雷魔法が最弱の世界

ともとも

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魔法騎士団試験

参加メンバー

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魔法帝の無茶振りと言えるのか、観客のテンションに押されたせいなのかわからないが、再びこの会場で戦うようになったのである。

とは言ってもいきなりのことだったので、大会側の責任者が緊急会議を開き、話し合いの結果、このエキシビションマッチは自由参加になった。

今日は六大天や魔法帝など最強の人たちが揃っている。
だからこの特別試合で自分の魔法をアピールするというメリットはある。

でもその分、魔法騎士に合格した強者のものばかりがいるので、軽い怪我では済まないことや、負けて恥を晒すというデメリットもある。

僕は大会前、セイラさんに
「僕という存在を知らしめろ」
と勇気づけられたことや、負けても僕にとって損することは一つもないので参加するつもりだ。

もちろんすこし不安があるから、みんなと話してから考える予定だが。


そして魔法騎士になった者は今、コロシアム内の大きな広間に集められている。
皆それぞれが頭を抱えて悩んでいる最中だ。
僕たちも集まって相談した。

「みんな、エキシビジョンマッチに参加するの?」
セクアナが首を傾げながら聞く。

「参加・・・? するわけねぇじゃん・・・
あんな恐ろしい決闘をするなんで」
マネトは全身を震わせながら怯えていた。

「貴族ならまだしも、魔法騎士に選ばれた精鋭の人たちと一緒に戦うんだろ?
そんなの俺、怖すぎて戦えないよ~!
どんだけ痛めつけられるか・・・想像するだけでも、うう・・・震えが」
死んだ目をして膝を抱えて震えていた。

相手がだんだん、強くなるに連れてマネトの怯えるパラメータが上がっている。
そんな姿をすこし面白がりながらも見ていた。

「そっか、マネトは出ないんだね。
決勝戦を余裕で勝ててたから、もしかしたら出場するのかと思っていた」
「出ないよ。決勝は勝てば魔法騎士になれるでしょ。そしたら賞金がもらえるから頑張っただけだよ。
それに比べてエキシビジョンマッチは勝っても魔法帝と戦えるだけで、賞金ないじゃん。
もちろん賞金が出るなら参加するよ!
でもそんなご褒美もないんじゃね・・・」

お金をもらえないからか、地面に何かを書いて静かに縮こまっている。

「マネトは賞金があったら参加してたのか?」
サナが肘を組みながら聞くと、マネトは飛び起きて、
「当たり前じゃん! 俺はお金のために生きる男だからさ!」
自慢げに胸に手を置いて堂々と立ち上がった。

誇らしげな顔だが、こちらから見ていると、とてもかっこ悪い。
「うっ・・・そうなのか・・・」
それを聞いてサナは引き気味に後退りする。

「はぁー、そうか・・・たまにはマネトの男らしい姿を見たかったけどな・・・」
マネトのお金好きに落胆するのであった。

まぁ、賞金がない以上マネトが参加しないということは想像していた。
心強い仲間が一緒に戦ってくれないのは寂しいが、ここは脅威になるライバルと戦わなくて済むと考えた方がいいかな。
圧倒的光のスピードに恐れていた反面、一度でいいから戦ってみたいとも思っていたので胸がソワソワした。

それでもこれだけは言える。
もうちょっとマネトの魔法を見たかった。

このエキシビジョンマッチが終わるともうサナやマネトとはお別れだ。
それぞれ立派な魔法騎士になって別々に任務を遂行するだろう。
同じスピード系としてもっと観察しとけば良かったと後悔する。
今更となっては遅いが。

でもお別れの時くらいはあの「閃光」とか言う技をもう一度見してもらいたいものだ。

ぽけっとしていると、マネトが覗き込むようにまっすぐ見てきた。

「どうしたんだ? 拍子抜けな顔して。そんな顔してるってことはトモヤは参加するのか?」
どこか空気の読めないタイミングで話しかけてくる。でもそんなマネトだからこそ安心する。
これからも一緒に入れたらいいけどな・・・

