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「ふむ……お前がロームか。話は聞いているぞ」
「……貴方が魔王、サティス……私達の倒すべき相手ね……こんな女の子だとは思わなかったわ」
どうやらロームはサティスの事を年下に見ているようだ。
実際問題サティスの年齢は知らない。
魔族だというのであれば見た目よりも年齢が上だったり下だったりするかもしれない。
その辺りについて、流石に失礼に当たるので聞けていないのだ。
「ん? というか、フィアナとレナは何しに来たんだ?」
サティスの事を考えていたら二人のことを思い出す。
先程の意気消沈した姿の理由も気になったが、何故ここに来たのかのほうが今は重要だ。
……多分。
「あ、え、ええと……そうでした! 侵攻軍の編成の最終確認が完了しました! その報告に来ました!」
「ん。完璧」
レナはVサインを出してくる。
「そうか。ありがとうな。じゃあ、やっと本題だ」
気を取り直してロームの方へと目をやる。
ロームは完全に椅子に縛り付けられており、その椅子も柱に括り付けてある。
ロームの持つスキルでは脱出は不可能だろう。
「……私を仲間にしたいって?」
「あぁ。そのつもりだ。ジョバンニさんに説得は任せてたんだが……なんか戦場と話し方変わってないか?」
「……まぁね」
こころなしか、女性らしい話し方になっている気がする。
戦場では武人らしい話し方だった気がするが。
「彼女はこっちが素なのです。戦場に出る時は自分奮い立たせる為にそういう口調にしているのです」
「あぁ、そうでしたか」
「ちょっと! そういう事話さないで!」
ジョバンニさんが簡単にロームの情報を話してくれる。
これでロームに完全にジョバンニさんが仲間であることを示せただろう。
「……貴方が何故寝返ったかはもう良いわ。なんとなく分かる。でも、私はそっちにはつかないから」
「そうか。俺としてはそれでも良い」
ジョバンニは予想外の言葉を上げる。
それが説得する為の言葉なのかもしれないので、黙っておくが。
「お前が自分で自分の命を絶たないのならば、それで構わん」
「……」
ジョバンニは本心でそう言っている。
そう確信できた。
「……だが、この先ジョバンニには最前線に出てもらうことになる。命の保証は出来無いぞ」
すると、サティスがそう言う。
成る程……サティスの狙いが読めた。
確かにその誘い方のほうが効くな。
「ジョバンニさんは侵攻軍に編成されてます。自分もそうですが、最も危険な任務です。ロームさん。ジョバンニさんを守る為に、こちらに来てはくれませんか?」
「……私からも頼む。私もお前が隣に立ってくれていれば存分に力を振るえる筈なのだ。そして、お前も魔王軍の戦う理由には賛同しているだろう?」
やはりそうなのか。
ジョバンニさんと幼馴染と言うことはもしやと思ったが、やはりそうだったか。
「……確かにね……仕方が無い。分かったわ。ここで縛られ続けてジョバンニが死んだとか、聞かされたら後悔で多分気が狂う」
そう言うと、ジョバンニがロームの縄を解こうと近付く。
すると、ジョバンニはロームの耳元で囁いた。
「……あの時の言葉は本心だ。魔王軍の勝利の後、全てが終わったら、な。もし王国へ寝返れば、俺は自害しよう」
「っ!?」
ロームは途端に赤面する。
……まぁ、俺は何を言ったのか聞こえてしまったのだが……。
保険と共に将来を約束するか……。
流石だな。
ジョバンニはそのまま縄をほどいた。
「……貴方って本当に……」
「ん? どうした?」
ジョバンニは笑顔で言う。
「何でもない! 私が仲間になるからには、貴方には傷一つ負わせないから! 覚悟してね!」
こうして、ロームが仲間になったのであった。
「……貴方が魔王、サティス……私達の倒すべき相手ね……こんな女の子だとは思わなかったわ」
どうやらロームはサティスの事を年下に見ているようだ。
実際問題サティスの年齢は知らない。
魔族だというのであれば見た目よりも年齢が上だったり下だったりするかもしれない。
その辺りについて、流石に失礼に当たるので聞けていないのだ。
「ん? というか、フィアナとレナは何しに来たんだ?」
サティスの事を考えていたら二人のことを思い出す。
先程の意気消沈した姿の理由も気になったが、何故ここに来たのかのほうが今は重要だ。
……多分。
「あ、え、ええと……そうでした! 侵攻軍の編成の最終確認が完了しました! その報告に来ました!」
「ん。完璧」
レナはVサインを出してくる。
「そうか。ありがとうな。じゃあ、やっと本題だ」
気を取り直してロームの方へと目をやる。
ロームは完全に椅子に縛り付けられており、その椅子も柱に括り付けてある。
ロームの持つスキルでは脱出は不可能だろう。
「……私を仲間にしたいって?」
「あぁ。そのつもりだ。ジョバンニさんに説得は任せてたんだが……なんか戦場と話し方変わってないか?」
「……まぁね」
こころなしか、女性らしい話し方になっている気がする。
戦場では武人らしい話し方だった気がするが。
「彼女はこっちが素なのです。戦場に出る時は自分奮い立たせる為にそういう口調にしているのです」
「あぁ、そうでしたか」
「ちょっと! そういう事話さないで!」
ジョバンニさんが簡単にロームの情報を話してくれる。
これでロームに完全にジョバンニさんが仲間であることを示せただろう。
「……貴方が何故寝返ったかはもう良いわ。なんとなく分かる。でも、私はそっちにはつかないから」
「そうか。俺としてはそれでも良い」
ジョバンニは予想外の言葉を上げる。
それが説得する為の言葉なのかもしれないので、黙っておくが。
「お前が自分で自分の命を絶たないのならば、それで構わん」
「……」
ジョバンニは本心でそう言っている。
そう確信できた。
「……だが、この先ジョバンニには最前線に出てもらうことになる。命の保証は出来無いぞ」
すると、サティスがそう言う。
成る程……サティスの狙いが読めた。
確かにその誘い方のほうが効くな。
「ジョバンニさんは侵攻軍に編成されてます。自分もそうですが、最も危険な任務です。ロームさん。ジョバンニさんを守る為に、こちらに来てはくれませんか?」
「……私からも頼む。私もお前が隣に立ってくれていれば存分に力を振るえる筈なのだ。そして、お前も魔王軍の戦う理由には賛同しているだろう?」
やはりそうなのか。
ジョバンニさんと幼馴染と言うことはもしやと思ったが、やはりそうだったか。
「……確かにね……仕方が無い。分かったわ。ここで縛られ続けてジョバンニが死んだとか、聞かされたら後悔で多分気が狂う」
そう言うと、ジョバンニがロームの縄を解こうと近付く。
すると、ジョバンニはロームの耳元で囁いた。
「……あの時の言葉は本心だ。魔王軍の勝利の後、全てが終わったら、な。もし王国へ寝返れば、俺は自害しよう」
「っ!?」
ロームは途端に赤面する。
……まぁ、俺は何を言ったのか聞こえてしまったのだが……。
保険と共に将来を約束するか……。
流石だな。
ジョバンニはそのまま縄をほどいた。
「……貴方って本当に……」
「ん? どうした?」
ジョバンニは笑顔で言う。
「何でもない! 私が仲間になるからには、貴方には傷一つ負わせないから! 覚悟してね!」
こうして、ロームが仲間になったのであった。
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