38 / 93
新たな敵
しおりを挟む
「ほら、これが効率的な侵入経路だ。この通りなら見つからずに潜入出来るだろう。」
「ご苦労様。」
角から様子を見守る。
ルーゼンはなにやら少年に先程のメモを渡しているようであった。
「で、教団はいつ動くんだ?それにあわせてこちらも動くつもりだ。」
「まぁ、私は今すぐにでも行って皆殺しにしたいんだけどね?ランがね?」
そういうと少女は隣の少年を見る。
「そういうわけにもいかないだろう?リン。俺達は集団で行動してるんだから。皆殺しにしたいのは確かにそうだけどさ。」
ランと呼ばれた少年はリンと呼ばれた少女を諭す。
恐らく双子なのだろう。
2人とも瓜二つで、茶髪で身長も近い。
体もまだ幼いので身体的特徴もそれほど出ておらず服装を整えれば影武者として行動することも出来るだろう。
「にしても教団は一体どうしてこんなことまでしてるんだ?」
教団と言われて思い浮かぶのは一つしかない。
この大陸に古くから根付いている宗教。
ミネルバ教、そしてその宗教団体であるミネルバ教団。
教団は独自に兵を抱えており、その強さは大陸随一だと言われている。
教団の拠点はここから遥か北の険しい山脈を越えた先の国だったはずだが、なぜこの様なところにいるのだろうか。
(ここは1度退いて報告するだけ報告しておくか?いや、できるだけ多くの情報を若に伝えなくてはならない。もう少しだけ調べておこう。)
「そんなのミネルバ様のお告げがあったからに決まってるでしょ?」
「そんなこともわからないとかバカすぎない?」
どうやらリンと呼ばれた少女の方は少し口調が厳しいようだ。
「それもそうか。まぁ俺は領地さえ貰えればそれでいいからな。セイルズ殿にもよろしく伝えておいてくれ。」
なるほど。
セイルズは、教団と通じている、もししくは教団の人間だということだろう。
やはり獄中で、勧誘されたのだろうか。
そして今回のこのエシルス大陸の大乱は全てこの教団が糸を引いていたということか。
よし。
ここまで情報を集められれば上々だろう。
退散するとしよう。
「で、いつまでそこで隠れてるつもりだい?」
とっとと去ろうとしたとたん呼び止められてしまった。
殺気と共に言葉が飛んできて思わず立ち止まってしまった。
ここまでの殺気を放てるのは相当の手練れということだろう。
恐らくただでは逃げられない。
腹を括って出ていくことにする。
「……いつから気付いていた?」
角から出ていく。
ランと呼ばれた少年は身の丈に合わない大剣をこちらに向けている。
リンと呼ばれた少女は見たこともないなにやら細長い筒状の物をこちらに向けている。
詳細はわからないが、恐らく武器なのだろう。
「な、セイン殿!?いつの間に!?」
ルーゼンはつけられていたことに気づいていなかったらしく驚いていた。
「まぁ、最初からいたよ。そいつ。てか本当に気付いて無かったのかよ!使えない奴だな!」
「確かに気配の消し方はうまかったけどまだまだね。ねぇラン。殺していいよね?」
リンと呼ばれた少女の方からも殺気が飛んでくる。
この調子では武器を構えようとしただけでもすぐに殺されそうだ。
「まぁ、いいけど少し遊んでからにしようよ。」
「フフ。そうだねそれくらい良いよねぇ?」
双子は笑みを浮かべる。
「ならばこちらも、ただで殺されるつもりはありませんので。」
武器を構える。
やはり先程遊ぶなどと言っていたので構えることはさせてくれた。
果たして自分の腕前でかなうかどうか。
「じゃあ俺からいくね。」
速い。
ランは一気に距離を詰めてきた。
あの大剣を持っているとは思えない動きである。
「くっ!」
急いで相手の剣をうけとめる。
が、一撃がとてつもなく重い。
今の一撃をまともに受けていたら即死だっただろう。
「あれ?本気出してないとはいえ、僕の一撃を防いだ。お兄さん中々やるね?」
「それはどうも。これでも若の剣術指南役なのでね。」
しかし、今の一瞬でわかった。
勝てない。
今の状態では、何をどうやっても勝てないだろう。
もう一撃くらえばこちらの剣も先程の一撃でもうもたないので、剣ごと粉砕されて終わりだろう。
「セイン殿!」