気持ちを切り替えて、話し始める。
「うん、そうだね。ここは一つ最弱の雷魔法の底力っていうのを見してやるよ!」
「そっか、それはすごいや!
俺、トモヤが勝つのを楽しみにしてるよ」

マネトは無邪気な笑顔を見せる。

「いや、ちょっと待て!」
すこし二人でいい雰囲気だったところをサナに割り込まれた。
声に気合が入っていてどこか不機嫌な様子が伺える。

「マネト、なぜトモヤだけ応援しているのだ! 私もエキシビジョンマッチには参加するぞ!」
仁王立ちに腕組み。
威嚇しているような姿にマネトは肩を震わせていた。

僕たちは何日も一緒に過ごし親しくなったが、強い口調にビビってしまうマネトの癖ははまだ治らないようだ。

それよりもサナのエキシビジョンマッチ参加宣言だ。
自信に満ち溢れているし、いつもよりワクワクしているように見える。
それに魔法騎士になる理由では「真の強さを求めて」と言っていた。

決勝戦では相手を一撃で倒していた。
まだ強い人と闘えておらず、不完全燃焼なのかもしれない。
このエキシビジョンマッチでまだ見せていない魔法を使うに違いない。

もちろん、僕にとっては嬉しいことだった。
サナの戦法は接近戦だ。
剣の技術はとても素晴らしい。
威力や剣を振る速さなど彼女の戦いを見て、とても勉強になった。
今回の特別な試合で新たなことを学べるかもしれない。
本気のサナの戦いを見たことがないから、余計に期待が高まる。

しかし、こんなにも強い人と当たる可能性があるということも事実である。

正直、負ける気しかしないので不安だ。
でももし戦うことになったなら、友達という甘い考えを捨てて、全力でやり合いたい。


「そっか、サナも参加するんだね・・・」
「なっ、なぜそこは喜ばない!
私のことを応援してくれないのだぁぁぁ!」
すこし涙目になりながら落ち込む。

友達と思っていた人から裏切られたようにセクアナに泣きついていた。

「いや、そういうことじゃないよ。
ただトモヤとサナが戦うのはあんまり見たくないなって思って・・・
もしそれで仲が悪くなったらどうしよって」

「ふぇっ! な、なんだ! 
マネトはそんなことを心配していたのか!
ハッハハハ」
それを聞くと、さっきまで泣きついていたのはどこに行ったのか、とツッコミたいほど元気になっていた。

「マネト、お前は優しいな」
ふっ笑いながら、サナはマネトに近づいた。

「大丈夫だよ。私たちの中はそんな安っぽいものじゃない」
お姉さんのように肩をポンポンと優しく叩いた。
穏やかなサナをあまり見ることはなく、新鮮な光景だった。

「そう思えば、セクアナは参加するのか?」
肩をポンポンとしていたが、ぐるりと首を回転させてセクアナに聞き出した。
切り替えが早い人だ。

「ああ、えっと私は・・・」
気まずそうに下を向く。

「たぶん、参加しても勝てないからやめておこうかな・・・決勝戦でギリギリだったからすぐ負けそうで・・・ちょっとね」

ナンピとの試合を思い出したのか、覇気のない声をしていた。

トラウマになるのもわかる。
ギリギリで勝てたってのもあるが、殺されかけた場面もあったからな。

「私は観客席で応援しているよ!
だから二人とも頑張って!」
あの記憶に怯えていて笑顔が引きつっていた。

「それに私は回復魔法があるからね。二人が負傷した時、裏方として働く方が役に立ちそうだから!
あっ! でも無理しすぎてひどい怪我なんかしないでよね!」
「ああ、勝ってくるよ!」
「うん、僕も負けない!」

こうしてマネト、セクアナはエキシビジョンに参加しなかった。

僕、サナがお互いに気合を入れて戦いの場へと足を踏み入れる。
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