19 / 23
第19話
しおりを挟む
しばらくは復旧とともにダメンタール男爵がこの領地や他の支援している領地に不法な物資を隠していることが判明し密かに押収する作業もしていた。あのダメンタール男爵はそんな不法物質をマジックバッグなどにしまっておけばバレないものを、まあ、調査などしなければ、あんな誰も来ないようなところは気づかない場所であったことは認めよう。私は領民の顔や名前を全て覚えている。だから知らない人が数人紛れ込んでいることが分かり、そこから場所の特定した。前世でいう”麻薬”だ。この国はその薬物を許していない。他国からダメンタール男爵と仲間の貴族が取引しているのだろう。その貴族も判明したので、そろそろ一掃摘発がされることになるだろう。こんなもので人を支配し、お金を搾取しようとしていることが許せない。
ダメンタール男爵がこの土地に来るときは、その者たちに指示を出しているのだろう。さて今度来るのはいつかしら?その時、この領地で取り押さえる手はずになった。その時は公安部のスレイドタス公爵自ら来るらしい。一応ここは侯爵領なので、その上の地位の公爵様が来ていただけるそうだ。父たちも来ると言っている。
ロイド様が近づいてきた。ちなみにこのロイド様にはそのことを言っていない。機密事項なので。
「ケイトリン、あまり働きすぎると体に悪い。今は大事な時なのだから、頑張りすぎるな。私に指示して欲しい。そうすれば采配したら、自分で動く」
みんなびっくり顔をした。ロイド様が動く??どうしたの?
「あの、ロイド様。働いてくれるのですか?え?どうしたのですか?」
「あっ、いや、今まで君や領民に申し訳ないことをしていたと反省していたのだ。今まで自分は何をやっていたのだと、本当にすまなかった。領民たちにも謝罪しようと思う。今後は気持ちを入れ替えて、みんなのために頑張って行こうと思う」
「そ、そうですか。領民のために働いていただけるのでしたらありがたいです。それでは皆様行きますわよ」
「ケイトリン、無茶をするな」
「ケイトリン嬢です!あ、でも嬢だとおかしいかしらね、バツイチだし、妊婦だし?」
1人で呼び名を悩んでいたところ、ルーデンスが助け舟を出した。
「旦那様、ケイトリン様とはすでに他人ですから、呼び捨てはよくないと思います。コリンズ伯爵令嬢でよろしいのではないですか?呼び捨てはいけません」
ナイス、ルーデンス。
「コリンズ伯爵令嬢、最近あちこち動き過ぎる。休んだ方がいいのではないか?」
「そうしたいところですが、現状を知りたいのです。そして早く領民に安定した生活をしてほしいので、今は動けるときに動きます。無理しない程度にするわ。お気遣いありがとうございます」
ロイド様が腕を差し出した。
「支えになるだろう。転んだりしてはその、あの、お、お腹の赤ちゃんに影響が出てしまう」
あら、優しいわね。そういえば、夜の房事も優しかったわね。1夜の房事で何度も行為をしたけど。そういえばどういうこと?それ?クララさんの代わりだったのかしらね、やっぱり。ルメニエール教は不貞行為を許さないから、クララさんを思いながらの行為か。なるほど。納得がいったわ。
「何かよからぬことを考えていなかったか?」
「いえ、ロイド様も優しいところがあるのだなぁと思っただけです。そういえば房事の時も優しかったような気がしたので、クララさんの代わりだったのかなぁと思っただけです」
真っ赤になった顔をして私の目を見ながら、釈明のようなそんな話をしていた。
「ま、まさか、房事の時にあの女のことは全く考えたことがなかった。これは本当だ。本当にケイトリンにはすまないことをしてきたと思う。そ、その、はじめは父が亡くなり、すぐ当主になり、災害が発生してどうすることもできなかったところに、貴女が私と結婚して領地を助けてくれたのはありがたかった。だが、自分で何もできなかった思いが強く、そして君に心がいってしまうのを恐れて、あのあとすぐあの女の所に行き、自分の気持ちはあの女にあると言い聞かせるように正当化していた。だから王都に長く行っては、貴女への気持ちは間違えだと修正をかけていたのだ。すまなかった」
「そうは見えませんでしたけどね。それではあなたはなんだか私のことを思っているように感じるのですが」
「貴女と離縁したあと、あの女と結婚するのだ、私と共に生き、きっと良い侯爵夫人になってくれるだろうと自分の考えを言い聞かせ、正当化し、そして期待していたのだが現実は大きく違っていた。お互い表面での付き合いだったということがわかったのよ」
「きっと私のことも表面的だと思いますよ。焦らずに誰か他の女性を見ていけば良いのではないですか」
「貴女は私を許さないだろうな。でも、私は貴女と子供達共に過ごしていきたい。お願いだ、私のこれからを見て決めて欲しい。頼む」
子供達って何?お腹には1人しかいないけど。
