異端の召喚者

苺魏

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第二話

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「夜の王に連なるもの、その力の片鱗を我に貸し与えんことを」

静かな森の地面に置かれた、複雑な魔法陣が描かれた紙には何も起こらない。
これは闇属性の幻獣をランダムで呼び出す中級の召喚術だ。魔法陣が必要なので描いた。
やっぱり私なんにも召喚出来ないわ。
昨日のはただの不調で、今日はちゃんと召喚できることが現実であって欲しかった!
まぁ、そんなこと言ってもしょうがない!
師匠の図書室で原因を調べてみよう!

昨日調べればよかったんだけど、動揺してそんな調べるなんてこと思いつかなかった。

「師匠ー!」

森の中にポツンと建っている木造の一軒家から出てきたのは赤い髪の若い男性、そう彼は私の召喚術の師匠である。師匠は若く見えて既に百を超えているらしい。本人から聞いた話だ。私は信じてないけど。
「何だ?クトーか」
「師匠の持ってる本を見せて欲しいの」
「あぁ、分かった。もしかして受からなかったのか?」

腕の召喚士の証を掲げてみせる。
「いや、受かったよ。ちょっと調べたいことがあって」
「そうか、おめでとう」
「うん、ありがとう」

師匠に案内されて入ったのは、この家の地下にある図書室だ。
この図書室は上に立つ一軒家よりさらに広くまるで街にある図書館のよう。

図書館はお金を出せば入ることができる本が大量に保存されている所だ。図書館には平民はほとんど居ない。

図書館と師匠の図書室の違いは一つ。
それは師匠の図書室には魔術や召喚術に関する本しかないということだ。
だから、図書館よりも専門的な知識を得ることができる。
そこいらに既に禁止された禁術の本である禁書を見つけた時は子供ながらに死を覚悟したわ。これバレたら死刑か一生牢獄暮しになるのかなって。
後々、師匠は国に禁書を預けられていると聞いた。私が読んでは行けないから奥の方にしまっておくよと言われ、本は奥に片付けられたから、結局読むことは出来なかったけど。

あ、あった。
召喚術の本がある場所。師匠は図書室の端で何かの本を読んでいる。
術についてではないから読む本らかなり少ないがそれでも10冊をゆうに超えた。それらをちょっとずつ端の机に移動する。
あっという間に本の山ができた。
得意の速読で読んでも2.3時間はかかるだろう。
私も師匠と同じように端で机に置いた本を読み始める。

ぺらりぺらりと明るい図書室に本のページをめくる音だけが響いている。
何時間たっただろうか、やっと読み終わった頃には上からとても美味しそうな匂いが降りてきていた。
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