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家族
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「よし、最初の一手はうまく行ったな。」
下の広場では剣戟の音が絶えず響いている。
完全に乱戦状態であるが、皆がルーゼンを守るように戦っている。
盗賊ギルドの面々に関してはとても優秀で配下にほしいくらいである。
「しかしセラが遅いな。」
弓で下の部隊を援護しつつ考える。
今回の作戦で最も重要な役割をセラに与えていた。
(セラの好感度上げに軽率なことをいってしまったかな?)
などと考えていると時計塔の下から人がかけ上がってくる音が聞こえる。
恐らく敵兵が俺を仕留めに来たのだろう。
敵も徐々に統制がとれつつある。
「よし!行くか!」
時計塔にはいくつもの装飾が施されたロープが下の広場まで四方に繋がっていた。
そのロープに斧の柄の部分を引っ掻け、もう片方の手で金属部分を持ち、ロープを伝って下の広場まで滑り落ちていく。
俺はルーゼンの元へとたどり着いた。
ルーゼンへ斧を差し出した。
「立てるかな?ルーゼン殿?」
「この斧は……。なるほどな、なんとなくだが、わかったぜ。」
ルーゼンは斧を受け取りたちあがった。
「取り敢えず戦うしか無いってことはな!」
襲いかかってきた敵兵を斬り伏せる。
衰弱しきっていたとは思えない動きである。
あと本当に理解してくれたのか少々心配なところではあるが。
後はセラが来てくれれば完璧だ。
(頼むぞ。セラ。)
「父上は死んだと聞いていたのですが?」
「俺もお前は死んだと聞いていたんだがな。」
互いに剣を構え、対峙するセインとセイルズ。
ローゼンと無傷の手勢たちは負傷者の手当をしている。
「おい!セイン殿!すぐに助太刀に行くからな!無理するなよ!」
ローゼンも長年の経験からセイルズが只者ではないことは理解しているようだ。
「そうはさせませんよ。」
振り返るとそこにはエルドニア王国を脱出したときにいた、ジェイガンの側近であるスロールが数名の兵を連れて出口を塞ぐように立ちふさがっていた。
「なるほど、そういうことですか。」
つまりはあのときセイルズとスロール、もしくはジェイガンは帝国と手を結んでいたということだろう。
つまりは全て帝国が仕向けたことだったのだ。
セインはセイルズに従っていただけなので詳しくは知らされていなかった。
「唯一の誤算はアルフレッドが脱出したこととフレンが来たことだったな。若は目が覚めたと思ったらまるで別人のようだったからな。まるで動きが読めなかった。」
確かにまるで別人のように変わっていた。
特に物事の考え方が、これまでならこうするだろうと思っていたことが全然違うことになっていた。
昔のアルフレッドならば自分は首を切られていただろう。
「念の為ドッペルマリオネットを使っておいて良かったよ。」
なるほど自分と同じように魔道具を使ったということか。
確かに在庫はまだあったので使われていても不思議ではない。
「しかし、フレンは殺せた。嬉しい誤算だったよ。元々別の計画でフレンを殺そうとしていたからな。その全てが失敗に終わっていたがその手間が省けた。あ、そうだ。どうする?今なら父がお前が帝国でそれなりの立場に立てるように取り計らってやるぞ。」
笑いながら言う。
さすがのセインもこれには怒りをあらわにする。
「私はこれまでフレン様とは、若にお仕えするまで、それほど接点は無かった。しかし、若にお仕えするようになってからは若のことを色々教えてもらった。母のことを知らぬ私にとっては母に等しい存在だった。しかし貴方は何も父親らしいことはしてくれなかった!つまり、私の親はフレン様のみだ!もうお前を父とは思っていない!我が命は若と共にある!」
セイルズに斬りかかる。
「そうか!残念だよ!息子よ!」
セイルズは難なく躱す。
「黙れ!もう貴様の息子ではない!」
後ろでもスロール達とローゼン達が戦闘を始めていた。
(待っていてください若!フレン様の仇と神樹の雫を必ずや貴方様の元へ届けます!)
