ヒロインと婚約者をくっつけるため頑張ってたら...

curosu

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卒業式までに

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あれから卒業式までの短い間に色々あった。

私の両親から返ってきた手紙の返信では、ベールスードの両親と話し合って婚約を解消したこと。

ユーグアルトからの婚約打診は確かに来ていたが、私の両親はこれまで嫡男であるベールスードを支えるために領地経営等を学んでいた私のことを考えて、私が頷かない限り婚約はしないと相手側を突っぱねたらしい。

私の両親、よく頑張った!

権力とかに弱い両親は、よっぽどじゃない限り頷いてしまう。

もちろん、こちらが損になるようなことや領民達の為にならないようなことは絶対に頷かない。

そんな両親だからこそ心配になったが、私のことを考えてくれたことに感謝している。

ありがたい。


そして卒業式までの毎日は、ベールスードの婚約者になったヒロインであるシーナリアと一緒にお勉強会をしていた。

なんせ、嫡男であり跡継ぎであるベールスードは脳筋なので領地経営等は向いていない。

それに、ベールスードは将来近衛騎士にと推薦が届いているぐらい騎士としては優秀なので、なおさら...という理由もある。

だからといって、ベールスードには他の家に嫁いでいった妹しかいないので...ベールスードを支える婚約者や妻が必要なのだ。

妹もまだ学生の身だが、婚約者に溺愛されていて離してくれない為に嫁いでいった経緯がある。

そんな婚約者のことを許している妹さんも器がでかいなーと感じる出来事があったり...。


まぁ、その他色々な理由で私はシーナリアに卒業までの短い期間で詰め込み教育をしている。

教育は多岐に渡るが、アドバイスや実践問題を加えて分かりやすく簡潔に教えたから、シーナリアの理解が早かった。

シーナリアもヒロインなだけあって頭が良いから、お陰で早く詰め込み教育が終わった。

詰め込み教育が終わった後も、過去に他の家であった出来事や何か起こった等に備えて、二人で意見を交わしあって理解を深めている。

卒業後はベールスードと共に領地を視察したり、隣の領地を見て回ったりすることをオススメした。

教育としては教えたけれども、実際見て回ったりやってみたりしないとわからない部分は多いからね。

もちろん、新婚旅行と視察は別にするようにアドバイスするのは忘れたらいけない。

シーナリアはちょっと責任感が強い傾向にある。

無いよりもましだけど、ありすぎるのも困るのよね。

不満そうにしていたから、仕事とプライベートは別だとしつこく説明してあげた。

そして、理解しないならベールスードとの時間を徹底的に邪魔すると脅したら理解してくれたようだ。

まぁ、シーナリアにはベールスードの両親も、シーナリアを助けてくれる部下もつく予定だからみんなで協力して領地を盛り上げていってほしい。

卒業後すぐに家を継がないといけないって訳ではないから、ベールスードの両親から色々と教わっていけばいいし、サポートしてもらえばいい。

これからの二人が楽しみだ。
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