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(※)番外編2
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「ねぇ、レイラ。俺を飼って?」
「なにおかしなこと言っているの。帰りなさい。」
現在、執務をしている私と、机を挟んだ私の反対側に腕を枕にして顔を伏せているユーグアルトがいる。
出禁にしたはずなのに、使用人達がなんとか引き留めようとしていたのに...強引に突破してきて何故こんな格好をしているのかしら?
伯爵家である私の家よりも身分が高いから、突破されると追い出せないのよね。
顔を伏せたユーグアルトの周りで使用人達がおろおろして困っていたから、仕方なく使用人達を下がらせたぐらい。
なんなのよ、こいつ。
しばらくそのままだったから、無視して執務していたけれども。
で、やっと喋ったと思ったらこの意味不明な発言。
もう一度言うわ。
なんなの、こいつ。
「俺さ、考えたんだ。
俺はレイラをとろっとろに甘やかしたいし、レイラのお世話をしたいし、レイラの為に作ったドレスを俺がレイラに着せて脱がせたいし、レイラのことを抱き潰して軟禁したいぐらい愛しているんだけど...。
正直、俺以外の誰にも触れさせたくないし、レイラを見せたくないし、侍女とか護衛にすら嫉妬してしまう...いや、レイラの側に俺が居れないのがおかしいと思う。」
...執務机に顔を擦り付けないでくれないかしら。
さっきからゴリゴリと音が聞こえるのよ。
それに、おかしな発言が聞こえるからスルーしているけれど。
「でね?俺がレイラの側に居られるなら片時も離れたくなくって止まらなくなっちゃうから...それならレイラに俺を飼って貰えれば良いんじゃないか?って思って。
...だめ?」
可愛い顔を作りながらこっちを見てもだめとしか答えられないのだけど...。
「はぁ...おかしなこと言ってないで良いから帰りなさい。」
心の底から呆れて、目元を手で押さえながら天井を仰ぐ。
う~ん...頭が痛くなってきた。
ため息をつきながらじっくりと時間を掛けて目元をほぐし、視線を元に戻すと...なぜか私の目の前に来ていたユーグアルトが跪いて、私に向かってなにかをソッと渡してきた。
視線をそっちに移動させると...革で出来た首輪を差し出していた。
しかも、鎖つき。
キッと鋭い視線をユーグアルトに向けると...ユーグアルトは目をとろんとさせ...
「わんっ。」
と言った。
...つまり、犬になるのはユーグアルトで、私は鎖を持ってユーグアルトを連れて歩けと?
「くぅ~ん...。」
とろんとした目から、寂しそうな...なにかを懇願するような目に変えてこっちを見てくる。
大切なことなので、何度でも言おう。
なんなの?こいつ。
ニッコリ笑顔で首輪をどっかに投げたいと思ったけど、犬になりきっているらしいこいつは首輪を持って再び私の前にくる。
そう、嫌な確信がある。
「きゅぅ~ん...。」
どうしようかと悩みながらじっと見つめあっていたが...ハッと思い当たった。
「私、犬派じゃなくって猫派なのよね。」
と言いながら、差し出されていた首輪ごと手を押し返し。
「ハウス。」
出口に向かって指差した。
だが、ユーグアルトは跪いてこちらにしょんぼりとした顔を向けながら、嫌々と首を横に振った。
「ハ・ウ・ス」
...私にハウスと言われたユーグアルトは深く俯いてプルプルし始めた。
あ...なんか嫌な予感する。
ジリジリと後退った甲斐もなく、突然襲いかかってきたユーグアルトに体当たりされ倒されそうに...