「そろそろ観念したらどうだ!?」
皇帝の声が響く。
アルフレッド達は完全に包囲されていた。
多勢に無勢、最早皆が疲労困憊で剣を振る手は止まっていた。
「流石の私も実の孫を殺したくは無い。投降せよ。」
「黙れ!」
剣先を高台にいる皇帝へ向ける。
「貴様は母上の仇!実の娘を殺すようなやつの言葉なぞ信じられるか!」
「仇?」
皇帝は何を言ってるのかわからないというような顔をする。
「フレンが死んだと言うのか?」
母上は皇帝唯一の娘だったので、名前を出さずとも理解された。
「っ!とぼけるな!」
すると皇帝と俺との間に割って入るように第一皇子のフルートが出てきた。
「貴様!でまかせばかり述べるのもいい加減にしろ!そもそも貴様がアルフレッドだという証拠もない!父上、このような者の言うことなど無視しましょう。」
「……それもそうだな。構え!」
皇帝の合図で、周りの敵兵が武器を構える。
確かに俺は帝国の親族とはほとんど面識は無い。
こちらも全員が武器を構える。
こちらの兵はかなり損耗しており、もうまともに戦えないだろう。
「おい、アルフレッドとやら。もういい、俺を置いて包囲を突破して逃げろ。」
ルーゼンは逃げるように言ってくる。
「いや、この状況じゃ無理だな。」
完全に包囲されており、どう頑張っても脱出は無理である。
するとあたりが急に暗くなった。
「援軍でも来ない限りはな。」
空を見上げる。
「アルフレッド様!遅れてしまい、申し訳ありません!」
空を見ると30数匹の竜がいた。
そしてそれに乗っているのはセラとイリスが相乗りで、他の者たちはセラの侍女隊と盗賊ギルドのメンバーだった。
「セラ!ベストタイミングだ!よし、作戦開始だ!」
下の広場では剣戟の音が絶えず響いている。
完全に乱戦状態であるが、皆がルーゼンを守るように戦っている。
盗賊ギルドの面々に関してはとても優秀で配下にほしいくらいである。
「しかしセラが遅いな。」
弓で下の部隊を援護しつつ考える。
今回の作戦で最も重要な役割をセラに与えていた。
(セラの好感度上げに軽率なことをいってしまったかな?)
などと考えていると時計塔の下から人がかけ上がってくる音が聞こえる。
恐らく敵兵が俺を仕留めに来たのだろう。
敵も徐々に統制がとれつつある。
「よし!行くか!」
時計塔にはいくつもの装飾が施されたロープが下の広場まで四方に繋がっていた。
そのロープに斧の柄の部分を引っ掻け、もう片方の手で金属部分を持ち、ロープを伝って下の広場まで滑り落ちていく。
俺はルーゼンの元へとたどり着いた。
ルーゼンへ斧を差し出した。
「立てるかな?ルーゼン殿?」
「この斧は……。なるほどな、なんとなくだが、わかったぜ。」
ルーゼンは斧を受け取りたちあがった。
「取り敢えず戦うしか無いってことはな!」
襲いかかってきた敵兵を斬り伏せる。
衰弱しきっていたとは思えない動きである。
あと本当に理解してくれたのか少々心配なところではあるが。
後はセラが来てくれれば完璧だ。
(頼むぞ。セラ。)
「父上は死んだと聞いていたのですが?」
「俺もお前は死んだと聞いていたんだがな。」
互いに剣を構え、対峙するセインとセイルズ。
ローゼンと無傷の手勢たちは負傷者の手当をしている。
「おい!セイン殿!すぐに助太刀に行くからな!無理するなよ!」
ローゼンも長年の経験からセイルズが只者ではないことは理解しているようだ。
「そうはさせませんよ。」
振り返るとそこにはエルドニア王国を脱出したときにいた、ジェイガンの側近であるスロールが数名の兵を連れて出口を塞ぐように立ちふさがっていた。
「なるほど、そういうことですか。」
