CHANGE syndrome

ハイブリッジ万生

文字の大きさ
29 / 46

悪魔と呼ばれた女の子

しおりを挟む





百樹「やれやれ...それじゃ我々も戻るとしようか」

そして山里医師(友也)の方をむくと

百樹「悪いようにはしませんから逃げないで下さいよ山里さん、いや.......友也くんなんでしょ?」

山里医師(友也)は不承不承といった感じで観念したように頷いた。

この人数、いや、人数はともかく弥生と呼ばれていた子から逃げられる気がしなかった。

どうやら百樹博士の助手の妹らしい。

山里(友也)「とりあえずもどりますよ、その...弥生さんとも話をしてみたいし...」

そう言って弥生の方をチラッとみた。

弥生「わたしは特に話すことないけど。」

腰に手を当てながら弥生は淡白に言った。

弥生「それより、みすず...あなたさっき何か言いかけてなかった?」

みすず「え?ええ...でも...見間違いみたいだし...。」

そう言って雫の方をチラッとみた。

弥生「見間違い?」

みすず「うん...たぶん」

百樹「まぁ、みすずくん何かあったらなんでも言ってくれたまえ、我々はある意味、運命共同体なんだからね?ハハハハ...。」

みすず「そうですね、でもあんまり適当な事も言えないし...やっぱり良いです。」

百樹「そうかい?じゃあ気が向いたら言ってくれたまえ」

みすず「はい」

ピロリロリーん

その時百樹の携帯にメールが届いた

極秘にしているはずの裏アカウントに来たので気になって開いてみる

以下内容
『あなたが天之雫と関わっているのを知っている。その子は悪魔の子だ。今すぐ関わりを断つのだ。その昔ある国家プロジェクトを壊滅させた張本人である。あなたの手に余るだろう。災いの元凶。そして、私が何者かも知らない方が良い、易々とあなたの極秘アカウントを知ることができる立場の者だ。』

百樹「なんだこれは...。」

いきおい雫の方をみる

雫「どうかしたんですか?」

百樹「...いや。」

そんなバカな...そんなわけがない

百樹は心の中で繰り返した。












弥生「あの...言おうかどうか迷ったんだけど...」

百樹「ん?なにかね?」

弥生「さっき、不思議な体験をしたの...頭の中に声が聞こえてきて、三人のテレパスがいたのよ、あなたも聴こえたでしょ?」

弥生は友也の方を向いて言った。

友也「あ、ああ...たしかに聞いた。てゆか俺は身体を乗取られたけどね!テレパシーなんて生易しいもんじゃないよ!」

百樹「乗取られた?本当かね?」

友也「本当も本当!殺されかけたんだから!」

百樹「だとすると、雫くん以外にテレパスが居るってことになるね、人の身体を乗っ取れるくらいの強力な...。」

弥生「そう、それに6人居るって言ってたわ六つ子だって...それと...」

百樹「六つ子だと!それは珍しい...まだなにかあるのかね?」

弥生「その...その中の1人が雫さんの意思で動いてるみたいなことを言ってたような...。」

百樹「本当に?」

みんなが雫に注目した

百樹「雫さん...疑いたくはないんだけど...心当たりあるなら言ってもらいたい、なにせ私たちは...運命共同体なんだからね。」

友也「本当なら俺は協力なんてできねーな!殺されかけたんだからな!」

弥生「それはアンタがこの子になんかしようとしたからじゃないの?なんか...思想が危険とか言われてなかった?」

友也「いや、それは...。」

弥生「みすずも何か違和感を感じたんでしょ?」

みすず「私は...その...。」

弥生「はっきり言った方がいいわよ。」

みすず「なんていうか、あの、雫さんが阿修羅像みたいに見えたっていうか...。」

弥生「阿修羅像?」

みすず「そう、手が何本もあるように見えたんだけど...今は普通みたい。」

優「手が何本もって...それじゃまるでモンスターみたいじゃ...。」

ビクッ

雫はモンスターという言葉に反応して身体を硬直させた。

(お前らふざけんなよ!)

雫「あ...。」

(ちょっと!なに勝手に出てるのよ!)

雫「あの...。」

(むっ...喧嘩は...)

雫「ご、ごめんなさい!」

そういうと雫はその場から逃げ出した。

みんなポカーンとそれを見てるしかなかった。

そしてワンテンポ遅く百樹が昔のお見合い番組の決め台詞の様に叫んだ。

百樹「ちょっとまったぁ!」










しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...