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隠されたスキル
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「一体何を言ってるんだ……勇者って事はお前もスキルを持ってるんだろ!? 誰がお前の言う事なんか……」
「まぁ待て。サナンさんと言ったか……」
佐切は相手の様子も慎重に伺いつつ続ける。
「良いか? このまま敵の策にはまって近衛騎士団に殲滅されるか、駄目で元々で俺の指示に従って生き残るか。どっちが良い? このまま何もしなければ死ぬだけ。俺に従えば生き残ることが出来る。単純な二択だ。どうする?」
佐切のその問いに、サナン達魔王派の人間達は顔を合わせ、意思を確認する。
「いいだろう……どのみち、俺達では奴らに勝つ事はできない。何か策があるんだろうな?」
「あぁ、勿論。じゃ早速……」
佐切はサナンに近付く。
「では、サナン殿。スキル『念話』を佐切勘助と使う事を承認しますか?」
「な……『念話』だと? そんなスキルで何が……」
「……しますか?」
佐切は再度問いかける。
どうやら、文言は変えることが出来ないようなので、少し圧を強める。
「……分かった! 承認する! どうとでもなれ!」
「……よし。上手く行ったな……」
すると、佐切は空を見つめ独り言を呟き始める。
「ここを戦場に認定……友軍……確認……」
「い、一体何を……」
佐切は近衛騎士団の接近を報告した男に振り向き問いかける。
「近衛騎士団は北川の橋を通って来るルートだな?数は五十程。それと、西側からも迫ってきている一団がいる。数は三十程か」
「そ、そのとおりだ……一体何で……」
佐切はニヤリと笑うと、説明を始めた。
「俺のスキルは『念話』そして、『俯瞰』だ」
「……『俯瞰』?聞いたことが無いスキルだな」
「あぁ。俺も資料を漁って調べたが出て来なかった。どうやら、未知のスキルらしい」
佐切は近衛騎士団が迫っていたので手早くスキルの説明を始める。
「俺も『念話』の契約をするまで知らなかったんだが、スキルの内容は、『念話』の契約を行った者が戦場に居た場合、その戦場を『俯瞰』して見ることが出来るスキルだ。それは、このように見ることが出来る」
佐切は空中をスマホの画面をスワイプするかのように指を横に動かす。
すると、サモンの目の前にこの辺り一帯が描かれた地図が現れる。
「こ、これは……ここまで精巧な地図、見たことが無い……これがスキルの力か?」
「あぁ。勿論、それだけじゃない。そこに表示されている青い丸が味方。赤い丸が敵だ。どうだ? 斥候なんか必要無しに戦場の様子が丸分かりだ」
「……それだけか?」
そこまで説明すると、サナンは落胆する。
「何だよ……もっと凄いスキルかと思ったのに……こんなんじゃ……俺たちは終わりか……」
その発言で、佐切は彼等が何故劣勢に立たされているのかを理解する。
「成る程。お前達魔王派の人間がどうして数を減らして来たか分かった。反スキル至上主義を掲げながらも自分達でスキルを持っている者には絶対に劣っていると決めつけてしまっている。それじゃあ、最初から勝つのをあきらめているようなものだ」
「ぐ……」
佐切の言葉に、サナンは何も言い返せない。
それは、皆心の何処かで分かっていたからである。
「だが安心しろ。現状、お前達は俺に頼るしか出来ない。つまり、確実な勝ちを手に入れたのと同義だ。安心しろ。これは勝ち戦だ。俺が戦い方を見せてやるよ」
そこまで言うと、佐切は一瞬、暗い表情をする。
(……正直、勝てるかどうかは厳しい。もう一つ、隠されたスキルはあるが……この状況では生かせそうに無い……それを明かした所で、反感を買いそうだしな。今は隠しておこう)
「まぁ待て。サナンさんと言ったか……」
佐切は相手の様子も慎重に伺いつつ続ける。
「良いか? このまま敵の策にはまって近衛騎士団に殲滅されるか、駄目で元々で俺の指示に従って生き残るか。どっちが良い? このまま何もしなければ死ぬだけ。俺に従えば生き残ることが出来る。単純な二択だ。どうする?」
佐切のその問いに、サナン達魔王派の人間達は顔を合わせ、意思を確認する。
「いいだろう……どのみち、俺達では奴らに勝つ事はできない。何か策があるんだろうな?」
「あぁ、勿論。じゃ早速……」
佐切はサナンに近付く。
「では、サナン殿。スキル『念話』を佐切勘助と使う事を承認しますか?」
「な……『念話』だと? そんなスキルで何が……」
「……しますか?」
佐切は再度問いかける。
どうやら、文言は変えることが出来ないようなので、少し圧を強める。
「……分かった! 承認する! どうとでもなれ!」
「……よし。上手く行ったな……」
すると、佐切は空を見つめ独り言を呟き始める。
「ここを戦場に認定……友軍……確認……」
「い、一体何を……」
佐切は近衛騎士団の接近を報告した男に振り向き問いかける。
「近衛騎士団は北川の橋を通って来るルートだな?数は五十程。それと、西側からも迫ってきている一団がいる。数は三十程か」
「そ、そのとおりだ……一体何で……」
佐切はニヤリと笑うと、説明を始めた。
「俺のスキルは『念話』そして、『俯瞰』だ」
「……『俯瞰』?聞いたことが無いスキルだな」
「あぁ。俺も資料を漁って調べたが出て来なかった。どうやら、未知のスキルらしい」
佐切は近衛騎士団が迫っていたので手早くスキルの説明を始める。
「俺も『念話』の契約をするまで知らなかったんだが、スキルの内容は、『念話』の契約を行った者が戦場に居た場合、その戦場を『俯瞰』して見ることが出来るスキルだ。それは、このように見ることが出来る」
佐切は空中をスマホの画面をスワイプするかのように指を横に動かす。
すると、サモンの目の前にこの辺り一帯が描かれた地図が現れる。
「こ、これは……ここまで精巧な地図、見たことが無い……これがスキルの力か?」
「あぁ。勿論、それだけじゃない。そこに表示されている青い丸が味方。赤い丸が敵だ。どうだ? 斥候なんか必要無しに戦場の様子が丸分かりだ」
「……それだけか?」
そこまで説明すると、サナンは落胆する。
「何だよ……もっと凄いスキルかと思ったのに……こんなんじゃ……俺たちは終わりか……」
その発言で、佐切は彼等が何故劣勢に立たされているのかを理解する。
「成る程。お前達魔王派の人間がどうして数を減らして来たか分かった。反スキル至上主義を掲げながらも自分達でスキルを持っている者には絶対に劣っていると決めつけてしまっている。それじゃあ、最初から勝つのをあきらめているようなものだ」
「ぐ……」
佐切の言葉に、サナンは何も言い返せない。
それは、皆心の何処かで分かっていたからである。
「だが安心しろ。現状、お前達は俺に頼るしか出来ない。つまり、確実な勝ちを手に入れたのと同義だ。安心しろ。これは勝ち戦だ。俺が戦い方を見せてやるよ」
そこまで言うと、佐切は一瞬、暗い表情をする。
(……正直、勝てるかどうかは厳しい。もう一つ、隠されたスキルはあるが……この状況では生かせそうに無い……それを明かした所で、反感を買いそうだしな。今は隠しておこう)
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