90 / 294
90 母様が帰ってきたけど、公爵家次男フレッド様?
しおりを挟む
母様達が寄親の公爵家から帰ってきた。若干疲れたような気がする。
母様が腕を広げたのでその胸に飛び込んだ。
「おかえりなさい、母様。お疲れ様です」
「もう、本当に疲れたわよ。ほら顔を見せて。見ない間に男の子らしくなったかしら」
「母様、そこは男らしくではないのですか?男の子らしくなんて言ったら、今まで僕は女の子っぽく見えていたのですか?」
目を逸らすな。わかっている、ドレスを着せたら女の子でも通じることは知っていたよ。あえて言わなかったのに。
「母様、それではこれから俺と言って良いですか?」
「それはダメよ。僕にしなさい」
はい、わかりました。この件はそれ以上は何も言えない。
「公爵家はどうでしたか?」
「気を遣ってしまって疲れたわ。ただ、公爵家は私のことを親身になってくれた唯一の貴族なの。今回の献上品などで恩返しが少しできたかしらね。ただ、領地が、と言ってルークは帰ってしまうし心配したわ。魔鳥が来て事情を知ってホッとしたけど。やっぱり我が家が一番良いわ。我が子の可愛い笑顔が見れるのですから。とこらで、ケビン、あの家はなぁに?帰ってきてびっくりしたわ」
「すみません、社員寮です。イーサン兄様がご学友を魔道具研究施設に呼んだのですが、宿泊場所は施設ので雑魚寝だったり、ご家族を街の宿屋に滞在させていたと言っていたので、至急、単身寮と家族寮を作りました。辺境伯領ですでに家を作っているのでさほど苦労なく建築できました。単身寮は食堂と温泉完備にしました。あと、屋敷の従業員も単身寮に移ってもらいました。ダメでしたか?」
「えらいわね、ケビン。働く者達のことを考えるなんて。他の領地などは働かせるだけ働かせて低賃金や休みがないのが現状よ。ここは待遇がいいと言われてしまうわね」
そうだ、あのことを言わなければ!
「母様、今度長老達がお酒を飲みに来るらしいのです」
「あら、そうなの?新酒狙いかしらね」
「正解です。それでですね、海精霊の長老様が来ることは確定しているのですが、その他に火精霊、風精霊様も来るかもしれないということです」
「海精霊様の長老?海精霊?そういうのもいるの?」
「いるらしいです。ブラッドがそちら方面でブラッドがイーサン兄様達と飲んだお酒の匂いを嗅ぎつけて、今度一緒に来るらしいです」
「あ、え、そうなの。いらっしゃるの。いっぱい料理や食べ物、お酒を用意しないとダメかしらね」
母様、順応が早いな。
「一体どのくらいの精霊様が来るのかしらね?他の種族の精霊様もいるのかしら。来るかしらね」
母様までやめてください。フラグは立てないようにお願いします。
「そうだ、母様に相談ですが、ロナウド兄様の商会の美容部員などの接客をどういたしますか?母様主導で所作を教えてくださいますか?僕は流石に教えられませんので。ランドルフ様のお母様のメメル様と一緒にお願いしたいです。メメル様は伯爵第二夫人だったのですが、ランドルフ様と一緒に絶縁してきたそうです。ここで美容部員の指導やピアノが上手いのでピアノを弾いてもらうことにしました。一度お会いになっていただけませんか?」
「まぁ、あの伯爵の第二夫人。かなりご苦労したのではないかしら。絶縁したなんて勇気がある方ね。そうね、ガゼボ?でお茶をしましょう」
母様達がボールドウエッジ公爵家から戻ってきたが、なぜか公爵家フレッド様と奥様アンジュ様が一緒にやってきた。母様が苦笑いをしている。
フレッド様が父様に挨拶しているのを、俺は隣で聞いていた。
「フォーゲリア伯爵様、私、ボールドウエッジ公爵家次男フレッドと申します。こちらが私の妻のアンジュです。私は馬車やお酒に感銘を受け、ぜひフォーゲリア伯爵家で働きたいと思いやってまいりました。どうか雇い入れていただけませんでしょうか?得意なものは交渉です。公爵家や他の貴族達の窓口になり、無理難題を跳ね除ける盾になります。どうかお願いいたします」
「フレッド様、我が領地は秘匿にすることが多すぎるのだ。公爵家次男の方に契約魔法などはできません。申し訳ないのですが、格上のフレッド様を雇うわけにはいきません」
フレッド様は被りを振って必死に説き伏せようとしていた。
「あの馬車を拝見し、あれはこぞって貴族達がやってきます。私が貴族たちの盾になります。ここにはメルシー様もいらっしゃいます。ルーク様が矢面に立たず、公爵家の私が窓口になれば、強く言われないと思います。お酒もそうです。ここには他で類を見ないものが多いと感じました。多分魔道具などあの施設で未知なるものを作成しているのかと推測しました。どうか、私をフォーゲリア家で雇ってもらいたいです。お願いします」
父様は母様のことを言われると弱い。それほど母様を大事にしている父様なのだ。フレッド様が矢面に立ってくれるのでお任せだ。俺も任せるぞ。丸投げだ。そしてフレッド様が商会の一員になりました。
その後、フレッド様に精霊たちを紹介し、これは本当に秘匿することが多すぎると頭を抱えていたのは言うまでもない。
母様が腕を広げたのでその胸に飛び込んだ。
「おかえりなさい、母様。お疲れ様です」
「もう、本当に疲れたわよ。ほら顔を見せて。見ない間に男の子らしくなったかしら」