声に反応し後ろに退く。
すると突然ランに向け槍の攻撃がはなたれる。
攻撃の方向を見るとそこにはオルフェンがいた。
「オルフェン殿!」
「巡回中に何か大きな音が聞こえたので来てみればこのようなことになってるとは。とりあえず手助け致しましょう。」
正直今の状況での援軍は大変ありがたい。
「ありがとうございます。」
「ちっ!せっかくの良いところをさぁ!死ぬ覚悟は、できてるよねぇ?」
恐ろしいほどの殺気が飛んでくる。
しかし、何か見落としている気がする。
何か違和感が……。
「どうされました?」
「い、いえ何でもありません。」
そうだ。
この近辺は巡回ルートには入っていないのだ。
だが、急遽変更になったとか、何か訳があるのだろう。
ならば聞いてみればいい。
「そういえばこの辺りは巡回ルートではないのでは?」
「……急遽変更致しました。たまには突拍子もないルートを通らなければ、警備の意味がありません。」
なるほどごもっともだ。
しかし、まだ違和感がのこる。
そうだ。
若が海に落ちた時。
ルーゼンが知らせたのだと思っていたが、それはいつだ?
少なくともそのような余裕は無かった。
すぐそばには自分がいたからそれは分かる。
ならば他にその状況を知っていて直ぐにこの教団の元へと知らせることが出来る人物。
……一人いる。
あの時セラ殿が若が海に落ちたとき真っ先に助力を願った人物が一人。
隣を見ると今まさにこちらを槍で攻撃しようとしているオルフェンがいた。
「くっ!」
急ぎ退く。
「ちっ!気づかれたか。」
少しかすったが致命傷ではない。
そうか。
オルフェンが寝返っていたと考えれば、竜騎兵だったので別の地点の人物に伝えるのに時間はそれほどかからない。
伝令役としては適材だったということだ。
「まさかあなたまでもが裏切っていたとは……。一体何故ですか!?」
「何故?簡単なことです。」
その顔には気持ちの悪いほどの笑顔が浮かんでいる。
「セラ殿を私のものにしてもらえるからです。」
とんでも無いことを言い出した。
ストーカーじみていたというのは聞いていたが、ここまでとは。
「今回の大乱に対し教団に手を貸せば望むものを与えると言われて私は迷わずセラ殿と答えました。あのように美しくたくましいお方は他には居ない!あの方を私のだけのものに!その為にはフレン様とアルフレッド様が邪魔でした。2人が消えればその空白に私が入り込むのです。そして私はセラ殿と!フフフ……ハハハハハ!」
狂っている。
なんとかこの場を脱しこの事を若とセラ殿に伝えなくてはならない。
仕方ない。
ここは1度しか使えない神具を使うとしよう。
「ここで見聞きしたことは全ての若とフレク様にお伝えさせてもらいます。どうやらここを襲撃するつもりのようでしたがそんなことはさせません。」
「この状況でどうやって逃げるっていうのさ。」
ランは笑っている。
しかし、無策でこんなところに来るはずもない。
懐から紐の付いた碧い宝石を取り出す。
石が光りだすと足元に魔方陣のようなものが表れ、光る。
「神具、転移の石。これを使えば念じた相手のもとへ一瞬で行くことが出来ます。では、失礼します。」
「させない!」
大きな音と共にセインの肩部に穴が開く。
そしてもちろん出血もする。
「ぐっ!」
「あれ、やっぱりこれ難しいわね。」
「おい!ちゃんと狙えよ!」
唐突の攻撃に膝をついてしまう。
しかし、もう既に転移は始まった。
(あの武器は危険だ。あれも含め若に伝えなくては。)
肩を押さえつつ目の前が光に包まれる。
念じた相手はセラの元である。
まずはこの大陸の最も信頼のおける人物の元へといかなければと思ったからである。
アルフレッド様の元でも良いかもしれないがこちらの方が戦力的には必要なので神聖帝国側にしておく。
しかし、セインは激しく後悔した。
「え?」
「……あ。」
セラの元へは行けた。
しかし、セラは入浴中であった。
セインは湯船の中へとワープしたのである。
セラからすればいきなり目の前にセインが表れ、そして湯船に浸かっているとはいえ、全裸を見られたのである。
そしてここは公衆浴場のようにいろんな人物が使う場所である。
