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刑務所の1日編
消灯
夜21時5分前。
一般棟に全館アナウンスが入る。
『もうじき消灯の時間です。各自の房へ戻ってください。繰り返します。もうじき消灯の時間です。各自の房へ戻ってください』
それと同時に、廊下がにわかに騒がしくなった。囚人たちが大慌てで雑居房に戻っているのだ。
うちの連中は全員部屋にいて『これから一週間いかに4545号の搾乳特訓をするか』という議論を大真面目に交わしていたのだが――当事者である俺が恐怖するくらい白熱かつ切迫した議論を交わしていたのだが、このアナウンスが流れた瞬間に張りつめたいとがぷつんと切れた。
「――よし、話し合いはこんな感じでいいね。実践あるのみ。明日からみんなで頑張ろう」
部屋長のユウが両手をぱんと叩いて話を締めた。部屋員たちが「おうっ」と野太い声で応え、解散となる。
解散っていっても、みんなこの狭い雑居房にいるけれどな。自分のベッドにのっそりと戻ったり、部屋の片隅のトイレに行ったり、三々五々消灯の準備を始めた。
ちなみに、このトイレっていうのも地味な曲者だった。ウォッシュレット付きの洋式便器という刑務所らしからぬ贅沢仕様なのだが、壁が全部透明なのである。どうしてこんなラブホみたいな設計にしたのか……。
うちの部屋の場合は、ユウあたりがポイントを使って調達してきた布を張って最低限の目隠しをしてはいる。が、影絵みたいな感じになっていて、中で何をしているのかはよくわかってしまう。今トイレに入ったやつは、ウォッシュレットを使ってケツ穴を念入りに洗浄していた。
……うん、まあ、これから起こることを考えると、トイレを占有するくらい大目に見るとしよう。
そうこうしているうちに、部屋の壁にかかっている時計が21時を表示した。その瞬間、部屋の明かりが自動的に切れ、出入口にロックがかかった。これ以降、明日の朝までは部屋の電気はつかないし、扉も開かない。
雑居房は一瞬だけ完全な闇に包まれる……が、部屋員たちが各々所持しているテーブルランプやらナイトランプやらが灯り、部屋全体がぼうっと明るくなった。それと同時に、腸内洗浄が終わったらしく、トイレに入っていた奴がのそのそ出て来た。
「準備できた」
「うーい。じゃあ、こっち来いや」
薄暗がりの中で、囁き声に近い会話が交わされる。俺は欠伸をしながら、ようやく空いたトイレに向かった。
そこに、ユウが声をかけて来た。
「シコは今夜も参加しないの?」
「しねぇ。眠いし、気分じゃねえ」
「そっか。無理強いはしないけど、気が向いたら途中からでも参加してね。恥ずかしがることじゃないんだよ。ここじゃみんなやってることなんだから」
「おう」
ひらひらと手を振ってトイレに入る。あえてゆっくりと用を足して、数分ほど時間を潰す。この便座あったかくていいな。リーマンやってたころに住んでたアパートのトイレにはこういう機能がついてなかったな……。
なんて、昔のことに思いを馳せているうちに、共有スペースの方から押し殺した喘ぎ声と、ぐちゅぐちゅという水音が聞こえて来た。
雄っぱい刑務所名物、消灯後の和姦乱交である。
この刑務所では『無許可での』自慰行為は禁止されている。逆に言えば、自慰許可証なるものが存在する。身体が火照って生活に支障をきたすので自ら処理をする必要があると申請するのだ。そこから始まる数々の煩雑な手続きをクリアすれば、晴れてオナニーできるようになる。
多分、この申請を出している囚人は一人としていない。あの真面目な優等生のユウですら自慰許可証を持っていない。
では、ムラムラしたらどうするのか。答えは簡単。
自分でヌいちゃいけないのなら他の人にヌいてもらえばいじゃない。
暴論だ。どこかの王妃も真っ青だ。
でも、驚くべきことにこの刑務所ではこの理屈が通るらしい。無許可の自慰行為は減点対象だが、囚人同士でヌき合うのは黙認されているんだと。ヌき合いがエスカレートして乱交に発展しても大丈夫なんだと。
