CHANGE syndrome

新たな報告

「ふぅ...だいたいのあらましを話したけど、私が信じた理由はわかったかな？」

博士は一息ついた

「なるほど、そんな事があったんですか...あの...途中で出てきた兄と妹ってまさか？」

「たぶん、そのまさかだろうね...。」

博士は淡々と答えた

「もしも、それが本当なら...その女の子が救世主になるかも知れませんね？」

「救世主？」

「たとえば、誰と誰が入れ替わっているとかが、はっきりわかることになりませんか？」

「...そうか...たしかにそうだな、しかし私としたことが、テレパシーに気を取られて連絡手段を聞くのをわすれてた」

「平和園に連絡してみては？」

「今朝早くに連絡を取ってみたんだが学校へ行った後だったらしい、帰ってきたら連絡をくれるように頼んだんだが...いつになるやら。」

「学校に連絡を取ってみては？」

「それが...ガンとしてどこの学校へ通っているのか教えてくれないんだ...警戒されているんだろうか？」

たしかに、突然しらない男から電話がかかって来たら、不審に思うかもしれない...優は他の連絡手段がないか考えたが今のところ、打つ手がない事に思い至る。

百樹も自分の不手際を残念がっていると携帯がなった。

平和病院からだ...

「はい、もしもし、百樹だが」

「博士！たいへんです暴動が起きてます、早く来てください！」

「暴動？誰か逃げたのか？」

「いえ...今のところ、抑えています、が...予断を許さない状況です！」

「わかった！もうすぐつく！持たせてくれ」

安心させるように、そう言ってはみたものの、自分が行ったからとて、チェンジできる人々が本気で暴徒化したら、どうにかできる自信はまったくない...。

しかし、責任者としてできるかぎりの事はしなければならないだろう。

昨日のテレパシー少女と連絡を取る手段さえあったら...。

「あっ...。」

「どうしました？」

「ある！連絡を取る手段が、あるぞ！」

「ほんとですか？」

「あんまり確かな方法ってわけじゃないが...なにもしないよりは良いだろう、それには君の協力が必要だ。」

「え？僕ですか？」

博士はゆっくりと頷いた。