「母様、そこは男らしくではないのですか?男の子らしくなんて言ったら、今まで僕は女の子っぽく見えていたのですか?」
目を逸らすな。わかっている、ドレスを着せたら女の子でも通じることは知っていたよ。あえて言わなかったのに。
「母様、それではこれから俺と言って良いですか?」
「それはダメよ。僕にしなさい」
はい、わかりました。この件はそれ以上は何も言えない。
「公爵家はどうでしたか?」
「気を遣ってしまって疲れたわ。ただ、公爵家は私のことを親身になってくれた唯一の貴族なの。今回の献上品などで恩返しが少しできたかしらね。ただ、領地が、と言ってルークは帰ってしまうし心配したわ。魔鳥が来て事情を知ってホッとしたけど。やっぱり我が家が一番良いわ。我が子の可愛い笑顔が見れるのですから。とこらで、ケビン、あの家はなぁに?帰ってきてびっくりしたわ」
「すみません、社員寮です。イーサン兄様がご学友を魔道具研究施設に呼んだのですが、宿泊場所は施設ので雑魚寝だったり、ご家族を街の宿屋に滞在させていたと言っていたので、至急、単身寮と家族寮を作りました。辺境伯領ですでに家を作っているのでさほど苦労なく建築できました。単身寮は食堂と温泉完備にしました。あと、屋敷の従業員も単身寮に移ってもらいました。ダメでしたか?」
「えらいわね、ケビン。働く者達のことを考えるなんて。他の領地などは働かせるだけ働かせて低賃金や休みがないのが現状よ。ここは待遇がいいと言われてしまうわね」
そうだ、あのことを言わなければ!
「母様、今度長老達がお酒を飲みに来るらしいのです」
「あら、そうなの?新酒狙いかしらね」
「正解です。それでですね、海精霊の長老様が来ることは確定しているのですが、その他に火精霊、風精霊様も来るかもしれないということです」
「海精霊様の長老?海精霊?そういうのもいるの?」
「いるらしいです。ブラッドがそちら方面でブラッドがイーサン兄様達と飲んだお酒の匂いを嗅ぎつけて、今度一緒に来るらしいです」
「あ、え、そうなの。いらっしゃるの。いっぱい料理や食べ物、お酒を用意しないとダメかしらね」
母様、順応が早いな。
「一体どのくらいの精霊様が来るのかしらね?他の種族の精霊様もいるのかしら。来るかしらね」
母様までやめてください。フラグは立てないようにお願いします。
「そうだ、母様に相談ですが、ロナウド兄様の商会の美容部員などの接客をどういたしますか?母様主導で所作を教えてくださいますか?僕は流石に教えられませんので。ランドルフ様のお母様のメメル様と一緒にお願いしたいです。メメル様は伯爵第二夫人だったのですが、ランドルフ様と一緒に絶縁してきたそうです。ここで美容部員の指導やピアノが上手いのでピアノを弾いてもらうことにしました。一度お会いになっていただけませんか?」
「まぁ、あの伯爵の第二夫人。かなりご苦労したのではないかしら。絶縁したなんて勇気がある方ね。そうね、ガゼボ?でお茶をしましょう」
母様達がボールドウエッジ公爵家から戻ってきたが、なぜか公爵家フレッド様と奥様アンジュ様が一緒にやってきた。母様が苦笑いをしている。
フレッド様が父様に挨拶しているのを、俺は隣で聞いていた。
「フォーゲリア伯爵様、私、ボールドウエッジ公爵家次男フレッドと申します。こちらが私の妻のアンジュです。私は馬車やお酒に感銘を受け、ぜひフォーゲリア伯爵家で働きたいと思いやってまいりました。どうか雇い入れていただけませんでしょうか?得意なものは交渉です。公爵家や他の貴族達の窓口になり、無理難題を跳ね除ける盾になります。どうかお願いいたします」
「フレッド様、我が領地は秘匿にすることが多すぎるのだ。公爵家次男の方に契約魔法などはできません。申し訳ないのですが、格上のフレッド様を雇うわけにはいきません」
フレッド様は被りを振って必死に説き伏せようとしていた。
「あの馬車を拝見し、あれはこぞって貴族達がやってきます。私が貴族たちの盾になります。ここにはメルシー様もいらっしゃいます。ルーク様が矢面に立たず、公爵家の私が窓口になれば、強く言われないと思います。お酒もそうです。ここには他で類を見ないものが多いと感じました。多分魔道具などあの施設で未知なるものを作成しているのかと推測しました。どうか、私をフォーゲリア家で雇ってもらいたいです。お願いします」
父様は母様のことを言われると弱い。それほど母様を大事にしている父様なのだ。フレッド様が矢面に立ってくれるのでお任せだ。俺も任せるぞ。丸投げだ。そしてフレッド様が商会の一員になりました。
その後、フレッド様に精霊たちを紹介し、これは本当に秘匿することが多すぎると頭を抱えていたのは言うまでもない。
651
あなたにおすすめの小説
今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。
【本編完結】転生令嬢は自覚なしに無双する
ベル
ファンタジー
ふと目を開けると、私は7歳くらいの女の子の姿になっていた。
きらびやかな装飾が施された部屋に、ふかふかのベット。忠実な使用人に溺愛する両親と兄。
私は戸惑いながら鏡に映る顔に驚愕することになる。
この顔って、マルスティア伯爵令嬢の幼少期じゃない?
