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敵の動き
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「佐切。情報がある程度集まったよ。例の管理官、中々厄介そうだ」
「そうですか……ありがとうございます。早速聞かせてください」
策の準備第一段階である奴隷市場の確保は成功した。
この街最大の奴隷市場とその資産を全て手に入れた(強奪)したことで資金面も余裕が出た。
他の奴隷商も同様の手口で仲間達が掌握し(こちらは芝居が成功したようだった)準備は整った。
つまり、策の第二段階の最大の障害であるこの街の管理官だ。
「どうやら……スキル持ちらしい。それも、噂レベルだが勇者だ」
「成る程……それは、一苦労しそうですね。俺のクラスメイトですか」
あくまで管理官の確保は作戦の第二段階。
最大の障害はこの街を守る衛兵の排除だ。
それを成し遂げて初めてこの戦に勝ったことになる。
「勇者の名前は分かりますか? 自分はスキル授与の時にその場にいました。名前さえ分かればスキルも分かるので対処のしようもあるのですが……」
「すまないね。そこはまだだ。最近この街もきな臭くなって来た……私達に情報が入りにくくなって来たし、情報を隠す素振りを見せ始めている。私達も情報屋の活動をバレるわけには行かないからね。少し活動を自粛しないとね」
カルラ達も情報屋として活動してそれなりの時間が流れている。
噂程度にも情報屋の存在は広まっており、所在や正体は分かっていないとしても、いずれ取り押さえられる可能性は高いのだ。
「……あまり悠長にしていられませんね。早めに動き出さなくては……」
「でもよ、いつも通りに佐切の策を聞いたが、まだ準備も然程進んでない。いきなり作戦を開始するとか言われても無理だぞ」
サナンはサナンで任務を与えており、独自に準備を進めていた。
俺達はカルラの娼館を本拠地に活動しており、フィアナが俺の代理でここで指揮を執っている。
レナは負傷者の手当てだ。
まぁ現状の作戦準備の段階では負傷者は出ないのだが。
因みに本物の奴隷商は纏めてここで拘束している。
「安心してくれ。今すぐ作戦を開始するわけじゃない。いくら何でも無茶がすぎるからな」
「そうか……まぁ、俺も俺で急ぐ。詳しく決まったら知らせてくれ」
そう言うとサナンは立ち上がりその場を去る。
作戦が前倒しになることに備えて準備をするのを急ぐようだ。
「さて……じゃあ今後も各々の分担は変わらず準備を進めて下さい。ジョバンニさんはここで何かあった際の遊撃隊に。ロームさんと俺は引き続き奴隷市場の確保に務めます。魔王派の皆もサナンの指示のもと動いてくれ。何かあったらここにいるフィアナまで。フィアナ、自分で判断してくれて構わないから、指揮してみてくれ」
「はい!」
「カルラさんは引き続き管理官の情報を。余裕があったら防衛団長についても探って見て下さい」
「……分かったよ」
防衛団長の事を話した瞬間、カルラの表情が一瞬淀んだ。
が、気のせいだろう。
準備は着々と進んでいる。
それに伴って敵の動きも読み切れない。
果たして、何処まで上手くいくか……。
「そうですか……ありがとうございます。早速聞かせてください」
策の準備第一段階である奴隷市場の確保は成功した。
この街最大の奴隷市場とその資産を全て手に入れた(強奪)したことで資金面も余裕が出た。
他の奴隷商も同様の手口で仲間達が掌握し(こちらは芝居が成功したようだった)準備は整った。
つまり、策の第二段階の最大の障害であるこの街の管理官だ。
「どうやら……スキル持ちらしい。それも、噂レベルだが勇者だ」
「成る程……それは、一苦労しそうですね。俺のクラスメイトですか」
あくまで管理官の確保は作戦の第二段階。
最大の障害はこの街を守る衛兵の排除だ。
それを成し遂げて初めてこの戦に勝ったことになる。
「勇者の名前は分かりますか? 自分はスキル授与の時にその場にいました。名前さえ分かればスキルも分かるので対処のしようもあるのですが……」
「すまないね。そこはまだだ。最近この街もきな臭くなって来た……私達に情報が入りにくくなって来たし、情報を隠す素振りを見せ始めている。私達も情報屋の活動をバレるわけには行かないからね。少し活動を自粛しないとね」
カルラ達も情報屋として活動してそれなりの時間が流れている。
噂程度にも情報屋の存在は広まっており、所在や正体は分かっていないとしても、いずれ取り押さえられる可能性は高いのだ。
「……あまり悠長にしていられませんね。早めに動き出さなくては……」
「でもよ、いつも通りに佐切の策を聞いたが、まだ準備も然程進んでない。いきなり作戦を開始するとか言われても無理だぞ」
サナンはサナンで任務を与えており、独自に準備を進めていた。
俺達はカルラの娼館を本拠地に活動しており、フィアナが俺の代理でここで指揮を執っている。
レナは負傷者の手当てだ。
まぁ現状の作戦準備の段階では負傷者は出ないのだが。
因みに本物の奴隷商は纏めてここで拘束している。
「安心してくれ。今すぐ作戦を開始するわけじゃない。いくら何でも無茶がすぎるからな」
「そうか……まぁ、俺も俺で急ぐ。詳しく決まったら知らせてくれ」
そう言うとサナンは立ち上がりその場を去る。
作戦が前倒しになることに備えて準備をするのを急ぐようだ。
「さて……じゃあ今後も各々の分担は変わらず準備を進めて下さい。ジョバンニさんはここで何かあった際の遊撃隊に。ロームさんと俺は引き続き奴隷市場の確保に務めます。魔王派の皆もサナンの指示のもと動いてくれ。何かあったらここにいるフィアナまで。フィアナ、自分で判断してくれて構わないから、指揮してみてくれ」
「はい!」
「カルラさんは引き続き管理官の情報を。余裕があったら防衛団長についても探って見て下さい」
「……分かったよ」
防衛団長の事を話した瞬間、カルラの表情が一瞬淀んだ。
が、気のせいだろう。
準備は着々と進んでいる。
それに伴って敵の動きも読み切れない。
果たして、何処まで上手くいくか……。
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