メイドやここの使用人など、たくさんの人物が周りにはいた。
注目を浴びる。
「……あー、まぁ、その、殴ってくれて、構いません。」
「では……そうさせてもらいます!」
セラは体を布で隠しながら思い切り殴る。
隠すほどのものも無いだろうと思いつつ倒れる。
今日の出血箇所が一ヶ所増えてしまった。
「ご苦労様。」
角から様子を見守る。
ルーゼンはなにやら少年に先程のメモを渡しているようであった。
「で、教団はいつ動くんだ?それにあわせてこちらも動くつもりだ。」
「まぁ、私は今すぐにでも行って皆殺しにしたいんだけどね?ランがね?」
そういうと少女は隣の少年を見る。
「そういうわけにもいかないだろう?リン。俺達は集団で行動してるんだから。皆殺しにしたいのは確かにそうだけどさ。」
ランと呼ばれた少年はリンと呼ばれた少女を諭す。
恐らく双子なのだろう。
2人とも瓜二つで、茶髪で身長も近い。
体もまだ幼いので身体的特徴もそれほど出ておらず服装を整えれば影武者として行動することも出来るだろう。
「にしても教団は一体どうしてこんなことまでしてるんだ?」
教団と言われて思い浮かぶのは一つしかない。
この大陸に古くから根付いている宗教。
ミネルバ教、そしてその宗教団体であるミネルバ教団。
教団は独自に兵を抱えており、その強さは大陸随一だと言われている。
教団の拠点はここから遥か北の険しい山脈を越えた先の国だったはずだが、なぜこの様なところにいるのだろうか。
(ここは1度退いて報告するだけ報告しておくか?いや、できるだけ多くの情報を若に伝えなくてはならない。もう少しだけ調べておこう。)
「そんなのミネルバ様のお告げがあったからに決まってるでしょ?」
「そんなこともわからないとかバカすぎない?」
どうやらリンと呼ばれた少女の方は少し口調が厳しいようだ。
「それもそうか。まぁ俺は領地さえ貰えればそれでいいからな。セイルズ殿にもよろしく伝えておいてくれ。」
なるほど。
セイルズは、教団と通じている、もししくは教団の人間だということだろう。
やはり獄中で、勧誘されたのだろうか。
そして今回のこのエシルス大陸の大乱は全てこの教団が糸を引いていたということか。
よし。
ここまで情報を集められれば上々だろう。
退散するとしよう。
「で、いつまでそこで隠れてるつもりだい?」
とっとと去ろうとしたとたん呼び止められてしまった。
殺気と共に言葉が飛んできて思わず立ち止まってしまった。
ここまでの殺気を放てるのは相当の手練れということだろう。
恐らくただでは逃げられない。
腹を括って出ていくことにする。
「……いつから気付いていた?」
角から出ていく。
ランと呼ばれた少年は身の丈に合わない大剣をこちらに向けている。
リンと呼ばれた少女は見たこともないなにやら細長い筒状の物をこちらに向けている。
詳細はわからないが、恐らく武器なのだろう。
「な、セイン殿!?いつの間に!?」
ルーゼンはつけられていたことに気づいていなかったらしく驚いていた。
「まぁ、最初からいたよ。そいつ。てか本当に気付いて無かったのかよ!使えない奴だな!」
「確かに気配の消し方はうまかったけどまだまだね。ねぇラン。殺していいよね?」
リンと呼ばれた少女の方からも殺気が飛んでくる。
この調子では武器を構えようとしただけでもすぐに殺されそうだ。
「まぁ、いいけど少し遊んでからにしようよ。」
「フフ。そうだねそれくらい良いよねぇ?」
双子は笑みを浮かべる。
「ならばこちらも、ただで殺されるつもりはありませんので。」
武器を構える。
やはり先程遊ぶなどと言っていたので構えることはさせてくれた。
果たして自分の腕前でかなうかどうか。
「じゃあ俺からいくね。」
速い。
ランは一気に距離を詰めてきた。
あの大剣を持っているとは思えない動きである。
「くっ!」
急いで相手の剣をうけとめる。
が、一撃がとてつもなく重い。
今の一撃をまともに受けていたら即死だっただろう。
「あれ?本気出してないとはいえ、僕の一撃を防いだ。お兄さん中々やるね?」
「それはどうも。これでも若の剣術指南役なのでね。」
しかし、今の一瞬でわかった。
