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入学式
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「行ってきます!」
僕は大きな声を出して家から出る。
空は雲ひとつない快晴。淡いピンクの桜の花びらが散る中、僕は高校の入学式へと足を運んでいく。新しい何かを始めるような春の香りがする。
高校はすぐ近くにあるので徒歩で着く。僕と同じ制服で登校する生徒がちらちらと横を歩いていく。
早めに家を出たから、この春の景色を味わいながらゆっくりと歩く。
住宅街を抜けると大きな橋を渡らないといけない。横幅は車がぎりぎり二台通れるくらいだ。長さは50メートルくらいでそこまでないが、高さが30から40メートルくらいある。
もし飛び降りたら死んでしまうかもしれない・・・・
この橋を渡るとすぐ学校なので人も多く集まってきた。
「おい、祐介おはよう!」
後ろから肩を組まれて明るい声が聞こえてきた。
「お、おう。おはよう翔ちゃん」
この人は西山翔太。
中学生の頃はサッカー部でエースと言われるほどうまかった。中学で知り合い、今はあだ名で呼び合える仲だ。
あまり友達がいなくて寂しく生活していた時に気さくに話しかけてくれて今もこうして仲良くしている。
「おはよう、祐介。なんか入学式って緊張するよね・・・・」
その後ろには石川優が翔ちゃんの背中に隠れるようにいた。
この人も中学で知り合った僕の大切な友達だ。
優は普通の人と比べるとぽっちゃり体型で、僕よりも運動神経は悪い。そして人見知りだ。それでも優には特技がある。
それはピアノだ。
小さい頃からやっているらしくて昔からたくさんの賞をとっている。すこし前に観にいったが、うますぎて唖然とした。いつも朗らかな感じで安心させてくれるが、ピアノを弾いている時はとても集中していて目も鋭くてなり、すこし怖い。このギャップが好きなところなんだよな。
二人とも結構すごい人達だから最近は横に並んで仲良くしていることに不安を感じている。
それでも気軽に接してくれるのは嬉しい。
たわいもない会話をしながら三人で学校へ行く。
学校へ着くとすぐに入学式の準備とクラス発表があった。
僕達が入学したのは普通科で2組あった。
嬉しいことに三人は同じクラスになっていた。
三人でラッキーなどと言いながら教室へ向かった。
この学校は全校生徒で千人を超える人数がいるので中は広かった。一応、他の一年生についていくと教室へ行けたからよかったけど早くこの学校に慣れないといけないと思った。
教室は緊張で静かなところや、大好きな友達がいてうるさく喜んでいる女子などいろいろいた。
僕のクラスはどちらかといえば静かなほうだった。
それでも知っている同士こそこそと数人集まって喋っている。
そんな中、ある少女だけが一人窓際の席で静かに本を読んでいる。
なぜだか知らないけど俺はその少女をじっと見つめていた。
「なんかこういう場所って緊張するな・・・」
「何言ってんだ。新しい友達ができるんだぜ。もっと明るく考えようぜ」
明るい翔ちゃんはいつもポジティブに考える。
「優はもっとシャキッとしろよな。お前のピアノはうまいんだから」
「う、うん・・・ でもこういうのはちょっと苦手で・・・」
「おーい、祐介。お前はこういうの得意か?」
「・・・・・・・」
「おーーーい!!」
「ん? ああ、俺か? まあ別に平気だ」
そう言って肘を机についた。
「お、おい。どうした祐介・・・・ お前が俺っていうなんて・・・・」
「・・・・ん? あれ、なんで僕肘なんかついてるんだ」
「祐介、どうしたの? なんか変だよ・・・・」
「あれ、僕なんか変なことしてた?」
「おいおい、何言ってんだよ。いきなり俺って言いだすし、肘を机につくし、なんか変だぞ」
「あっ、う、うん・・・アハハなんか変だね」
一瞬、意識が飛んだ気がした。気づくと机に肘をついていた。
なんかおかしいな・・・・
「へへへ、祐介も変なことする時があるんだな」
「フフフ、そうだね。珍しい姿が見れてなんか嬉しいぜ」
「う、うん・・・・」
キーーン、コーン
チャイムの音が鳴りそれぞれの席へ座った。
そのあと、先生が教室へ入ってきた。
軽くお話をされてから入学式をして、そして明日の予定や配布物を渡すと今日の学校が終わった。
「ふーーー、はあぁぁ!」
ずっと座っていたから、それを解消するために大きく両手をあげて背伸びした。
「ずっと座っているのもなんかしんどいよね」
「そうだね」
一緒に帰るために僕の元へ優がきていた。
「早く帰ろうか」
「うん、今日は緊張で疲れたから早く帰りたい」
「フフフ、僕も知らない人がたくさんいるところはすこし苦手だから疲れたよ。ってあれ? 翔ちゃんは?」
「ああ、うん。あれ・・・・」
優が指を差す方を見るとサッカー友達がもうできたのか楽しそうに話していた。
「アハハ、翔ちゃんはすごいよね。誰でも簡単に友達になれて」
「うん、羨ましいよね・・・・」
二人で話している姿を見つめて翔ちゃんのコニュニケーション能力に嫉妬する。
しばらくすると僕らに気づいたのか話を切り上げてこちらに来る。
「すまんすまん。つい話が盛り上がって忘れてた」
「本当、忘れないでよ」
「遅い」
嫉妬していたせいですこし言葉がキツくなっていた。
「おいおい、何怒ってんだよ。悪かったってかわりにまたジュース奢るよ」
本当、イケメンなこと言うな。
「せっかくだしどこか行かない? 入学祝いにさ!」
「おっ、いいな」
僕がそんな提案をして話し合いながら教室を出る。
「結局、どこ寄るんだ?」
「うーーん・・・・」
歩きながら僕達は考える。
「肉が食べたい・・・」
優がそんなことを言う。
「ハッハハ! そうか。じゃあ軽く飯でも食べるか」
「そうだね!」
「フフフ・・・・・」
あれ?
・・・・・なんか意識がなくなっていく。
何、何が起こってるんだ・・・・・
視界に白いモヤがかかったようになり、足を止める。
「おい、どうした?」
苦しそうな表情をしていたから、前を歩いていた二人も足を止めて僕の方に駆け寄ってくる。
「助・・けて・・・・」
意識がなくなり、あたりが真っ白になった。
僕は大きな声を出して家から出る。
空は雲ひとつない快晴。淡いピンクの桜の花びらが散る中、僕は高校の入学式へと足を運んでいく。新しい何かを始めるような春の香りがする。
高校はすぐ近くにあるので徒歩で着く。僕と同じ制服で登校する生徒がちらちらと横を歩いていく。
早めに家を出たから、この春の景色を味わいながらゆっくりと歩く。
住宅街を抜けると大きな橋を渡らないといけない。横幅は車がぎりぎり二台通れるくらいだ。長さは50メートルくらいでそこまでないが、高さが30から40メートルくらいある。
もし飛び降りたら死んでしまうかもしれない・・・・
この橋を渡るとすぐ学校なので人も多く集まってきた。
「おい、祐介おはよう!」
後ろから肩を組まれて明るい声が聞こえてきた。
「お、おう。おはよう翔ちゃん」
この人は西山翔太。
中学生の頃はサッカー部でエースと言われるほどうまかった。中学で知り合い、今はあだ名で呼び合える仲だ。
あまり友達がいなくて寂しく生活していた時に気さくに話しかけてくれて今もこうして仲良くしている。
「おはよう、祐介。なんか入学式って緊張するよね・・・・」
その後ろには石川優が翔ちゃんの背中に隠れるようにいた。
この人も中学で知り合った僕の大切な友達だ。
優は普通の人と比べるとぽっちゃり体型で、僕よりも運動神経は悪い。そして人見知りだ。それでも優には特技がある。
それはピアノだ。
小さい頃からやっているらしくて昔からたくさんの賞をとっている。すこし前に観にいったが、うますぎて唖然とした。いつも朗らかな感じで安心させてくれるが、ピアノを弾いている時はとても集中していて目も鋭くてなり、すこし怖い。このギャップが好きなところなんだよな。
二人とも結構すごい人達だから最近は横に並んで仲良くしていることに不安を感じている。
それでも気軽に接してくれるのは嬉しい。
たわいもない会話をしながら三人で学校へ行く。
学校へ着くとすぐに入学式の準備とクラス発表があった。
僕達が入学したのは普通科で2組あった。
嬉しいことに三人は同じクラスになっていた。
三人でラッキーなどと言いながら教室へ向かった。
この学校は全校生徒で千人を超える人数がいるので中は広かった。一応、他の一年生についていくと教室へ行けたからよかったけど早くこの学校に慣れないといけないと思った。
教室は緊張で静かなところや、大好きな友達がいてうるさく喜んでいる女子などいろいろいた。
僕のクラスはどちらかといえば静かなほうだった。
それでも知っている同士こそこそと数人集まって喋っている。
そんな中、ある少女だけが一人窓際の席で静かに本を読んでいる。
なぜだか知らないけど俺はその少女をじっと見つめていた。
「なんかこういう場所って緊張するな・・・」
「何言ってんだ。新しい友達ができるんだぜ。もっと明るく考えようぜ」
明るい翔ちゃんはいつもポジティブに考える。
「優はもっとシャキッとしろよな。お前のピアノはうまいんだから」
「う、うん・・・ でもこういうのはちょっと苦手で・・・」
「おーい、祐介。お前はこういうの得意か?」
「・・・・・・・」
「おーーーい!!」
「ん? ああ、俺か? まあ別に平気だ」
そう言って肘を机についた。
「お、おい。どうした祐介・・・・ お前が俺っていうなんて・・・・」
「・・・・ん? あれ、なんで僕肘なんかついてるんだ」
「祐介、どうしたの? なんか変だよ・・・・」
「あれ、僕なんか変なことしてた?」
「おいおい、何言ってんだよ。いきなり俺って言いだすし、肘を机につくし、なんか変だぞ」
「あっ、う、うん・・・アハハなんか変だね」
一瞬、意識が飛んだ気がした。気づくと机に肘をついていた。
なんかおかしいな・・・・
「へへへ、祐介も変なことする時があるんだな」
「フフフ、そうだね。珍しい姿が見れてなんか嬉しいぜ」
「う、うん・・・・」
キーーン、コーン
チャイムの音が鳴りそれぞれの席へ座った。
そのあと、先生が教室へ入ってきた。
軽くお話をされてから入学式をして、そして明日の予定や配布物を渡すと今日の学校が終わった。
「ふーーー、はあぁぁ!」
ずっと座っていたから、それを解消するために大きく両手をあげて背伸びした。
「ずっと座っているのもなんかしんどいよね」
「そうだね」
一緒に帰るために僕の元へ優がきていた。
「早く帰ろうか」
「うん、今日は緊張で疲れたから早く帰りたい」
「フフフ、僕も知らない人がたくさんいるところはすこし苦手だから疲れたよ。ってあれ? 翔ちゃんは?」
「ああ、うん。あれ・・・・」
優が指を差す方を見るとサッカー友達がもうできたのか楽しそうに話していた。
「アハハ、翔ちゃんはすごいよね。誰でも簡単に友達になれて」
「うん、羨ましいよね・・・・」
二人で話している姿を見つめて翔ちゃんのコニュニケーション能力に嫉妬する。
しばらくすると僕らに気づいたのか話を切り上げてこちらに来る。
「すまんすまん。つい話が盛り上がって忘れてた」
「本当、忘れないでよ」
「遅い」
嫉妬していたせいですこし言葉がキツくなっていた。
「おいおい、何怒ってんだよ。悪かったってかわりにまたジュース奢るよ」
本当、イケメンなこと言うな。
「せっかくだしどこか行かない? 入学祝いにさ!」
「おっ、いいな」
僕がそんな提案をして話し合いながら教室を出る。
「結局、どこ寄るんだ?」
「うーーん・・・・」
歩きながら僕達は考える。
「肉が食べたい・・・」
優がそんなことを言う。
「ハッハハ! そうか。じゃあ軽く飯でも食べるか」
「そうだね!」
「フフフ・・・・・」
あれ?
・・・・・なんか意識がなくなっていく。
何、何が起こってるんだ・・・・・
視界に白いモヤがかかったようになり、足を止める。
「おい、どうした?」
苦しそうな表情をしていたから、前を歩いていた二人も足を止めて僕の方に駆け寄ってくる。
「助・・けて・・・・」
意識がなくなり、あたりが真っ白になった。
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