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合流
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「よし……このままなら……全軍、陣形を維持せよ!」
「く……思いのほか頑丈ね……フィアナ! 何か策は!? 佐切は今忙しいみたい! あなたに任せるって!」
「はい! 準備は整っています! 矢を放て!」
フィアナの指示で矢が放たれる。
ハーピーは空高く飛び、射程圏外へ逃れていた。
「今更弓など……」
しかし、フィアナの策はそんな単純なものではない。
「かかれ! この程度の兵力差、これまで経験して来た苦境に比べれば、大した事ないだろ! まぁ、今の魔王派は殆ど新人だがな!」
「行け! このジョバンニ率いる第六騎士団を倒した精鋭、魔王派の訓練を受けた、お主らの力を見せてみよ!」
突如としてガイアの軍の両側面が襲われる。
矢に気を取られていたガイア軍は挟撃を許してしまった。
「何事だ!?」
「報告します! 突如として我が軍両側面にそれぞれ約二千五百の敵兵が現れました! さらに敵は全員二刀使い! 精鋭揃いの魔王派です!」
「何!? なぜ気づかなかった!」
「そ、それが……急に現れたとしか言いようがなく……目の前の最前線から漏れ出た様子もありません。前々から潜んでいたとしか……」
「そのようなわけが……」
そこまでいうと、ガイアはとあることに気が付く。
(今更だが奴等……何故地下から現れた? あの地下は一体なんなのだ……)
そこで、とある結論にたどり着く。
「よし……敵にもう援軍は無いぞ! 両翼の敵は少数! しのぎきれば我らの勝利だ!」
「そ、それは一体どういう……」
ガイアは説明を続けた。
「奴等、地下通路を使って攻撃してきた。本来それは脱出用の通路なのだろうが、それを使って我々への奇襲に使ったのだ。そして破壊する前にあらかじめ通路を伝って兵を外に出しておけば、さらなる奇襲に繋がるのだ。つまり……」
「な、成る程……」
「敵にこれ以上の援軍は現れない! たったのあれだけの兵力で奇襲を仕掛けてきたということは、奇襲隊の全戦力だ! わざわざ自ら逃げ道を潰したのだからな! このまましのぎ切るのは容易! つまりは我々の勝利だ!」
しかし、ガイアの想定は外れる。
徐々に、戦の手を止める者が両軍に現れ始める。
「……ん?」
「なんだ……」
遠くの方から何かが聞こえてくる。
大軍の足音のような音が。
その音に、両軍、完全に戦の手を止めた。
「こ、この音は……」
「おい! 何か知っているのか!?」
ガイアは側近の百戦錬磨の老将に聞く。
しかし、老将は武器を捨てた。
「何を……」
「この力強い足音……忘れる筈も無い……ドワーフです! ドルーガが言っていた、奴らが来てしまった! 我らに出来る事はただ一つ……武器を捨て、逃げるのです!」
足音が止まり、遠くにその軍がファレスを見下ろす形で。見える。
その軍の列は、いつでもこちらを攻撃出来る態勢であった。
しかし、軍靴の音は止まらない。
「ん? また……」
「あ、あぁ……」
老将は絶望し、カイアの前に膝をつく。
「ガイア様。何もせず、降伏することを具申致します」
「何を……」
「あの乱れのない統率の取れた軍靴の音……あれはエルフです! 魔王軍に協力するために現れたのです! 奴らは降伏するものには寛容です。どうか、御身を大切になさってくだされ。ドワーフとエルフの軍に、真正面からぶつかって勝てる軍は、どこにもありません」
「エルフ……だと?」
ファレスを見下ろせる斜面には、ドワーフとエルフ、そしてエルフと同盟を結んだ人間達の軍が現れる。
その数合わせて約五万。
ファレスにて繰り広げられていた戦場を見渡した佐切は、指示を下す。