私さっきまで確か映画館にいたはずなんだけど、どうして見ていた映画の中の脇役になってしまっているの?!
映画化された漫画の物語の中に転生してしまった女の子が、実はとてつもない魔力を隠し持った裏ボスキャラであることを自覚しないまま、どんどん怪物を倒して無双していくお話。
設定はゆるいです
英雄の孫は今日も最強
まーびん
ファンタジー
前世では社会人だったが、死んで異世界に転生し、貧乏貴族ターセル男爵家の3男となった主人公ロイ。
前世のギスギスした家庭と違い、家族の皆から愛され、ロイはすくすくと3歳まで育った。
中でも、毎日一緒に遊んでくれるじいじは爺馬鹿全開で、ロイもそんなじいじが大好き。
元将軍で「英雄」と呼ばれる最強のじいじの血を引いたロイは、じいじ達に見守られながら、今日も楽しく最強な日々を過ごす。
足手まといだと言われて冒険者パーティから追放されたのに、なぜか元メンバーが追いかけてきました
ちくわ食べます
ファンタジー
「ユウト。正直にいうけど、最近のあなたは足手まといになっている。もう、ここらへんが限界だと思う」
優秀なアタッカー、メイジ、タンクの3人に囲まれていたヒーラーのユウトは、実力不足を理由に冒険者パーティを追放されてしまう。
――僕には才能がなかった。
打ちひしがれ、故郷の実家へと帰省を決意したユウトを待ち受けていたのは、彼の知らない真実だった。
心配するな、俺の本命は別にいる——冷酷王太子と籠の花嫁
柴田はつみ
恋愛
王国の公爵令嬢セレーネは、家を守るために王太子レオニスとの政略結婚を命じられる。
婚約の儀の日、彼が告げた冷酷な一言——「心配するな。俺の好きな人は別にいる」。
その言葉はセレーネの心を深く傷つけ、王宮での新たな生活は噂と誤解に満ちていく。
好きな人が別にいるはずの彼が、なぜか自分にだけ独占欲を見せる。
嫉妬、疑念、陰謀が渦巻くなかで明らかになる「真実」。
契約から始まった婚約は、やがて運命を変える愛の物語へと変わっていく——。
ライバル悪役令嬢に転生したハズがどうしてこうなった!?
だましだまし
ファンタジー
長編サイズだけど文字数的には短編の範囲です。
七歳の誕生日、ロウソクをふうっと吹き消した瞬間私の中に走馬灯が流れた。
え?何これ?私?!
どうやら私、ゲームの中に転生しちゃったっぽい!?
しかも悪役令嬢として出て来た伯爵令嬢じゃないの?
しかし流石伯爵家!使用人にかしずかれ美味しいご馳走に可愛いケーキ…ああ!最高!
ヒロインが出てくるまでまだ時間もあるし令嬢生活を満喫しよう…って毎日過ごしてたら鏡に写るこの巨体はなに!?
悪役とはいえ美少女スチルどこ行った!?
えっ私人間だったんです?
ハートリオ
恋愛
生まれた時から王女アルデアの【魔力】として生き、16年。
魔力持ちとして帝国から呼ばれたアルデアと共に帝国を訪れ、気が進まないまま歓迎パーティーへ付いて行く【魔力】。
頭からスッポリと灰色ベールを被っている【魔力】は皇太子ファルコに疑惑の目を向けられて…
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる