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織田軍、入京
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瀬田川の戦いから数日後。
織田軍は京へと入った。
津軽為信による必死の抵抗を織田軍は覚悟していたが全く無く、織田方は京をすんなりと取り返したのである。
「さて、京につきましたが……如何なさいますか?」
真田昌幸が秀信に聞く。
「決まっている。まずは朝廷へ向かうぞ」
京の町は荒れていた。
為信がそうさせたのである。
軍を維持する為、金銀兵糧等を強制徴収していた。
その有り様を見て、朝廷がどのような有り様か、秀信は想像がついていた。
「後続の軍が全て到着するまで全軍で京の町の復興に従事する。その旨を伝えて参る」
「……まぁ、そう急がずとも良いでしょう」
すると、勘助が口を開く。
「何故だ? 急いだ方が良いだろう?」
「いえ、今朝廷に赴いた所で感謝され、よろしく頼むとしか言われぬでしょう。我々は京を取り返しただけなのですから。今の我々にはそれだけでは足りませぬ」
「……まさか」
秀信は勘助が何を欲しているのかを察する。
勘助は頷いた。
「……根回しは私にお任せくだされ。その間、秀信様は町の復興に努めてくだされ。さすれば、公家衆に恩を売れるでしょう」
「……分かった。急いでくれよ」
「無論に御座います」
勘助は頭を下げるとすぐさまその場を後にする。
「真田殿。勘助の件……やはり、必要だと思うか?」
「そうですな……敵の士気を下げ、浪人共が集まるのを防ぐという意味では非常に重要でしょう。そして、その後の政の中心に秀信様が立つ際、必要になってくるでしょうな」
昌幸のその言葉に秀信は頷く。
「……ならば、勘助に仔細を任せよう。昌幸殿は大阪方面から敵が来たときの備えとして防衛体制を整えておいてくれ」
秀信が指示を飛ばしていく。
「それと、全ての区画に均等に兵が振り当てられるように分かれて頂きたい。そして、復興に努めるように皆に伝えてほしい」
「は。すぐに」
昌幸は頭を下げるとその場を後にする。
そして、秀信は秀則に話しかける。
「……秀則、行くぞ。場所は……」
「……わかっておりまする」
秀信と秀則はわずかな供回りでとある場所へ向かう。
「ここで、三郎が……」
「本能寺……」
二人は焼け落ちた本能寺へと足を運んでいた。
第二次本能寺の変から既にそれなりの月日が流れていた。
が、すでに何も残っていない。
「三郎……」
「兄上、首は見つかっていないといいます。もしかすれば……」
秀信は首を降る。
「……いや、希望的観測はよそう。それに、もし生きていて、まだでてこないと言うのならば、三郎は表舞台から退場することを望んだという事だ」
「……では、捜索もしない方が良いという事ですか……」
秀信は頷く。
「とにかく、今は三郎の為にもこの秀信が……織田信長の孫であるこの秀信が天下を取る。必ずな」
燃え尽きた本能寺を目にし、秀信は再度決意を固める。
しかし、瀬戸川の戦いの顛末を聞いた浪人衆が、大阪に集まっていた。
織田方に手痛い損害を与えた津軽勢も帰還しており、伊達方は士気も上がっていた。
苦戦は、免れなかった。
織田軍は京へと入った。
津軽為信による必死の抵抗を織田軍は覚悟していたが全く無く、織田方は京をすんなりと取り返したのである。
「さて、京につきましたが……如何なさいますか?」
真田昌幸が秀信に聞く。
「決まっている。まずは朝廷へ向かうぞ」
京の町は荒れていた。
為信がそうさせたのである。
軍を維持する為、金銀兵糧等を強制徴収していた。
その有り様を見て、朝廷がどのような有り様か、秀信は想像がついていた。
「後続の軍が全て到着するまで全軍で京の町の復興に従事する。その旨を伝えて参る」
「……まぁ、そう急がずとも良いでしょう」
すると、勘助が口を開く。
「何故だ? 急いだ方が良いだろう?」
「いえ、今朝廷に赴いた所で感謝され、よろしく頼むとしか言われぬでしょう。我々は京を取り返しただけなのですから。今の我々にはそれだけでは足りませぬ」
「……まさか」
秀信は勘助が何を欲しているのかを察する。
勘助は頷いた。
「……根回しは私にお任せくだされ。その間、秀信様は町の復興に努めてくだされ。さすれば、公家衆に恩を売れるでしょう」
「……分かった。急いでくれよ」
「無論に御座います」
勘助は頭を下げるとすぐさまその場を後にする。
「真田殿。勘助の件……やはり、必要だと思うか?」
「そうですな……敵の士気を下げ、浪人共が集まるのを防ぐという意味では非常に重要でしょう。そして、その後の政の中心に秀信様が立つ際、必要になってくるでしょうな」
昌幸のその言葉に秀信は頷く。
「……ならば、勘助に仔細を任せよう。昌幸殿は大阪方面から敵が来たときの備えとして防衛体制を整えておいてくれ」
秀信が指示を飛ばしていく。
「それと、全ての区画に均等に兵が振り当てられるように分かれて頂きたい。そして、復興に努めるように皆に伝えてほしい」
「は。すぐに」
昌幸は頭を下げるとその場を後にする。
そして、秀信は秀則に話しかける。
「……秀則、行くぞ。場所は……」
「……わかっておりまする」
秀信と秀則はわずかな供回りでとある場所へ向かう。
「ここで、三郎が……」
「本能寺……」
二人は焼け落ちた本能寺へと足を運んでいた。
第二次本能寺の変から既にそれなりの月日が流れていた。
が、すでに何も残っていない。
「三郎……」
「兄上、首は見つかっていないといいます。もしかすれば……」
秀信は首を降る。
「……いや、希望的観測はよそう。それに、もし生きていて、まだでてこないと言うのならば、三郎は表舞台から退場することを望んだという事だ」
「……では、捜索もしない方が良いという事ですか……」
秀信は頷く。
「とにかく、今は三郎の為にもこの秀信が……織田信長の孫であるこの秀信が天下を取る。必ずな」
燃え尽きた本能寺を目にし、秀信は再度決意を固める。
しかし、瀬戸川の戦いの顛末を聞いた浪人衆が、大阪に集まっていた。
織田方に手痛い損害を与えた津軽勢も帰還しており、伊達方は士気も上がっていた。
苦戦は、免れなかった。
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