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魔法騎士団試験
決勝戦
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朝に目覚めた時、サナとマネトの姿はもうなかった。僕より早く目を覚ましてもうルーディニア・コロシアムにいると思う。
僕たちも起こして欲しかった。
それとも一人になりたかったのかな・・・
まぁ、それぞれ気持ちを落ち着かせているんだろう。
そういうのは人それぞれだからな。
背伸びをしたあと、気持ちよさそうに寝ているセクアナの肩を揺らした。
目が開くと何かゴニョゴニョと言いながらだったが起きてくれた。
意識がまだ僕もあやふやだったが、少し時間が経って、屋根の上にいることを自覚する。
最近はふかふかのベッドで寝ていたから硬い屋根で寝たら少し体の節々が痛かった。
疲れも宿で寝たほうが取れただろう。
それでも昨日の晩の出来事はとても楽しかった。
星の話をしたり、運命的に二度も出会ったり。
試合前にすごく自信がついた。
しっかりとセクアナが目が覚めたら、宿へ戻った。
戦いにはスタミナが必要だ。
決勝戦前にたくさん食べて力をつけないと。
腹が減っては戦はできぬってね。
お腹いっぱい朝食を食べてコロシアムへ向かった。
入場門にはたくさんの人で賑わっている。
最終日ということで今まで以上に人が来て、コロシアムの中へ入る。
今日は会場に全員が入れないほどの人がいる。
だから朝早くに行動していた僕とセクアナでも、人が混雑しているところを抜けないと、コロシアムの中に入れなかった。
早くから準備して場所取りをしているんだろう。
どこかの花見みたいだ。
中に入り、一番初めに出会ったのはサナだった。魔法で剣を出して端の方で素振りをしていた。
汗を流している姿は真面目でとても輝いていた。
「おはよう!」
「おはよう」
「お! 二人ともおはよう!」
挨拶によって惣菜に気がつくと魔法を解いて魔法剣がチリとなって消えた。
サナの声は透き通っていて、いつもの口調だった。僕が思っていた以上に落ち着いて、緊張自体していないように見えた。
「朝から素振りなんて偉いね。また剣術を教えてよ!」
「うん、いいぞ。無事魔法騎士になれたらな」
「そうだね」
一応、僕の戦い方は魔法剣士みたいな感じだ。
僕が出会った中で一番剣について詳しいのはサナだから強くなるためにもいろいろ技術を教えてもらえるのは幸運なことだ。
できれば今簡単にできる技でも教えてもらいたい。
彼と戦うための一つの作戦として・・・
こんな甘い考えでいるが、剣とはそんな簡単なものではない。
独学でセクアナと修行して学んだことだ。
今はサナの技を目で見て、覚えるくらいしかできない。
「サナさん、そんな端でやらなくてもいいんじゃないかな? もうここらへんにいる人数も減ったし」
セクアナの一言を聞いて人がいなくなっていることに気づく。
始まりは千人くらいの受験者がいたが、今は六十人くらいしかいない。
人がまばらにしかいなくて寂しくなったものだ。
「そうだな、やはり人が少なくなったな・・・」
もう脱落していった人たちを哀れむように暗くなる。
僕も一歩間違えればそうなってたんだ。今ここに残っていることに感謝しないと。
「今日は勝たないとな。私が一番になったら一瞬で終わらして、みんなの緊張をほぐしてやるから安心しろ! そのためにも私はもう少し素振りをする」
努力家で心の強いサナはもう一度鋭い目をして魔法剣を出して素振りを始めた。
長い髪を大きく揺らしながら振る。
やはり、彼女の額や手から出る汗は輝いていた。
「そう思えば、マネトさんはどこにいったの? さっきから見てないけど・・・」
「ああ、マネトならそっちの角でうろうろ歩いていたぞ」
素振りをしながらサナは答えてくれた。
「ふーん、マネトはうろうろしているのか。
もしかして前のセクアナみたいにやばい状況になってたり・・・」
「まさかね・・・」
「そうだよね、アハハ」
軽い冗談として言った。
だけどその予想は的中していた。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!」
どこか遠くの方で発狂するような声が聞こえた。
「ま、まさかね・・・」
「そ、そんなまさかね・・・」
声をたどるように聞こえた方に行くと、マネトが壁にしがみ付いていた。
大泣きしながら首をブンブンと振っていた。
「ええ・・・」
初めて出会ったときと同じように泣いている。
とても大きな声だ。
周りには人がいなくて、迷惑はかけないからいいけど、マネトの精神がやばい。
肩を叩いてみるとすがり付いてきた。
「トモヤー、セクアナー、おで・・・ぐすん。貴族と戦いたくないよぉぉぉ!」
昨日から溜まっていた、恐怖心を全て吐き出しているようだった。
貴族が弱虫って言っていたのはこの姿をどこかで見ていたからかな。
まさか今日になってマネトがビビリだすとは思わなかった。
「今更どうしたの? 大丈夫だよマネトなら」
「嫌だよぉぉぉ!」
今では普通通りに闘えていたのに、なぜか貴族と戦うとなると怯えている。
傷ひとつつかないくらい余裕で戦えていたし。
昔何かトラウマでも貴族に植え付けられたとか・・・まさかね。
「どうして貴族に怯えているの?」
「今まで戦った人たちは前方にしか攻撃しなかったけど、貴族の魔力量、すごいじゃん。全方位攻撃とかされたらいくら僕でも避け切れないよ~ それに攻撃当たったら痛いじゃん! 痛いの嫌だぁぁぁ!」
こうなったら僕はどうにもできず頭を抱えてしまう。
「三人ともどうした。近くから叫び声が聞こえたが、マネトの声か?」
「あ、サナさん・・・ そうなんだけどマネトさんのこの状態、どうしたらいいかな・・・」
素振りを終えたのか、声を聞いてサナが来てくれた。
サナか・・・
お、あの緊張のほぐし方とかいんじゃないか?
「よし、サナ! マネトに緊張のほぐし方をやって!」
「分かった!」
「嫌だよぉぉぉ! それ痛いじゃん、絶対! さっき言ったよね痛いの嫌だって!」
マネトは全力で拒んだ。
まぁ無理にやっても意味ないしな。
思考が停止してしまう。
このままだとマネトが試合をせずに負けてしまうかもしれない。
「マネトに勝って欲しいな。魔法騎士になって、合格賞金を使って四人で祝杯をあげたかったが・・・」
「賞金・・・」
サナがため息まじりにいった言葉にマネトは反応した。
「どうした、マネト」
さっきまで泣いていたが、キョトンと目を丸くして固まっていた。
「おーい」
目の前を手で振ってみても反応がない。
口パクで何かを言い始め、次第に声が大きくなった。
「・・・・・・賞金・・・賞金・・賞金賞金
・・・お金・・お金、お金!」
元気、元気にはなった。
そうなのだが、サナの賞金という言葉を聞いて目が光出した。
その姿に全員が呆れてしまう・・・
「みんな! 俺、決勝戦に勝つよ! 賞金の・・・う、うん。魔法騎士になるために」
おやおや、今賞金のためにと言おうとしたんじゃないか。
やる気になってくれたことは嬉しいが、何故か気持ちが乗らない。
「お集まりの皆さん! とうとうこの日がやってきました。魔法騎士団試験最終日!
今日で魔法騎士になれる者が決まります。
楽しんでいきましょう!」
男性の大きな司会の声が響く。
そろそろ決勝戦が始まるらしい。
「あれだな。そろそろどの順番で試合をするかが発表されるな」
サナが喋ると同時に近くにある空間ウィンドウが光だす。
シャッフルするような画面になって今日の試合の順番が発表された。
全部で30試合をする。
最終日はいつも夜まで続くらしい。
それだけ勝負も激しいということだ。
20秒くらいシャッフルしたら止まった。
そして順番が決まった。
サナ12番、マネト17番、トモヤ23番、セクアナ24番。
サナはずっと願っていた通り、四人の中で一番初めに戦うことになった。
「よし、私がみんなの中で一番初めに戦う!
すぐに倒してみんなを安心させてやるからな。負けるなよ!」
「しょ、賞金・・・」
サナはとても張り切っていた。
マネトはといえばお金のことしか考えていない。
まぁ、もうすぐ戦いだ。
この四人全員で勝つ。
「じゃあ私は行ってくるよ」
試合を見ているとすぐにサナの番がきた。
手を振って足早に行く。
僕達を安心させるような大きな背中だった。
司会の合図とともにサナの決勝戦が始まった。
でも決着はすぐについた。
ずっと僕達に話していた通り、サナは一撃で勝負を終わらせたのだ。
その出来事に会場のほとんどの人が固まっていた。
決勝戦とはこんなにも呆気ないものなのかと思ってしまう。
すごい人と僕は友達なんだなと思う。
貴族相手に一瞬で、間合いを詰めて一撃。
間合いを詰めるまでのスピードがとても速かったから貴族は何もできず、なすすべなく終わった。
それによって僕達の決勝戦に対する不安が吹き飛んだ。
とても安心してしまう。
なによりもサナは決勝戦に勝った。
無事、魔法騎士になれた。
おめでとう!
僕達の元へ帰ってきたとき、彼女は清々しい顔をしていた。
「私は勝ったぞ! あとは頑張れ!」
その自信に溢れた言葉にみんなの士気が上がる。
「サナ、おめでとう!」
この時、セクアナはさん付けをやめて始めて呼び捨てで読んだ。
友情の証のように。
「やっと読んでくれたな。私、なんだか距離があって寂しかったぞ」
「フフフ、ごめんね!」
「謝るよりも、無事セクアナも魔法騎士になってくれ」
「絶対、私も勝つよ」
楽しく話していたら、変な気配を感じた。
「ふふっ、ふふふ、賞金、お金・・・・」
次戦うのはマネト。
雰囲気がいつもと違ってへんな感じだが、やる気はあるようだ。
ずっと、お金お金って言うので、変な呪文を唱えているようだ。
しかもなんか黒いオーラが体を纏っている気がする・・・
「頑張れよ、マネト」
「お金お金お金・・・」
とうとう賞金からお金になってしまった。
マネトは闘技場に現れた。
握手の時に何か相手の貴族は悪口を言っていたようだが、マネトはお金のことしか考えてえていないようで、無視しているように見えた。
「第17回戦・・・始め!」
「閃光・・・」
ドカッ!
「うぐっ・・・・」
貴族のお腹にパンチをされてすぐに倒れ込んだ。
これまた一瞬で勝負が決まった。
本当にこれは決勝戦なのでしょうか・・・
そう思わせるような戦いだった。
この戦いでマネトは初めて前に踏み込んだのだ。
今までは「痛いのが嫌だ」とか「怖い」という感情があったせいでいけなかったが、今はお金のことしか考えておらず、無駄な感情がなくなったからできたのだろう。
ものすごいスピードに速攻で攻撃というのはここまですごいのかと思う。
貴族も魔法で少しは防御力をあげていたと思う。でも光の速度で殴られれば、威力もあり一撃だった。
マネトも無事試験に合格した。
よかったね! 賞金がもらえて。
「よかったねマネト」
「お金お金お金・・・」
まだお金とずっと言っていた。
やっぱりお金が大好きなのだと思う。
何に使おうとしているのかはわからないけど。
次は僕の番だ。
とうとう彼と戦う。
この二人のようにあっさりと勝てるといんだけどな・・・
僕たちも起こして欲しかった。
それとも一人になりたかったのかな・・・
まぁ、それぞれ気持ちを落ち着かせているんだろう。
そういうのは人それぞれだからな。
背伸びをしたあと、気持ちよさそうに寝ているセクアナの肩を揺らした。
目が開くと何かゴニョゴニョと言いながらだったが起きてくれた。
意識がまだ僕もあやふやだったが、少し時間が経って、屋根の上にいることを自覚する。
最近はふかふかのベッドで寝ていたから硬い屋根で寝たら少し体の節々が痛かった。
疲れも宿で寝たほうが取れただろう。
それでも昨日の晩の出来事はとても楽しかった。
星の話をしたり、運命的に二度も出会ったり。
試合前にすごく自信がついた。
しっかりとセクアナが目が覚めたら、宿へ戻った。
戦いにはスタミナが必要だ。
決勝戦前にたくさん食べて力をつけないと。
腹が減っては戦はできぬってね。
お腹いっぱい朝食を食べてコロシアムへ向かった。
入場門にはたくさんの人で賑わっている。
最終日ということで今まで以上に人が来て、コロシアムの中へ入る。
今日は会場に全員が入れないほどの人がいる。
だから朝早くに行動していた僕とセクアナでも、人が混雑しているところを抜けないと、コロシアムの中に入れなかった。
早くから準備して場所取りをしているんだろう。
どこかの花見みたいだ。
中に入り、一番初めに出会ったのはサナだった。魔法で剣を出して端の方で素振りをしていた。
汗を流している姿は真面目でとても輝いていた。
「おはよう!」
「おはよう」
「お! 二人ともおはよう!」
挨拶によって惣菜に気がつくと魔法を解いて魔法剣がチリとなって消えた。
サナの声は透き通っていて、いつもの口調だった。僕が思っていた以上に落ち着いて、緊張自体していないように見えた。
「朝から素振りなんて偉いね。また剣術を教えてよ!」
「うん、いいぞ。無事魔法騎士になれたらな」
「そうだね」
一応、僕の戦い方は魔法剣士みたいな感じだ。
僕が出会った中で一番剣について詳しいのはサナだから強くなるためにもいろいろ技術を教えてもらえるのは幸運なことだ。
できれば今簡単にできる技でも教えてもらいたい。
彼と戦うための一つの作戦として・・・
こんな甘い考えでいるが、剣とはそんな簡単なものではない。
独学でセクアナと修行して学んだことだ。
