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魔王軍との接触
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「さて……夜が明けたし、出発するか」
ウェアウルフを退治した後、魔物もいるし、灯りは目立つので夜間の移動は避け、日が昇るのを待った。
地下道内にはそれを見越していたかのようにベッド等も置かれていた。
流石に全員が寝れる数は無かったので、寝れない人は魔物の警戒に当たっていた。
「魔王軍との接触予定ポイントは……地下道を出てまっすぐの木に赤い布が巻かれているらしい。それを追っていけば次の目印のついた木がある。そして、最後の青い布の巻かれた木が合流ポイントだ。皆、魔物は夜行性だと言うが、気を抜かずに行こうか」
充分な休息を取れたのもあり、移動速度は申し分なかった。
そして、合流予定ポイントも、そう離れていなかったので、一時間もせずにたどり着いた。
「青い布……間違い無いな」
「でも……誰もいませんよ?」
確かに、周りには誰も居ない。
辺りの様子も先程から変わりなく森林が続いている。
「……いや、恐らくだが……」
辺りを見渡す。
すると、遠くの背の高い木の一部が一瞬光ったのが見えた。
「……やっぱりな」
「え?」
「俺達、見られてる。多分、すぐにでも……」
すると、茂みから音がする。
「っ!?」
「サナン。待った。恐らくあれが……」
「……どうやら、エルフの方々では無いようですね」
音がした茂みの方をみると、そこには小さな角の生えた女性がいた。
眼鏡をかけており、頭が良さそうである。
青い髪をたなびかせ、こちらに近づいてくる。
「そして、そちらの人間は頭が切れるようですね。何故ここに来たのか、話を聞きましょう。その武器で何となく所属はわかりましたが」
「成る程……やはりあなた方が魔王派の……」
「ええ。と言っても俺は少し違いますが」
一応、自分の素性を明らかにしておく。
最初から隠して後々知られる方が面倒事になりそうだからである。
「俺は勇者としてこの世界に召喚された者です。魔王軍を滅ぼす為、呼ばれた四十人の内の一人と言うわけですね」
そう言うと警戒されると思ったが、相手は動じていなかった。
「そうですか……それで、スキルは?」
「……『念話』です」
そう言うと、頷いた。
「成る程。そのスキルのせいで差別された、と。同じような話はこれまで何度も耳にしています。しかし、それが勇者までとは……流石に初耳ですね」
「残念ながら事実です。それで命を狙われ、魔王派に合流、ファレスでエルフとの協力を取り付け、ここまで来たという訳です」
そこまで言うと女性は納得したのか頷いた。
「分かりました。貴方がたの来訪を感謝します。早速で申し訳無いのですが、我が陣へ加わって頂きたい。今は一人でも戦えるものが欲しいのです。詳しい話は道中お聞かせ下さい」
女性は手を出してくる。
「私は魔王軍最後の幹部、キサラと申します。以後、どうぞ宜しく」
「あー……一応、魔王派の軍師となっている。佐切勘助だ。宜しく」
自分自身で軍師と言うのは少し気まずかった。
何はともあれ、キサラと握手を交わすのであった。
ウェアウルフを退治した後、魔物もいるし、灯りは目立つので夜間の移動は避け、日が昇るのを待った。
地下道内にはそれを見越していたかのようにベッド等も置かれていた。
流石に全員が寝れる数は無かったので、寝れない人は魔物の警戒に当たっていた。
「魔王軍との接触予定ポイントは……地下道を出てまっすぐの木に赤い布が巻かれているらしい。それを追っていけば次の目印のついた木がある。そして、最後の青い布の巻かれた木が合流ポイントだ。皆、魔物は夜行性だと言うが、気を抜かずに行こうか」
充分な休息を取れたのもあり、移動速度は申し分なかった。
そして、合流予定ポイントも、そう離れていなかったので、一時間もせずにたどり着いた。
「青い布……間違い無いな」
「でも……誰もいませんよ?」
確かに、周りには誰も居ない。
辺りの様子も先程から変わりなく森林が続いている。
「……いや、恐らくだが……」
辺りを見渡す。
すると、遠くの背の高い木の一部が一瞬光ったのが見えた。
「……やっぱりな」
「え?」
「俺達、見られてる。多分、すぐにでも……」
すると、茂みから音がする。
「っ!?」
「サナン。待った。恐らくあれが……」
「……どうやら、エルフの方々では無いようですね」
音がした茂みの方をみると、そこには小さな角の生えた女性がいた。
眼鏡をかけており、頭が良さそうである。
青い髪をたなびかせ、こちらに近づいてくる。
「そして、そちらの人間は頭が切れるようですね。何故ここに来たのか、話を聞きましょう。その武器で何となく所属はわかりましたが」
「成る程……やはりあなた方が魔王派の……」
「ええ。と言っても俺は少し違いますが」
一応、自分の素性を明らかにしておく。
最初から隠して後々知られる方が面倒事になりそうだからである。
「俺は勇者としてこの世界に召喚された者です。魔王軍を滅ぼす為、呼ばれた四十人の内の一人と言うわけですね」
そう言うと警戒されると思ったが、相手は動じていなかった。
「そうですか……それで、スキルは?」
「……『念話』です」
そう言うと、頷いた。
「成る程。そのスキルのせいで差別された、と。同じような話はこれまで何度も耳にしています。しかし、それが勇者までとは……流石に初耳ですね」
「残念ながら事実です。それで命を狙われ、魔王派に合流、ファレスでエルフとの協力を取り付け、ここまで来たという訳です」
そこまで言うと女性は納得したのか頷いた。
「分かりました。貴方がたの来訪を感謝します。早速で申し訳無いのですが、我が陣へ加わって頂きたい。今は一人でも戦えるものが欲しいのです。詳しい話は道中お聞かせ下さい」
女性は手を出してくる。
「私は魔王軍最後の幹部、キサラと申します。以後、どうぞ宜しく」
「あー……一応、魔王派の軍師となっている。佐切勘助だ。宜しく」
自分自身で軍師と言うのは少し気まずかった。
何はともあれ、キサラと握手を交わすのであった。
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