どうした雅まで!?冴華さんの悪い冗談に決まってるだろ!」
すると萌木先輩の顔がまたまた赤くなった。
「え、じょうだ…はぅぅっ」
・・・なんか今日の萌木先輩、可愛いな…。
「なんせ俺には妹、月子がいるもんですから!」
ふっ、言い切ったぜ…皆も空いた口が塞がってない。
「私が何だって?」
・・・え?
「つ、月子っ!?何でここに!?」
「ややちゃんと遊びに来たんだよ…それよりも兄さん、両手に花だね」
「まったく…特にきつい花が約二つ…」
「どうもお兄さん」
「久しぶりだねややちゃん」
こうしていつものメンバーに二人を加えたこのメンバーでのプール。
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