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本編
第108話 宿泊野外活動4
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催しするものが決まった。練習は放課後、この総合教室を使用して良いとのこと。
「それなら他国の音楽を持ってきてみるよ。祖父が色々と集めたものがある」
さすがバイロンくんのお祖父様だ。他国のものを購入しているが音楽までも取り入れているとはさすがだ。この世界の音楽自体知らないのに、他国の音楽ってどんなものなのだろう。楽しみだ。
衣装は私が担当しよう。漢服風がかっこいいかな。騎士服でもいいかな。女性も漢服のようなものが綺麗だよね。やりすぎかな。一応紙にデザイン画を書いて、何色がいいか聞いた。
男性は黒赤、セドリック。藍色白の縁取り、ジョージ。深緑黒の縁取り、エリオット。シルバー バイロン。青白 ロン。黒 ビリー。ビリーは目立ちたくないと言っていたので黒一色希望。
女性はイライザ ピンク。メラニー 紫。ミーガン 水色と決まった。
「アイリ様、いえ、アイリさんはどうするのですか?どういう衣装を考えているのですか?」
バイロンくんが興味津々で聞いてきた。
「うーん、私は男装麗人でもしようかなぁ」
「「「だんそうれいじん?」」」
「男性の服を着て男性のフリのことよ」
ヅカのように男性のようなメイクをすれば何とかいけるのではないか。しかしこれはキャンプの催しではなく文化祭の催しの方が良いのではと思う。まぁ、成績のためよ。
「アイリさん、どんな流れで行った方がいいかしら」
メラニーさんが聞いてきた。
「さっきセドリックさんが言ったように、始めみんなで旗の演舞をする。それから…」
みんなで旗で舞う
剣の演舞の人が数人後ろに下がり、前面旗で隠す。
剣舞の人が出てくる。
旗は後ろではためかせている前で剣舞が始まる。
剣舞が終わり、羽衣を纏った女性が舞を披露する。
最後みんなでそれぞれの持ち物で舞う。
「そんなイメージかなぁ。一応ざっと立ち位置をやってみる?ちょっと待っていて、簡単な旗を作るわね」
「「「はい」」」
前5人、後ろ5人、前後ずらして、みんなが前から見て見えるようにする?縦一列に並んで千手観音?
旗を振って円になってぐるぐる踊る。
2人が大きい旗を持って前面隠す。
後ろから剣舞する人が出てくる。
2人大きい旗を後ろではためかす。
その前で剣舞する。3人の女性が舞う。3人は傍により旗の舞。その後中央に剣舞者。みんなで踊る。
みんな息を切らしている。
「ざっくりとこんな感じはどうかしら?」
「アイリさん、楽しいよ、剣舞。みんなで合わせられれば本当にいいんだろうけど、合わなくても何とか舞って誤魔化せるしいいのではないかな」
「そうですわ、今でさえもやり切った感があったわ。あとは剣舞をよりかっこよく見せればいいと思うわ。本当にみなさん、かっこいいわ。女性たちが色めきだってしまうわね。ふふふ。」
そうでしょ、そうでしょ、剣舞はかっこいいのよ。イケメン揃いだから、余計女性陣はキャーキャーいうわね。これは。
「俺たち、後ろで旗をはためかす役がいいよな」
「ロン、ビリーずるいぞ」
「ロンくん、ビリーくん、大旗も重要な役割と大旗を振りながら舞うのよ。体力つけてね。バイロンくん、剣の稽古しましょうね。大丈夫よ、かっこよく見せられるようにするから」
がっかりと肩を落とすバイロンくん、がんばれ。
「お前たち、もう催し物を決めたのか、早いな。まだ1班は決まってないぞ。いったい何をするのだ?」
先生が様子を見に来た。
「先生はどちらが好みが意見が聞きたいのですが、よろしいでしょうか?みんなさっきの何となく覚えているかしら?」
みんな、頷き、それぞれの位置に立ち、ゆっくり踊った。私は剣舞の時、指示を出した。
「先生、最初、このパターン覚えておいてくださいね。次、1列に並んでください」
みんな??が頭についたような顔をしている。1番先頭は背が低いミーガン、メラニー、イライザ、私、ロンというように一列に並び、千手観音のように手を出して、下から上へと手を動かし、手を引っ込め、手を出してからそれから旗を持って、円になり、踊り始める。以降同じ。
「どっちがいいと思いますか?」
「アイリさん、このせんじゅかんのん?というやつ、みんなに見せた方がいいぞ、それからみんなの意見を聞いた方がいいと思うよ」
みんなが見るように2パターンを人数分踊った。手が疲れてきたわね。もう、みんな最初の演舞はこれで覚えられただろうというぐらい踊った。
