異端の召喚者

苺魏

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第三話

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もうそんな時間になったのか、それにしても美味しそうな匂い。お腹減った。
「夕飯にするよー」

師匠の声だ。いつも疑問に思う、師匠は料理も出来て顔も悪くないどころかカッコイイのになんで結婚しないんだろ?いいお嫁さん見つかると思うのに。
「はーい、今から行きますー」

地下から地上への階段をトトトと駆け上がる。
図書室より明るくなったと思えば、師匠の家の1階に着いている。
階段がある部屋から出てリビングダイニングへと向かう。部屋の真ん中に置いてある四人用のダイニングデスクの上にはサラダと兎のステーキが置いてある。
師匠は既に座っているが、私を待っててくれたのか料理には手をつけていないようだ。
木製の椅子をひいて私も料理の前に座る。師匠の向かい側だ。
「天に浮かぶ月と太陽よ」
「大地のめぐみを」
「我らに与えてくださった」
「ことに感謝します」
「我らのため死した」
「この獣たちの魂を」
「どうか導きたまえ」

これはこの国の食前の天への祈りだ。
他の国では違うみたいだが、この国での創世記は月と太陽が全てを生み出したという考え方だ。だから月と太陽を神として祈る。
まぁ、実際太陽がなければ植物は光合成しないから合ってるっちゃ合ってるしね。

兎のステーキをナイフとフォークで切り分けて、フォーク口に持っていき食べる。
うん!やっぱり師匠の料理は美味しい!

「ところで、クトーは何の本読んでたの?」

師匠がナプキンで口を拭きながら聞いてくる。師匠の前にある二つの皿の上には何もない。
食べるの相変わらず早いわ。私はサラダは食べ終わったけどステーキの皿の上にはまだ半分くらい残ってる。
「そりゃあ、もちろん召喚術の本だけど」
「でも、クトーがこれほどまで熱心に調べることなかったよね?」
「そう?」

師匠になら言ってもいいかな?
「相談があるの」
「なんだい?なんでも言ってご覧」
「私昨日、召喚士試験に受かって召喚士になったよね?」
「うん、さっき召喚士の腕輪見せてくれたよね」
「召喚が出来ないの」
「へ?」
「だから!何度召喚術を試しても召喚が出来ないの!初級の召喚術も中級のも既に試した!」
「ふぅん、そんなこともあるんだ」
「召喚士失格じゃない?!」
「大丈夫だと思うよ。普通の召喚士ではないってことじゃない?」
「はぁ」
「かの大召喚士リズレ・ペラテギアは普通の召喚術は全く使えなかったみたいだよ。その代わりに神獣を召喚したんだ。僕は君が特別な召喚術を使える召喚士だと思う」
「確かにリズレ・ペラテギアは普通の召喚術は使えなかったらしいわね。でも、大事なのはそこじゃないわ!私は家に明日召還獣を見せなきゃならないのよ!」
「そういや、そうだったね。君の家召喚士の家系だった」
「どうしたらいいの?」
「いっちょ思い切って森の獣と契約してみたら?」
「はあぁぁぁ~?!」
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