今はサナの技を目で見て、覚えるくらいしかできない。
「サナさん、そんな端でやらなくてもいいんじゃないかな? もうここらへんにいる人数も減ったし」
セクアナの一言を聞いて人がいなくなっていることに気づく。
始まりは千人くらいの受験者がいたが、今は六十人くらいしかいない。
人がまばらにしかいなくて寂しくなったものだ。
「そうだな、やはり人が少なくなったな・・・」
もう脱落していった人たちを哀れむように暗くなる。
僕も一歩間違えればそうなってたんだ。今ここに残っていることに感謝しないと。
「今日は勝たないとな。私が一番になったら一瞬で終わらして、みんなの緊張をほぐしてやるから安心しろ! そのためにも私はもう少し素振りをする」
努力家で心の強いサナはもう一度鋭い目をして魔法剣を出して素振りを始めた。
長い髪を大きく揺らしながら振る。
やはり、彼女の額や手から出る汗は輝いていた。
「そう思えば、マネトさんはどこにいったの? さっきから見てないけど・・・」
「ああ、マネトならそっちの角でうろうろ歩いていたぞ」
素振りをしながらサナは答えてくれた。
「ふーん、マネトはうろうろしているのか。
もしかして前のセクアナみたいにやばい状況になってたり・・・」
「まさかね・・・」
「そうだよね、アハハ」
軽い冗談として言った。
だけどその予想は的中していた。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!」
どこか遠くの方で発狂するような声が聞こえた。
「ま、まさかね・・・」
「そ、そんなまさかね・・・」
声をたどるように聞こえた方に行くと、マネトが壁にしがみ付いていた。
大泣きしながら首をブンブンと振っていた。
「ええ・・・」
初めて出会ったときと同じように泣いている。
とても大きな声だ。
周りには人がいなくて、迷惑はかけないからいいけど、マネトの精神がやばい。
肩を叩いてみるとすがり付いてきた。
「トモヤー、セクアナー、おで・・・ぐすん。貴族と戦いたくないよぉぉぉ!」
昨日から溜まっていた、恐怖心を全て吐き出しているようだった。
貴族が弱虫って言っていたのはこの姿をどこかで見ていたからかな。
まさか今日になってマネトがビビリだすとは思わなかった。
「今更どうしたの? 大丈夫だよマネトなら」
「嫌だよぉぉぉ!」
今では普通通りに闘えていたのに、なぜか貴族と戦うとなると怯えている。
傷ひとつつかないくらい余裕で戦えていたし。
昔何かトラウマでも貴族に植え付けられたとか・・・まさかね。
「どうして貴族に怯えているの?」
「今まで戦った人たちは前方にしか攻撃しなかったけど、貴族の魔力量、すごいじゃん。全方位攻撃とかされたらいくら僕でも避け切れないよ~ それに攻撃当たったら痛いじゃん! 痛いの嫌だぁぁぁ!」
こうなったら僕はどうにもできず頭を抱えてしまう。
「三人ともどうした。近くから叫び声が聞こえたが、マネトの声か?」
「あ、サナさん・・・ そうなんだけどマネトさんのこの状態、どうしたらいいかな・・・」
素振りを終えたのか、声を聞いてサナが来てくれた。
サナか・・・
お、あの緊張のほぐし方とかいんじゃないか?
「よし、サナ! マネトに緊張のほぐし方をやって!」
「分かった!」
「嫌だよぉぉぉ! それ痛いじゃん、絶対! さっき言ったよね痛いの嫌だって!」
マネトは全力で拒んだ。
まぁ無理にやっても意味ないしな。
思考が停止してしまう。
このままだとマネトが試合をせずに負けてしまうかもしれない。
「マネトに勝って欲しいな。魔法騎士になって、合格賞金を使って四人で祝杯をあげたかったが・・・」
「賞金・・・」
サナがため息まじりにいった言葉にマネトは反応した。
「どうした、マネト」
さっきまで泣いていたが、キョトンと目を丸くして固まっていた。
「おーい」
目の前を手で振ってみても反応がない。
口パクで何かを言い始め、次第に声が大きくなった。
「・・・・・・賞金・・・賞金・・賞金賞金
・・・お金・・お金、お金!」
元気、元気にはなった。
そうなのだが、サナの賞金という言葉を聞いて目が光出した。
その姿に全員が呆れてしまう・・・
「みんな! 俺、決勝戦に勝つよ! 賞金の・・・う、うん。魔法騎士になるために」
おやおや、今賞金のためにと言おうとしたんじゃないか。
やる気になってくれたことは嬉しいが、何故か気持ちが乗らない。
「お集まりの皆さん! とうとうこの日がやってきました。魔法騎士団試験最終日!