そんなわけで、消灯後はどこの部屋でも囚人同士の乱交が始まる。うちの部屋の場合、持ち回りで誰か一人を『抜き役』に決めてそいつにシゴいてもらうって形式をとっている。さっきトイレで腸内洗浄していたのが今日の抜き役だ。手コキだけじゃ時間がかかるからアナルも使って時間短縮を図るという魂胆だろう。
頃合いを見計らってトイレから出ると、今まさに抜き役が部屋員のペニスをお世話している真っ最中だった。素っ裸になって両手、アナル、口、全部使って部屋員に奉仕している。逆に、抜き役のチンコをしゃぶってあげている奴もいた。うちの部屋員は総じて協調性が高いのだ。
「はむっ♡ じゅぷ……」
「あっ……ソコ、いい。もっと頼む」
「良い子だね、上手だよ」
そんな淫靡な声を聞きながら、俺は自分のベッドに潜った。さっきは「気分じゃねえ」とスカしたが、ぶっちゃけ、部屋員とダイレクトにエロいことをするのが恥ずかしいのだ。
こんな刑務所にいたら顔見知りの媚態なんぞ飽きるほど見るはめになるし、セクハラじみた行為も日常茶飯事となるが、さすがに乱交となると話は別だ。俺はまだそこまで開き直れていない。
布団を頭までかぶって身体を丸める。押し殺した嬌声がどうしても耳に入り、なんだか妙な気持ちになってくる。思い切って乱交に参加しようかな……という考えが一瞬脳裏をよぎる。
いや、やめておこう。素数数えて入ればそのうちおさまってくるし。俺本当に疲れているし。
明日から、なんか自主特訓が始まるって話になってるし……。どうなるんだろうな、アレ。なんか、乱交なんか目じゃないくらい恥ずかしいことになる気がするんだが。でも、早く雄母乳出るようになりたいし……そういえば今日貰った卑猥なスポブラ、マジで着なきゃだめなのかな……。
色々なことをつらつら考えているうちに瞼が重くなってきた。意識がゆったりと眠りの領域へ落ちていく。
こうして、俺の一日は終わった。……明日からの生活が、ちょっと怖い。
一般棟に全館アナウンスが入る。
『もうじき消灯の時間です。各自の房へ戻ってください。繰り返します。もうじき消灯の時間です。各自の房へ戻ってください』
それと同時に、廊下がにわかに騒がしくなった。囚人たちが大慌てで雑居房に戻っているのだ。
うちの連中は全員部屋にいて『これから一週間いかに4545号の搾乳特訓をするか』という議論を大真面目に交わしていたのだが――当事者である俺が恐怖するくらい白熱かつ切迫した議論を交わしていたのだが、このアナウンスが流れた瞬間に張りつめたいとがぷつんと切れた。
「――よし、話し合いはこんな感じでいいね。実践あるのみ。明日からみんなで頑張ろう」
部屋長のユウが両手をぱんと叩いて話を締めた。部屋員たちが「おうっ」と野太い声で応え、解散となる。
解散っていっても、みんなこの狭い雑居房にいるけれどな。自分のベッドにのっそりと戻ったり、部屋の片隅のトイレに行ったり、三々五々消灯の準備を始めた。
ちなみに、このトイレっていうのも地味な曲者だった。ウォッシュレット付きの洋式便器という刑務所らしからぬ贅沢仕様なのだが、壁が全部透明なのである。どうしてこんなラブホみたいな設計にしたのか……。
うちの部屋の場合は、ユウあたりがポイントを使って調達してきた布を張って最低限の目隠しをしてはいる。が、影絵みたいな感じになっていて、中で何をしているのかはよくわかってしまう。今トイレに入ったやつは、ウォッシュレットを使ってケツ穴を念入りに洗浄していた。
……うん、まあ、これから起こることを考えると、トイレを占有するくらい大目に見るとしよう。
そうこうしているうちに、部屋の壁にかかっている時計が21時を表示した。その瞬間、部屋の明かりが自動的に切れ、出入口にロックがかかった。これ以降、明日の朝までは部屋の電気はつかないし、扉も開かない。
雑居房は一瞬だけ完全な闇に包まれる……が、部屋員たちが各々所持しているテーブルランプやらナイトランプやらが灯り、部屋全体がぼうっと明るくなった。それと同時に、腸内洗浄が終わったらしく、トイレに入っていた奴がのそのそ出て来た。
「準備できた」
「うーい。じゃあ、こっち来いや」
薄暗がりの中で、囁き声に近い会話が交わされる。俺は欠伸をしながら、ようやく空いたトイレに向かった。
そこに、ユウが声をかけて来た。
「シコは今夜も参加しないの?」
「しねぇ。眠いし、気分じゃねえ」
「そっか。無理強いはしないけど、気が向いたら途中からでも参加してね。恥ずかしがることじゃないんだよ。ここじゃみんなやってることなんだから」
「おう」
ひらひらと手を振ってトイレに入る。あえてゆっくりと用を足して、数分ほど時間を潰す。この便座あったかくていいな。リーマンやってたころに住んでたアパートのトイレにはこういう機能がついてなかったな……。
なんて、昔のことに思いを馳せているうちに、共有スペースの方から押し殺した喘ぎ声と、ぐちゅぐちゅという水音が聞こえて来た。
雄っぱい刑務所名物、消灯後の和姦乱交である。
この刑務所では『無許可での』自慰行為は禁止されている。逆に言えば、自慰許可証なるものが存在する。身体が火照って生活に支障をきたすので自ら処理をする必要があると申請するのだ。そこから始まる数々の煩雑な手続きをクリアすれば、晴れてオナニーできるようになる。
多分、この申請を出している囚人は一人としていない。あの真面目な優等生のユウですら自慰許可証を持っていない。
では、ムラムラしたらどうするのか。答えは簡単。
自分でヌいちゃいけないのなら他の人にヌいてもらえばいじゃない。
暴論だ。どこかの王妃も真っ青だ。
でも、驚くべきことにこの刑務所ではこの理屈が通るらしい。無許可の自慰行為は減点対象だが、囚人同士でヌき合うのは黙認されているんだと。ヌき合いがエスカレートして乱交に発展しても大丈夫なんだと。
そんなわけで、消灯後はどこの部屋でも囚人同士の乱交が始まる。うちの部屋の場合、持ち回りで誰か一人を『抜き役』に決めてそいつにシゴいてもらうって形式をとっている。さっきトイレで腸内洗浄していたのが今日の抜き役だ。手コキだけじゃ時間がかかるからアナルも使って時間短縮を図るという魂胆だろう。
頃合いを見計らってトイレから出ると、今まさに抜き役が部屋員のペニスをお世話している真っ最中だった。素っ裸になって両手、アナル、口、全部使って部屋員に奉仕している。逆に、抜き役のチンコをしゃぶってあげている奴もいた。うちの部屋員は総じて協調性が高いのだ。
「はむっ♡ じゅぷ……」
「あっ……ソコ、いい。もっと頼む」
「良い子だね、上手だよ」
そんな淫靡な声を聞きながら、俺は自分のベッドに潜った。さっきは「気分じゃねえ」とスカしたが、ぶっちゃけ、部屋員とダイレクトにエロいことをするのが恥ずかしいのだ。
こんな刑務所にいたら顔見知りの媚態なんぞ飽きるほど見るはめになるし、セクハラじみた行為も日常茶飯事となるが、さすがに乱交となると話は別だ。俺はまだそこまで開き直れていない。
布団を頭までかぶって身体を丸める。押し殺した嬌声がどうしても耳に入り、なんだか妙な気持ちになってくる。思い切って乱交に参加しようかな……という考えが一瞬脳裏をよぎる。
いや、やめておこう。素数数えて入ればそのうちおさまってくるし。俺本当に疲れているし。
明日から、なんか自主特訓が始まるって話になってるし……。どうなるんだろうな、アレ。なんか、乱交なんか目じゃないくらい恥ずかしいことになる気がするんだが。でも、早く雄母乳出るようになりたいし……そういえば今日貰った卑猥なスポブラ、マジで着なきゃだめなのかな……。
色々なことをつらつら考えているうちに瞼が重くなってきた。意識がゆったりと眠りの領域へ落ちていく。
こうして、俺の一日は終わった。……明日からの生活が、ちょっと怖い。
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