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異世界
雷魔法の暴走
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はぁはぁ……
カナメを無事家まで連れて帰った。
カナメは大怪我だったから連れて帰った時、両親にとても驚かれた。
命に外傷はないのでいいけれど。
送り届けると次は一人で家に帰る。
足を火傷しているから木の棒を見つけて杖の代わりに使った。
家まで遠く、いつものように歩けないから大変だった。
だから家に着く頃にはすでに日が落ちて辺りは暗くなっていた。
家の前にはセクアナが立っていた。
ずっと帰るまで待ってくれたらしい。
「おーい……ただいま!」
かすれ声になりながらも安心させるために大きく叫んだ。
「トモヤ! 大丈夫?」
僕の姿を見つけると、駆けつけて肩を貸してくれた。
「アハハハ、ごめんね。自分から仕掛けておいてボコボコにされたいよ。まぁ、大丈夫だから心配しないで」
頬をかきながらそう言った。
セクアナは大きくため息をついていた。
「体、ボロボロじゃない。私が魔法で治すから静かに座って!」
久しぶりに怒られた。
セクアナはいつも面倒をみてくれる。
感謝だな。
「ありがとう!」
「どうしたのいきなり素直になって。いいから座って!」
早く怪我を治すために座らされた。
「それにしてもこの火傷はひどいね。よくここまで帰ってこれたよ」
「頑張ったよ僕も」
そんなことを話していると、セクアナの手から光が発生し、霧のような細かい水が出てきた。
火傷をしていた足はいつものように戻り、痛みも感じなくなっていた。
「これで痛くない?」
「おー、回復の魔法はやっぱりすごいね。その力ってもしかして女神の力も含まれている?」
「最近、昔の勘が戻ってきたから少し含まれているかもね。でも今は人間だから女神パワーみたいなものはないね」
いいな、少し羨ましい……
足が治り、家の中に入った。
そして母に今日の出来事を話した。静かに話を聞いて結局、何も言ってくれなかった。
ただ僕を哀れむ顔だけは向けていた。
と、思っていると、母はみんな大好物なカレーを作ってくれた。
間接的に慰めてくれる。
お母さん大好き!
それにしても今日は散々な目に遭ったな。貴族が入学した初日に問題を起こすなんて……
意外に僕は問題児なのかな?
今日のことに後悔はしていないが雷魔法のことをみんなに知られて、学校へ行くのが怖いくなった。
次の日になり、学校。
覚悟はしていた、ちゃんと覚悟していたが、とても苦しかった。
誰か生徒に出会うと避けられ、陰口を言われ、小さい子からは石を投げつけられた。
「この悪魔! この学校からいなくなっちまえ」
「どっか行け!」
「近づくな やー、とりゃー」
「どんどん投げつけろ!」
小さい子にさすがに魔法を向けることはできなかった。顔だけは手で覆いかぶせて防ぐ。
逃げるように学校へ向かった。
グラウンドや廊下を歩いても誰も近づかない。
セクアナは僕を哀れむようにこちらを向いて近くにいてくれるが、そんな顔されたら余計に苦しい。
教室に着くとアラン達が昔のようにいじめてきた。
最近は何をしても動じない僕を見て面白くなくなったのか関りがなかった。平和だった。
しかし、みんなから避けられて少し僕が落ち込んでいることをいいように思い、ちょっかいをかけてきた。
机に落書きで「死ね」や「消えろ」など書かれていた。
典型的ないじめだ。
今までは軽く考えていたが今日、それをされると怒りがこみ上げてきた。
「よく来れたなこの学校に! 貴族様に逆らった後、強そうな護衛が出てきたらコソコソ逃げる、ろくでなしが!」
「おい、調子に乗るなよ」
低い声で威嚇した。
その声を聞くとすこしビビっていたが、まだしつこく言い返してきた。
「なんだよ、やんのかこのろくでなし。やるなら来いよ! お前は、これからどうなるだろうな」
「あはよう!」
アランは挑発してきたがホノカの挨拶によって打ち消された。隣にはカナメもいた。
「また、そんなしょうもないことやってるの。面白い?」
正義感の強いホノカが苦手なのか何か捨てセリフを言って教室を出て行った。
「ごめんね、僕のせいでこんなことになって」
「いいよ、自分でやったことだから」
「そうだったね……私もごめん。みんなからの怖い視線に怯えて何も言い返せなかった。これからは守るから安心して!」
「そうだよ。みんながついてる。私もちゃんとトモヤのことを守るよ」
僕を三人が囲んで気持ちを抑えてくれた。
おかげで、苦しい気持ちがすこし落ち着く。
ふと、カナメを見ると手首や首、脚や頭など、あらゆるところに包帯が巻かれていた。
僕は昨日のセクアナの魔法によって、完全に回復している。
というか、今まであった肩こりや、修行の疲れなども取れて、いつもより元気かもしれない。
「カナメ! 私が魔法で怪我を治すよ。痛そうで、見てられない!」
「えっ、あっ、ありがとう」
「怪我が深いから手を握ってくれない?」
「てっ、手を!?」
「ほらほら、いいから」
おやおや、よかったね。
僕は心の中で呟いた。
恥ずかしがっているのか顔や手からすごい汗が出ていた。手汗をとるために一度ズボンで拭いてからセクアナの手を握る。
顔だけでなく耳まで赤くなっていた。
回復をする時にセクアナが両手で握りかえす。
そして手の周りには霧のような水が発生した。光が反射してすこし眩しい。
だからこそ、この光景は何度見ても綺麗だ。
目を閉じて魔法を唱えているセクアナの姿が可愛くて、カナメが目を合わせられなくなる。
見てるこっちがキュンキュンする。
これを自然にできるセクアナもすごい。
無事カナメの怪我も治り元気になった。
「あれ、回復魔法をかけたけど、なんかカナメの顔赤くない? ごめん、もしかして失敗したかな」
「ああ、うん、心配しなくていいよ。もう大丈夫だから」
「本当?」
不意打ちでセクアナはカナメのおでこに手をつけていた。
まさかの出来事でカナメは手を震わしておどおどしていた。
このままだと、カナメが違う意味で倒れそうになるから、どうにか話題を変える。
「それにしても今日、カールは何もしなかったな。てっきり校門の前で待ち伏せして、何かやり返すかと思っていたよ」
「本当本当! 私も何かするんじゃないかって怖がっていたよ。結局何もなくてよかったけど気をつけないとダメだね。
まぁみんな無事でよかったんじゃない!」
「そうだね!」
ホノカの明るい声で、お互いに安心しあった。
もう貴族からは何もない、この時の僕たちはそう、安心しきっていた。
ある事件によって、学校人生が崩れ去るなんて……
数ヶ月の時が過ぎた。
たくさんの人から非難を浴びせられることはあるが、楽しく学校には行けている。
「ただいま!」
「おかえり2人とも。今日も遅くまで遊んでいたんだね。せめて暗くなる前までにしなさい」
今まではあまり四人で学校が終わった後、遊ぶことはなかった。
でも、あの事件がきっかけで、より仲が深まった。
まるで大きな試練を乗り越えたように。
最近は遅くまで遊んでいる。
だから母に怒られるのも必然的で、
「お母さん、僕達もう14歳になるんだよ。日が暮れても僕たちは強いし、すこし遅く帰ってきてもいいんじゃない?」
「いえ、ダメ。大人でも夜は暗くて危険だから早く帰ってきなさい。小さい頃にモンスターの恐ろしさを学んだでしょ」
「それは……そうだけど」
モンスターの危険はしっかり身に染みているから反論ができなかった。
田舎ということもあり夜は真っ暗で魔石などの街灯もないことから、大人でも日が暮れるまでに大体帰っている。
たぶん夜遅くに帰るという文化はないんだろうな……
「それに明日、母さんは仕事に行くからあんまり面倒見れないし……」
「え!?」
唐突にそんな事を言われて目を丸くしていた。遊び疲れてソファでぐったりしていたセクアナもこの言葉を聞いて飛び起きた。
「お母さん、どういう事? お父さんから仕送りをもらっていたんじゃないの?」
この話題にはセクアナがとても食いついてきた。家庭的な問題があるといつも心配してくれる。
「いやー……それがその色々と理由があってね、その仕送りができなくなっちゃたんだ。一応、お金や食料は倉庫とかに貯蔵しているのよ。でも、もし無くなったらいけないからね。働く方がいいかなと思ったのよ」
「お父さんからの仕送りがなくなるのか……手紙とかも書けないかな? たまにお父さんに書いて楽しみにしてたから」
「それくらいならできるよ!」
「そっか、それならよかった」
手紙のやり取りができる事を聞いて安心した。僕のちょっとした楽しみだったから。
「私にできる事ならなんでも言ってね!」
娘の成長を嬉しく思うように笑いながら頭を撫でていた。
「そっか、ありがとうセクアナ。それなら、一つ頼んでもいいかな?」
「なんでもいいよ」
「母さん、朝はいるけどすこし遅く帰るから、夜ご飯を作っていてくれないかな?
悪いけど、クタクタで作れないかもしれないから。あとトモヤのお世話もよろしくね! フフフ」
「分かった! トモヤのお世話を頑張る」
「ちょっと! 僕なにも問題起こさないよ」
「工作と魔法以外、何にもできないじゃない」
「ぐっ!」
セクアナの正論に論破されて愚の根も出なかった。
僕が落ち込んだら2人に笑われた。
「お願いね、2人共!」
最後に母は笑顔を見せた。
だが、いつもの笑顔ではなくてまるで何か嘘を隠しているようだった。
そして後ろを向いて歩いていく姿がとても寂しく見えた……
次の日
朝はいつも通り母がいて朝食を作ってくれた。
僕は毎朝、寝起きの悪いセクアナを起こしている。
この作業はとにかくだるい。なかなか起きてくれない。
まぁ、最終的にどんだけ起こそうとしても起きなかったら、軽い電気を浴びせて目を覚まさせている。
今日は素直に起きてくれた。
「お母さん行ってきます!」
「夜は色々とやるから心配しないで。私も行ってきます!」
「行ってらっしゃい」
僕たちが家を出ると、少し家業をして母も家を出て行った。
授業が終わって昼休みになった。
僕達は昼食を食べ終わり、いつものように談笑する。
「で、そうしたらお父ちゃんうごっ、うごって白目をむいてまだ寝ていていたんだよ。もうその顔が面白過ぎたよ」
「アハハハハハハ!!」
「そうそう、僕達のお母さん今日から仕事に行くんだ」
「へー、珍しいね。家事が大変だから大体、女性は家にいるのが普通なのに」
「えっ! じゃあどうやって家事をするの? 」
「それはもちろん私じゃない。トモヤは工作と魔法しかできないから私がお世話してあげるんだよ!」
「確かにトモヤの世話もしないとね!」
「毎回思うけど僕そんな、何も出できないかな? あと2人とも納得するな!」
「フフフ、それだけ何もできないって思われてるんじゃないの?」
みんなから何もできないと思われて、すこしに悔しかった。
そしてセクアナの挑発が追い討ちをかけてくる。
絶妙なタイミングに言ってムカつかせるな……
「仕事といえばみんな将来の夢はあるの?」
「僕は父上の仕事を継いで建築系に進むかな……」
「私はお金をたくさん貯めていつか貴族様のような屋敷を建てることかな!」
ホノカの相変わらず、子どもっぽい夢に僕達は顔をひきつりながらも笑った。
「トモヤは何になるの?」
「僕はずっと決めていた事だけど、魔法騎士に入団して魔王サタンを倒すんだ!
この雷魔法が自分の魔法って知ってからずっと決めてた。これが神様からのメッセージなのかなーと、思って!!」
セクアナの方をチラチラと見たが、聞いていなかったようだ。
「私も同じ。この世界をもっと良くしたい!」
その事を告げるとホノカとカナメは寂しそうにしていた。
「じゃあ、あと二年でお別れだね」
「寂しいよー! ずっとみんなでいられると思ったのに」
「まぁ、いつか帰ってくるから、その時に歓迎してよ!」
「約束だよ」
僕の言葉に二人は小さな笑みを向けた。
みんなでいつか大人になってから必ず会うと、約束した。
今日も学校が終わった。
みんなと一緒に帰ろうと思ったが、セクアナ達の姿がない。
そう思えばさっきは個別になって森を探索する授業だったな。
もしかして森の中で迷ってるのかな?
僕じゃないんだからそんなことはないか。
しばらく学校の中を探したが見つからない。
しょうがないと思い、一人で帰ろうとした瞬間、後ろから誰かに呼ばれた。
「トモヤ、トモヤ大変! はぁはぁ……」
息を荒くしてセクアナが猛スピードで走ってきた。
「はぁはぁ……はっ、速く、はぁはぁ……行って……カナメとホノカを助けて……はぁはぁ」
急なこともあり、自分の頭は追いつかない。
ただ、今までにないほどセクアナは焦っていた。
その様子から二人に何か危険が迫っていると悟った。
「どこ、どこに行けばいいの?」
「まだ走れるから着いてきて! 二人がカールたちに酷い目に合わされていたの……私は『悪魔を呼んで来い』って言われて……
私、カナメ達が傷ついてるのを見ていたら何もできなくて……」
セクアナは体と声が震えていた。
「そんなこと悔やんでもしょうがないから早く教えて!」
「うん、着いてきて」
僕は全速力で走るセクアナについて行った。学校からすこし離れた広場。
まだ帰る途中の子ども達が遊んでいた。
その奥には堂々とカールと三人の取り巻きが立っている。
カナメとホノカは無事かと周りを見渡すと……それは飛び込んできた。
「……なっ」
服がボロボロになっているとともに赤い滴が垂れていた……
生えた大きな木のもとに2人は寝かされていた。
ぴくりとも動かない。
体には刃物のような物で斬られたのか切り傷でいっぱいだ。顔は殴られたのかカナメの目は赤くなり、頬は腫れていた。
女であるホノカには顔の右頬を刃物で切られていて一生消えない傷ができていた。
カール達にされた拷問がどれだけ酷かったかわかる。
「俺がこれからずっとおとなしくしていると思ったか悪魔! お前が一番、嫌がるであろう事をやってやったぞ!
どうだ今の気分は? ハッハハハ!
見てみろよこいつらの情けない顔!」
足で蹴ってゴミのように扱う。
衝撃が強過ぎて頭がフリーズする。
僕が固まっていると、次は取り巻き達がセクアナを標的にし始めた。
「そこの姉ちゃん、可愛いじゃあねえか。ちょっと来いよ」
「カール様、ちょっとこの女も好きにしてもいいのですかい?」
「ああ、そんなやつ好きにしろ、俺はこいつの反応で十分だ!」
「ちょっと、離してください!」
2人がかりでセクアナの両腕をつかんでいた。
「おお、いいじゃねえかその叫び声。気の強い女は嫌いじゃないぜ」
セクアナも全速力で走ったから、体力があまり残っていなく、強い抵抗ができなかった。
「おい、こいつ、しつこいからすこし静かにさせろ!」
パチン!
「あっ!」
男のビンタでセクアナは倒れ込んだ。
筋肉のある奴が叩いたので、一発で体が動かない状態になった。
「これですこしは静かになったな。これから俺たちといいことしような」
不気味な笑顔を見せながらセクアナに近づいていく。
「や・め・ろ ……何やってんだ!!」
僕の叫び声にカールは笑っていた。
「もっと、もっとお前の情けない声を聞かせろ!」
「ウォーター・ボール」
小さくセクアナが言うと、バスケットボールくらいの水弾が出てきて取り巻き達を襲った。
「うぁっ!」
「くそって、痛え」
「服がこいつによって泥塗れた」
最後のセクアナの抵抗も虚しく終わる。
と、同時に彼らの目つきが変わった。
もう遊びはやめ、今にも殴りかかるような冷酷な目。
「おい、なに先輩に向かって魔法をぶつけているんだ?」
「そうだ、この潔癖の僕を泥まみれにしたんだぞ! それ相応の罰を与えないと」
「こいつにも、あの女と同じように一生消えない傷を顔につけてやろうぜ!
ヒッヒヒヒ」
酷い仕打ちをされそうな後ろでは、
「ああ、見ろよ。悪魔と一緒に生活していたからあんな目にあっているぜ」
「まぁ、当然の罰だな」
「あいつら殺されかけてやんの。本当馬鹿だよな」
「貴族様に逆らうから、あんなことになるんだよ」
周りで見ていた他の生徒がそう言っていた。
なんなんだ……これは……
悪魔は僕なんかじゃない……
悪魔はここにいる奴ら全てだ!
人が近くで叫び声を上げながら刃物で顔や体を切られているのに、何も感じない。怖れることもなく、痛めつけられるのが当然だと思っている。
貴族や一つ上の奴らも少し地位が高いから利用して、僕を貶めるために平気で人を傷つける。
ありえない。
もう周りの奴らが真っ黒の影にしか見えない。
全ての奴らが僕を憎しみ、恨みを持ち、それを僕だけでなく友達にまで向けてくる。
許せない、ふざけるな!
怒り、恨み、憎悪、妬み……
ドス黒い感情が体の中を侵食してくる。
許さない、許さない、許さない!
………殺してやる………殺してやる!
頭の中が真っ白になった。まるで何かにとりつかれたように。
「ああああああああぁぁぁぁぁ!!!」
広場全体に青い閃光が走る。
地面はひび割れ、轟音と共に全てを飲み込む。
ドカドカッ、ガッシャン!!
