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戦勝祝い
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「さぁ! 今夜は宴だ!」
戦が終わり、その日は皆で宴を開いた。
「おいおい、軍師殿。さっきの策についてもっとちゃんと聞かせてくれよ!」
「そんなに知りたいのか? ……ていうか酒臭いな。俺は飲まないぞ」
サナンが酒が入ってダル絡みしてくる。
しかし、この場にはキサラやフィアナ、レナもいる。
今回の戦についての策は、今後のためにも教えておいた方が良いか。
「まぁ、単純だ。日が昇って戦場が見渡せるようになってあの場所を見たら、敵が武装しているかどうかにかかわらず、敵は罠にかかったの勝手に錯覚する」
それに加えてジョバンニには『念話』でそうなることも伝えていたのだが。
「しかし実は包囲なんてできていなくて、こっちは非戦闘員だけを山に籠もらせて、例の仕掛け矢で一斉に矢を放たせた」
今更だが、アイヌのアマッポのような仕掛け矢を作る技術が魔王軍に会って本当に助かった。
魔王軍のものは紐を引っ張れば一斉に矢を放つ事が出来る物だったが、敵が来るまでに充分な数を用意出来たことは奇跡とも言える。
「でも、それがスキルによって防がれる事は分かっていましたよね?」
フィアナのその言葉に頷く。
「あぁ。しかし第二案を思い出してみろ。あの時は先に勇者を狙った。その理由が分かるか?」
「それは……スキルを持つ勇者を先に仕留めてスキルを使わせない為?」
フィアナは見事正解を言い当てた。
まぁ、これぐらいなら簡単だっただろうが、一応褒めておく。
「流石だな。やっぱりフィアナは才能がある」
「そ、そんな……」
少し照れくさそうにする。
人は褒めて伸ばすのが一番だ。
そのまま説明を続ける。
「あの時は視界の不良からこちらの奇襲が悟られないという確信があったから先に勇者を狙った。まぁ、しくじったせいで第二案は無駄に終わったが……」
「あれは風がありましたし、佐切様のせいでは無いですよ!」
「そうですね。まぁ勝てたんだから良いじゃないですか。それで、第三案について聞かせてください」
今度はキサラが聞いてくる。
彼女も魔王軍の最後の幹部として、聞いておきたいのだろう。
「あぁ。実は前に王都で奴のスキルを見たことがあってな。奴は『シールド』を一枚しか展開出来なかったんだ」
「成る程……大体読めてきましたよ」
すると、キサラが俺に代わって解説をする。
「わざと目立つ攻撃で『シールド』を使わせて、その隙に勇者自身を狙う。『シールド』を展開したばかりで下の兵達はまだ防御の姿勢を取れておらず、解除すれば甚大な被害が出る。解除しなくても勇者自身が死ぬ。どちらに転んでも我々に有利になるということですね?」
「そうだ。まぁ、こちらにとって最良の方向に転んでくれたのは助かった」
あの時、護が『シールド』を解除して自分を守る為に使えば兵達に甚大な被害が出るが、勇者は仕留められない。
しかし実際は勇者が死に、兵も被害を被った。
魔王軍にとっては最高の結末だ。
「しかし……なんで包囲する形だったのに完全に攻めなかったんだ? 敵は逃げ出したし、士気も落ちてる。五百の兵でも充分仕留められただろ」
「……護にはスキル使いの仲間がいた。そいつらも勿論あの軍の中にいただろうし、無理に追撃するのは危険だった。まぁ、敵に被害を与えられて、最大の障害である勇者を始末出来たんだ。成果としては上々だ」
あの後、ジョバンニからは何も連絡は無い。
つまりは俺を敵として認めたということだ。
「さて……今後、敵がどう出てくるか……今から楽しみだな」
行動予測は数パターンある。
しかし、どう動くかはジョバンニ次第なのだ。