勝てない。
今の状態では、何をどうやっても勝てないだろう。
もう一撃くらえばこちらの剣も先程の一撃でもうもたないので、剣ごと粉砕されて終わりだろう。
「セイン殿!」
声に反応し後ろに退く。
すると突然ランに向け槍の攻撃がはなたれる。
攻撃の方向を見るとそこにはオルフェンがいた。
「オルフェン殿!」
「巡回中に何か大きな音が聞こえたので来てみればこのようなことになってるとは。とりあえず手助け致しましょう。」
正直今の状況での援軍は大変ありがたい。
「ありがとうございます。」
「ちっ!せっかくの良いところをさぁ!死ぬ覚悟は、できてるよねぇ?」
恐ろしいほどの殺気が飛んでくる。
しかし、何か見落としている気がする。
何か違和感が……。
「どうされました?」
「い、いえ何でもありません。」
そうだ。
この近辺は巡回ルートには入っていないのだ。
だが、急遽変更になったとか、何か訳があるのだろう。
ならば聞いてみればいい。
「そういえばこの辺りは巡回ルートではないのでは?」
「……急遽変更致しました。たまには突拍子もないルートを通らなければ、警備の意味がありません。」
なるほどごもっともだ。
しかし、まだ違和感がのこる。
そうだ。
若が海に落ちた時。
ルーゼンが知らせたのだと思っていたが、それはいつだ?
少なくともそのような余裕は無かった。
すぐそばには自分がいたからそれは分かる。
ならば他にその状況を知っていて直ぐにこの教団の元へと知らせることが出来る人物。
……一人いる。
あの時セラ殿が若が海に落ちたとき真っ先に助力を願った人物が一人。
隣を見ると今まさにこちらを槍で攻撃しようとしているオルフェンがいた。
「くっ!」
急ぎ退く。
「ちっ!気づかれたか。」
少しかすったが致命傷ではない。
そうか。
オルフェンが寝返っていたと考えれば、竜騎兵だったので別の地点の人物に伝えるのに時間はそれほどかからない。
伝令役としては適材だったということだ。
「まさかあなたまでもが裏切っていたとは……。一体何故ですか!?」
「何故?簡単なことです。」
その顔には気持ちの悪いほどの笑顔が浮かんでいる。
「セラ殿を私のものにしてもらえるからです。」
とんでも無いことを言い出した。
ストーカーじみていたというのは聞いていたが、ここまでとは。
「今回の大乱に対し教団に手を貸せば望むものを与えると言われて私は迷わずセラ殿と答えました。あのように美しくたくましいお方は他には居ない!あの方を私のだけのものに!その為にはフレン様とアルフレッド様が邪魔でした。2人が消えればその空白に私が入り込むのです。そして私はセラ殿と!フフフ……ハハハハハ!」
狂っている。
なんとかこの場を脱しこの事を若とセラ殿に伝えなくてはならない。
仕方ない。
ここは1度しか使えない神具を使うとしよう。
「ここで見聞きしたことは全ての若とフレク様にお伝えさせてもらいます。どうやらここを襲撃するつもりのようでしたがそんなことはさせません。」
「この状況でどうやって逃げるっていうのさ。」
ランは笑っている。
しかし、無策でこんなところに来るはずもない。
懐から紐の付いた碧い宝石を取り出す。
石が光りだすと足元に魔方陣のようなものが表れ、光る。
「神具、転移の石。これを使えば念じた相手のもとへ一瞬で行くことが出来ます。では、失礼します。」
「させない!」
大きな音と共にセインの肩部に穴が開く。
そしてもちろん出血もする。
「ぐっ!」
「あれ、やっぱりこれ難しいわね。」
「おい!ちゃんと狙えよ!」
唐突の攻撃に膝をついてしまう。
しかし、もう既に転移は始まった。
(あの武器は危険だ。あれも含め若に伝えなくては。)
肩を押さえつつ目の前が光に包まれる。
念じた相手はセラの元である。
まずはこの大陸の最も信頼のおける人物の元へといかなければと思ったからである。
アルフレッド様の元でも良いかもしれないがこちらの方が戦力的には必要なので神聖帝国側にしておく。
しかし、セインは激しく後悔した。
「え?」
「……あ。」
セラの元へは行けた。
しかし、セラは入浴中であった。
セインは湯船の中へとワープしたのである。