「アイリさん、これ、野外活動の催しとしてはグレードが高すぎるのだけどよく考えたな。向こうの1班が演目がまだ決まっていないんだよ。なぁ、みんな、これをクラスの出し物にしてはだめか?みんなでこれを踊ればクラスが一丸となれると思うのだ」
「先生、ただ大人数だと揃えるのが大変だと思うのです。10人だから何とかなっていますが、大人数は心配です」
セドリックくんは全体をよく見ている。本当にリーダー格だよ。
「そうだな、歌とかなら合同でできるのだかな、舞は難しいよな、はぁ、何とかならないかなぁ、アイリさん」
「はい?私ですか?そうですね、クラス順位も考えないといけないのですよね。うーん、一緒がいいですか?先生」
「おおー。考えてくれるか、そうかそうか。クラス全員で剣舞をすると見応えがあるぞ。私も協力する。私は魔道騎士だから、剣の方を指導できるぞ」
「アイリさん、大人数で大丈夫ですか?」
心配そうにセドリックさんが聞いてきた。
「そうですね、2部構成して、最後大将戦としますか?女性の方の舞は人数が多い方が見応えがありますし、大将戦は、セドリックさんの服を黒に金の縁取り、相手の大将は赤に金の縁取りの対象的な衣装にして剣舞してもらいましょうか。そうか、衣装の構成を1班と2班の色を赤と黒に分けて舞うことにしますか」
「私、後ろの大旗でいいのですか?いいですよね、アイリ様」
バイロンくん、あなたって、もう、頷いてあげた。
やったーと喜んでいるバイロンくん。剣舞はプレッシャーだったのね。
「セドリックさん、エリオットさん、ジョージさん、剣舞の方どうしますか。イメージしてください。まず1班が舞い、次に2班が舞い、間、大旗小旗が舞い、前面を大旗で隠し、そして1、2班合同で舞う。女性たちが舞う。また大旗が舞い、最後大将が舞うかんじはどうですか?」
「最後の大将戦は決着をつけない形ですか」
「そうです。次があるように見せかけて終わる。絵を書くとしたら、襲い掛かろうとする黒、迎え打つ赤というかんじ。だからここは静止してくれないと困るのです。大変ですが頑張ってください」
「何だか壮大な感じがしますね、アイリさん」
セドリックくんわかるよ、これは絶対キャンプのお疲れ様会での披露ではないと思う。
「先生、これ絶対、野外活動お疲れ様会でやるものではないですよね?いいのですか、これで」
「いいじゃないか、壮大にやってくれ、楽しみだ」
先生、楽しそうでなによりです。
「では、1班に伝えてこよう」
先生は、1班に伝えにいってしまった。
「みなさん、大丈夫ですか?かなりスケールが大きい気がしますが」
みんなやる気に満ちた目をしている。えらいぞ、私は疲れたけど。
こうして1、2班合同で催しを発表することが決まった。
「それなら他国の音楽を持ってきてみるよ。祖父が色々と集めたものがある」
さすがバイロンくんのお祖父様だ。他国のものを購入しているが音楽までも取り入れているとはさすがだ。この世界の音楽自体知らないのに、他国の音楽ってどんなものなのだろう。楽しみだ。
衣装は私が担当しよう。漢服風がかっこいいかな。騎士服でもいいかな。女性も漢服のようなものが綺麗だよね。やりすぎかな。一応紙にデザイン画を書いて、何色がいいか聞いた。
男性は黒赤、セドリック。藍色白の縁取り、ジョージ。深緑黒の縁取り、エリオット。シルバー バイロン。青白 ロン。黒 ビリー。ビリーは目立ちたくないと言っていたので黒一色希望。
女性はイライザ ピンク。メラニー 紫。ミーガン 水色と決まった。
「アイリ様、いえ、アイリさんはどうするのですか?どういう衣装を考えているのですか?」
バイロンくんが興味津々で聞いてきた。
「うーん、私は男装麗人でもしようかなぁ」
「「「だんそうれいじん?」」」
「男性の服を着て男性のフリのことよ」
ヅカのように男性のようなメイクをすれば何とかいけるのではないか。しかしこれはキャンプの催しではなく文化祭の催しの方が良いのではと思う。まぁ、成績のためよ。
「アイリさん、どんな流れで行った方がいいかしら」
メラニーさんが聞いてきた。
「さっきセドリックさんが言ったように、始めみんなで旗の演舞をする。それから…」
みんなで旗で舞う
剣の演舞の人が数人後ろに下がり、前面旗で隠す。
剣舞の人が出てくる。
旗は後ろではためかせている前で剣舞が始まる。
剣舞が終わり、羽衣を纏った女性が舞を披露する。
最後みんなでそれぞれの持ち物で舞う。
「そんなイメージかなぁ。一応ざっと立ち位置をやってみる?ちょっと待っていて、簡単な旗を作るわね」
「「「はい」」」
前5人、後ろ5人、前後ずらして、みんなが前から見て見えるようにする?縦一列に並んで千手観音?
