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博士の迷案
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「どんな方法ですか?」
如月優は百樹に質問した。
不確実とは言っていたが、今はワラをもつかみたい状況である。
協力できる事があるならやぶかさではない
「要はもう1度チェンジして彼女に呼びかけるんだよ」
「呼びかける?」
「そう、呼びかけるんだ...心の中でね。」
「...あ、なるほど。」
優はなんとなく理解できた。
例の女の子はテレパシーを使った時にまわりのチェンジしている人達の心の声も拾ってしまったと言っていた。
ならば、わざとチェンジして、こちらの心の声を拾ってもらうことも可能性としてなくはないって事か...。
「なるほど...やってみる価値はありそうですね。」
「飲み込みが早くて助かるよ。」
「じゃあさっそくいきますよ。」
優は手刀をする為に手を上にあげた...
「ちょ、ちょっと待ってくれ。」
「え?どうしたんですか博士?まさか怖いとか?」
「いや、怖くはないんだが、君ばかりでは不公平だとおもってね...少し痛いし。」
「はぁ」
「私にもやらせてくれないかな...その...チェンジを。」
「いいですよ、でも...うまくやってくださいよ?」
「うまいとか下手とかあるのかね?」
「...妹とチェンジしようとした時、何回か失敗しましたよ...僕。」
「...あるんだ。」
どんなものにも、得手不得手というはあるんだなぁと、百樹は変に感心した。
優は妹に下手くそと言われた事を思い出して憮然とした顔付きになった。
「こんなこと、うまくなってもなんの自慢にもなりませんよ。」
「ま...まぁそうだが。」
百樹も相づちを打った。
「こうか?」
百樹はぎこちない手付きで優に手刀を振り下ろした。
ドッ
そんな音がしてアッサリとチェンジが成功してしまった。
「あ...なんか成功したみたいだね。」
優の身体になって百樹は言った。
「まぁ...偶然うまくいく事もあるんじゃないですか?」
百樹の身体になった優は釈然としないという顔付きで言った後軽く咳払いをすると言った。
「そんなことより!その...なんて呼びかければ良いんですか?その女の子に。」
と続けた、話題を変えたかった様だ。
「そうだな...名前を呼ぶのが効果的かな?」
「名前?たしか、あまのしずくでしたっけ?」
「その通り、あまのしずくさーん、あまのしずくさーん平和病院に来てください!というのがいいかな?どうだね?」
「なんか、病院の待合室みたいですね」
「とりあえず、そのフレーズで強く思ってくれ」
「強くですか?」
「そうだ、強めにお願いしたほうが良いだろう?」
「どうやれば強くなるんですか?」
「それは...わからん、悪いが自分で考えてくれ。」
「...わかりました。」
(あまのしずくさーん!あまのしずくさーん!平和病院に来てくださーい!)
2人は運転を交代して病院につくまでの間、無心に繰り返した...。
なんとなく...宇宙人を呼ぶ儀式にも似てるな...と優は思った。
如月優は百樹に質問した。
不確実とは言っていたが、今はワラをもつかみたい状況である。
協力できる事があるならやぶかさではない
「要はもう1度チェンジして彼女に呼びかけるんだよ」
「呼びかける?」
「そう、呼びかけるんだ...心の中でね。」
「...あ、なるほど。」
優はなんとなく理解できた。
例の女の子はテレパシーを使った時にまわりのチェンジしている人達の心の声も拾ってしまったと言っていた。
ならば、わざとチェンジして、こちらの心の声を拾ってもらうことも可能性としてなくはないって事か...。
「なるほど...やってみる価値はありそうですね。」
「飲み込みが早くて助かるよ。」
「じゃあさっそくいきますよ。」
優は手刀をする為に手を上にあげた...
「ちょ、ちょっと待ってくれ。」
「え?どうしたんですか博士?まさか怖いとか?」
「いや、怖くはないんだが、君ばかりでは不公平だとおもってね...少し痛いし。」
「はぁ」
「私にもやらせてくれないかな...その...チェンジを。」
「いいですよ、でも...うまくやってくださいよ?」
「うまいとか下手とかあるのかね?」
「...妹とチェンジしようとした時、何回か失敗しましたよ...僕。」
「...あるんだ。」
どんなものにも、得手不得手というはあるんだなぁと、百樹は変に感心した。
優は妹に下手くそと言われた事を思い出して憮然とした顔付きになった。
「こんなこと、うまくなってもなんの自慢にもなりませんよ。」
「ま...まぁそうだが。」
百樹も相づちを打った。
「こうか?」
百樹はぎこちない手付きで優に手刀を振り下ろした。
ドッ
そんな音がしてアッサリとチェンジが成功してしまった。
「あ...なんか成功したみたいだね。」
優の身体になって百樹は言った。
「まぁ...偶然うまくいく事もあるんじゃないですか?」
百樹の身体になった優は釈然としないという顔付きで言った後軽く咳払いをすると言った。
「そんなことより!その...なんて呼びかければ良いんですか?その女の子に。」
と続けた、話題を変えたかった様だ。
「そうだな...名前を呼ぶのが効果的かな?」
「名前?たしか、あまのしずくでしたっけ?」
「その通り、あまのしずくさーん、あまのしずくさーん平和病院に来てください!というのがいいかな?どうだね?」
「なんか、病院の待合室みたいですね」
「とりあえず、そのフレーズで強く思ってくれ」
「強くですか?」
「そうだ、強めにお願いしたほうが良いだろう?」
「どうやれば強くなるんですか?」
「それは...わからん、悪いが自分で考えてくれ。」
「...わかりました。」
(あまのしずくさーん!あまのしずくさーん!平和病院に来てくださーい!)
2人は運転を交代して病院につくまでの間、無心に繰り返した...。
なんとなく...宇宙人を呼ぶ儀式にも似てるな...と優は思った。
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