セラからすればいきなり目の前にセインが表れ、そして湯船に浸かっているとはいえ、全裸を見られたのである。
そしてここは公衆浴場のようにいろんな人物が使う場所である。
メイドやここの使用人など、たくさんの人物が周りにはいた。
注目を浴びる。
「……あー、まぁ、その、殴ってくれて、構いません。」
「では……そうさせてもらいます!」
セラは体を布で隠しながら思い切り殴る。
隠すほどのものも無いだろうと思いつつ倒れる。
今日の出血箇所が一ヶ所増えてしまった。
0
あなたにおすすめの小説
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
ハイエルフ少女と三十路弱者男の冒険者ワークライフ ~最初は弱いが、努力ガチャを引くたびに強くなる~
スィグトーネ
ファンタジー
年収が低く、非正規として働いているため、決してモテない男。
それが、この物語の主人公である【東龍之介】だ。
そんな30歳の弱者男は、飲み会の帰りに偶然立ち寄った神社で、異世界へと移動することになってしまう。
異世界へ行った男が、まず出逢ったのは、美しい紫髪のエルフ少女だった。
彼女はエルフの中でも珍しい、2柱以上の精霊から加護を受けるハイエルフだ。
どうして、それほどの人物が単独で旅をしているのか。彼女の口から秘密が明かされることで、2人のワークライフがはじまろうとしている。
※この物語で使用しているイラストは、AIイラストさんのものを使用しています。
※なかには過激なシーンもありますので、外出先等でご覧になる場合は、くれぐれもご注意ください。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』
KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。
日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。
アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。
「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。
貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。
集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。
そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。
これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。
今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう?
※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは
似て非なる物として見て下さい
【最強モブの努力無双】~ゲームで名前も登場しないようなモブに転生したオレ、一途な努力とゲーム知識で最強になる~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
アベル・ヴィアラットは、五歳の時、ベッドから転げ落ちてその拍子に前世の記憶を思い出した。
大人気ゲーム『ヒーローズ・ジャーニー』の世界に転生したアベルは、ゲームの知識を使って全男の子の憧れである“最強”になることを決意する。
そのために努力を続け、順調に強くなっていくアベル。
しかしこの世界にはゲームには無かった知識ばかり。
戦闘もただスキルをブッパすればいいだけのゲームとはまったく違っていた。
「面白いじゃん?」
アベルはめげることなく、辺境最強の父と優しい母に見守られてすくすくと成長していくのだった。
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる