雷魔法が最弱の世界

ともとも

文字の大きさ
10 / 76
異世界

雷魔法の暴走

しおりを挟む
はぁはぁ……

カナメを無事家まで連れて帰った。

カナメは大怪我だったから連れて帰った時、両親にとても驚かれた。
命に外傷はないのでいいけれど。

送り届けると次は一人で家に帰る。
足を火傷しているから木の棒を見つけて杖の代わりに使った。
家まで遠く、いつものように歩けないから大変だった。

だから家に着く頃にはすでに日が落ちて辺りは暗くなっていた。


家の前にはセクアナが立っていた。
ずっと帰るまで待ってくれたらしい。

「おーい……ただいま!」
かすれ声になりながらも安心させるために大きく叫んだ。

「トモヤ! 大丈夫?」

僕の姿を見つけると、駆けつけて肩を貸してくれた。
「アハハハ、ごめんね。自分から仕掛けておいてボコボコにされたいよ。まぁ、大丈夫だから心配しないで」

頬をかきながらそう言った。

セクアナは大きくため息をついていた。
「体、ボロボロじゃない。私が魔法で治すから静かに座って!」

久しぶりに怒られた。
セクアナはいつも面倒をみてくれる。
感謝だな。

「ありがとう!」
「どうしたのいきなり素直になって。いいから座って!」

早く怪我を治すために座らされた。

「それにしてもこの火傷はひどいね。よくここまで帰ってこれたよ」
「頑張ったよ僕も」

そんなことを話していると、セクアナの手から光が発生し、霧のような細かい水が出てきた。

火傷をしていた足はいつものように戻り、痛みも感じなくなっていた。

「これで痛くない?」
「おー、回復の魔法はやっぱりすごいね。その力ってもしかして女神の力も含まれている?」
「最近、昔の勘が戻ってきたから少し含まれているかもね。でも今は人間だから女神パワーみたいなものはないね」

いいな、少し羨ましい……

足が治り、家の中に入った。

そして母に今日の出来事を話した。静かに話を聞いて結局、何も言ってくれなかった。
ただ僕を哀れむ顔だけは向けていた。

と、思っていると、母はみんな大好物なカレーを作ってくれた。

間接的に慰めてくれる。

お母さん大好き!

それにしても今日は散々な目に遭ったな。貴族が入学した初日に問題を起こすなんて……

意外に僕は問題児なのかな?
今日のことに後悔はしていないが雷魔法のことをみんなに知られて、学校へ行くのが怖いくなった。


次の日になり、学校。

覚悟はしていた、ちゃんと覚悟していたが、とても苦しかった。

誰か生徒に出会うと避けられ、陰口を言われ、小さい子からは石を投げつけられた。

「この悪魔! この学校からいなくなっちまえ」
「どっか行け!」
「近づくな やー、とりゃー」
「どんどん投げつけろ!」

小さい子にさすがに魔法を向けることはできなかった。顔だけは手で覆いかぶせて防ぐ。

逃げるように学校へ向かった。

グラウンドや廊下を歩いても誰も近づかない。
セクアナは僕を哀れむようにこちらを向いて近くにいてくれるが、そんな顔されたら余計に苦しい。

教室に着くとアラン達が昔のようにいじめてきた。
最近は何をしても動じない僕を見て面白くなくなったのか関りがなかった。平和だった。
しかし、みんなから避けられて少し僕が落ち込んでいることをいいように思い、ちょっかいをかけてきた。

机に落書きで「死ね」や「消えろ」など書かれていた。
典型的ないじめだ。

今までは軽く考えていたが今日、それをされると怒りがこみ上げてきた。

「よく来れたなこの学校に! 貴族様に逆らった後、強そうな護衛が出てきたらコソコソ逃げる、ろくでなしが!」

「おい、調子に乗るなよ」
低い声で威嚇した。

その声を聞くとすこしビビっていたが、まだしつこく言い返してきた。

「なんだよ、やんのかこのろくでなし。やるなら来いよ! お前は、これからどうなるだろうな」
「あはよう!」

アランは挑発してきたがホノカの挨拶によって打ち消された。隣にはカナメもいた。

「また、そんなしょうもないことやってるの。面白い?」
正義感の強いホノカが苦手なのか何か捨てセリフを言って教室を出て行った。

「ごめんね、僕のせいでこんなことになって」
「いいよ、自分でやったことだから」

「そうだったね……私もごめん。みんなからの怖い視線に怯えて何も言い返せなかった。これからは守るから安心して!」

「そうだよ。みんながついてる。私もちゃんとトモヤのことを守るよ」

僕を三人が囲んで気持ちを抑えてくれた。

おかげで、苦しい気持ちがすこし落ち着く。


ふと、カナメを見ると手首や首、脚や頭など、あらゆるところに包帯が巻かれていた。

僕は昨日のセクアナの魔法によって、完全に回復している。
というか、今まであった肩こりや、修行の疲れなども取れて、いつもより元気かもしれない。

「カナメ! 私が魔法で怪我を治すよ。痛そうで、見てられない!」
「えっ、あっ、ありがとう」
「怪我が深いから手を握ってくれない?」
「てっ、手を!?」
「ほらほら、いいから」

おやおや、よかったね。
僕は心の中で呟いた。

恥ずかしがっているのか顔や手からすごい汗が出ていた。手汗をとるために一度ズボンで拭いてからセクアナの手を握る。
顔だけでなく耳まで赤くなっていた。

回復をする時にセクアナが両手で握りかえす。
そして手の周りには霧のような水が発生した。光が反射してすこし眩しい。
だからこそ、この光景は何度見ても綺麗だ。

目を閉じて魔法を唱えているセクアナの姿が可愛くて、カナメが目を合わせられなくなる。

見てるこっちがキュンキュンする。
これを自然にできるセクアナもすごい。

無事カナメの怪我も治り元気になった。

「あれ、回復魔法をかけたけど、なんかカナメの顔赤くない? ごめん、もしかして失敗したかな」
「ああ、うん、心配しなくていいよ。もう大丈夫だから」
「本当?」

不意打ちでセクアナはカナメのおでこに手をつけていた。
まさかの出来事でカナメは手を震わしておどおどしていた。

このままだと、カナメが違う意味で倒れそうになるから、どうにか話題を変える。

「それにしても今日、カールは何もしなかったな。てっきり校門の前で待ち伏せして、何かやり返すかと思っていたよ」

「本当本当! 私も何かするんじゃないかって怖がっていたよ。結局何もなくてよかったけど気をつけないとダメだね。
まぁみんな無事でよかったんじゃない!」
「そうだね!」

ホノカの明るい声で、お互いに安心しあった。

もう貴族からは何もない、この時の僕たちはそう、安心しきっていた。

ある事件によって、学校人生が崩れ去るなんて……


数ヶ月の時が過ぎた。

たくさんの人から非難を浴びせられることはあるが、楽しく学校には行けている。

「ただいま!」
「おかえり2人とも。今日も遅くまで遊んでいたんだね。せめて暗くなる前までにしなさい」

今まではあまり四人で学校が終わった後、遊ぶことはなかった。

でも、あの事件がきっかけで、より仲が深まった。
まるで大きな試練を乗り越えたように。

最近は遅くまで遊んでいる。

だから母に怒られるのも必然的で、
「お母さん、僕達もう14歳になるんだよ。日が暮れても僕たちは強いし、すこし遅く帰ってきてもいいんじゃない?」
「いえ、ダメ。大人でも夜は暗くて危険だから早く帰ってきなさい。小さい頃にモンスターの恐ろしさを学んだでしょ」
「それは……そうだけど」

モンスターの危険はしっかり身に染みているから反論ができなかった。

田舎ということもあり夜は真っ暗で魔石などの街灯もないことから、大人でも日が暮れるまでに大体帰っている。

たぶん夜遅くに帰るという文化はないんだろうな……

「それに明日、母さんは仕事に行くからあんまり面倒見れないし……」
「え!?」

唐突にそんな事を言われて目を丸くしていた。遊び疲れてソファでぐったりしていたセクアナもこの言葉を聞いて飛び起きた。

「お母さん、どういう事? お父さんから仕送りをもらっていたんじゃないの?」

この話題にはセクアナがとても食いついてきた。家庭的な問題があるといつも心配してくれる。

「いやー……それがその色々と理由があってね、その仕送りができなくなっちゃたんだ。一応、お金や食料は倉庫とかに貯蔵しているのよ。でも、もし無くなったらいけないからね。働く方がいいかなと思ったのよ」

「お父さんからの仕送りがなくなるのか……手紙とかも書けないかな? たまにお父さんに書いて楽しみにしてたから」
「それくらいならできるよ!」
「そっか、それならよかった」

手紙のやり取りができる事を聞いて安心した。僕のちょっとした楽しみだったから。

「私にできる事ならなんでも言ってね!」

娘の成長を嬉しく思うように笑いながら頭を撫でていた。

「そっか、ありがとうセクアナ。それなら、一つ頼んでもいいかな?」
「なんでもいいよ」
「母さん、朝はいるけどすこし遅く帰るから、夜ご飯を作っていてくれないかな? 
悪いけど、クタクタで作れないかもしれないから。あとトモヤのお世話もよろしくね! フフフ」
「分かった! トモヤのお世話を頑張る」
「ちょっと! 僕なにも問題起こさないよ」
「工作と魔法以外、何にもできないじゃない」
「ぐっ!」

セクアナの正論に論破されて愚の根も出なかった。
僕が落ち込んだら2人に笑われた。

「お願いね、2人共!」

最後に母は笑顔を見せた。
だが、いつもの笑顔ではなくてまるで何か嘘を隠しているようだった。
そして後ろを向いて歩いていく姿がとても寂しく見えた……


次の日
朝はいつも通り母がいて朝食を作ってくれた。
僕は毎朝、寝起きの悪いセクアナを起こしている。
この作業はとにかくだるい。なかなか起きてくれない。

まぁ、最終的にどんだけ起こそうとしても起きなかったら、軽い電気を浴びせて目を覚まさせている。

今日は素直に起きてくれた。


「お母さん行ってきます!」
「夜は色々とやるから心配しないで。私も行ってきます!」
「行ってらっしゃい」

僕たちが家を出ると、少し家業をして母も家を出て行った。


授業が終わって昼休みになった。
僕達は昼食を食べ終わり、いつものように談笑する。
「で、そうしたらお父ちゃんうごっ、うごって白目をむいてまだ寝ていていたんだよ。もうその顔が面白過ぎたよ」
「アハハハハハハ!!」

「そうそう、僕達のお母さん今日から仕事に行くんだ」
「へー、珍しいね。家事が大変だから大体、女性は家にいるのが普通なのに」

「えっ! じゃあどうやって家事をするの? 」

「それはもちろん私じゃない。トモヤは工作と魔法しかできないから私がお世話してあげるんだよ!」
「確かにトモヤの世話もしないとね!」
「毎回思うけど僕そんな、何も出できないかな? あと2人とも納得するな!」

「フフフ、それだけ何もできないって思われてるんじゃないの?」

みんなから何もできないと思われて、すこしに悔しかった。
そしてセクアナの挑発が追い討ちをかけてくる。
絶妙なタイミングに言ってムカつかせるな……

「仕事といえばみんな将来の夢はあるの?」
「僕は父上の仕事を継いで建築系に進むかな……」
「私はお金をたくさん貯めていつか貴族様のような屋敷を建てることかな!」

ホノカの相変わらず、子どもっぽい夢に僕達は顔をひきつりながらも笑った。

「トモヤは何になるの?」
「僕はずっと決めていた事だけど、魔法騎士に入団して魔王サタンを倒すんだ!
この雷魔法が自分の魔法って知ってからずっと決めてた。これが神様からのメッセージなのかなーと、思って!!」
セクアナの方をチラチラと見たが、聞いていなかったようだ。

「私も同じ。この世界をもっと良くしたい!」

その事を告げるとホノカとカナメは寂しそうにしていた。

「じゃあ、あと二年でお別れだね」
「寂しいよー! ずっとみんなでいられると思ったのに」
「まぁ、いつか帰ってくるから、その時に歓迎してよ!」

「約束だよ」

僕の言葉に二人は小さな笑みを向けた。

みんなでいつか大人になってから必ず会うと、約束した。



今日も学校が終わった。
みんなと一緒に帰ろうと思ったが、セクアナ達の姿がない。

そう思えばさっきは個別になって森を探索する授業だったな。
もしかして森の中で迷ってるのかな?

僕じゃないんだからそんなことはないか。

しばらく学校の中を探したが見つからない。

しょうがないと思い、一人で帰ろうとした瞬間、後ろから誰かに呼ばれた。
「トモヤ、トモヤ大変! はぁはぁ……」

息を荒くしてセクアナが猛スピードで走ってきた。

「はぁはぁ……はっ、速く、はぁはぁ……行って……カナメとホノカを助けて……はぁはぁ」

急なこともあり、自分の頭は追いつかない。
ただ、今までにないほどセクアナは焦っていた。

その様子から二人に何か危険が迫っていると悟った。

「どこ、どこに行けばいいの?」
「まだ走れるから着いてきて! 二人がカールたちに酷い目に合わされていたの……私は『悪魔を呼んで来い』って言われて……
私、カナメ達が傷ついてるのを見ていたら何もできなくて……」

セクアナは体と声が震えていた。

「そんなこと悔やんでもしょうがないから早く教えて!」
「うん、着いてきて」

僕は全速力で走るセクアナについて行った。学校からすこし離れた広場。
まだ帰る途中の子ども達が遊んでいた。

その奥には堂々とカールと三人の取り巻きが立っている。

カナメとホノカは無事かと周りを見渡すと……それは飛び込んできた。

「……なっ」

服がボロボロになっているとともに赤い滴が垂れていた……
生えた大きな木のもとに2人は寝かされていた。

ぴくりとも動かない。
体には刃物のような物で斬られたのか切り傷でいっぱいだ。顔は殴られたのかカナメの目は赤くなり、頬は腫れていた。

女であるホノカには顔の右頬を刃物で切られていて一生消えない傷ができていた。
カール達にされた拷問がどれだけ酷かったかわかる。

「俺がこれからずっとおとなしくしていると思ったか悪魔! お前が一番、嫌がるであろう事をやってやったぞ!
どうだ今の気分は? ハッハハハ!
見てみろよこいつらの情けない顔!」