気がつくと周りにいた奴らは大半が倒れていて、カールは腰を抜かして怯えていた。
取り巻きの三人はセクアナの前でまるこげで倒れている……
僕はやってしまった……
母が話していた伝承の通り魔法が暴走してしまった。
絶望でしばらく立つことができなかった。
ああ、終わってしまったな………
カナメを無事家まで連れて帰った。
カナメは大怪我だったから連れて帰った時、両親にとても驚かれた。
命に外傷はないのでいいけれど。
送り届けると次は一人で家に帰る。
足を火傷しているから木の棒を見つけて杖の代わりに使った。
家まで遠く、いつものように歩けないから大変だった。
だから家に着く頃にはすでに日が落ちて辺りは暗くなっていた。
家の前にはセクアナが立っていた。
ずっと帰るまで待ってくれたらしい。
「おーい……ただいま!」
かすれ声になりながらも安心させるために大きく叫んだ。
「トモヤ! 大丈夫?」
僕の姿を見つけると、駆けつけて肩を貸してくれた。
「アハハハ、ごめんね。自分から仕掛けておいてボコボコにされたいよ。まぁ、大丈夫だから心配しないで」
頬をかきながらそう言った。
セクアナは大きくため息をついていた。
「体、ボロボロじゃない。私が魔法で治すから静かに座って!」
久しぶりに怒られた。
セクアナはいつも面倒をみてくれる。
感謝だな。
「ありがとう!」
「どうしたのいきなり素直になって。いいから座って!」
早く怪我を治すために座らされた。
「それにしてもこの火傷はひどいね。よくここまで帰ってこれたよ」
「頑張ったよ僕も」
そんなことを話していると、セクアナの手から光が発生し、霧のような細かい水が出てきた。
火傷をしていた足はいつものように戻り、痛みも感じなくなっていた。
「これで痛くない?」
「おー、回復の魔法はやっぱりすごいね。その力ってもしかして女神の力も含まれている?」
「最近、昔の勘が戻ってきたから少し含まれているかもね。でも今は人間だから女神パワーみたいなものはないね」
いいな、少し羨ましい……
足が治り、家の中に入った。
そして母に今日の出来事を話した。静かに話を聞いて結局、何も言ってくれなかった。
ただ僕を哀れむ顔だけは向けていた。
と、思っていると、母はみんな大好物なカレーを作ってくれた。
間接的に慰めてくれる。
お母さん大好き!
それにしても今日は散々な目に遭ったな。貴族が入学した初日に問題を起こすなんて……
意外に僕は問題児なのかな?
今日のことに後悔はしていないが雷魔法のことをみんなに知られて、学校へ行くのが怖いくなった。
次の日になり、学校。
覚悟はしていた、ちゃんと覚悟していたが、とても苦しかった。
誰か生徒に出会うと避けられ、陰口を言われ、小さい子からは石を投げつけられた。
「この悪魔! この学校からいなくなっちまえ」
「どっか行け!」
「近づくな やー、とりゃー」
「どんどん投げつけろ!」
小さい子にさすがに魔法を向けることはできなかった。顔だけは手で覆いかぶせて防ぐ。
逃げるように学校へ向かった。
グラウンドや廊下を歩いても誰も近づかない。
セクアナは僕を哀れむようにこちらを向いて近くにいてくれるが、そんな顔されたら余計に苦しい。
教室に着くとアラン達が昔のようにいじめてきた。
最近は何をしても動じない僕を見て面白くなくなったのか関りがなかった。平和だった。
しかし、みんなから避けられて少し僕が落ち込んでいることをいいように思い、ちょっかいをかけてきた。
机に落書きで「死ね」や「消えろ」など書かれていた。
典型的ないじめだ。
今までは軽く考えていたが今日、それをされると怒りがこみ上げてきた。
「よく来れたなこの学校に! 貴族様に逆らった後、強そうな護衛が出てきたらコソコソ逃げる、ろくでなしが!」
「おい、調子に乗るなよ」
低い声で威嚇した。
その声を聞くとすこしビビっていたが、まだしつこく言い返してきた。
「なんだよ、やんのかこのろくでなし。やるなら来いよ! お前は、これからどうなるだろうな」
「あはよう!」
アランは挑発してきたがホノカの挨拶によって打ち消された。隣にはカナメもいた。
「また、そんなしょうもないことやってるの。面白い?」
正義感の強いホノカが苦手なのか何か捨てセリフを言って教室を出て行った。
「ごめんね、僕のせいでこんなことになって」
「いいよ、自分でやったことだから」
「そうだったね……私もごめん。みんなからの怖い視線に怯えて何も言い返せなかった。これからは守るから安心して!」