つまりはあのときセイルズとスロール、もしくはジェイガンは帝国と手を結んでいたということだろう。
つまりは全て帝国が仕向けたことだったのだ。
セインはセイルズに従っていただけなので詳しくは知らされていなかった。
「唯一の誤算はアルフレッドが脱出したこととフレンが来たことだったな。若は目が覚めたと思ったらまるで別人のようだったからな。まるで動きが読めなかった。」
確かにまるで別人のように変わっていた。
特に物事の考え方が、これまでならこうするだろうと思っていたことが全然違うことになっていた。
昔のアルフレッドならば自分は首を切られていただろう。
「念の為ドッペルマリオネットを使っておいて良かったよ。」
なるほど自分と同じように魔道具を使ったということか。
確かに在庫はまだあったので使われていても不思議ではない。
「しかし、フレンは殺せた。嬉しい誤算だったよ。元々別の計画でフレンを殺そうとしていたからな。その全てが失敗に終わっていたがその手間が省けた。あ、そうだ。どうする?今なら父がお前が帝国でそれなりの立場に立てるように取り計らってやるぞ。」
笑いながら言う。
さすがのセインもこれには怒りをあらわにする。
「私はこれまでフレン様とは、若にお仕えするまで、それほど接点は無かった。しかし、若にお仕えするようになってからは若のことを色々教えてもらった。母のことを知らぬ私にとっては母に等しい存在だった。しかし貴方は何も父親らしいことはしてくれなかった!つまり、私の親はフレン様のみだ!もうお前を父とは思っていない!我が命は若と共にある!」
セイルズに斬りかかる。
「そうか!残念だよ!息子よ!」
セイルズは難なく躱す。
「黙れ!もう貴様の息子ではない!」
後ろでもスロール達とローゼン達が戦闘を始めていた。
(待っていてください若!フレン様の仇と神樹の雫を必ずや貴方様の元へ届けます!)
「そろそろ観念したらどうだ!?」
皇帝の声が響く。
アルフレッド達は完全に包囲されていた。
多勢に無勢、最早皆が疲労困憊で剣を振る手は止まっていた。
「流石の私も実の孫を殺したくは無い。投降せよ。」
「黙れ!」
剣先を高台にいる皇帝へ向ける。
「貴様は母上の仇!実の娘を殺すようなやつの言葉なぞ信じられるか!」
「仇?」
皇帝は何を言ってるのかわからないというような顔をする。
「フレンが死んだと言うのか?」
母上は皇帝唯一の娘だったので、名前を出さずとも理解された。
「っ!とぼけるな!」
すると皇帝と俺との間に割って入るように第一皇子のフルートが出てきた。
「貴様!でまかせばかり述べるのもいい加減にしろ!そもそも貴様がアルフレッドだという証拠もない!父上、このような者の言うことなど無視しましょう。」
「……それもそうだな。構え!」
皇帝の合図で、周りの敵兵が武器を構える。
確かに俺は帝国の親族とはほとんど面識は無い。
こちらも全員が武器を構える。
こちらの兵はかなり損耗しており、もうまともに戦えないだろう。
「おい、アルフレッドとやら。もういい、俺を置いて包囲を突破して逃げろ。」
ルーゼンは逃げるように言ってくる。
「いや、この状況じゃ無理だな。」
完全に包囲されており、どう頑張っても脱出は無理である。
するとあたりが急に暗くなった。
「援軍でも来ない限りはな。」
空を見上げる。
「アルフレッド様!遅れてしまい、申し訳ありません!」
空を見ると30数匹の竜がいた。
そしてそれに乗っているのはセラとイリスが相乗りで、他の者たちはセラの侍女隊と盗賊ギルドのメンバーだった。
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