------
「ハッ...!」
勢い良く周りを見渡し、見覚えがある天井、住み慣れた自分の部屋が見え...。
思わずホッとした。
良かった...夢か。
私は深呼吸をしてもう一度周りをゆっくり見渡す。
にしても嫌な夢だった。
首を左右に振り、気分を入れ換え私は支度を始めるのだった。
「なにおかしなこと言っているの。帰りなさい。」
現在、執務をしている私と、机を挟んだ私の反対側に腕を枕にして顔を伏せているユーグアルトがいる。
出禁にしたはずなのに、使用人達がなんとか引き留めようとしていたのに...強引に突破してきて何故こんな格好をしているのかしら?
伯爵家である私の家よりも身分が高いから、突破されると追い出せないのよね。
顔を伏せたユーグアルトの周りで使用人達がおろおろして困っていたから、仕方なく使用人達を下がらせたぐらい。
なんなのよ、こいつ。
しばらくそのままだったから、無視して執務していたけれども。
で、やっと喋ったと思ったらこの意味不明な発言。
もう一度言うわ。
なんなの、こいつ。
「俺さ、考えたんだ。
俺はレイラをとろっとろに甘やかしたいし、レイラのお世話をしたいし、レイラの為に作ったドレスを俺がレイラに着せて脱がせたいし、レイラのことを抱き潰して軟禁したいぐらい愛しているんだけど...。
正直、俺以外の誰にも触れさせたくないし、レイラを見せたくないし、侍女とか護衛にすら嫉妬してしまう...いや、レイラの側に俺が居れないのがおかしいと思う。」
...執務机に顔を擦り付けないでくれないかしら。
さっきからゴリゴリと音が聞こえるのよ。
それに、おかしな発言が聞こえるからスルーしているけれど。
「でね?俺がレイラの側に居られるなら片時も離れたくなくって止まらなくなっちゃうから...それならレイラに俺を飼って貰えれば良いんじゃないか?って思って。
...だめ?」
可愛い顔を作りながらこっちを見てもだめとしか答えられないのだけど...。
「はぁ...おかしなこと言ってないで良いから帰りなさい。」
心の底から呆れて、目元を手で押さえながら天井を仰ぐ。
う~ん...頭が痛くなってきた。
ため息をつきながらじっくりと時間を掛けて目元をほぐし、視線を元に戻すと...なぜか私の目の前に来ていたユーグアルトが跪いて、私に向かってなにかをソッと渡してきた。
視線をそっちに移動させると...革で出来た首輪を差し出していた。
しかも、鎖つき。
キッと鋭い視線をユーグアルトに向けると...ユーグアルトは目をとろんとさせ...
「わんっ。」
と言った。
...つまり、犬になるのはユーグアルトで、私は鎖を持ってユーグアルトを連れて歩けと?
「くぅ~ん...。」
とろんとした目から、寂しそうな...なにかを懇願するような目に変えてこっちを見てくる。
大切なことなので、何度でも言おう。
なんなの?こいつ。
ニッコリ笑顔で首輪をどっかに投げたいと思ったけど、犬になりきっているらしいこいつは首輪を持って再び私の前にくる。
そう、嫌な確信がある。
「きゅぅ~ん...。」
どうしようかと悩みながらじっと見つめあっていたが...ハッと思い当たった。
「私、犬派じゃなくって猫派なのよね。」
と言いながら、差し出されていた首輪ごと手を押し返し。
「ハウス。」
出口に向かって指差した。
だが、ユーグアルトは跪いてこちらにしょんぼりとした顔を向けながら、嫌々と首を横に振った。
「ハ・ウ・ス」
...私にハウスと言われたユーグアルトは深く俯いてプルプルし始めた。
あ...なんか嫌な予感する。
ジリジリと後退った甲斐もなく、突然襲いかかってきたユーグアルトに体当たりされ倒されそうに...
------
「ハッ...!」
勢い良く周りを見渡し、見覚えがある天井、住み慣れた自分の部屋が見え...。
思わずホッとした。
良かった...夢か。
私は深呼吸をしてもう一度周りをゆっくり見渡す。
にしても嫌な夢だった。
首を左右に振り、気分を入れ換え私は支度を始めるのだった。
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