「そうだよ。みんながついてる。私もちゃんとトモヤのことを守るよ」
僕を三人が囲んで気持ちを抑えてくれた。
おかげで、苦しい気持ちがすこし落ち着く。
ふと、カナメを見ると手首や首、脚や頭など、あらゆるところに包帯が巻かれていた。
僕は昨日のセクアナの魔法によって、完全に回復している。
というか、今まであった肩こりや、修行の疲れなども取れて、いつもより元気かもしれない。
「カナメ! 私が魔法で怪我を治すよ。痛そうで、見てられない!」
「えっ、あっ、ありがとう」
「怪我が深いから手を握ってくれない?」
「てっ、手を!?」
「ほらほら、いいから」
おやおや、よかったね。
僕は心の中で呟いた。
恥ずかしがっているのか顔や手からすごい汗が出ていた。手汗をとるために一度ズボンで拭いてからセクアナの手を握る。
顔だけでなく耳まで赤くなっていた。
回復をする時にセクアナが両手で握りかえす。
そして手の周りには霧のような水が発生した。光が反射してすこし眩しい。
だからこそ、この光景は何度見ても綺麗だ。
目を閉じて魔法を唱えているセクアナの姿が可愛くて、カナメが目を合わせられなくなる。
見てるこっちがキュンキュンする。
これを自然にできるセクアナもすごい。
無事カナメの怪我も治り元気になった。
「あれ、回復魔法をかけたけど、なんかカナメの顔赤くない? ごめん、もしかして失敗したかな」
「ああ、うん、心配しなくていいよ。もう大丈夫だから」
「本当?」
不意打ちでセクアナはカナメのおでこに手をつけていた。
まさかの出来事でカナメは手を震わしておどおどしていた。
このままだと、カナメが違う意味で倒れそうになるから、どうにか話題を変える。
「それにしても今日、カールは何もしなかったな。てっきり校門の前で待ち伏せして、何かやり返すかと思っていたよ」
「本当本当! 私も何かするんじゃないかって怖がっていたよ。結局何もなくてよかったけど気をつけないとダメだね。
まぁみんな無事でよかったんじゃない!」
「そうだね!」
ホノカの明るい声で、お互いに安心しあった。
もう貴族からは何もない、この時の僕たちはそう、安心しきっていた。
ある事件によって、学校人生が崩れ去るなんて……
数ヶ月の時が過ぎた。
たくさんの人から非難を浴びせられることはあるが、楽しく学校には行けている。
「ただいま!」
「おかえり2人とも。今日も遅くまで遊んでいたんだね。せめて暗くなる前までにしなさい」
今まではあまり四人で学校が終わった後、遊ぶことはなかった。
でも、あの事件がきっかけで、より仲が深まった。
まるで大きな試練を乗り越えたように。
最近は遅くまで遊んでいる。
だから母に怒られるのも必然的で、
「お母さん、僕達もう14歳になるんだよ。日が暮れても僕たちは強いし、すこし遅く帰ってきてもいいんじゃない?」
「いえ、ダメ。大人でも夜は暗くて危険だから早く帰ってきなさい。小さい頃にモンスターの恐ろしさを学んだでしょ」
「それは……そうだけど」
モンスターの危険はしっかり身に染みているから反論ができなかった。
田舎ということもあり夜は真っ暗で魔石などの街灯もないことから、大人でも日が暮れるまでに大体帰っている。
たぶん夜遅くに帰るという文化はないんだろうな……
「それに明日、母さんは仕事に行くからあんまり面倒見れないし……」
「え!?」
唐突にそんな事を言われて目を丸くしていた。遊び疲れてソファでぐったりしていたセクアナもこの言葉を聞いて飛び起きた。
「お母さん、どういう事? お父さんから仕送りをもらっていたんじゃないの?」
この話題にはセクアナがとても食いついてきた。家庭的な問題があるといつも心配してくれる。
「いやー……それがその色々と理由があってね、その仕送りができなくなっちゃたんだ。一応、お金や食料は倉庫とかに貯蔵しているのよ。でも、もし無くなったらいけないからね。働く方がいいかなと思ったのよ」
「お父さんからの仕送りがなくなるのか……手紙とかも書けないかな? たまにお父さんに書いて楽しみにしてたから」
「それくらいならできるよ!」
「そっか、それならよかった」
手紙のやり取りができる事を聞いて安心した。僕のちょっとした楽しみだったから。
「私にできる事ならなんでも言ってね!」
娘の成長を嬉しく思うように笑いながら頭を撫でていた。
「そっか、ありがとうセクアナ。それなら、一つ頼んでもいいかな?」
「なんでもいいよ」
「母さん、朝はいるけどすこし遅く帰るから、夜ご飯を作っていてくれないかな?
