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婚約解消したい
「婚約解消しましょう?」
「しないよ。」
彼が微笑みながら否定するので、いつものことながら困惑してしまった。
------
彼ことファルシームは、私ことミルアリアの幼い頃からの婚約者だ。
政略結婚だけれど、仲は良い方だと思う。
ただ...平凡な私に比べて、ファムシームはとびっきりの美男子なのだ。
釣り合わないことは分かりきっている。
だから、彼にはもっと可愛いとか美人な人が似合うと思う。
これから学園内で出会いがあるだろうし、学園を卒業しても社交界があって年上の方々との交流もあるだろう。
友人や幼なじみとして関係を続ければ結婚しないで良いというのにも関わらずに、幼い頃からの婚約者になってしまった。
幼い頃はそれはもうこんな天使で王子様なファルシームに一目惚れして、一緒に遊んだり一緒にお庭でお昼寝したり色々やっちゃったけれども。
ファムシームは美男子なだけあって、すごくモテる。
釣り合わないと思ったきっかけも、婚約解消しようと思ったきっかけも...ファムシームが女の子達に囲まれてるのを見たのがきっかけ。
ファムシームに言い寄っている女の子達は、美人だったり可愛いかったり...自分には持ってない物を持っている人達だった。
ファムシームは優しいから私と婚約してくれたのだろう。
だから...私から手放してあげれば良い。
そう思って、学園入学前の二人だけのお茶会のときに提案したのだ。
「ねぇ、ファムシーム。私達の婚約を解消しない?」
ファムシームは私の突然の提案に唖然としたようだった。
「...は?突然どうしたの?」
私は一口紅茶を飲み、カップを置いて姿勢を正す。
「確かにこの婚約は政略結婚だけれど、結婚しなければならないって訳ではない。だから、結婚はしなくってもいいってこと。
ファムシームはモテるし、私よりも美人で可愛くって賢い人達がファムシームの周りにいるし、これから本当に愛する人と恋に落ちるかもしれない。
そうなった時に私と婚約していたら、邪魔になるでしょう?
だから、婚約解消しない?」
彼は姿勢を正し、ゆっくり深呼吸したあとに覚悟を決めた顔で尋ねてくる。
「アリア...いや、ミルアリア...それは僕が嫌いになったとか結婚が嫌になったってこと?」
「まさか!私がファムを嫌いになんてならないわ!でも、ファムの今後を考えると私がファムを縛り付けているようで嫌なの。
だって、ファムは素敵な人で...私とは釣り合わないから...。」
最後の言葉は小さく、風に乗って儚く消えていった。
ファムシームに伝える勇気が湧かなかった...自分は臆病者で卑怯だ。
ファムシームを私から手放してあげたいのに、手放せない。
そんな自分が嫌になる。
「しないよ。」
彼が微笑みながら否定するので、いつものことながら困惑してしまった。
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彼ことファルシームは、私ことミルアリアの幼い頃からの婚約者だ。
政略結婚だけれど、仲は良い方だと思う。
ただ...平凡な私に比べて、ファムシームはとびっきりの美男子なのだ。
釣り合わないことは分かりきっている。
だから、彼にはもっと可愛いとか美人な人が似合うと思う。
これから学園内で出会いがあるだろうし、学園を卒業しても社交界があって年上の方々との交流もあるだろう。
友人や幼なじみとして関係を続ければ結婚しないで良いというのにも関わらずに、幼い頃からの婚約者になってしまった。
幼い頃はそれはもうこんな天使で王子様なファルシームに一目惚れして、一緒に遊んだり一緒にお庭でお昼寝したり色々やっちゃったけれども。
ファムシームは美男子なだけあって、すごくモテる。
釣り合わないと思ったきっかけも、婚約解消しようと思ったきっかけも...ファムシームが女の子達に囲まれてるのを見たのがきっかけ。
ファムシームに言い寄っている女の子達は、美人だったり可愛いかったり...自分には持ってない物を持っている人達だった。
ファムシームは優しいから私と婚約してくれたのだろう。
だから...私から手放してあげれば良い。
そう思って、学園入学前の二人だけのお茶会のときに提案したのだ。
「ねぇ、ファムシーム。私達の婚約を解消しない?」
ファムシームは私の突然の提案に唖然としたようだった。
「...は?突然どうしたの?」
私は一口紅茶を飲み、カップを置いて姿勢を正す。
「確かにこの婚約は政略結婚だけれど、結婚しなければならないって訳ではない。だから、結婚はしなくってもいいってこと。
ファムシームはモテるし、私よりも美人で可愛くって賢い人達がファムシームの周りにいるし、これから本当に愛する人と恋に落ちるかもしれない。
そうなった時に私と婚約していたら、邪魔になるでしょう?
だから、婚約解消しない?」
彼は姿勢を正し、ゆっくり深呼吸したあとに覚悟を決めた顔で尋ねてくる。
「アリア...いや、ミルアリア...それは僕が嫌いになったとか結婚が嫌になったってこと?」
「まさか!私がファムを嫌いになんてならないわ!でも、ファムの今後を考えると私がファムを縛り付けているようで嫌なの。
だって、ファムは素敵な人で...私とは釣り合わないから...。」
最後の言葉は小さく、風に乗って儚く消えていった。
ファムシームに伝える勇気が湧かなかった...自分は臆病者で卑怯だ。
ファムシームを私から手放してあげたいのに、手放せない。
そんな自分が嫌になる。
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