今日で魔法騎士になれる者が決まります。
楽しんでいきましょう!」
男性の大きな司会の声が響く。
そろそろ決勝戦が始まるらしい。
「あれだな。そろそろどの順番で試合をするかが発表されるな」
サナが喋ると同時に近くにある空間ウィンドウが光だす。
シャッフルするような画面になって今日の試合の順番が発表された。
全部で30試合をする。
最終日はいつも夜まで続くらしい。
それだけ勝負も激しいということだ。
20秒くらいシャッフルしたら止まった。
そして順番が決まった。
サナ12番、マネト17番、トモヤ23番、セクアナ24番。
サナはずっと願っていた通り、四人の中で一番初めに戦うことになった。
「よし、私がみんなの中で一番初めに戦う!
すぐに倒してみんなを安心させてやるからな。負けるなよ!」
「しょ、賞金・・・」
サナはとても張り切っていた。
マネトはといえばお金のことしか考えていない。
まぁ、もうすぐ戦いだ。
この四人全員で勝つ。
「じゃあ私は行ってくるよ」
試合を見ているとすぐにサナの番がきた。
手を振って足早に行く。
僕達を安心させるような大きな背中だった。
司会の合図とともにサナの決勝戦が始まった。
でも決着はすぐについた。
ずっと僕達に話していた通り、サナは一撃で勝負を終わらせたのだ。
その出来事に会場のほとんどの人が固まっていた。
決勝戦とはこんなにも呆気ないものなのかと思ってしまう。
すごい人と僕は友達なんだなと思う。
貴族相手に一瞬で、間合いを詰めて一撃。
間合いを詰めるまでのスピードがとても速かったから貴族は何もできず、なすすべなく終わった。
それによって僕達の決勝戦に対する不安が吹き飛んだ。
とても安心してしまう。
なによりもサナは決勝戦に勝った。
無事、魔法騎士になれた。
おめでとう!
僕達の元へ帰ってきたとき、彼女は清々しい顔をしていた。
「私は勝ったぞ! あとは頑張れ!」
その自信に溢れた言葉にみんなの士気が上がる。
「サナ、おめでとう!」
この時、セクアナはさん付けをやめて始めて呼び捨てで読んだ。
友情の証のように。
「やっと読んでくれたな。私、なんだか距離があって寂しかったぞ」
「フフフ、ごめんね!」
「謝るよりも、無事セクアナも魔法騎士になってくれ」
「絶対、私も勝つよ」
楽しく話していたら、変な気配を感じた。
「ふふっ、ふふふ、賞金、お金・・・・」
次戦うのはマネト。
雰囲気がいつもと違ってへんな感じだが、やる気はあるようだ。
ずっと、お金お金って言うので、変な呪文を唱えているようだ。
しかもなんか黒いオーラが体を纏っている気がする・・・
「頑張れよ、マネト」
「お金お金お金・・・」
とうとう賞金からお金になってしまった。
マネトは闘技場に現れた。
握手の時に何か相手の貴族は悪口を言っていたようだが、マネトはお金のことしか考えてえていないようで、無視しているように見えた。
「第17回戦・・・始め!」
「閃光・・・」
ドカッ!
「うぐっ・・・・」
貴族のお腹にパンチをされてすぐに倒れ込んだ。
これまた一瞬で勝負が決まった。
本当にこれは決勝戦なのでしょうか・・・
そう思わせるような戦いだった。
この戦いでマネトは初めて前に踏み込んだのだ。
今までは「痛いのが嫌だ」とか「怖い」という感情があったせいでいけなかったが、今はお金のことしか考えておらず、無駄な感情がなくなったからできたのだろう。
ものすごいスピードに速攻で攻撃というのはここまですごいのかと思う。
貴族も魔法で少しは防御力をあげていたと思う。でも光の速度で殴られれば、威力もあり一撃だった。
マネトも無事試験に合格した。
よかったね! 賞金がもらえて。
「よかったねマネト」
「お金お金お金・・・」
まだお金とずっと言っていた。
やっぱりお金が大好きなのだと思う。
何に使おうとしているのかはわからないけど。
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