「今はこの領地のことを考えていきましょう、まずはそこからです」
「ああ、頑張るよ。共に助けあって生きて行こう」
もう、何言っているのこの人は。
ダメンタール男爵がこの土地に来るときは、その者たちに指示を出しているのだろう。さて今度来るのはいつかしら?その時、この領地で取り押さえる手はずになった。その時は公安部のスレイドタス公爵自ら来るらしい。一応ここは侯爵領なので、その上の地位の公爵様が来ていただけるそうだ。父たちも来ると言っている。
ロイド様が近づいてきた。ちなみにこのロイド様にはそのことを言っていない。機密事項なので。
「ケイトリン、あまり働きすぎると体に悪い。今は大事な時なのだから、頑張りすぎるな。私に指示して欲しい。そうすれば采配したら、自分で動く」
みんなびっくり顔をした。ロイド様が動く??どうしたの?
「あの、ロイド様。働いてくれるのですか?え?どうしたのですか?」
「あっ、いや、今まで君や領民に申し訳ないことをしていたと反省していたのだ。今まで自分は何をやっていたのだと、本当にすまなかった。領民たちにも謝罪しようと思う。今後は気持ちを入れ替えて、みんなのために頑張って行こうと思う」
「そ、そうですか。領民のために働いていただけるのでしたらありがたいです。それでは皆様行きますわよ」
「ケイトリン、無茶をするな」
「ケイトリン嬢です!あ、でも嬢だとおかしいかしらね、バツイチだし、妊婦だし?」
1人で呼び名を悩んでいたところ、ルーデンスが助け舟を出した。
「旦那様、ケイトリン様とはすでに他人ですから、呼び捨てはよくないと思います。コリンズ伯爵令嬢でよろしいのではないですか?呼び捨てはいけません」
ナイス、ルーデンス。
「コリンズ伯爵令嬢、最近あちこち動き過ぎる。休んだ方がいいのではないか?」
「そうしたいところですが、現状を知りたいのです。そして早く領民に安定した生活をしてほしいので、今は動けるときに動きます。無理しない程度にするわ。お気遣いありがとうございます」
ロイド様が腕を差し出した。
「支えになるだろう。転んだりしてはその、あの、お、お腹の赤ちゃんに影響が出てしまう」
あら、優しいわね。そういえば、夜の房事も優しかったわね。1夜の房事で何度も行為をしたけど。そういえばどういうこと?それ?クララさんの代わりだったのかしらね、やっぱり。ルメニエール教は不貞行為を許さないから、クララさんを思いながらの行為か。なるほど。納得がいったわ。
「何かよからぬことを考えていなかったか?」
「いえ、ロイド様も優しいところがあるのだなぁと思っただけです。そういえば房事の時も優しかったような気がしたので、クララさんの代わりだったのかなぁと思っただけです」
真っ赤になった顔をして私の目を見ながら、釈明のようなそんな話をしていた。
「ま、まさか、房事の時にあの女のことは全く考えたことがなかった。これは本当だ。本当にケイトリンにはすまないことをしてきたと思う。そ、その、はじめは父が亡くなり、すぐ当主になり、災害が発生してどうすることもできなかったところに、貴女が私と結婚して領地を助けてくれたのはありがたかった。だが、自分で何もできなかった思いが強く、そして君に心がいってしまうのを恐れて、あのあとすぐあの女の所に行き、自分の気持ちはあの女にあると言い聞かせるように正当化していた。だから王都に長く行っては、貴女への気持ちは間違えだと修正をかけていたのだ。すまなかった」
「そうは見えませんでしたけどね。それではあなたはなんだか私のことを思っているように感じるのですが」
「貴女と離縁したあと、あの女と結婚するのだ、私と共に生き、きっと良い侯爵夫人になってくれるだろうと自分の考えを言い聞かせ、正当化し、そして期待していたのだが現実は大きく違っていた。お互い表面での付き合いだったということがわかったのよ」
「きっと私のことも表面的だと思いますよ。焦らずに誰か他の女性を見ていけば良いのではないですか」
「貴女は私を許さないだろうな。でも、私は貴女と子供達共に過ごしていきたい。お願いだ、私のこれからを見て決めて欲しい。頼む」
子供達って何?お腹には1人しかいないけど。
「今はこの領地のことを考えていきましょう、まずはそこからです」
「ああ、頑張るよ。共に助けあって生きて行こう」
もう、何言っているのこの人は。
998
あなたにおすすめの小説
婚約者すらいない私に、離縁状が届いたのですが・・・・・・。
夢草 蝶
恋愛
侯爵家の末姫で、人付き合いが好きではないシェーラは、邸の敷地から出ることなく過ごしていた。
そのため、当然婚約者もいない。
なのにある日、何故かシェーラ宛に離縁状が届く。
差出人の名前に覚えのなかったシェーラは、間違いだろうとその離縁状を燃やしてしまう。
すると後日、見知らぬ男が怒りの形相で邸に押し掛けてきて──?