不謹慎ではあるが、彼がどう動くか今から楽しみである。
戦が終わり、その日は皆で宴を開いた。
「おいおい、軍師殿。さっきの策についてもっとちゃんと聞かせてくれよ!」
「そんなに知りたいのか? ……ていうか酒臭いな。俺は飲まないぞ」
サナンが酒が入ってダル絡みしてくる。
しかし、この場にはキサラやフィアナ、レナもいる。
今回の戦についての策は、今後のためにも教えておいた方が良いか。
「まぁ、単純だ。日が昇って戦場が見渡せるようになってあの場所を見たら、敵が武装しているかどうかにかかわらず、敵は罠にかかったの勝手に錯覚する」
それに加えてジョバンニには『念話』でそうなることも伝えていたのだが。
「しかし実は包囲なんてできていなくて、こっちは非戦闘員だけを山に籠もらせて、例の仕掛け矢で一斉に矢を放たせた」
今更だが、アイヌのアマッポのような仕掛け矢を作る技術が魔王軍に会って本当に助かった。
魔王軍のものは紐を引っ張れば一斉に矢を放つ事が出来る物だったが、敵が来るまでに充分な数を用意出来たことは奇跡とも言える。
「でも、それがスキルによって防がれる事は分かっていましたよね?」
フィアナのその言葉に頷く。
「あぁ。しかし第二案を思い出してみろ。あの時は先に勇者を狙った。その理由が分かるか?」
「それは……スキルを持つ勇者を先に仕留めてスキルを使わせない為?」
フィアナは見事正解を言い当てた。
まぁ、これぐらいなら簡単だっただろうが、一応褒めておく。
「流石だな。やっぱりフィアナは才能がある」
「そ、そんな……」
少し照れくさそうにする。
人は褒めて伸ばすのが一番だ。
そのまま説明を続ける。
「あの時は視界の不良からこちらの奇襲が悟られないという確信があったから先に勇者を狙った。まぁ、しくじったせいで第二案は無駄に終わったが……」
「あれは風がありましたし、佐切様のせいでは無いですよ!」
「そうですね。まぁ勝てたんだから良いじゃないですか。それで、第三案について聞かせてください」
今度はキサラが聞いてくる。
彼女も魔王軍の最後の幹部として、聞いておきたいのだろう。
「あぁ。実は前に王都で奴のスキルを見たことがあってな。奴は『シールド』を一枚しか展開出来なかったんだ」
「成る程……大体読めてきましたよ」
すると、キサラが俺に代わって解説をする。
「わざと目立つ攻撃で『シールド』を使わせて、その隙に勇者自身を狙う。『シールド』を展開したばかりで下の兵達はまだ防御の姿勢を取れておらず、解除すれば甚大な被害が出る。解除しなくても勇者自身が死ぬ。どちらに転んでも我々に有利になるということですね?」
「そうだ。まぁ、こちらにとって最良の方向に転んでくれたのは助かった」
あの時、護が『シールド』を解除して自分を守る為に使えば兵達に甚大な被害が出るが、勇者は仕留められない。
しかし実際は勇者が死に、兵も被害を被った。
魔王軍にとっては最高の結末だ。
「しかし……なんで包囲する形だったのに完全に攻めなかったんだ? 敵は逃げ出したし、士気も落ちてる。五百の兵でも充分仕留められただろ」
「……護にはスキル使いの仲間がいた。そいつらも勿論あの軍の中にいただろうし、無理に追撃するのは危険だった。まぁ、敵に被害を与えられて、最大の障害である勇者を始末出来たんだ。成果としては上々だ」
あの後、ジョバンニからは何も連絡は無い。
つまりは俺を敵として認めたということだ。
「さて……今後、敵がどう出てくるか……今から楽しみだな」
行動予測は数パターンある。
しかし、どう動くかはジョバンニ次第なのだ。
不謹慎ではあるが、彼がどう動くか今から楽しみである。
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