「さぁ、遅れた分、取り返さないとな! 全軍! かかれ!」
「く……思いのほか頑丈ね……フィアナ! 何か策は!? 佐切は今忙しいみたい! あなたに任せるって!」
「はい! 準備は整っています! 矢を放て!」
フィアナの指示で矢が放たれる。
ハーピーは空高く飛び、射程圏外へ逃れていた。
「今更弓など……」
しかし、フィアナの策はそんな単純なものではない。
「かかれ! この程度の兵力差、これまで経験して来た苦境に比べれば、大した事ないだろ! まぁ、今の魔王派は殆ど新人だがな!」
「行け! このジョバンニ率いる第六騎士団を倒した精鋭、魔王派の訓練を受けた、お主らの力を見せてみよ!」
突如としてガイアの軍の両側面が襲われる。
矢に気を取られていたガイア軍は挟撃を許してしまった。
「何事だ!?」
「報告します! 突如として我が軍両側面にそれぞれ約二千五百の敵兵が現れました! さらに敵は全員二刀使い! 精鋭揃いの魔王派です!」
「何!? なぜ気づかなかった!」
「そ、それが……急に現れたとしか言いようがなく……目の前の最前線から漏れ出た様子もありません。前々から潜んでいたとしか……」
「そのようなわけが……」
そこまでいうと、ガイアはとあることに気が付く。
(今更だが奴等……何故地下から現れた? あの地下は一体なんなのだ……)
そこで、とある結論にたどり着く。
「よし……敵にもう援軍は無いぞ! 両翼の敵は少数! しのぎきれば我らの勝利だ!」
「そ、それは一体どういう……」
ガイアは説明を続けた。
「奴等、地下通路を使って攻撃してきた。本来それは脱出用の通路なのだろうが、それを使って我々への奇襲に使ったのだ。そして破壊する前にあらかじめ通路を伝って兵を外に出しておけば、さらなる奇襲に繋がるのだ。つまり……」
「な、成る程……」
「敵にこれ以上の援軍は現れない! たったのあれだけの兵力で奇襲を仕掛けてきたということは、奇襲隊の全戦力だ! わざわざ自ら逃げ道を潰したのだからな! このまましのぎ切るのは容易! つまりは我々の勝利だ!」
しかし、ガイアの想定は外れる。
徐々に、戦の手を止める者が両軍に現れ始める。
「……ん?」
「なんだ……」
遠くの方から何かが聞こえてくる。
大軍の足音のような音が。
その音に、両軍、完全に戦の手を止めた。
「こ、この音は……」
「おい! 何か知っているのか!?」
ガイアは側近の百戦錬磨の老将に聞く。
しかし、老将は武器を捨てた。
「何を……」
「この力強い足音……忘れる筈も無い……ドワーフです! ドルーガが言っていた、奴らが来てしまった! 我らに出来る事はただ一つ……武器を捨て、逃げるのです!」
足音が止まり、遠くにその軍がファレスを見下ろす形で。見える。
その軍の列は、いつでもこちらを攻撃出来る態勢であった。
しかし、軍靴の音は止まらない。
「ん? また……」
「あ、あぁ……」
老将は絶望し、カイアの前に膝をつく。
「ガイア様。何もせず、降伏することを具申致します」
「何を……」
「あの乱れのない統率の取れた軍靴の音……あれはエルフです! 魔王軍に協力するために現れたのです! 奴らは降伏するものには寛容です。どうか、御身を大切になさってくだされ。ドワーフとエルフの軍に、真正面からぶつかって勝てる軍は、どこにもありません」
「エルフ……だと?」
ファレスを見下ろせる斜面には、ドワーフとエルフ、そしてエルフと同盟を結んだ人間達の軍が現れる。
その数合わせて約五万。
ファレスにて繰り広げられていた戦場を見渡した佐切は、指示を下す。
「さぁ、遅れた分、取り返さないとな! 全軍! かかれ!」
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