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色恋沙汰
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「佐切! ご苦労だったな!」
「おおサティス。いや、今回はジョバンニさんに助けられたよ。彼が居なければ普通に殺されていた」
ロームを要塞内に連れていき、取り敢えず縛り上げて動けなくしておいた。
そして、この先の部屋でジョバンニさんが改めてロームの説得をしていた。
「話し合いに失敗したロームが無力化されたのを確認した後、俺やジョバンニさんの命を狙い、さらにロームがこちらに捕虜として囚われるのを避けるために敵が攻めてきてくれなければ、あの兵器の攻撃も無意味だった。かなりギリギリの橋を渡ったよ」
「本当だな。現状、敵も初撃で甚大な被害が出たみたいで引いてくれている。お前が推測するに敵が変わった手を打ってくることは無いんだろ? だったら後は私達だけでも対処が可能だろう。侵攻軍の出陣準備をさせておこう」
敵が変わった手を打ってくることはない。
確かにそう推測したが不安要素もかなりある。
それは俺達勇者の事だ。
この世界の考え方とは全く違う世界で育った彼等が突拍子もない戦略を打ってくる可能性がある。
それだけじゃない。
長い間グンローグ要塞に手間取っている敵がこれまでと同じ方法で攻めてくるとも思えないのだ。
「どうした?」
「……いや、何でもない」
だが、当分の間は大丈夫だろう。
このグンローグ要塞は固い。
例え勇者が攻めてきたとしても、サティスならば戦える筈だ。
それに、余計な事を言って出陣する作戦を変更させたくは無い。
「それよりも、ロームの説得だな。ジョバンニさんにすべて任せているが……」
「あぁ。一部始終見ていたが何があったんだ? 何故ロームは攻撃の手を止めた?」
「あぁ……」
確かに、魔王の指揮所からは戦闘の様子は見えても会話までは聞こえないか。
本来ならあまり言うべき事では無いが……。
面白そうだから言おう。
「実はな……ジョバンニさんが、ロームに愛の告白をしたんだ」
「あ、愛の!?」
サティスは少し顔が赤かった。
どうやらこの手の話は苦手らしい。
「そ、それで……どうなったんだ?」
しかし興味はあるようだ。
「ジョバンニさんが『愛してる!』って叫んでロームが動揺して動きが止まった所をジョバンニさんが組み伏せた。その時点でロームは顔を真っ赤にして動かなくなってたからな。返答は無い」
「そ、そうか……」
サティスは少し考えながら、続けた。
「敵ではあるが……報告書でジョバンニとロームの事情は知っている。この恋路……応援してやりたくなってきたな」
「……本気か?」
「ああ! 本気だ! 二人はこの部屋にいるんだよな!?」
現在、ジョバンニとロームはこの先の部屋で話し合いをしている。
二人きりで話をさせてやりたかったので、俺は部屋の外で待っていたという訳だ。
因みにレナとフィアナは侵攻軍の編成に、俺の代理で行ってもらっている。
ほとんど終わっているが、最終確認を任せた。
「さて……私が二人の将来を手助けしてやろう……」
「おいおい……」
サティスはニヤニヤしている。
他人の色恋沙汰に興味があるのは、似てるのかもしれないが……。
少し不安になるな。
「おおサティス。いや、今回はジョバンニさんに助けられたよ。彼が居なければ普通に殺されていた」
ロームを要塞内に連れていき、取り敢えず縛り上げて動けなくしておいた。
そして、この先の部屋でジョバンニさんが改めてロームの説得をしていた。
「話し合いに失敗したロームが無力化されたのを確認した後、俺やジョバンニさんの命を狙い、さらにロームがこちらに捕虜として囚われるのを避けるために敵が攻めてきてくれなければ、あの兵器の攻撃も無意味だった。かなりギリギリの橋を渡ったよ」
「本当だな。現状、敵も初撃で甚大な被害が出たみたいで引いてくれている。お前が推測するに敵が変わった手を打ってくることは無いんだろ? だったら後は私達だけでも対処が可能だろう。侵攻軍の出陣準備をさせておこう」
敵が変わった手を打ってくることはない。
確かにそう推測したが不安要素もかなりある。
それは俺達勇者の事だ。
この世界の考え方とは全く違う世界で育った彼等が突拍子もない戦略を打ってくる可能性がある。
それだけじゃない。
長い間グンローグ要塞に手間取っている敵がこれまでと同じ方法で攻めてくるとも思えないのだ。
「どうした?」
「……いや、何でもない」
だが、当分の間は大丈夫だろう。
このグンローグ要塞は固い。
例え勇者が攻めてきたとしても、サティスならば戦える筈だ。
それに、余計な事を言って出陣する作戦を変更させたくは無い。
「それよりも、ロームの説得だな。ジョバンニさんにすべて任せているが……」
「あぁ。一部始終見ていたが何があったんだ? 何故ロームは攻撃の手を止めた?」
「あぁ……」
確かに、魔王の指揮所からは戦闘の様子は見えても会話までは聞こえないか。
本来ならあまり言うべき事では無いが……。
面白そうだから言おう。
「実はな……ジョバンニさんが、ロームに愛の告白をしたんだ」
「あ、愛の!?」
サティスは少し顔が赤かった。
どうやらこの手の話は苦手らしい。
「そ、それで……どうなったんだ?」
しかし興味はあるようだ。
「ジョバンニさんが『愛してる!』って叫んでロームが動揺して動きが止まった所をジョバンニさんが組み伏せた。その時点でロームは顔を真っ赤にして動かなくなってたからな。返答は無い」
「そ、そうか……」
サティスは少し考えながら、続けた。
「敵ではあるが……報告書でジョバンニとロームの事情は知っている。この恋路……応援してやりたくなってきたな」
「……本気か?」
「ああ! 本気だ! 二人はこの部屋にいるんだよな!?」
現在、ジョバンニとロームはこの先の部屋で話し合いをしている。
二人きりで話をさせてやりたかったので、俺は部屋の外で待っていたという訳だ。
因みにレナとフィアナは侵攻軍の編成に、俺の代理で行ってもらっている。
ほとんど終わっているが、最終確認を任せた。
「さて……私が二人の将来を手助けしてやろう……」
「おいおい……」
サティスはニヤニヤしている。
他人の色恋沙汰に興味があるのは、似てるのかもしれないが……。
少し不安になるな。
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