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結果
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結果から言うと戦闘は勝利。
実験は成功した。
「カンパーイ!」
戦争の依頼主から勝利報酬も貰い、柏木からも実験の成功報酬を貰った。
そして、今は祝勝会だ。
「しかし、今回勝てたのは柏木のお陰だな!」
「いえ、皆さんの練度の高さのお陰です!」
スミスは完璧に出来上がっている。
柏木のやろうとしたことは見事に成功し、円滑な情報の伝達の元射撃を行い、勝利することが出来た。
久々の勝利に皆も浮かれている。
が、まぁこういう時くらいは良いか。
「所で、あのAIってどういう仕組みなんだ?」
「お二人は将棋って分かります?」
スミスは良くわからないようだったが、俺は知っている。
簡単に言えば日本のチェスだ。
「俺は分かるぞ。」
「なら、日本で行われたAIと人間の将棋の対決の話知ってますか?」
「あぁ。AIが強すぎるって話だろ?」
詳しくは流石に知らないが、小耳に挟んだ事がある。
「それはAIが過去の人間の対局の記録を学習して最適解を出しているものなんです。」
「……成る程。それをAIでやってみせたと?実際の戦場にも反映させたということか?」
スミスが珍しく確信を突いたような発言をする。
たまにこういう事には鋭い。
「はい。過去、記録が残っている戦争を全て学習させて最適解を導き出せるように作りました。」
「しかし、砲兵の専用は勿体無くないか?」
その話を聞き、俺はずっと疑問に思っていた事を聞いた。
すると、柏木はにやりと笑う。
「勿論、専用ではありません。先日は状況に応じて最適化しただけで本来はこのAIは指揮官に与えられる物なんです。」
「……成る程な。つまり、これは軍の指揮官から部隊指揮官まで使えるものだということか。」
そこで、柏木は思い出したかのように口を開く。
「あ、なので、違うデータも取りたいので次は別の職種のデータも取りたいんですよね。どこかに良い知り合いは居ませんか?」
「……いや、いないな。」
居ないことは無い。
が、少し懸念点があるのだ。
「乗りかかった船だ。先日の方式で前進観測班と指揮所の人員に空きが出た。砲兵は準戦闘職種。前線も張れるぞ。」
「本当ですか!?ではお願いします!」
そこで、ふと思い出す。
「そう言えば核に変わる抑止力、というのをちゃんと聞いても良いか?」
「そうですね……。」
柏木は飲み物を飲みながら答える。
どうやら酒は苦手らしく、ジュースを飲んでいる。
「どこか強力な軍隊を持つ国家がこのAIを使用すれば絶対に負けることが無い最強の軍を保有することになります。その国が世界の警察となれば平和が訪れる筈です。」
「世界の警察ね……。」
世界の警察。
戦争を起こそうとした国を武力で制圧し、二度と戦争を起こす気など起きないようにすれば平和にはなるだろう。
核抑止による平和は核による威嚇と同じだ。
だが、結局は武力による威嚇であることには変わりない。
「まぁ、最後まで実験には協力してやる。」
「ありがとうございます!」
だが、柏木は分かっているのだろうか。
最強の軍を保有する国は妹の仇であるアメリカだということを……。
まぁ、今は旨い酒を楽しもう。
実験は成功した。
「カンパーイ!」
戦争の依頼主から勝利報酬も貰い、柏木からも実験の成功報酬を貰った。
そして、今は祝勝会だ。
「しかし、今回勝てたのは柏木のお陰だな!」
「いえ、皆さんの練度の高さのお陰です!」
スミスは完璧に出来上がっている。
柏木のやろうとしたことは見事に成功し、円滑な情報の伝達の元射撃を行い、勝利することが出来た。
久々の勝利に皆も浮かれている。
が、まぁこういう時くらいは良いか。
「所で、あのAIってどういう仕組みなんだ?」
「お二人は将棋って分かります?」
スミスは良くわからないようだったが、俺は知っている。
簡単に言えば日本のチェスだ。
「俺は分かるぞ。」
「なら、日本で行われたAIと人間の将棋の対決の話知ってますか?」
「あぁ。AIが強すぎるって話だろ?」
詳しくは流石に知らないが、小耳に挟んだ事がある。
「それはAIが過去の人間の対局の記録を学習して最適解を出しているものなんです。」
「……成る程。それをAIでやってみせたと?実際の戦場にも反映させたということか?」
スミスが珍しく確信を突いたような発言をする。
たまにこういう事には鋭い。
「はい。過去、記録が残っている戦争を全て学習させて最適解を導き出せるように作りました。」
「しかし、砲兵の専用は勿体無くないか?」
その話を聞き、俺はずっと疑問に思っていた事を聞いた。
すると、柏木はにやりと笑う。
「勿論、専用ではありません。先日は状況に応じて最適化しただけで本来はこのAIは指揮官に与えられる物なんです。」
「……成る程な。つまり、これは軍の指揮官から部隊指揮官まで使えるものだということか。」
そこで、柏木は思い出したかのように口を開く。
「あ、なので、違うデータも取りたいので次は別の職種のデータも取りたいんですよね。どこかに良い知り合いは居ませんか?」
「……いや、いないな。」
居ないことは無い。
が、少し懸念点があるのだ。
「乗りかかった船だ。先日の方式で前進観測班と指揮所の人員に空きが出た。砲兵は準戦闘職種。前線も張れるぞ。」
「本当ですか!?ではお願いします!」
そこで、ふと思い出す。
「そう言えば核に変わる抑止力、というのをちゃんと聞いても良いか?」
「そうですね……。」
柏木は飲み物を飲みながら答える。
どうやら酒は苦手らしく、ジュースを飲んでいる。
「どこか強力な軍隊を持つ国家がこのAIを使用すれば絶対に負けることが無い最強の軍を保有することになります。その国が世界の警察となれば平和が訪れる筈です。」
「世界の警察ね……。」
世界の警察。
戦争を起こそうとした国を武力で制圧し、二度と戦争を起こす気など起きないようにすれば平和にはなるだろう。
核抑止による平和は核による威嚇と同じだ。
だが、結局は武力による威嚇であることには変わりない。
「まぁ、最後まで実験には協力してやる。」
「ありがとうございます!」
だが、柏木は分かっているのだろうか。
最強の軍を保有する国は妹の仇であるアメリカだということを……。
まぁ、今は旨い酒を楽しもう。
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