旗を振って円になってぐるぐる踊る。
2人が大きい旗を持って前面隠す。
後ろから剣舞する人が出てくる。
2人大きい旗を後ろではためかす。
その前で剣舞する。3人の女性が舞う。3人は傍により旗の舞。その後中央に剣舞者。みんなで踊る。
みんな息を切らしている。
「ざっくりとこんな感じはどうかしら?」
「アイリさん、楽しいよ、剣舞。みんなで合わせられれば本当にいいんだろうけど、合わなくても何とか舞って誤魔化せるしいいのではないかな」
「そうですわ、今でさえもやり切った感があったわ。あとは剣舞をよりかっこよく見せればいいと思うわ。本当にみなさん、かっこいいわ。女性たちが色めきだってしまうわね。ふふふ。」
そうでしょ、そうでしょ、剣舞はかっこいいのよ。イケメン揃いだから、余計女性陣はキャーキャーいうわね。これは。
「俺たち、後ろで旗をはためかす役がいいよな」
「ロン、ビリーずるいぞ」
「ロンくん、ビリーくん、大旗も重要な役割と大旗を振りながら舞うのよ。体力つけてね。バイロンくん、剣の稽古しましょうね。大丈夫よ、かっこよく見せられるようにするから」
がっかりと肩を落とすバイロンくん、がんばれ。
「お前たち、もう催し物を決めたのか、早いな。まだ1班は決まってないぞ。いったい何をするのだ?」
先生が様子を見に来た。
「先生はどちらが好みが意見が聞きたいのですが、よろしいでしょうか?みんなさっきの何となく覚えているかしら?」
みんな、頷き、それぞれの位置に立ち、ゆっくり踊った。私は剣舞の時、指示を出した。
「先生、最初、このパターン覚えておいてくださいね。次、1列に並んでください」
みんな??が頭についたような顔をしている。1番先頭は背が低いミーガン、メラニー、イライザ、私、ロンというように一列に並び、千手観音のように手を出して、下から上へと手を動かし、手を引っ込め、手を出してからそれから旗を持って、円になり、踊り始める。以降同じ。
「どっちがいいと思いますか?」
「アイリさん、このせんじゅかんのん?というやつ、みんなに見せた方がいいぞ、それからみんなの意見を聞いた方がいいと思うよ」
みんなが見るように2パターンを人数分踊った。手が疲れてきたわね。もう、みんな最初の演舞はこれで覚えられただろうというぐらい踊った。
「アイリさん、これ、野外活動の催しとしてはグレードが高すぎるのだけどよく考えたな。向こうの1班が演目がまだ決まっていないんだよ。なぁ、みんな、これをクラスの出し物にしてはだめか?みんなでこれを踊ればクラスが一丸となれると思うのだ」
「先生、ただ大人数だと揃えるのが大変だと思うのです。10人だから何とかなっていますが、大人数は心配です」
セドリックくんは全体をよく見ている。本当にリーダー格だよ。
「そうだな、歌とかなら合同でできるのだかな、舞は難しいよな、はぁ、何とかならないかなぁ、アイリさん」
「はい?私ですか?そうですね、クラス順位も考えないといけないのですよね。うーん、一緒がいいですか?先生」
「おおー。考えてくれるか、そうかそうか。クラス全員で剣舞をすると見応えがあるぞ。私も協力する。私は魔道騎士だから、剣の方を指導できるぞ」
「アイリさん、大人数で大丈夫ですか?」
心配そうにセドリックさんが聞いてきた。
「そうですね、2部構成して、最後大将戦としますか?女性の方の舞は人数が多い方が見応えがありますし、大将戦は、セドリックさんの服を黒に金の縁取り、相手の大将は赤に金の縁取りの対象的な衣装にして剣舞してもらいましょうか。そうか、衣装の構成を1班と2班の色を赤と黒に分けて舞うことにしますか」
「私、後ろの大旗でいいのですか?いいですよね、アイリ様」
バイロンくん、あなたって、もう、頷いてあげた。
やったーと喜んでいるバイロンくん。剣舞はプレッシャーだったのね。
「セドリックさん、エリオットさん、ジョージさん、剣舞の方どうしますか。イメージしてください。まず1班が舞い、次に2班が舞い、間、大旗小旗が舞い、前面を大旗で隠し、そして1、2班合同で舞う。女性たちが舞う。また大旗が舞い、最後大将が舞うかんじはどうですか?」
「最後の大将戦は決着をつけない形ですか」
「そうです。次があるように見せかけて終わる。絵を書くとしたら、襲い掛かろうとする黒、迎え打つ赤というかんじ。だからここは静止してくれないと困るのです。大変ですが頑張ってください」
「何だか壮大な感じがしますね、アイリさん」
セドリックくんわかるよ、これは絶対キャンプのお疲れ様会での披露ではないと思う。
「先生、これ絶対、野外活動お疲れ様会でやるものではないですよね?いいのですか、これで」
「いいじゃないか、壮大にやってくれ、楽しみだ」
先生、楽しそうでなによりです。
「では、1班に伝えてこよう」
先生は、1班に伝えにいってしまった。
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