悪いけど、クタクタで作れないかもしれないから。あとトモヤのお世話もよろしくね! フフフ」
「分かった! トモヤのお世話を頑張る」
「ちょっと! 僕なにも問題起こさないよ」
「工作と魔法以外、何にもできないじゃない」
「ぐっ!」
セクアナの正論に論破されて愚の根も出なかった。
僕が落ち込んだら2人に笑われた。
「お願いね、2人共!」
最後に母は笑顔を見せた。
だが、いつもの笑顔ではなくてまるで何か嘘を隠しているようだった。
そして後ろを向いて歩いていく姿がとても寂しく見えた……
次の日
朝はいつも通り母がいて朝食を作ってくれた。
僕は毎朝、寝起きの悪いセクアナを起こしている。
この作業はとにかくだるい。なかなか起きてくれない。
まぁ、最終的にどんだけ起こそうとしても起きなかったら、軽い電気を浴びせて目を覚まさせている。
今日は素直に起きてくれた。
「お母さん行ってきます!」
「夜は色々とやるから心配しないで。私も行ってきます!」
「行ってらっしゃい」
僕たちが家を出ると、少し家業をして母も家を出て行った。
授業が終わって昼休みになった。
僕達は昼食を食べ終わり、いつものように談笑する。
「で、そうしたらお父ちゃんうごっ、うごって白目をむいてまだ寝ていていたんだよ。もうその顔が面白過ぎたよ」
「アハハハハハハ!!」
「そうそう、僕達のお母さん今日から仕事に行くんだ」
「へー、珍しいね。家事が大変だから大体、女性は家にいるのが普通なのに」
「えっ! じゃあどうやって家事をするの? 」
「それはもちろん私じゃない。トモヤは工作と魔法しかできないから私がお世話してあげるんだよ!」
「確かにトモヤの世話もしないとね!」
「毎回思うけど僕そんな、何も出できないかな? あと2人とも納得するな!」
「フフフ、それだけ何もできないって思われてるんじゃないの?」
みんなから何もできないと思われて、すこしに悔しかった。
そしてセクアナの挑発が追い討ちをかけてくる。
絶妙なタイミングに言ってムカつかせるな……
「仕事といえばみんな将来の夢はあるの?」
「僕は父上の仕事を継いで建築系に進むかな……」
「私はお金をたくさん貯めていつか貴族様のような屋敷を建てることかな!」
ホノカの相変わらず、子どもっぽい夢に僕達は顔をひきつりながらも笑った。
「トモヤは何になるの?」
「僕はずっと決めていた事だけど、魔法騎士に入団して魔王サタンを倒すんだ!
この雷魔法が自分の魔法って知ってからずっと決めてた。これが神様からのメッセージなのかなーと、思って!!」
セクアナの方をチラチラと見たが、聞いていなかったようだ。
「私も同じ。この世界をもっと良くしたい!」
その事を告げるとホノカとカナメは寂しそうにしていた。
「じゃあ、あと二年でお別れだね」
「寂しいよー! ずっとみんなでいられると思ったのに」
「まぁ、いつか帰ってくるから、その時に歓迎してよ!」
「約束だよ」
僕の言葉に二人は小さな笑みを向けた。
みんなでいつか大人になってから必ず会うと、約束した。
今日も学校が終わった。
みんなと一緒に帰ろうと思ったが、セクアナ達の姿がない。
そう思えばさっきは個別になって森を探索する授業だったな。
もしかして森の中で迷ってるのかな?
僕じゃないんだからそんなことはないか。
しばらく学校の中を探したが見つからない。
しょうがないと思い、一人で帰ろうとした瞬間、後ろから誰かに呼ばれた。
「トモヤ、トモヤ大変! はぁはぁ……」
息を荒くしてセクアナが猛スピードで走ってきた。
「はぁはぁ……はっ、速く、はぁはぁ……行って……カナメとホノカを助けて……はぁはぁ」
急なこともあり、自分の頭は追いつかない。
ただ、今までにないほどセクアナは焦っていた。
その様子から二人に何か危険が迫っていると悟った。
「どこ、どこに行けばいいの?」
「まだ走れるから着いてきて! 二人がカールたちに酷い目に合わされていたの……私は『悪魔を呼んで来い』って言われて……
私、カナメ達が傷ついてるのを見ていたら何もできなくて……」
セクアナは体と声が震えていた。
「そんなこと悔やんでもしょうがないから早く教えて!」
「うん、着いてきて」
僕は全速力で走るセクアナについて行った。学校からすこし離れた広場。
まだ帰る途中の子ども達が遊んでいた。
その奥には堂々とカールと三人の取り巻きが立っている。
カナメとホノカは無事かと周りを見渡すと……それは飛び込んできた。
「……なっ」
服がボロボロになっているとともに赤い滴が垂れていた……
生えた大きな木のもとに2人は寝かされていた。
ぴくりとも動かない。
体には刃物のような物で斬られたのか切り傷でいっぱいだ。顔は殴られたのかカナメの目は赤くなり、頬は腫れていた。
女であるホノカには顔の右頬を刃物で切られていて一生消えない傷ができていた。
カール達にされた拷問がどれだけ酷かったかわかる。
「俺がこれからずっとおとなしくしていると思ったか悪魔! お前が一番、嫌がるであろう事をやってやったぞ!
どうだ今の気分は? ハッハハハ!
見てみろよこいつらの情けない顔!」
足で蹴ってゴミのように扱う。
衝撃が強過ぎて頭がフリーズする。
僕が固まっていると、次は取り巻き達がセクアナを標的にし始めた。
「そこの姉ちゃん、可愛いじゃあねえか。ちょっと来いよ」
「カール様、ちょっとこの女も好きにしてもいいのですかい?」
「ああ、そんなやつ好きにしろ、俺はこいつの反応で十分だ!」
「ちょっと、離してください!」
2人がかりでセクアナの両腕をつかんでいた。
「おお、いいじゃねえかその叫び声。気の強い女は嫌いじゃないぜ」
セクアナも全速力で走ったから、体力があまり残っていなく、強い抵抗ができなかった。
「おい、こいつ、しつこいからすこし静かにさせろ!」
パチン!
「あっ!」
男のビンタでセクアナは倒れ込んだ。
筋肉のある奴が叩いたので、一発で体が動かない状態になった。
「これですこしは静かになったな。これから俺たちといいことしような」
不気味な笑顔を見せながらセクアナに近づいていく。
「や・め・ろ ……何やってんだ!!」
僕の叫び声にカールは笑っていた。
「もっと、もっとお前の情けない声を聞かせろ!」
「ウォーター・ボール」
小さくセクアナが言うと、バスケットボールくらいの水弾が出てきて取り巻き達を襲った。
「うぁっ!」
「くそって、痛え」
「服がこいつによって泥塗れた」
最後のセクアナの抵抗も虚しく終わる。
と、同時に彼らの目つきが変わった。
もう遊びはやめ、今にも殴りかかるような冷酷な目。
「おい、なに先輩に向かって魔法をぶつけているんだ?」
「そうだ、この潔癖の僕を泥まみれにしたんだぞ! それ相応の罰を与えないと」
「こいつにも、あの女と同じように一生消えない傷を顔につけてやろうぜ!
ヒッヒヒヒ」
酷い仕打ちをされそうな後ろでは、
「ああ、見ろよ。悪魔と一緒に生活していたからあんな目にあっているぜ」
「まぁ、当然の罰だな」
「あいつら殺されかけてやんの。本当馬鹿だよな」
「貴族様に逆らうから、あんなことになるんだよ」
周りで見ていた他の生徒がそう言っていた。
なんなんだ……これは……
悪魔は僕なんかじゃない……
悪魔はここにいる奴ら全てだ!
人が近くで叫び声を上げながら刃物で顔や体を切られているのに、何も感じない。怖れることもなく、痛めつけられるのが当然だと思っている。
貴族や一つ上の奴らも少し地位が高いから利用して、僕を貶めるために平気で人を傷つける。
ありえない。
もう周りの奴らが真っ黒の影にしか見えない。
全ての奴らが僕を憎しみ、恨みを持ち、それを僕だけでなく友達にまで向けてくる。
許せない、ふざけるな!
怒り、恨み、憎悪、妬み……
ドス黒い感情が体の中を侵食してくる。
許さない、許さない、許さない!
………殺してやる………殺してやる!
頭の中が真っ白になった。まるで何かにとりつかれたように。
「ああああああああぁぁぁぁぁ!!!」
広場全体に青い閃光が走る。
地面はひび割れ、轟音と共に全てを飲み込む。
ドカドカッ、ガッシャン!!
気がつくと周りにいた奴らは大半が倒れていて、カールは腰を抜かして怯えていた。
取り巻きの三人はセクアナの前でまるこげで倒れている……
僕はやってしまった……
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絶望でしばらく立つことができなかった。
ああ、終わってしまったな………
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