CHANGE syndrome

ハイブリッジ万生

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護と統

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天乃雫は立ち止まった。




今のはなに?

鏡(誰かの思念が流れ込んできたみたいね...しかも、随分昔の...記憶?)

雫(記憶...か...なんか懐かしい人にあったような...)

凶(おめでたいね、雫は、俺たちを追い込んだ奴だろ?とうとう見つけたぜ!)

鏡(でもなんで今更、まさか、この病院にいるの?)

凶(その可能性は高いだろ)

護(む...追ってきた)

百樹「はぁ...はぁ...まって...まってくれ...」

息も絶え絶えという感じで百樹博士が追ってきた。

護(むっ...それ以上は)

百樹は不思議な力に阻まれてそれ以上近づけない

百樹「はぁ...まって...はぁ...話を聞いて...くれ」

凶(聞く必要なんかねーな...俺らをモンスター呼ばわりするような連中と何を話すんだ?)

百樹「いや、あれは...失言だったんだよ...余りにも驚いてしまって.......」

鏡(よしんば失言だとして、あなた以外追ってきてないじゃない...謝る気もないってことじゃない?)

そこへバタバタと如月優と山村みすずが走ってきた

優「はぁ...はぁ...大丈夫ですか博士?」

みすず「はぁ...はぁ...ちょっと!いきなり走り出さないでよ!」

百樹「大丈夫じゃないよ...優くん、ほら失言を撤回してくれないと」

優「え?失言?なんの話です?」

百樹「だから...モンスターとか言ってしまった事だよ(小声)」

優「あ、あれですか(小声)」

凶(おい!おまえら俺達がテレパスなの忘れてるのか?いくら小声でも丸聞こえなんだよ!)

みすず「え?それを怒ってるの?でも本当にそう見えたし...そもそもなんでそんな状態なのか説明が先じゃない?」

凶(うるせーな、話す必要なんかねーんだよ!)

統(いや...ある)

雫(すべる兄さん!)

統(おはよう...雫。今日もかわいいね)

凶(おい、起きていきなりそれかよ!)

統(凶...威勢がいいのはいいけど、ここは一つ冷静にならなくちゃだな?)

凶(はぁ?俺は冷静だ!)

統(とりあえず、今までの記憶を整理すると...この人達に協力した方がいい)

凶(なんで、今起きたお前がわかるんだよ!)

統(相変わらずだな、俺達は記憶を共有できるんだ...あたりまえだろ?)

統は腰に手をあててウィンクした

みすず「キザね」





状況が掴めない百樹と優はお互いをちらっとみた

優「え?キザねっていいました?」

みすず「新しく現れた人格の事よ」

優「ていうことはつまり...多重人格?」

新しく現れた人格...そして今までの事を1番納得できる回答ではないか...つまり多重人格テレパス!

百樹「いや...その可能性は極めて低いと思うよ。」

百樹は雫が多重人格である可能性についてずっと考えていたが、先ほどの統の発言(テレパシー)によって、その可能性は低いと感じていた。多重人格者はお互いの人格間で記憶を共有しない、というのが通説だからだ、それに...。

百樹「多重人格の場合複数の人格が交互に現れるのが一般的で同時に...しかも複数というのは例がない。」

統(さすが百樹先生、そのとおり我々は後天的な原因がもとで起こる多重人格症ではなく、もともと、6人の人格が同居してるのです、言うなれば、先天性・・・)

そこへ渋々という感じでついてきた瀬戸友也を引連れて、如月弥生もやってきた

弥生「なになに?もう1人いる!すごーい!」

友也「まじかよ!だからもう関わらない方がいいって!」

統(美しいお嬢さん、今大事なお話の途中なので...おしずかに)

統、優雅に会釈するとまたウィンクした

みすず「やっぱりキザ!キザ太郎!」

護(むぅ...あんまり、気乗りしない...この人達信用できるのか?)

統(鏡はどうおもう?)

鏡(そう...ね、さっきの記憶の持ち主がだれなのかを探るのに手助けがいるかもしれないし...ギブ&テイクも悪くないかも)

統(雫は?)

雫(統兄さんがそうしたいなら...)

統(じゃあ決まりだ)

護(むぅ...そうか、なら仕方ない)

凶(...て、おいっ!俺には聞かねーのかよ!)


統(護兄さんとりあえず、この人たちにビジョンを送りたいから、力を緩めてくれないか?)

護(む...わかった)

そういうと、まわりに張り巡らされていた壁のような精神波の力が弱まった...代わりにその場にいる五人に記憶の断片が流れ込んできた。














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