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一人だけの朝
しおりを挟む(しず...く)
ん?誰か呼んでる?
(しずく!)
うん...そうだ起きなきゃ…これは夢なんだ。
「しずく?」
天乃雫は目を覚ました。
目には薄らと涙が滲んでいる。
ひどい夢をみたからだ。
いつも6人で住んでた部屋...
1人ひとり居なくなっていって...
最後に私1人が残った…
一人になって気がついた...
こんなにこの部屋って広かったんだ。
そして何故か涙がこみ上げてきた。
今起きてみてわかった…
夢ではなかったのだ。
いつも一緒であった筈の皆がいなくなっている。
雫「う...うそ...みんな..」
わなわなと震える手を誰かが握ってきた。
観月「なんて顔してるの?オーストラリアの話でもしてあげようか?」
雫「え?」
観月「ほら、聴きたがってたでしょ?珍獣の話?」
雫「ええ!翼お姉ちゃん!?」
観月「翼(そう、そういうことらしいの...あの時、あまりにも雫の体に負荷がかかりすぎて...近くの感応しやすい器に移ったみたい。)」
観月は肩をすくめるポーズをすると少し舌をだした。
雫は安堵と、元にはもどれないんだという寂しさでやはり、泣いてしまった。
雫「あの...ほかの皆は?」
優「統(目覚めの紅茶はいかがですか?)」
弥生「鏡(私の考えだと、完全に戻れないって事でも無さそうだから...気を落とさないでね?百樹先生って人と戻り方を検討してるから)」
瀬戸「凶(たくっなんで俺がこんなお子ちゃまなんだよ!)」
山崎「護(む...もともとお子ちゃま)」
瀬戸「凶(はぁ?!)」
優「統(まぁまぁ、せっかく雫の元に集まってるんですから)」
雫「あの...もともとの人格の方々は?」
観月「翼(それが、やっぱり私達が出てる時は出てこれないみたいなの...キャパオーバーってやつね。)」
雫「そ、そうなんだ...」
観月「翼(だからあの時言ったでしょ...あなた、結構すごいのよ。)」
そう言って観月はウィンクした。
扉が開いて車椅子を押しながら百樹が入っきた。
車椅子に乗ってるのは、未有だった。
未有「あ...あの。」
雫「やっとだね。」
未有「え?」
雫「あの時の約束。」
未有「...あ」
雫「思い出した?やっと来てくれたね。」
未有は泣き出した、あれ以来、泣き上戸になったと後で弁解した。
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