足で蹴ってゴミのように扱う。

衝撃が強過ぎて頭がフリーズする。

僕が固まっていると、次は取り巻き達がセクアナを標的にし始めた。

「そこの姉ちゃん、可愛いじゃあねえか。ちょっと来いよ」
「カール様、ちょっとこの女も好きにしてもいいのですかい?」
「ああ、そんなやつ好きにしろ、俺はこいつの反応で十分だ!」

「ちょっと、離してください!」

2人がかりでセクアナの両腕をつかんでいた。

「おお、いいじゃねえかその叫び声。気の強い女は嫌いじゃないぜ」

セクアナも全速力で走ったから、体力があまり残っていなく、強い抵抗ができなかった。

「おい、こいつ、しつこいからすこし静かにさせろ!」

パチン!

「あっ!」

男のビンタでセクアナは倒れ込んだ。
筋肉のある奴が叩いたので、一発で体が動かない状態になった。

「これですこしは静かになったな。これから俺たちといいことしような」

不気味な笑顔を見せながらセクアナに近づいていく。

「や・め・ろ ……何やってんだ!!」

僕の叫び声にカールは笑っていた。
「もっと、もっとお前の情けない声を聞かせろ!」


「ウォーター・ボール」
小さくセクアナが言うと、バスケットボールくらいの水弾が出てきて取り巻き達を襲った。

「うぁっ!」
「くそって、痛え」
「服がこいつによって泥塗れた」

最後のセクアナの抵抗も虚しく終わる。

と、同時に彼らの目つきが変わった。
もう遊びはやめ、今にも殴りかかるような冷酷な目。

「おい、なに先輩に向かって魔法をぶつけているんだ?」

「そうだ、この潔癖の僕を泥まみれにしたんだぞ! それ相応の罰を与えないと」
「こいつにも、あの女と同じように一生消えない傷を顔につけてやろうぜ!
ヒッヒヒヒ」


酷い仕打ちをされそうな後ろでは、

「ああ、見ろよ。悪魔と一緒に生活していたからあんな目にあっているぜ」
「まぁ、当然の罰だな」
「あいつら殺されかけてやんの。本当馬鹿だよな」
「貴族様に逆らうから、あんなことになるんだよ」
周りで見ていた他の生徒がそう言っていた。


なんなんだ……これは……

悪魔は僕なんかじゃない……
悪魔はここにいる奴ら全てだ!

人が近くで叫び声を上げながら刃物で顔や体を切られているのに、何も感じない。怖れることもなく、痛めつけられるのが当然だと思っている。

貴族や一つ上の奴らも少し地位が高いから利用して、僕を貶めるために平気で人を傷つける。


ありえない。
もう周りの奴らが真っ黒の影にしか見えない。
全ての奴らが僕を憎しみ、恨みを持ち、それを僕だけでなく友達にまで向けてくる。

許せない、ふざけるな!

怒り、恨み、憎悪、妬み……
ドス黒い感情が体の中を侵食してくる。

許さない、許さない、許さない!

………殺してやる………殺してやる!

頭の中が真っ白になった。まるで何かにとりつかれたように。

「ああああああああぁぁぁぁぁ!!!」

広場全体に青い閃光が走る。

地面はひび割れ、轟音と共に全てを飲み込む。

ドカドカッ、ガッシャン!!


気がつくと周りにいた奴らは大半が倒れていて、カールは腰を抜かして怯えていた。
取り巻きの三人はセクアナの前でまるこげで倒れている……


僕はやってしまった……

母が話していた伝承の通り魔法が暴走してしまった。

絶望でしばらく立つことができなかった。


ああ、終わってしまったな………

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜

まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、 専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活   現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。   しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。   彼は大陸一の富を誇る名門貴族―― ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。   カイルに与えられたのは ・世界一とも言える圧倒的な財力 ・財力に比例して増大する規格外の魔力   そして何より彼を驚かせたのは――   彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。   献身的なエルフのメイド長リリア。 護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。   さらに個性豊かな巨乳メイドたち。   カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。   すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――   「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」   領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、 時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、   最強の御曹司カイルは 世界一幸せなハーレムを築いていく。 最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

【1/20本編堂々完結!】自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」 帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。 さて。 「とりあえず──妹と家族は救わないと」 あと金持ちになって、ニート三昧だな。 こっちは地球と環境が違いすぎるし。 やりたい事が多いな。 「さ、お別れの時間だ」 これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。 ※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。 ※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。 ゆっくり投稿です。

処理中です...