あなたと別れて、この子を生みました
キムラましゅろう
恋愛
約二年前、ジュリアは恋人だったクリスと別れた後、たった一人で息子のリューイを生んで育てていた。
クリスとは二度と会わないように生まれ育った王都を捨て地方でドリア屋を営んでいたジュリアだが、偶然にも最愛の息子リューイの父親であるクリスと再会してしまう。
自分にそっくりのリューイを見て、自分の息子ではないかというクリスにジュリアは言い放つ。
この子は私一人で生んだ私一人の子だと。
ジュリアとクリスの過去に何があったのか。
子は鎹となり得るのか。
完全ご都合主義、ノーリアリティなお話です。
⚠️ご注意⚠️
作者は元サヤハピエン主義です。
え?コイツと元サヤ……?と思われた方は回れ右をよろしくお願い申し上げます。
誤字脱字、最初に謝っておきます。
申し訳ございませぬ< (_"_) >ペコリ
小説家になろうさんにも時差投稿します。
今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました
四折 柊
恋愛
子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)
再会の約束の場所に彼は現れなかった
四折 柊
恋愛
ロジェはジゼルに言った。「ジゼル。三年後にここに来てほしい。僕は君に正式に婚約を申し込みたい」と。平民のロジェは男爵令嬢であるジゼルにプロポーズするために博士号を得たいと考えていた。彼は能力を見込まれ、隣国の研究室に招待されたのだ。
そして三年後、ジゼルは約束の場所でロジェを待った。ところが彼は現れない。代わりにそこに来たのは見知らぬ美しい女性だった。彼女はジゼルに残酷な言葉を放つ。「彼は私と結婚することになりました」とーーーー。(全5話)
わたしのことがお嫌いなら、離縁してください~冷遇された妻は、過小評価されている~
絹乃
恋愛
伯爵夫人のフロレンシアは、夫からもメイドからも使用人以下の扱いを受けていた。どんなに離婚してほしいと夫に訴えても、認めてもらえない。夫は自分の愛人を屋敷に迎え、生まれてくる子供の世話すらもフロレンシアに押しつけようと画策する。地味で目立たないフロレンシアに、どんな価値があるか夫もメイドも知らずに。彼女を正しく理解しているのは騎士団の副団長エミリオと、王女のモニカだけだった。※番外編が別にあります。
妹が公爵夫人になりたいようなので、譲ることにします。
夢草 蝶
恋愛
シスターナが帰宅すると、婚約者と妹のキスシーンに遭遇した。
どうやら、妹はシスターナが公爵夫人になることが気に入らないらしい。
すると、シスターナは快く妹に婚約者の座を譲ると言って──
本編とおまけの二話構成の予定です。
白い結婚はそちらが言い出したことですわ
来住野つかさ
恋愛
サリーは怒っていた。今日は幼馴染で喧嘩ばかりのスコットとの結婚式だったが、あろうことかパーティでスコットの友人たちが「白い結婚にするって言ってたよな?」「奥さんのこと色気ないとかさ」と騒ぎながら話している。スコットがその気なら喧嘩買うわよ! 白い結婚上等よ! 許せん! これから舌戦だ!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる